大都市と地方で、消費回復の足取りに開きが出ている。安倍政権になって進んだ円安と株高の恩恵を受けやすい大都市では、4月に消費税率が8%に上がったあとも、価格が高めの商品がよく売れる。一方、消費の冷え込みが目立つ地域は地方に多い。スーパーや百貨店の2014年3~8月期決算で鮮明になった。

 週末の午後、東京・代々木上原にある食品スーパー「マルエツ」では、ホテル勤めの会社員の男性(56)がサーロインステーキ用の鹿児島和牛195グラムを買った。勤め先は円安効果もあって外国人観光客らでにぎわっており、「景気の回復を実感している」と話す。

 東京、神奈川、千葉、埼玉を中心に約270店あるマルエツでは、100グラム200円ほどの安い輸入肉と2千円前後のブランド牛が、ともによく売れる。