プロ野球9球団の観客動員数が増加 “いびつな人気”から観戦スポーツ本来の姿へ
ダイヤモンド・オンライン 10月14日(火)8時0分配信
だが、2004年に起きた球界再編問題を契機に、古くから残る球界の曖昧な部分を正していこうということになり、実数発表を決定した。とはいうもののJリーグのように入場口で機械を使って厳密にカウントする方式ではなく、年間シート分は最初から計算に入っているらしい。だから正確な数字ではないが、実数に近くなったことは確かだ。
事実、“実数”が発表されるようになった2005年の観客動員数はセ・パともにガクンと落ちた。セは2004年が1377万人から約1162万人に、パは1068万人から825万人になった。200万人以上が一気に減ったのだ。これは球界再編でファンが離れたというより、それ以前の水増し発表が露わになったといっていい。
観客動員数は球団の人気のバロメーターであり、営業力も明確になる。その頃から各球団とも必死に営業努力をするようになり、年を追うごとに入場者数は増加。ここへきて、やっと実数発表以前の水増し数字レベルに近づいてきたわけだ。
● 「カープ女子」効果か 伸び率トップの広島は2割増
この球界全体の観客動員増に大きく貢献したのが広島である。昨年は約157万人だったのが、今年は190万人を超えた。34万人近く増えたのだ。前年比の伸び率はなんと21.7%。これは今話題の「カープ女子」をはじめとする若い層をファンに取り込んだことが大きいだろう。広島のチームカラーはご存じの通り赤。このカラーを利用した可愛らしい応援グッズを数多く用意したことで女性が球場に集まりだした。
試合では堂林翔太、菊池涼介、丸佳浩、大瀬良大地といった若くて活きのいい選手が活躍を見せる。チームも強くなり、優勝争いにも加わった。それでますます盛り上がる。女性が集まれば、若い男性も球場に足を運ぶようになる。そうした好循環があるのではないか。CSでは阪神に敗れたが、戦力を見れば来年以降も優勝争いに絡んできそうだし、この熱気はしばらく続くだろう。1970年代に赤ヘルブームが起きたが、今はそれとは異なるブーム。これからのプロ野球人気をけん引していくのは広島かもしれない。
最終更新:10月14日(火)8時0分
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