ニュース
Linux Foundationのもと、ドローンの基本ソフトプロジェクト「Dronecode」発足
Intel、Qualcomm、Baiduなどが結集
(2014/10/14 12:25)
米非営利団体のLinux Foundationは13日、無人航空機(通称「ドローン」)の基本ソフトをオープンソースで開発するためのプロジェクト「Dronecode Project」を発足すると発表した。
発足メンバー企業は、3D Robotics、Baidu、Box、DroneDeploy、Intel、jDrones、Laser Navigation、Qualcomm、SkyWard、Squadrone System、Walkera、Yuneec。プロジェクトはLinux FoundationのCollaborative Projectの1つとして、同財団の監督のもとに既存オープンソース関連プロジェクトや資産を結集する。
この資産には、3D Roboticsのソフトウェアプラットフォーム「APM/ArduPilot」(これにはヘリコプター用の「ArduCopter」、航空機用の「ArduPlane」、車両用の「ArduRover」が含まれている)、「Mission Planner」「DroidPlanner」も含まれる。3D Roboticsは、「WIRED」誌の元編集長であるChris Anderson氏とJordi Munoz氏によって2009年に創業されたベンチャー企業で、この分野のオープンソース開発を牽引する役割を果たしてきた。
また、世界屈指のロボット研究機関であるETH Zurich(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)のLorenz Meier氏がリーダーを務めてきた「PX4」や「MAVlink」プロジェクトも参加する。
Dronecodeには現在、1200以上の開発者が毎日150以上のコミットをさまざまなプロジェクトに対して行っており、Skycatch、DroneDeploy、HobbyKing、Horizon Ag、PrecisionHawk、Agribotix、Walkeraといった企業にすでに採用されている。
発足したDronecodeプロジェクトのテクニカルステアリングコミッティ委員長には、APM/ArduPilotのリードメンテナーで通称「Tridge」として知られているAndrew Tridgell氏が就任する。
DronecodeプロジェクトがLinux FoundationのCollaborative Projectになる意義について、Linux FoundationのエグゼクティブディレクターであるJim Zemlin氏は「Linux Foundation Collaborative Projectになることで、Dronecodeコミュニティは、ブレークスルーのその瞬間に、このような大規模プロジェクトに必要なサポートを受け取ることになる」と説明した。
航空宇宙市場調査会社のTeal Groupの調査によると、今後10年でドローンテクノロジーに関連した世界的な研究、開発、試験、評価の市場規模は910億ドルに上ると試算。ドローンの用途としても現在の商用、軍事用途以外に、環境調査、野生生物保護、救難救命といった幅広い用途が想定され、さらにドローンが収集したデータを解析、保存、視覚化することでビジネスへの応用も期待されている。
もともとDronecodeに関連したプロジェクトは、3D Robotics共同創業者のChris Anderson氏の趣味的プロジェクトから始まった。Anderson氏はコミュニティサイト「DIY Drone」を開設し、ここにさまざまな専門家が集まって情報交換が行われるようになった。専門家の分野は幅広く、ソフトウェア、エレクトロニクス、ロボット工学、航空工学、データ解析などで、そこからさまざまなオープンソースプロジェクトが発足し、開発されてきた経緯がある。多くのプロジェクトで「Arduino」を使用することから、プロジェクトの名称に「Ardu」が接頭辞として付くのも特徴的だ。
Anderson氏によれば、今回Linux Foundationのプロジェクトとなったのは、プロジェクトが単にはやりだしたからではなく、「円熟期に達したと判断されるから」だとしている。Linux Foundationが正式な非営利組織としてプロジェクトを組織監督することで、企業も参入しやすくなることが期待される。
URL
- Linux Foundationによるプレスリリース(英文)
- http://www.linuxfoundation.org/news-media/announcements/2014/10/linux-foundation-and-leading-technology-companies-launch-open
- Dronecodeプロジェクト公式ブログの該当記事(英文)
- https://www.dronecode.org/news-faq/blogs/2014/10/welcome-dronecode-project
- DIY Drones(英文)
- http://diydrones.com
最新ニュース
- 「Adobe Ink & Slide」とモバイルアプリ群の連携でクリエイティブワークを効率化[2014/10/14]
- Linux Foundationのもと、ドローンの基本ソフトプロジェクト「Dronecode」発足[2014/10/14]
- INTERNET Watchアクセスランキング [2014/10/6〜2014/10/13][2014/10/14]
- 「Webmin」利用者は確認を、bash脆弱性を狙ったスキャンが増加[2014/10/10]
- 宛名入力はカメラ撮影で、「スマホで年賀状2015」サービス開始[2014/10/10]
- アドビが作ったペンと定規「Adobe Ink & Slide」の体験会、代官山で開催[2014/10/10]
- Oracleの定例セキュリティアップデート、米国時間10月14日公開予定[2014/10/10]
- 10月10日の「萌えの日」にちなみ、「miku.moe」ドメインの落札額が明らかに[2014/10/10]
- レノボ、「YOGA Tablet 2」「YOGA 3 Pro」を発表、タブレットはLTEモデルも[2014/10/10]
- Amazon.co.jp、「本日の特選商品」タイムセール開始時にスマホにプッシュ通知[2014/10/10]
- “若者のパソコン離れ”が急加速? 利用時間が1年で約3分の2に減少[2014/10/10]
- 10月14日が「鉄道の日」なので……鉄道図書が最大5割引、電子書籍ストア8店で[2014/10/10]
- 吹き出しチャットをデスクトップでも、SkypeがWindows/Mac向け新アプリ公開[2014/10/10]
- マイクロソフト、10月15日に月例パッチ計9件を公開、Windows、IE、Officeなど[2014/10/10]
- セイコー、計ったタイムをNFCでPCに転送できるストップウォッチ[2014/10/10]
- 米Symantecが会社分割、2015年12月には「セキュリティ」「データ管理」の2社へ[2014/10/10]
- BLEを利用した半径100mのコミュニケーションアプリ「AirTalk」[2014/10/10]
- LINE、「LIFE」をテーマに多方面へサービス拡大、決済システムや地図、音楽も[2014/10/09]
- KDDIウェブ、「CPI」ホスティングサービスでWAFオプションやGitなどを利用可能に[2014/10/09]
- クラウド会計ソフト「freee」とカード決済サービス「Coiney」が連携開始[2014/10/09]