福山亜希、近藤郷平、山村哲史
2014年10月14日06時22分
スマホ、自動車、その次は――。薄型テレビの値下がりで苦しんだ国内の液晶パネル工場が、小さいサイズへの転換を進めている。画面のきめ細かさなどの技術を高めることで進む道を見いだしてきたが、投資する技術や時期を見誤ればテレビの二の舞いになりかねない。
■シャープ 「IGZO」安価に大量生産
1辺が2メートルを超す巨大なガラス基板を、ロボットが次々と棚のような加工装置に入れていく。このガラス基板から作った液晶パネルを切り分けると、50インチの大型テレビの画面なら6枚分、スマートフォンの画面なら500枚以上も取れる。
薄型テレビ「アクオス」の主力工場として知られるシャープの亀山第2工場(三重県亀山市)は、8月以降フル生産が続く。テレビ向けから、スマホなどに使う中小型の生産を増やしたためだ。すでに中小型が生産量の5割を占めるが、2017年までに8割以上にする方針だ。
大きなガラス基板から小さな画面をつくるのは難しかったが、今は技術が確立し、テレビより採算がいいという。液晶パネルの仕組みも省電力で細かい表示ができる「IGZO(イグゾー)」と呼ぶタイプで、大量に安く生産できるのはシャープだけだ。木村直史・亀山第2生産センター所長は「幅広い顧客を開拓して、液晶事業を安定させたい」と話す。
隣接する亀山第1工場は、米アップルの資金が入っており、iPhone(アイフォーン)向けを生産している。
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