消費税未納:Jリーグ監督・選手30人分 国税庁放置

毎日新聞 2014年10月11日 03時00分(最終更新 10月11日 05時04分)

問題視された納税資料の流れ
問題視された納税資料の流れ

 サッカーJリーグに所属する外国人監督や外国人選手約30人が2012年までの4年間で、日本で得た契約金や報酬にかかる消費税を申告していなかったことが10日、会計検査院の調べで分かった。関係者によると、町田ゼルビアのランコ・ポポビッチ元監督(47)や鹿島アントラーズのダビ選手(30)らが含まれ、未納額は計数千万円とみられる。国税庁が放置した形になっており、検査院は改善を要請した。Jリーグは加盟チームに対する調査を始め、納付状況の確認を進めている。

 スポーツ選手ら個人事業者は国籍に関係なく、ある年の収入が年間1000万円以上あった場合、翌年までは消費税がかからないが、2年後から税務申告する義務がある。検査院は外国人の申告状況を調べるため、09〜12年、外国人のプロスポーツ選手や芸能人のうち、1年間の契約金や報酬が1000万円以上あった約280人を調査。約30人の無申告が判明した。約30人の契約金や報酬は総額約9億8000万円。当時の消費税率は5%で、スパイクやトレーニング機器などの経費を除くと、未納額は数千万円とみられる。

 国税庁によると、各チームは監督や選手らの氏名、住所、報酬などが記載された資料をチームの所在地を管轄する税務署に提出。この資料は国税庁の資料センターに集められ、センターのコンピューターに氏名や住所が入力される。

 その後、資料は、監督や選手が住む各地の税務署に送られ、その税務署が消費税の申告の有無を調べる。ところが、約30人は住所欄に海外の居所を記載したため、税務署側が無申告である事実を把握できなかった。本来は住所が国内か国外であるかにかかわらず、課税しなければならなかった。【武内亮、高島博之】

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