プロ野球9球団の観客動員数が増加 “いびつな人気”から観戦スポーツ本来の姿へ
ダイヤモンド・オンライン 10月14日(火)8時0分配信
参考までに、プロ野球人気が絶頂にあった頃の観客動員数を見てみよう。前述した通り、昔の観客動員数はどんぶり勘定で当てにはならないが、一応の目安にはなる。絶頂期といえば巨人に長嶋茂雄、王貞治の2大スターがいて、V9を達成するなど圧倒的強さを見せていた1960年代から70年代にかけて。なかでも長嶋が首位打者、王が本塁打、打点の2冠に輝いた1966年を見てみると、セ・リーグの年間観客動員数は約611万人、パ・リーグは約271万人。今よりはるかに少ないのは球場のキャパシティの問題もあるだろうが、やはり巨人戦以外は観客が入らなかったのだ。
つまり当時はプロ野球人気というより巨人人気。毎晩のように巨人戦が中継され、しかもスター揃いで勝ちまくる。全国どこへ行っても巨人ファンが大半だった時代だ。考えてみれば、いびつな人気だったのだ。
もちろん今も観客動員数1位は巨人だ。ファンの数も一番多いに違いない。だが、昔と比べれば他球団とそう大きな差はなくなっている。とくに増加が目覚ましいのはパ・リーグ。1966年は巨人がいるセ・リーグにダブルスコア以上の差をつけられていたのに、今年は1000万人の大台に乗せ、今後も差を縮めそうな勢いがある。
各球団に地元を中心とした熱心なファンがいて、球場で熱烈応援をする。プロスポーツとしては、この形の方がむしろ正常だ。
今後はCSファイナルステージを経て日本シリーズが行われる。これらの試合が昔のような世間一般を巻き込んだ秋の一大イベントでなくなりつつあるのは一抹の寂しさを感じるが、プロ野球が本来あるべき観戦スポーツへと進化していることは確かである。
相沢光一
最終更新:10月14日(火)8時0分
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