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アメリカで蔓延している「EV-D68」とはどんなウイルスか

アメリカで広まりつつあるこのウイルスは、謎に包まれているだけでなく、希少で予測不可能な病原だ。このウイルスのワクチンは存在せず、重症の場合、入院が必要となる。

 
 
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TEXT BY ANNA LISA BONFRANCESCHI
PHOTO BY
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI

WIRED NEWS (ITALIA)

image from Shutterstock

[データは記事が書かれた9月26時点のもの]アメリカ全土に広まったのは、わずか1カ月あまりのうちのことだ。いまや38の州に、エンテロウイルス68(EV-D68)が伝染している。

今後数週間で、この病原に伝染する州の数──確認されただけでも、いまのところ226人が感染して、1人の成人を例外として、全員が子どもだ──が増えることは間違いなさそうだ。状況を監視しているアメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)がそう報告している

最近ウイルスに襲われたのは、メリーランド州、サウスカロライナ州、オハイオ州だった。しかし、「謎に包まれた」ウイルスと呼ばれ、アメリカに広がりつつあるこのウイルスはどのようなものだろうか? そしてなぜ危険となる可能性があるのか?

希少で予測不能なウイルス

生物学的に言えば、EV-D68は、ピコルナウイルス科の一員だ。1本鎖のRNAウイルスで、謎に包まれているだけでなく、他のエンテロウイルスよりもずっと一般的ではない病原で、これについては、感染やこれによる死亡に関してわかっていることはわずかだ。そしてアメリカ疾病予防管理センターも、このウイルスのための固有の監視システムを持っていないことを認めている。

このことに加えて、エンテロウイルスの蔓延は、多くの場合、予測不可能だ。年や季節を通して、特定のパターンに従うことはない。もっとも、少なくともアメリカにおいては、夏と秋が、学校が再開することもあって、最もリスクの高い時期と考えられているが。

最もかかりやすいのは子供

EV-D68は、1962年にカリフォルニアで初めて発見されたが、今回ほど広く蔓延する感染を引き起こしたことはこれまでなかった。恐らくは、変異によってウイルスがより攻撃的になったことが原因だろう。

一度宿主が感染すると、それほど激しくない軽度な呼吸器の症状を引き起こす。

その感染は、普通のインフルエンザと似た症状で発見される。筋肉の痛み、熱、寒気、咳、さらに、特にすでに喘息など呼吸器に問題を抱えている子どもにおいては、ひどい呼吸障害、呼吸困難などである。多くの場合、アメリカでは病院の集中治療ユニットに行き着くことになる。

※この翻訳は抄訳です
 
 
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