Updated: Tokyo  2014/10/14 10:13  |  New York  2014/10/13 21:13  |  London  2014/10/14 02:13
 

ウォール街の心配な声、米マクロ経済に届かず-成長の孤島も

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  10月13日(ブルームバーグ):ドル上昇と世界経済の成長減速で先週の米株式市場は打撃を受けたが、米経済そのものは衝撃に持ちこたえるとの見方が広がっている。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)ダウ・ジョーンズ・インダイシズによると、S&P500種株価指数構成企業の売上高のうち、昨年は46.3%が国外での売上高で占められた。従って企業はドル高と欧州とアジアでみられる最近の景気減速の影響を受けやすい。一方で、米経済における輸出の割合は13.5%にとどまっている。

ゴールドマン・サックス・グループのチーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏は「S&P500社の売り上げベースに比べて、米経済は国外経済との接触面が小さい」と指摘。「トレンドを上回る成長が続くと考えられる根拠は十分にある」と述べた。

ハッチウス氏の予想では、来年の米経済成長率は3.2%と、2009年6月にリセッション(景気後退)を抜けて以降の平均2.2%を上回る。欧州をめぐる不安再燃で重苦しい雰囲気となった週末の国際通貨基金(IMF)年次総会でも、米国についてのこうした楽観的な声が不安を和らげた。

米財務省のカレン・ディナン次官補(経済政策担当)は国際金融協会(IIF)主催の会合で米経済について、「ようやく本格的に動き出した」と表現。「経済の基調にはかなりの勢いがある」と付け加えた。

ユーロ圏経済が08年以降で3度目のリセッション入りの瀬戸際にある中、中国では不動産市場の低迷が景気の足を引っ張り、日本では消費増税で回復の腰折れが懸念されている。こうした状況を背景に主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 は6月以降、7%近く上昇した。

成長の孤島

先週の金融市場では米国外の経済不振が注目され、S&P500種は週間ベースで3.1%下げ、2年ぶりの大幅下落となった。米国債利回りは下げ、原油価格は1月以来の大幅安となって弱気相場に入った。

モルガン・スタンレーの共同チーフエコノミスト、ヨアヒム・フェルズ氏はIMF会合の公開討論での質疑で、「本当に米国は成長の孤島となることが可能なのだろうか」と問い掛け、「ここ数日の金融市場から聞こえている答えは、ノーのようだ」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らも慎重姿勢に転じた。「海外の経済成長が予想よりも鈍くなれば、その米経済への影響で緩和策解除がより緩慢になる可能性がある」とフィッシャーFRB副議長は11日、ワシントンでの講演で語った。タルーロFRB理事も同日、「現在心配しているのは世界各国の成長だ」と話した。

「差し引きでプラス」

しかしながら、世界経済の減速がいずれ米国にも及ぶとの心配は、結局脇に押しやられるだろうとS&PキャピタルIQの米国株式ストラテジスト、サム・ストーバル氏は指摘する。「国際投資家にとって選択の余地は非常に狭く、結局は米国が最も有望だということになる」との見方を示した。

コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は10日のビデオプレゼンテーションで、国外経済が弱いことで商品価格と国債利回り、輸入インフレが抑えられ、消費者や一部企業にプラスに働くとして、米国株にはなおも上昇の余地があると分析。「米経済と他の主要国の歩調はそろわなくなった」として、こうした状況は最終的に米国株に「差し引きでプラス」になり得ると述べた。

原題:U.S. Economy Set to Shrug Off Wall Street Worries AboutGrowth(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Rich Miller rmiller28@bloomberg.net;ワシントン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.netGail DeGeorge, Paul Badertscher

更新日時: 2014/10/14 07:15 JST

 
 
 
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