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スマフォ無双 ~VRMMO編~ 作者:上地流水

ユニークアイテムで成り上がれ その14

 

 俺は布瀬の望み通りホテルのダブルベットルームに宿泊した。

「わ~凄いベット!」

「個室にお風呂もある~!」

 はしゃぎ回る布瀬を眺めながめる。
 この部屋ではなかったと思うが同じタイプの部屋に佐々山と二度来ている。

「も~。もっと一緒に感動してよ」

「あ、すまん」

「でもカズキ君はきっとここに来てるんだもんね。
 このホテルがそういうことに使われるのは聞いてるから」

 ……もう驚かない。

「ごめん。つまんない事言っちゃったね」

「いや、風呂入るわ」


――


「ふ~」

 LOの湯船に使っても同じ言葉が出るもんなんだよな。

 復讐はほとんど終わった。結局、大変だったのは最初の高市だけで後は布瀬がやってしまったのだ。
 その結果に俺が得たものは、最強の武器デュランダル。
 倒した敵のスキルを5個まで奪えるスキルスロットⅤ。
 いくらでもアイテムを持ち運べる無限アイテムBOX。
 これに元々の俺のユニークアイテム、攻略サイトを見れるスマフォがあれば、俺はゲームでいうところのTOPランカーにもなれるのではないか。

 そして最後に得るだろう鑑定水晶。
 攻略サイトにも弱点はある。敵のステータスは掲載されていてもキャラクターのステータスは無い。
 しかし、鑑定水晶さえあればキャラクターのステータスも丸裸に出来る。
 それは対キャラクター戦においても事前に勝てるかどうか判別できると言っていい。
 まさにスマフォの弱点を補う能力なのだ。



 布瀬を殺して得る鑑定水晶は俺にとってそういうアイテムだった。



「ねえ?」

 布瀬が曇りガラスのドアから話しかけてくる。

「あ、な、なんだ?」

「い、一緒に入っていいよね?」

「ああ、うん」

 別に断る理由はない。
 布瀬が入ってくる。ユキノというその名の通り雪のように白く透き通った肌。
 顔は少しだけ上気して赤い。大きすぎない乳房。その胸ぐらいまでの黒髪。

「あんまり見られると恥ずかしいから……」

「あ、すまん」

 布瀬は体を流して湯船に俺と対面で入ろうとする。

「待てよ」

「え? 一緒に入っちゃダメ?」

「違う」

 俺は布瀬をくるりと回して俺を背もたれにするように座らせる。

「こっちのほうが密着できていいだろ?」

「う、うん……腰に変なのあたってるけど」

「ははは。悪い元気になっちゃって」

「ううん。いいよ。嬉しい」

 布瀬は首を捻ってキスをしてきた。俺も舌を絡めながら胸を揉む。
 少しづつ手を下にずらしていく。
 そして布瀬の秘所に触れたところで透明な壁に手の進行を邪魔して例の警告メッセージが表示された。

「忘れてた……本当にこのメッセージムカつくな」

「ね。本当にムカつく……」

「ぷっははははは」

「ふふふ」

 俺はまだ布瀬を憎んでいなかった時のように笑いあった。


――


 風呂から出た俺達は衣服も着ないでベット入る。
 布瀬の口や胸に貪った。

 俺達は疲れて横になっていた。
 吐き出せては居ないわけだが、裸で肌を重ねあうだけで快感とは違う心地良さと多幸感があった。

「カズキ君、二人でレベル10になったらしてくれるんだよね?」

「あ、うん。それなんだけど気をつければ川の向こうでもまだら模様のPK可能区域でも大丈夫なんじゃないかな?」

 境界ギリギリですれば、平気そうだった。
 そもそもこのLOのほうが慎重にならざるを得ない面もあるのだ。
 死んだらアカウント消失で済むゲームでは無いのだから。



 それになるべく早くしなければ布瀬を殺せなく成ってしまうかもしれない……。


 布瀬は俺の意図を読んでいるのかこんなことを言った。

「私は二人で狩りしたり話したりしながらレベル10になるまでの過程を楽しみたいな」

「けど……」

「私が協力して二人だけしか居ないんだからね。もう少しだけ楽しませてよ。ね?」

 布瀬が泣き笑いの顔を近づけられての懇願する。
 それを拒否することは俺にはできなかった。
 これは布瀬の戦いなのかも知れない。
 俺が心変わりをしたら負けという戦い。初戦は俺の敗退だった。
 明日から二人でレベル10を目指して狩りをすることにする。
 目をとじて眠ろうとする。裸の布瀬がそっと抱きついて来た。



――



 目を覚ますと布瀬が俺を覗きこんでいた。

「何してるんだよ?」

「おはよー。寝顔を見てたの。あっちのほうは十分見たから……」

 綺麗な指先の方向にはもう完全に起きている俺の分身がいた。
 布瀬の攻撃、俺は100のダメージを受けた。
 早くも気が変わりそうになるのを何とか堪える。

 バイキング形式の朝食をとって部屋に戻り狩りに行く準備をする。

「よし、じゃあ行こうぜ」

「ねね。その前にカズキ君と私でスマフォの自画撮りしない?」

「はあ? なんで?」

「もし私がLOで死んで居なくなっても……カズキ君が私の画像を見てくれたら嬉しいし……」

 クルティカルヒットだ。もう俺のHPはほとんど残っていない。
 二人の自画撮りを撮ってチェックアウトのためホテルのフロントに向かう。



「「あっ!」」



 ホテルのフロントには何と佐々山ミホが居て鉢合わせてしまったのだった。
この話から主人公VSヒロインの戦いが数話に渡り掲載します。
それを本日中に投稿しきってしまう予定です。つまり今日は本気です。
これで人気出ないとスマフォ無双VRMMO編は早めに終わらせてしまうかも……。徐々にPV数は上がっています。

なんとか続けたいと思っていますのでポイント評価やブクマでのご支援よろしくお願いします!
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