[PR]

 パキスタンの反政府武装勢力、パキスタン・タリバーン運動(TTP)の有力幹部6人が14日、イラクやシリアで勢力を増す過激派組織「イスラム国」の傘下に入ると表明した。TTPはノーベル平和賞を受賞するマララ・ユスフザイさんを2年前に銃撃した組織。同調者が広がれば、中東の危機がパキスタンの混乱に拍車をかける恐れがある。

 声明はTTPの報道担当シャヒドゥラ・シャヒド幹部の名前で出された。「イスラム国」の指導者バグダディ容疑者の名前を挙げて「いかなる命令にも従う」としている。「イスラム国」への参加は「個人的なもの」としつつ、5人の有力幹部も同調していることを明らかにした。各幹部の配下を含めると、同調者はTTP全体の約3割に達するとの見方がある。

 2007年に発足したTTPは、隣国アフガニスタンの反政府勢力タリバーンや国際テロ組織アルカイダと関係を深めてきた。マララさん銃撃事件の首謀者として知られるファズルラ最高幹部は6日の声明でアフガン・タリバーンのトップで「イスラム教徒の首長」を名乗るオマール最高幹部への忠誠を確認。預言者ムハンマドの後継者である「カリフ」を自称するバグダディ容疑者とは距離を置いていた。