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【ビジネス解読】
ジリ貧「サムスン」巨額半導体投資に市場は疑心暗鬼…強気“逆張り投資”の先は天国か地獄か
韓国サムスン電子の地盤沈下が止まらない。7日発表した2014年7~9月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期に比べて6割も下回り、これまで業績を牽引(けんいん)してきたスマートフォンの失速を鮮明にした。巻き返しに向け、かつての稼ぎ頭の半導体を再び柱にしようと、15兆6000億ウォン(約1兆6000億円)もの巨費を投じる新工場計画を6日に発表したが、市場からは早くも供給過剰の懸念が噴出。さらに「決算前に市場の不安感を取り除きたかっただけ。額面通りやるかはわからない」(業界関係者)との見方さえ広がる。韓国の有力紙、中央日報(電子版)は「天文学的な規模の投資計画を出したが、実際のところサムスン電子のムードはこれまでになかったほど暗い」と報じた。業績を反転させられるカードを見つけられない巨大グローバル企業、サムスン電子。市場からは「サムスンの全盛期は終わった」との声も出始めた。
スマホの利益 劇的に減少
7~9月期の連結営業利益は、4兆1000億ウォンと過去最高だった前年同期に比べて6割減。前年実績を下回るのは4四半期連続だ。13年の営業利益の約7割を占めていたスマホの競争力が急速に低下したことが大きい。
中央日報(電子版)によると、スマホを担当するITモバイル部門の営業利益は1兆ウォン台後半と推定され、6兆4300億ウォンを記録した1~3月期と比較すると3分の1に落ち込んだ。特定の製品の利益がこれだけ短期間に劇的に減少したケースは世界でも珍しいという。