医師や看護師ら計約1万7千人分の個人情報を勤務先から不正に持ち出したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は14日、求人情報紹介会社の元システムエンジニア(SE)、三上兼吾容疑者(36)=東京都日野市=を不正競争防止法違反(営業秘密の複製)容疑で逮捕した。同課は入手した情報の使途などを詳しく調べる方針。
逮捕容疑は2012年5月30日ごろ、勤務先だった「メディカルリサーチアンドテクノロジー」(現MRT、東京・新宿)で、営業秘密にあたる同社に登録されていた医師らの個人情報を不正に複製し、入手した疑い。サイバー犯罪対策課によると、三上容疑者は「弁護士が来るまで話せない」と供述している。
流出したのは、全国の医師や看護師ら約1万7千人分の氏名や住所、生年月日、勤務先、学歴など。三上容疑者は同社でシステムの管理を担当しており、会社のパソコンから業務用サーバーにアクセスし、自宅にあるパソコンに個人情報を保存していたという。
三上容疑者は同社を退職した後、東京都内の別の求人情報紹介会社の設立に関わっていた。同課は、流出した個人情報がこの会社で使われていなかったかなどを詳しく調べる方針。
MRTの内部調査で流出が発覚。被害相談を受けた警視庁が昨年12月、三上容疑者の自宅など関係先を家宅捜索した。
MRTは医師らを対象に転職先やアルバイト先の情報を提供している。取材に対し「事実関係を確認中」としている。
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