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 東京電力福島第一原発事故で、福島県飯舘村から岐阜県富加町に避難している犬が12日、飯舘村の居住制限区域に一時帰宅し、飼い主と再会した。

 岐阜市のNPO法人「日本動物介護センター」は、避難先の住宅事情で飼い主と住めない犬21頭を預かり世話している。昨年から春と秋に富加町と飯舘村の往復を続け、今回は13頭が里帰りした。

 福島県相馬市の仮設住宅に暮らす高野守さん(76)、弥生さん(74)夫婦は、飯舘村関沢地区の自宅で、半年ぶりに飼い犬の大和と小春を出迎えた。2頭は自宅を確認するように周りをキョロキョロ。弥生さんは「忘れないように、よく見ておくんだよ」と語りかけた。守さんは「夫婦2人だけより、犬がいると楽しい。避難指示が解除されたら一緒に住みたい」と話した。

 同センターは、介助犬の育成や訓練をしてきたが、原発事故後、犬と一緒に避難する被災者の悩みを聞き、支援を始めた。(福留庸友)