音楽のない人生なんて考えられるだろうか！ 人生の様々なシーンに、思い出の1ページに、日常の1コマに寄り添い、共鳴し、日々を彩る、欠かせない存在、それが音楽である。今回ご紹介するのは、音楽の素晴らしさを改めて胸いっぱいに感じさせてくれる、英国放送協会（British Broadcasting Corporation｜BBC）が贈るミュージックビデオ（MV）「God Only Knows」。The Beach Boys（ザ・ビーチ・ボーイズ）の名曲を、超豪華ミュージシャンたちがリレーで歌いあげてゆく、まさに夢のMVだ！

BBCの新しい音楽サービス「BBC Music」のローンチを記念した「God Only Knows」は、1997年にBBCがチャリティソングとしてMVとシングルをリリースした「Perfect Day」同様に、音楽ジャンルも国境も世代も超えて豪華ミュージシャンが終結したスペシャルなプロジェクトとなっている。

オリジナルの魅力も活かした美しく壮大なアレンジに乗せて、Pharrell Williams（ファレル・ウィリアムズ）、Elton John（エルトン・ジョン）、Lorde（ロード）、Chris Martin（クリス・マーティン）、Kylie Minogue（カイリー・ミノーグ）、Brian May（ブライアン・メイ）、One Direction（ワン・ダイレクション）、Sam Smith（サム・スミス）、そして「God Only Knows」を作詞作曲したBrian Wilson（ブライアン・ウィルソン）ら、27組の超一流から気鋭の新人、さらにはバイオリニストやオペラ歌手まで、世界中の幅広いミュージシャンをサポートしてきたBBCならではのラインナップが登場！ イギリスらしいクラシカルでファンタジックな舞台から、音楽の感動を伝えてくれる。全出演者を知りたい方は、こちらの特設サイトをどうぞ！

この「God Only Knows」は、実に2年間掛けて完成した壮大なプロジェクト。当初はIron Maiden（アイアン・メイデン）の楽曲「Phantom of the Opera」をオーケストラバージョンとして発表するというアイデアだったが、徐々にプロジェクトが巨大化したため、楽曲を変更することになった。The Kinks（ザ・キンクス）やThe Beatles（ビートルズ）、David Bowie（デヴィッド・ボウイ）らの楽曲が、より多くの人に届くものを目指してリストアップされ、最終的にそれにふさわしい選曲になった。

「参加してくれた全てのアーティストが素晴らしい仕事をしてくれました。いくらお礼を言っても足りないほどで、私は「God Only Knows」が選ばれたことを誇りに思います。この曲は、特別な曲です。とてもスピリチュアルで、私が書いた中で最高の曲の一つです」（ブライアン・ウィルソン）

MVの舞台は、ロンドンの歴史ある劇場で、90年前に初めてBBCが番組収録を行った記念すべき場所でもある、アレクサンドラ・パレス・シアター。監督を務めたのは、ディレクターズデュオJonas & Françoisとしても活動しているフランス人ディレクターFrançois Rousselet（フランソワーズ・ルスレ）。各ミュージシャンは全てグリーンバックで撮られており、クロマキー撮影したアーティストにCGを合成し、アレクサンドラ・パレス・シアターに出現させている。全てのミュージシャンの撮影が終わったのは、開始から実に18ヶ月後だったという。

3幕構成で紡がれる「God Only Knows」は、シアターとオーケストラが生命を宿し、まずはムードたっぷりのオーケストラで幕が開け、第2幕では光に包まれた明るい世界が広がり、そして第3幕ではマジカルな雲の世界へと展開してゆく。これらの世界を作り上げたポストプロダクションは、イギリスのThe Mill。スティーヴィー・ワンダーを取り巻くクリスタルや、ロードの羽根、エルトン・ジョンが纏う蝶、カイリー・ミノーグが入るシャボン玉、ブライアン・ウィルソンの背景のジャングルなどを、マットペインティングや2Dと3DのCGで作り上げている。

The Millの2DリードアーティストのZoe Cassey-Hayes（ゾーイ・ケーシー＝ヘイズ）は、「これほどの規模のプロジェクトともなると、The Millの全ての部署の叡智を結集させる必要がありました。HoudiniやMaya、Nuke、Flame、Photoshop、Hieroと数々のソフトウェアを使用し、この豪華なショーケースが完成しました」と、会社を挙げて取り組んだ本作を振り返っている。

なお、この「God Only Knows」は、BBCによる子供たちへのチャリティプロジェクト「BBC Children in Need 2014」のテーマソングにもなっており、イギリスでは既にシングルとしてCDや配信でリリースされている。