「俺はエボラ、みんな終わりだ」機内から連行、冗談だった
「俺はエボラだ。みんな終わりだな」―。米国東部からドミニカ共和国に向かっていた航空機内で米国人男性が、西アフリカを中心に流行するエボラ出血熱に感染しているとジョークを言い、空港到着後に、防護服を着た当局者に連行される騒ぎが11日までに起きた。世界保健機関(WHO)は最新の集計で、エボラ熱による死者(疑い例を含む)が4000人を超えたと発表。感染拡大が深刻さを増す中、たちが悪すぎる冗談だった。
米メディアによると、前代未聞の騒動が起きたのは8日。米フィラデルフィアからドミニカ共和国に向かっていたUSエアウェイズ機内で、「俺はエボラに感染している。みんな終わりだな」と、黒人男性がせきをしながら、言葉を発した。
この言葉を不安に感じた乗客が客室乗務員に通報。「一体どうした? 何が起きたんだ」。機内は騒然となった。乗務員が、乗客を落ち着かせようと状況を説明。飛行機がドミニカ共和国のプンタ・カナ国際空港に到着すると、青い防護服を着た4人の当局者が機内に乗り込んできた。男性の席に近づき、問答の末、男性は当局者に促され機外に連れ出された。その後、当局者が機内を検査し、ようやく入港許可が出たという。乗客たちは約2時間の足止めを食らった。
男性は、連行される際「冗談だった。注目を集めたかっただけ」と弁明。パスポートに、エボラ熱が主に流行するアフリカへの渡航歴はなかった。男性は検疫で陰性が確認された後、米国に送り返されたという。
現地報道では、男性の後ろに座っていた乗客は「彼は常にせきをしていた。ジョークにも程がある」と話し「他の乗客たちは次第にいら立ち、警察にこの男を連行してもらいたいと思った」と憤慨していた。物々しい光景を携帯電話などで撮影したり、「ブーイング」をする乗客もいた。
米国は、国内初のエボラ熱による死者が8日に確認されたことを受け、航空面の検疫強化に乗り出した。米国土安全保障省は8日、ニューヨークなど5空港でギニア、リベリア、シエラレオネの3か国から米国に到着する乗客を他の乗客と別に検疫し、体温を測り問診するなどの対策を発表。英国も同様の対策を実施する方針だ。
世界中が感染拡大に過敏になる中の不謹慎すぎる「ジョーク」。機内の様子を撮影した動画はインターネット上で出回り、2日間で再生回数が400万回を突破するなど、波紋を呼んでいる。