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鳥居 亜矢子 33歳 始まり… 出産後、断乳をした頃から、肌の調子が悪くなり生理が始まるたびに目の周りがむくむようになりました。 アトピー発症… 最初、内科で、成人アトピーは治りにくいから、このまま悪くなるだろうし、専門家に見てもらいなさいと言われ、近所の皮膚科など、何軒か自分に合う病院はないかと探しました。(成人アトピーという言い方は間違っています。しかも、成人アトピーは治りにくいという言い方も間違っています。アトピーは、その人にとって異物と認識出来るアレルギーが入ってくれば、排除するために皮膚から出す時に出てくる症状をいうわけです。普通、免疫というのは、基本的にはある異物を、ある時に出合った時には異物とみなさないが、別のときには異物とみなすということは無いのです。したがって、アトピーが出た時に、初めてその異物に出合ったと言えるわけです。ところが、普通の生活をしていて、成人になって初めて出合う異物というのは、ほとんどありません。ただ例外的には、成人になって特殊な化学物質を扱う仕事に就くとか、あるいは、日本を離れて別の国で仕事をするとか、という場合には、初めて出合う化学物質を成人になってアトピーとして排除することは有り得ます。したがって、普通の人の場合には、もう既に子供の時に出合っている場合がほとんどです。子供の時に出た時に、一時的にステロイドで抑え込んで眠らせていることがほとんどなのです。成人になって、生活環境やホルモン環境が変わって、再び眠りから覚め、アトピーが出始めると、どういうものか今度はステロイドが効きにくくなるのです。このために、成人にみられるアトピーは治りにくいと言われるのです。)その間にも、状態は変化し、秋、寒くなると同時に化粧水も染みるほど、かさかさになってしまいました。ある日、目をさますと、顔中、粉がふいたようにかさかさになって驚くほど人相が変わってしまった自分がいました。 松本医院に行く… たまたま、近所の友達の子供さんがアトピーということで松本先生の話を聞いていたので、急いで詳しく教えてもらいました。 ちょっと、変わった先生でびっくりするよ。でも、信頼できる。(私は、医者である前に正直な人間であることを、生き方の基本としています。対面を繕うことよりも、真実を常に語ろうとするものですから、変わった先生と思われているようです。しかし、嘘をつかないものですから、信頼度は100%あることになります。私のような変わった人間が多くなればなるほど、日本はもっと良くなると思います。) 「根気もいるし、大変だよ。 」 と言われました。 皮膚科では治らないと思ったわたしは、次の日に、高槻に行きました。ホントに、最初は圧倒されましたが、(アトピーの患者を診て、最初に言う言葉は、「必ず治る。治らなければお金を返す。」という責任の取り方を喋り始め、延々とその根拠を機関銃のように喋るものですから、私の自信に、患者さんは圧倒されるようです。) 「絶対治る。」 と言う先生の言葉と、 「そんなに、悪い状態じゃないから。 」 という女医さん(看護婦さん)の言葉で、気が楽になりました。(初診の際の見かけが良いから、その後のリバウンドが容易いというわけではありません。リバウンドの度合いは、結局は今までにどれだけ免疫を抑えてきたかに拠るのです。つまりは、ステロイドの質と量に拠るのです。ステロイド注射が最悪で、次に、ステロイドの内服剤が悪く、ステロイドの塗り薬が最後にきます。塗り薬にも、強さが五段階に分かれていますから、強いステロイドの塗り薬ほど悪いというわけです。医者は、ほとんどの場合、患者がステロイドを使うことを嫌がっていることを知っているうえに、内心、ステロイドは悪いと知りながらも使うものですから、はっきりとステロイドを使っているとは、絶対に言いません。それどころか、医者は、治療上、嘘をついても罰せられることはないので、ステロイドを使っていても、堂々と、ステロイドではないと嘘をつきます。ですから、患者がどれくらいのステロイドを使ってきたかは、聞いても意味がありません。ただ、正確に知っているのは、患者の免疫だけですから、実際に治療をやっているなかでしか、リバウンドの強さは分からないのです。) 近くに、松本医院へ通っていた友達がいて、はげまされたのも、とても嬉しかったです。 漢方を始めて… 最初の1ヶ月くらいは、煎じ薬だけでした。本当に、炊き出す匂いも、耐えられないし、飲む時も、鼻をつまんで飲みました。(「良薬口に苦し」ですから、慣れてもらう以外にありません。)後は、消毒と、シウンコウを塗る作業です。すぐには、リバウンドが始まらず、漢方が自分にあっているのだろうか?と不安になる事もありました。(漢方がアトピーの治療で合うかどうか、などと考えるのは間違いです。医学が、100%経験だけで行われていた時代には、実際に漢方煎剤を投与して合うとか合わないとかを考えたものでした。しかし、私のようなレベルの医者から言わせると、そんな時代は、私にとっては、大昔の、誰でもが医学の勉強を本格的にせずともやれた過去の話です。アトピーは免疫の問題であり、皮膚の問題ではなく、その原因と治す方法と理論を100%知っている私にとっては、合う・合わないなどという話は、赤子のやる話です。始めは、かさつきも酷かったので、薬の減りも早く一日中、薬を片手にというような、生活でした。しばらくすると、朝、目を覚まして、すぐに薬をぬらないと開かなかった目も開くようになり、ボロボロときたない角質がはがれ、だいぶ、顔は楽になってきました。 2ヶ月目くらいから、漢方のお風呂に入ることになりました。ただでさえ、からすの行水だったので、1時間というのは、かなりめんどくさい事だったのですが、その頃から、軽いリバウンド始まり、今まで、出たこともない、脇や、お尻に、かゆみがでるようになりました。なんだか、薬が効いてきてる気がして、リバウンドが嬉しく思ったりしてました。 その後、数ヶ月は、同じような生活が続いていました。少し、ホントに治るかなと不安になる時期でもありました。(私の診察は、この不安を除去するために「絶対治してあげる。治らなければお金を返す。」と保証を付け、元気付けるだけです。いずれ、ステロイドのリバウンドも終わり、自然後天的免疫寛容が起こるからです。なぜ、ステロイドのリバウンドが終わるかというと、ステロイドを無限大量投与したわけではないのですから、有限量のステロイドは、有限量の時間の中で排除されてしまうからです。さらに、なぜ自然後天的免疫寛容が起こるかというと、無限大にある環境の化学物質は、有限の免疫の働きしかない人体は、排除できなくなり、共存せざるを得なくなるからです。) 現在… 今は、飲み薬と、かゆみがある時などは、消毒と塗薬をつけています。アトピーが発病してから、1年が経ちますが、去年の冬とは肌の状態がまったく違います。かさつきもなく、すっぴんでも、帽子がなくても平気で外出するようになりました。化粧も出来るようになり、おしゃれしたいという気持ちが出てきました。周りからも、ホント良くなったね。と言われるようになりました。たまに、乾燥し、かゆみがでますが、はっきり言ってきつく、その分生活を節約したりしましたがホントに、その甲斐あってか、よくなって良かったと思います。 ありがとうございました。(完治され、現在は来院されておりません。) 2000年12月17日 |