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減速する世界経済に構造改革で応えよ

2014/10/12付
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 世界経済が減速している。各国・地域は柔軟な財政・金融政策で当面の景気の下振れに対応するとともに、中長期の潜在成長率を高める構造改革を急ぐべきだ。

 国際通貨基金(IMF)は2014年の世界経済の成長率見通しを3.3%、15年の見通しを3.8%と、今年7月時点から下方修正した。ラガルド専務理事は「不十分な成長」と語る。

 先進国では、国・地域ごとの明暗がはっきりしている。米国経済は堅調だ。雇用情勢は改善し、今年の実質成長率は2.2%に達するとIMFは予測している。

 精彩を欠いているのは欧州と日本だ。ユーロ圏の景気は足踏みを続け、日本も消費税増税後の需要の反動減が尾を引いている。

 ユーロ圏は10%を超える高い失業率に苦しんでいる。さらに9月の消費者物価上昇率は前年同月比0.3%にとどまり、デフレと低成長が共存する「日本化」が懸念されている。

 まずは欧州中央銀行(ECB)が域内銀行を対象にした資産査定を通じ、不良債権処理を加速すべきだ。金融緩和を着実に実施し、必要ならば追加緩和もためらうべきではない。

 ドイツなどは財政出動で域内景気を下支えする余力はあるはずだ。労働市場を柔軟にしたりする構造改革と併せた経済再生策を、今月下旬の欧州連合(EU)首脳会議で詰めるべきではないか。

 日本は来年10月に消費税率を予定通り10%に引き上げることができるような環境整備が欠かせない。政府は法人減税の具体化や、今年6月に決めた成長戦略の実行を加速してほしい。

 中国経済は底堅いものの、不動産・住宅価格の下落が続く。中国指導部は小刻みな景気対策で経済の急減速を避けつつ、不動産の供給過剰という構造問題を円滑に解決できるかが問われている。

 気になるのは、中国以外の新興国で景気減速が目立つことだ。ブラジルは今年前半に景気後退局面に陥った。地政学リスクの高まりでロシアも当面の低成長は避けられない。

 新興国には、インフラ投資の不足、貿易・投資の制限といった課題が山積している。米国は来年にも政策金利の引き上げを始める見通しだ。そのとき新興国から大量の資金が流出するリスクがあると各国政府は自覚し、構造改革で経済の耐久力を高める時だ。

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