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抑留の過酷さ絵画に、故橋本太久磨さん16点初公開 京都・舞鶴

重労働に疲れて眠る抑留者を描いた「捕虜の眠り」(舞鶴市提供)
重労働に疲れて眠る抑留者を描いた「捕虜の眠り」(舞鶴市提供)

 シベリア抑留体験を描いた画家、故・橋本太久磨さんの作品を紹介する企画展「眠りの中に求めたもの」が、舞鶴引揚記念館(京都府舞鶴市平)で開かれている。亡き戦友を追悼する代表作「千手」の下絵や、厳しい労働を終えた抑留者の安息を描いた作品など16点を初公開。

 橋本さんは1911年に樺太で生まれた。兵役に就き、終戦後にシベリアで2年間抑留。47年8月に舞鶴港へ引き揚げた後に画家となり、63年に二科展銀賞を受賞。共立女子大(東京都)の講師を務め、2006年5月に95歳で亡くなった。

 作品は長男健一郎さん(71)=長野県小布施町=が、引揚記念館所蔵資料の世界記憶遺産申請を知り、今年3月に寄贈した。

 「千手」は戦友たちの救いを求める手や無念さを描いており、完成作はアトリエのあった埼玉県蕨(わらび)市の市民会館に飾られている。太久磨さんは自らの画集で「自分の力で描いたとは思えず、亡き戦友の導きとしか考えられない」と語っている。

 眠りを描いた作品が多く、極寒の強制労働で疲れ切った抑留者の表情などを表現。健一郎さんは「父は抑留体験をほとんど語らなかったが、絵には残したのかっただろう。作品が抑留を語り伝える活動に役立てば父も喜ぶと思う」と話す。

 入館料が必要。11月30日まで。10月16日と11月20日は休館。

【 2014年10月14日 11時57分 】

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