韓国で初めて、日本植民地時代の慰安婦の話を扱った独立映画がつくられる。
韓国の独立映画製作社「アジア・ホーム・エンターテイメント」は、韓中合作の独立映画『ソリクプスェ』(音叉)を企画し、先ごろ慶尚南道・密陽(ミリャン)で撮影に入った。撮影は密陽とソウル、中国を中心に行われるが、作品全体の70%ほどが密陽で撮影され密陽が主な舞台となる。密陽出身の元慰安婦パク・オクソンさん(90)の人生をモチーフにした作品だ。映画は今年8月15日の公開を目標にしている。
映画は、植民地時代に中国に連行され青春時代から人生の大半を中国で過ごすことになったクィイム(役名)と、中国から韓国へ留学したクィイムの唯一の肉親である孫のヒャンオク(役名)を中心にした話だ。
クィイム役には中国・朝鮮族の俳優としては中国政府から初めて「国家1級俳優」の称号をもらったイ・オッキさんが、ヒャンオク役には韓国の有名女優ジョアンさんがボランティアで出演する。監督は、俳優の故チュ・ソンウンさんの息子で、女優チュ・サンミさんの兄であるチュ・サンロクさん。
制作を担当する「アジア・ホーム・エンターテイメント」のキム・ウォンドン代表は「20年以上、水曜集会などを続けているのにいまだに慰安婦問題が解決しない中、私たちにできるのは文化運動によってこの問題を国際社会に知らせることだと判断し、映画をつくることにした。製作費は韓国コンテンツ振興院の支援金や、俳優・スタッフのボランティア、一般人の後援などでまかない、映画の収益金は慰安婦問題解決のために全額寄付する予定だ」と話す。
*写真は密陽での撮影の様子。小さい写真は、孫娘ヒャンオク役を演じる女優ジョアンさん(右)。密陽市提供