「DENGEKI HIME」2014年11月号(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)
KADOKAWA アスキー・メディアワークスの発行する18禁ゲーム雑誌「DENGEKI HIME」が本年度中に休刊することが、関係者への取材を通じてわかった。
「DENGEKI HIME」は、1997年にゲーム雑誌「電撃王」の増刊枠「電撃姫」として発刊。その後、月刊ペースとなり、2007年からは「DENGEKI HIME」としてリニューアルされ、発行されてきた。
18禁ゲーム業界に詳しい関係者によれば、休刊は「販売不振」と「社内整理」の2つの理由によるものだという。
右肩下がりの話ばかりが聞かれる18禁ゲーム業界だが、関連産業である18禁ゲーム雑誌はさらなる苦境が続いてきた。史上初の18禁ゲーム専門誌だった「パソコンパラダイス」(サンデー社)は昨年11月の発行をもって雑誌としては休刊(今年6月にムック扱いで復活)。現在、18禁ゲーム雑誌は、オタク向けに特化した「TECH GIAN」(KADOKAWA エンターブレイン)とグラビア的志向の「BugBug」(富士美出版)が二強となっている。そこに「メガストア」(コアマガジン)「DENGEKI HIME」などが続く形になっていた。今年に入ってからは、「BugBug」が元々発行していたサン出版の方針変更により編集部ごと富士美出版へ移籍するといった動きも見られた。いずれにしても、業界自体の縮小が止まらないことについては衆目の一致するところだ。
KADOKAWAのグループ内では、今年10月1日の株式会社KADOKAWA・DWANGOの設立を契機に、重複する部署の整理統合を進めていたが、18禁ゲーム雑誌についても、売り上げの良い「TECH GIAN」のみを残す形となるわけだ。
ただし、18禁ゲーム雑誌が冬の時代である以上、トップの地位にある「TECH GIAN」も順風満帆というわけではない。また、株式会社KADOKAWA・DWANGOの設立によって、エンターブレインは現在の千代田区三番町から銀座への移転も決まっている。現在の社屋も周囲に店もない都心の陸の孤島にあるわけだが、今回の東銀座への移転について同社社員からは「またオタクから遠いところへ……」といった声も聞こえてくる。
いずれにしても、いよいよ18禁ゲーム雑誌はどこが最後まで生き残るかの決戦が始まったようだ。