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ビジネスマンに必須の『データを武器にする』方法を、全日本女子バレーのアナリストから学べるらしい

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 「デキるビジネスマンに求められるのは、データに強いこと」これはよく言われる言葉です。客観的な数字から導き出された根拠をもとにアクションを起こすことができる人材を、多くの企業が求めています。しかし、ただデータを集めて分析していても、それを現場で活かすことができなければ意味はありません

 では、データを現場に落とし込み、結果につなげるためにはどうすればいいのでしょうか? それを教えてくれるのは、全日本女子バレーボールチームのアナリスト。快進撃を続けるチームを支えるアナリストのデータ活用術は、ビジネスにも応用できるそう。今回は『データを武器にする』という本から、ビジネスにおけるデータ活用術を学んでみましょう。

データを「どう伝えるか」が問題

 営業社員全員にタブレットを支給したり、きれいに整えられたデータベースを管理するシステム部門を置いたりなど…。このように膨大なデータを収集したり、優れた分析ツールを持ってさえいれば、企業やチームの成功につながるとは思っていませんか?著者の答えはNO。

 著者がアナリストの仕事をする上で大切にしているのは、監督や選手に必要なデータをしっかり理解してもらえるよう、伝えることだそうです。せっかくの分析結果も、現場で働く人にそのデータの重要性を理解してもらえなければ、宝の持ち腐れに終わってしまいます。データを現場で活用するためには、情報の「収集」と同じぐらい、「伝達」の要素が重要なのだとか。ここで、データの伝達に関するテクニックの一例を見てみましょう。

 著者は時折、データ分析の代表的な単位である「%」をあえて用いないで説明しています「スパイクの決定率が10%目標に届いていないよ」と説明するよりも、「1セットあたりあと2本、決定数を増やそう」と選手に伝える方が、選手も次に取るべきアクションのイメージがしやすくなりますよね。これはビジネスにおいても同様。できるだけ肌感覚でイメージしやすい言葉を具体的に伝え、情報の受け手が「じゃあ、こうしてみよう」とアクションに移りやすくなるようなデータの伝達を心がけましょう!

数字のまま伝えても、意味は無い!

 よく会社の施策の中に、「会社の毎月の経費を1割削減しよう」などというものがあります。ありきたりな表現ですが、この「1割」という量について、あなたはピンときていますか?著者は、目標を掲げるのであれば、もっと具体的にすべきだとアドバイスしています。

 「1割」と言われても、社員はどれぐらい頑張ればいいのかがわからず、一人ひとりの意識の統一が難しいと思います。このように、データにある数字を数字のまま伝えても、現場には響かないということを認識しましょう。

 
 「1割」の中身を具現化して、社員がよりわかりやすい共通語に変換し、現場が次に何をすればいいのかわかるものにしてあげると、伝わり方はグンと向上します。データの収集、分析だけに注力するのではなく、相手が理解しやすいような伝達の仕方まで考えてこそ、初めてデータは活きた素材になります



 統計学やビッグデータが注目されている今日、データを活用できるビジネスマンがより求められるようになってきました。データは「収集」「分析」「伝達」の3要素が組み合わさってこそ活きるもの。伝え方にも気を配り、上手にデータを活用していきましょう!

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『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』 従来のPR戦略はもう通用しない

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 ネット技術の発展やTwitter、FacebookといったSNSの普及に伴い、私達は膨大な量の情報を手に入れることが可能となりました。しかし、一方で頭を悩ませているのが企業のマーケティング担当の人達。消費者が自ら商品や企業の情報を入手できるようになったため、従来型のPRでは消費者の心を動かすことが難しくなってしまったのです。

 では、この情報過多とも呼ばれている21世紀において、人々のハートを掴むことができるPR戦略とはどのようなものなのでしょう?今回は『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』という本と一緒に、消費者の心を動かすこれからのPR戦略について考えてみたいと思います。

なぜ、今までの広告では通用しない?

 従来の広告戦略が消費者に受け入れられない原因の1つは、人々の生活スタイルの変化にあります。インターネットの利用者が急速に増え、TVにおいても録画機器の充実により、好きな時間帯に好きな番組を見ることができる…。このように、近年の消費者の生活には「自分が見たいものだけ、見たり読んだりして楽しむ自由」があるのです。

 だからと言って、「広告をネットに流せば良い」という単純な話ではありません。消費者の関心がネットに移ったからといって、ネット動画内などで流れる広告はスキップされてばかり。情報を取捨選択できるようになった消費者にとって、「広告枠」は異物に過ぎないのです。広告を強制的にコンテンツに混ぜて見てもらおうとしても、消費者に有効にリーチできず、コミュニケーションが成立しない、という悪循環が生まれてしまっています。

 このような状況に陥ってしまっては、消費者の心を動かすことはできません。たくさんのメディアを活用し、とにかく多くの消費者にメッセージが行き届くことのみを考えた「メディア横断×リーチ拡大志向」の戦略は誤り、ということを認識しましょう。

