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PR 2014/8/1
米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、国民1人あたりの所得(国民総所得、GNI)で、韓国が4年後には日本やフランスを追い抜く公算が高いとの見方を示した。
ウォン高を背景とした企業の業績悪化やそれに伴う景気低迷などで、つい最近まで韓国経済は不安視されていたはずなのに、なぜという疑問も出てきそうだ。
米ムーディーズが2014年6月9日に公表したレポートによると、韓国は過去5年間、購買力平価調整後の国民1人あたり所得(GNIベース)が、対象の32か国の年平均経済成長率の中央値を上回る成長を遂げており、今後も成長が続く可能性が高いという。
ムーディーズは、韓国の国民1人あたり所得が2012年の3万1950ドルから、18年には3万8451ドルに急増すると予想。その一方で、日本は18年に3万7826ドル、フランスは3万7647ドルの増加にとどまる見込み。
韓国の朴槿恵大統領は2014年2月、「474政策」といわれる経済革新3か年計画を発表。2017年までに、「4%の潜在成長率」「70%の雇用率」「1人あたり4万ドルの国民所得」の達成を目指している。
ムーディーズは、景気低迷による家計の負債水準の高さといった韓国経済のリスクを指摘しながらも、「今後の4年間については、比較的力強い景気拡大が続き、成熟した先進国経済との生活水準の格差縮小が続くだろう」と予想した。
じつは、韓国経済については国際通貨基金(IMF)も同じような見通しを明らかにしている。IMFが4月8日に発表した「世界経済見通し(WEO)」によると、韓国の2014年の経済成長率は年3.7%、15年は年3.8%になると予想した。このときIMFは日本の経済成長率を、消費増税などによる景気の冷え込みを懸念し、年1.7%から年1.4%に引き下げている。
さらには、韓国は2017年に購買力平価調整後の国民1人あたりの所得で、日本を抜くと指摘。17年に、日本は4万2753ドルで世界183か国のうち25位と、2013年の24位から順位を下げる一方、韓国のそれは4万3141ドルで、13年の25位から22位に順位を3つ上げると予測している。
どうやら、停滞感が漂っているのは日本経済のほうで、韓国経済の先行きは明るいという見立てらしい。韓国経済に詳しい、あるシンクタンクのエコノミストは、「韓国経済が『通貨危機の再来』とか、『破たん寸前』のように言われることがありますが、それほど悪くないのは確かです。『474政策』への期待度がかなり高いとはいえますが、ムーディーズやIMFのほぼ見立てどおりといっていいと思いますよ」と話している。
韓国経済がよくなれば、日本製品も買ってもらう機会が増えるので、マイナスではない。とはいえ、韓国経済は最近のウォン高の影響や世界的な景気低迷で、お世辞にも「よい」とはいえない状況だったはずだ。
2013年末には、大手格付け会社のフィッチ・レーティングスが鉄鋼大手のポスコの信用格付けを、米ムーディーズも2014年2月にKTやLG電子、GSカルテックスの信用格付けを、収益力の低下などを理由に引き下げていた。
そんなに急激に回復するようなことがあるのだろうか――。
前出のエコノミストは、「これにはちょっとしたトリックというか、比べる基準が違うので結果も違ってくるということですね」と明かす。
たとえば、IMFの「世界経済見通し」では、購買力平価調整後の国民1人あたり所得とは別に、国民1人あたりのGDP(国内総生産)でも比べている。
IMFによると、韓国の1人あたりGDPは2012年に2万3680ドル、13年に2万5232ドル、14年に2万6992ドルと着実に伸び、16年に初の3万ドルを突破した後、17年には3万3032ドルに達する。
一方、17年の日本の1人あたりGDPは5万3762ドルと予測。まだまだ日本ほうが多い。
購買力平価調整後の国民1人あたり所得は、国内に加えて海外での所得も含んでいる。外需への依存度が高い韓国には優位な指標ということらしい。
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