- 作者: 本田直之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/03/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大企業もいつどうなるか分からないこの時代に、どうやって生き残るかについて書かれています。
- 今後のキャリアを考えたい人
- 著者の主張する生き残り術を知りたい人
ここでは、私が気になった部分をいくつかピックアップする形で本書を紹介していきます。
シングル・キャリアとは、主に会社の内部で通用するスキルをベースにした「コーポレート・キャリア」だけに依存した働き方。マルチ・キャリアとは、それと並行して、会社を離れても通用する個人のスキルをベースした「パーソナル・キャリア」を築いていく働き方です。
たしかに、コーポレート・キャリアだけに依存するのは、危険でしょう。長年かけその会社だけでしか通用しないスキルを身につけても、他では使えないと意味がありません。
そこで、著者は、複線的にキャリアを磨いていくことを推奨しています。若いころは、コーポレート・キャリアを中心に、会社の看板を利用しながら働きます。また、同時に、パーソナル・キャリアとして、自分に何が向いているか適性を判断する時期とするのです。
今私たちが目指すべきなのは、「会社に捨てられても大丈夫な人」「捨てられる前に、会社を捨てられる人」なのです。
これが、パーソナルキャリアとして目指すものの1つです。こちらを目標に、自分の適性を考え、汎用的なスキルを磨いていくのです。
こういう意識を持っていると、勤めている会社への依存心もなくなるでしょう。そして、自分のキャリアをつくっていこうという気持ちも芽生えて良いような気がします。
最も避けるべきなのは、「避難職」探しの転職です。「今の仕事が嫌」「社風が嫌」「同僚が嫌」「経営者が嫌」など、いやいや尽くしの転職は、たんなる現実逃避、一時しのぎの「避難職」を探しているだけの場合がよくあります。
現実逃避としての避難職は、キャリアをすり減らし、自分の価値を下げていくだけだとしています。何のために転職するかを明確にし、自分の価値を上げていく転職をしていこうとアドバイスしています。
目の前のことが嫌になり感情的になると、視野が狭くなり冷静に考えられなくなったりするでしょう。すると、転職が長期的に自分の中でどういう意味を持つものか分からなくなったりします。そこで、よっぽどのことではない限り、自分の価値を上げるべく戦略的に転職活動をしたほうが良さそうです。
その他にも、次の職が決まるまで今の職を辞めてはいけないなども書かれています。
同種の本をたくさん読んできた方には、目新しい部分が少ないかもしれません。しかし、キャリアについてまだ何も考えていなくて見通しが立っていない方には、一読の価値があるでしょう。
- 作者: 金井壽宏
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2002/01
- メディア: 新書
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