May 27, 2014 JellyCode

伝統の九谷焼と江戸ガラスの融合/九谷和グラスの製造現場を見学してきた[ニッポンセレクト.com現地レポート]その2 絵付け編

ニッポンセレクトさんの企画で、現地レポーターとして石川県能美市に行ってきました。
前回の続きです。

伝統の九谷焼と江戸ガラスの融合/九谷和グラスの製造現場を見学してきた[ニッポンセレクト.com現地レポート]その1 素地工程編

九谷和グラスでは白と黒、二種類の釉薬(ゆうやく)をかけたものを使っていて、黒には黒専用の絵柄が施されるそうです。

釉薬をかける前に下絵付けを施す場合もありますが、九谷和グラスは下絵付けは無しで本焼きへと進み、清峰堂さんの元へ運ばれます。

素地工程が済んで運ばれてきた商品は、ひとつひとつ目視で検品して、がたつきや鉄粉がついていないかなどをチェックし、ものによって研磨します。

準備が整った商品にはロゴが貼られ、この状態で絵描きさんの元へ運ばれます。

九谷和グラスには定番の絵柄が60種類もあるそうです。
全ての絵柄を一人の絵描きさんが絵付けするわけではなく、提携している絵描きさんはたくさんいて、それぞれ得意な絵柄を持っているので商品によってお願いする絵描きさんが違うとのことです。

絵描きさんは自宅でお仕事されている方が多く、素焼きや本窯に使うガスの窯は置けないので、電気窯を利用している方がほとんどだそうです。

今回は銀舟窯(ぎんしゅうがま)さんへお邪魔しました。
お仕事中にも関わらず、快く迎えてくださいました。

絵付けをする前に、まずにかわを素地の表面に布などで拭く感じで塗ります。
にかわとは、動物や魚類の皮・骨などに含まれるコラーゲンを加工して作られるゼラチンのようなものだそうです。
にかわで素地をコーティングし、絵付けに進みます。
手の油が素地につくと絵の具をはじいてしまうので、できるだけ素地を素手で触らないようにします。人によっては手袋をする場合もあるそうです。

九谷焼の絵の具には和絵具と洋絵具があり、それぞれ特徴があります。
和絵具の場合、普通の絵の具で描く感じとは全く違い、盛りつける(色を置く)ようにして着彩していきます。そのため焼く前も、焼いた後も厚みが出ます。
洋絵具はさらっとしていて、普通の絵具で塗る感覚に近いです。

絵具はニブという磁器のすり棒とガラス板を使って溶いていきます。(絵描きさんによっては乳鉢を利用する方もいるそうです)
絵具は固すぎてもダメ、柔らかすぎてもダメ。絶妙な柔らかさになるように溶いていきます。

和絵具は色によって白っぽく、他の色と見分けがつきにくいのでそれぞれの色の名前を書いて保管しているとのこと。

逆に洋絵具は、色が一目瞭然なのでそのまま保管されています。

赤絵具でアウトラインを描き、盛りつける感じで色をのせていきます。
筆は絵のデザインによって使い分けます。

銀舟さんはフリーハンドで絵付けをされていますが、スタンプを押すように絵付けをする方法や、紙に描いた線を転写させる方法などもあるようです。

絵付けが済んだら、上絵窯で焼きます。
上絵窯では2〜3回焼く場合もあり、金彩をするときは1回焼いてから金を加色して更に焼くそうです。
職人さんによって窯の温度も焼き方も変わってきます。
ゆっくり焼いたほうが和絵具は柔らかい感じに仕上がるそうです。

絵付けが済み、窯で焼かれたあとの商品。
絵の具を塗った部分がぽこっと盛り上がった感じになっているのがわかるでしょうか。

素地工程も絵付けも、商品や窯やさん、職人さんによってやり方が色々変わってきます。
その3へ続きます。

ニッポンセレクトさんの商品ページ
http://www.nipponselect.com/fs/nipponselect/S02130001?tp=14032018

清峰堂さんの九谷和グラスのページ
http://www.kutani-wa-glass.com/

清峰堂さんのページ
http://www.seihou-do.com/

伝統の九谷焼と江戸ガラスの融合/九谷和グラスの製造現場を見学してきた[ニッポンセレクト.com現地レポート]その1 素地工程編

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