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 トルコのチャブシオール外相は9日、過激派組織「イスラム国」によるシリア北部のトルコ国境地域への侵攻をめぐり、「トルコだけで地上作戦を率いると期待するのは現実的ではない」と述べ、トルコ単独でシリアへ軍を越境派遣し、「イスラム国」と交戦することを否定した。アンカラで北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と「イスラム国」対応をめぐり会談した後、共同記者会見で発言した。

 トルコは米国やNATOに対し、「イスラム国」の勢力拡大を防ぎ、市民を保護するために、トルコ国境に接するシリア北部に飛行禁止区域と緩衝地帯を設置するよう提案している。だが、米国は消極的で、ストルテンベルグ氏もこの日の会見で「NATOの議論の対象にはなっていない」と説明。「イスラム国」への対応をめぐり、欧米とトルコの足並みの乱れが浮き彫りになった。

 欧米側は、自らは地上軍を派遣せず、空爆で「イスラム国」の勢力拡大を阻止したい。トルコはシリア領内に飛行禁止区域と緩衝地帯を設置することで、敵対するアサド政権打倒の「足がかり」づくりを「イスラム国」打倒より優先したい。そんな思惑の違いが背景にあるとみられる。