「ココロの沸点」を見つけ出す戦略を

 そんな21世紀の人々の心を動かすPR戦略とは、いったいどのようなものなのでしょう? 著者は戦略を立てる際、消費者の「ココロの沸点」を探すことが大切だと言っています。

 ココロの沸点とは、消費者の心が動き、企業側の期待するアクションを最も起こせそうなポイントのこと。これは、戦略の目的と消費者が抱いている本音(インサイト)を照らし合わせることにより見えてくるそうです。

 戦略にどんなメッセージ性を持たせるか、どのようなストーリーで進めていくかは、全て消費者のココロの沸点次第。消費者の心が動くポイントを先に確定させておけば、戦略の目的からブレることはありません。あとはそれの実現に向け、メッセージやストーリーを具現化し、体験や体感につながるような「仕掛け」を用意していきましょう。



 これまでと違い、今は消費者が企業とのコミュニケーションの主導権を握っている時代。企業側が情報を押し付けても、誰も見向きはしてくれないようです。メッセージを伝えるべきターゲットはどんな人で、どれぐらいの規模を相手に戦略を立てるのかが、これからのPR戦略には欠かせません。戦略の目的を明確にすれば、消費者にもメッセージが伝わりやすく、受け入れられることでしょう!

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自分らしさなんか探さなくていい。本物の自信は『「自分」の壁』を壊した先に

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 「本当の自分とは何なのか?」度々そんなことを考える人は多いのではないでしょうか。人の”コモディティ化”を恐れ、自分の個性や独創性を探すことに必死になるのはもうやめよう!と言っている一冊の本、『「自分」の壁』を今回はご紹介します。この本の中で著者が言うには、「本当の自分」を探すよりも、「本当の自信」を育てるべきなんだとか。

「自分探し」なんて必要ない

個性は放っておいても誰にでもあります。だから、この世の中で生きていくうえで大切なのは、「人といかに違うか」ではなくて、人と同じところを探すことです

出典:養老 孟司 (2014) 『「自分」の壁』

 自分の個性を追い求めるための「自分探し」をされる人が多いみたいですが、著者はそれに真っ向から反対しています。特徴や長所があるのはもちろん良いこと。ですがそのような個性は、別に「発揮せよ」と言われなくても自然と身についているものではないでしょうか? 個性とは周囲がお膳立てをして発揮させたり、伸ばしたりする類いのものではありません。むしろ、周囲が押さえつけにかかっても、それでもその人に残っているものこそが個性なのだそう。

 意外に思われるかもしれませんが、この個性は徹底的に真似をすることから生まれるんだとか。それをよく表しているのが、日本の伝統芸能の世界。入門した弟子は、まず徹底的に師匠の真似をさせられます。「とにかく同じようにやれ」という過程が10年、20年と続きますが、それだけ続けても師匠のクローンをつくることはできません。どこかがどうしても違ってくるもの。その違いこそが、師匠の個性であり、弟子の個性。徹底的に他者の真似をした結果、個性は見えてきます

 ではなぜ、「本当の自分」を探す人が増えてきてしまったのでしょう?それは、現代社会に問題があるから。それぞれの人が個性を発揮するには、世間の方がきちんとしていなければなりません。師匠が基礎をきちんと学んで、その道をきちんと歩んでいるからこそ、徹底して真似る甲斐があるというもの。ところが、今は世間の方がきちんとしていないにもかかわらず、人々に「個性を発揮せよ」と言っている状態。そのため若者も訳がわからないまま、「自分探し」という旅に出てしまうのでしょう。

「本物の自信」がブレない自分をつくる

 「自分探し」よりも、著者は「本物の自信」を持つことが大切だ、と説いています。人が個性や独創性を追い求めようとする原因は、自分に対する自信の無さからくる不安感情。何があってもブレない自信を持つことができれば、個性などに捉われることはなくなるのではないでしょうか?

 自信を育てるためには、苦労がつきもの。目の前に問題が発生し、何らかの壁に当たってしまった時に、そこから逃げてしまう方が効率的に思えるかもしれません。実際にその時のことを考えるだけでよければ、その方が楽でしょう。ところが、そうやって回避しても、結局はまたその手の問題にぶつかって、立ち往生してしまうものです。社会で起こっている問題から逃げると、同じような問題にぶつかった時に対処できません

 「こういう時は、こうすればいい」という常識を身に付けず、「逃げ癖」がついた人では、自信を手に入れることは難しいでしょう。様々な経験からあらゆる状況にも対応できる常識を身に付けてこそ、何事にも左右されない「本物の自信」の獲得につながるのです。



 「自分探し」はもうやめよう。著者のこのメッセージは、人と同じことを恐れて個性の発掘に必死な現代人にとって耳の痛い話。一方、自分に絶対的な自信を持っている人にとっては、個性は取るに足らないことのようですね。個性を見つけることに時間をかけるよりも、何があってもブレない「本物の自信」を手に入れる努力をしていきましょう!

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