平成26年3月6日
福島県と山形県の県境に、東西に連なる吾妻連峰のふもとに位置する福島市。
この地にビール本来の旨さにこだわり手作りで丁寧に造り上げている「有限会社 みちのく福島路ビール」はあります。今回は店長であり、営業統括責任者でもある吉田真也さんにお話を伺いました。
みちのく福島路ビールは、平成15年に設立されてから現在に至るまで、素材や手作りにこだわり、日々研究しながら美味しいビールを造り続けているそうです。
では、福島路ビールはいったいどのようにして造られているのでしょうか。
造り方
ビールはアルコール飲料の一種で、主に、大麦を発芽させた麦芽を、ビール酵母でアルコール発酵させて造ったもののことを言います。
みちのく福島路ビールでは、長い年月をかけて吾妻山で清められた伏流水を醪(もろみ)造りに使用しているそうです。
まず発芽させて乾燥した麦芽(ばくが)を粉砕します。
そして粉砕した麦芽にお湯(伏流水)を加え糖化させ醪を造ります。
麦の皮を取り除くために、醪をゆっくりと濾過(ろか)します。ここで麦汁ができるそうです。
次にホップというアサ科のつる性多年草を加えて煮沸します。ホップは苦味、香り、泡を造るのに重要な役割があり、また、殺菌の繁殖を抑え、ビールの保存性を高める働きがあるそうです。
そして煮沸によりできる熱凝固物を取り除きます。
冷却した麦汁にビール酵母を加え発酵させます。酵母の働きにより麦汁の中の糖分がアルコールと炭酸ガスに分解され、約1週間で若ビールができます。
若ビールとは、主発酵の終わったビールのことを言います。若臭または未熟臭と呼ばれる好ましくない成分を含み香味が粗く、まだ飲用には適さないため、1~2℃に設定された貯蔵タンクの中で約1カ月間、じっくり熟成させます。
この間に調和のとれた美味しいビールが育てられます。
濾過機で酵母を取り除き、琥珀色になったビールを瓶や樽に詰めて出来上がりです。
また、みちのく福島路ビールでは、2012年にフルーツビールの開発も始めました。
ビアガーデンに行ってもビールが苦手という方がとても多く、カクテル感覚で飲みやすいビールを作ってみようと企画されたそうです。
伊達市にある伊達農園を中心とした農家さんと連携し、季節ごとに美味しく実った果物でフルーツビールを製造しています。
造り方は、普通のビールを造る手順で進めていきますが、ある程度発酵させた後に、りんごや桃、なつはぜなどの果物を搾汁した果汁を入れているそうです。
出来立てのりんごのビールを飲ませていただきました。
飲んでみてまず驚いたのが香りです。りんごの香りがふわっと広がり、果汁だけでこんなにも香るのだということに驚きました。
りんご風味のとてもクリーミーな泡と、さっぱりとしたのど越しの良いビールでした。
このフルーツビールのこだわりは、何と言っても福島で採れた果物の果汁を使用しているということ。福島で採れた果物は、盛岡の工場で搾汁を行っているそうです。搾汁のプロに行ってもらうことで、泡がクリーミーになり、舌触りの滑らかな、香りも楽しめるビールが仕上がるのだそうです。
「季節によって様々なフルーツのビールを造っているので、それに合わせて製造していくのは大変だけど、お客様から美味しかったと言っていただけるととても嬉しいです。」と笑顔で語ってくれた吉田さん。
ビール造りにこだわるからこその苦労もあるようですが、お客様からの声を力にし、日々研究を繰り返して美味しいビールを造り上げているのだと感じました。
ではここで、おすすめのフルーツビールをご紹介したいと思います。
商品紹介
林檎のラガー・・・620円(税込)
伊達農園を中心とした農家さんから仕入れたりんごを仕込みました。
とても飲みやすく、りんごの香りと風味を楽しむことが出来ます。
ビールが苦手という方にもおすすめです。
桃のラガー・・・620円(税込)
伊達農園を中心とした農家さんから仕入れた桃を仕込みました。
桃の香りが楽しめる、飲みやすいビールです。
食前酒、アフタービールとしてお楽しみいただけます。
ブルーベリーに似た黒褐色の果実「なつはぜ」の果汁を加えたビール。酸味が効いてさっぱりとした味わいが特徴です。
食品産業センターの平成25年度優良ふるさと食品中央コンクール新製品開発部門で食品産業センター会長賞を受賞しました。
みちのく福島路ビールがこだわって造ったビールは、この他にもたくさんあります。
店頭以外にも、福島県内のスーパーや、コラッセふくしまの1階にある福島観光物産館などでお買い求めいただけます。
美味しいビールを皆さまもぜひご賞味ください。
詳しくは「みちのく福島路ビール」までお問い合わせください。