「40歳定年」して食っていく、3つの心構えと5つのノウハウ。そして筆者はなぜ40歳で朝日新聞を辞めたのか

2014年05月25日(日) 井上 久男
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(ⅰ)については、何の後ろ盾もなく自分の力で食っていくのは甘いことではないので、自分の生活をまずは成り立たせることを優先せよという意味である。自分を格好よく見せようとしたり、大人げないと言われるようなことを怖れたりしてはいけない。衣食足りて礼節を知るという古い諺もある。

(ⅱ)については何が仕事に結びつくか分からないので情報のアンテナは高く張り巡らせておくという意味である。

(ⅲ)については、実はこれを実践することが一番難しいと思う。組織内でも人間関係などで不快なことは多いかと思うが、独立して自由になっても、これまた不快なことが多い。その理由を一言でいえば、戦後の日本社会は終身雇用が崩れたとはいえ、サラリーマンとして職業人生を全うすることがメジャーな生き方なので、それから外れると生きづらいのが現実だからだ。

企業での肩書がなくなると、多くの人は離れていく

大企業での肩書がなくなると、多くの人は離れていく。人物を見込んで付き合ってくれていたのではなく、会社の肩書があるから付き合ってくれている人が多い。このへんについては、転職ノウハウ本などにも書かれているかと思うが、ほぼその通り。

筆者の場合、関西電力の秘書系幹部からこんなことを言われて頭にきた記憶がある。「フリー記者は乞食と同じ。絵にかいたような転落人生ですね。今後取材を希望する場合、うちではフリージャーナリストは特殊株主(総会屋)と同じ扱いになるので、これから広報部ではなく総務部に来てください」。

また、ある朝日のOBからは「警察官から泥棒には簡単に転落できるが、泥棒から警察官には絶対に戻れないのを知っているか」と言われて仰天した。フリージャーナリストが乞食や泥棒にたとえられるとは正直想像もしていなかった。

これほど露骨ではないにせよ、もうお付き合いできませんといったニュアンスの会社も多かった。最初は気にしていたが、フリー記者になったことは事実なので、実績を出して認めてもらうしかないと考えを改めた。現実を直視、それを柔軟に受け入れ、余計なことは考えずに覚悟を持って臨むしかないということでもある。

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