エボラ出血熱、犬から人間に感染するか?
2014年10月10日 13:24 発信地:パリ/フランス
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【10月10日 AFP】スペインでエボラ出血熱の患者の飼い犬が殺処分され騒動となっている問題で、専門家らは9日、犬がエボラウイルスに感染するリスクはあるが、そのウイルスが犬から人間に感染するということではないと説明した。
2005年に発表された研究論文によると、エボラウイルスが犬のふん尿や唾液を通して人間に感染する可能性があるとする理論上のリスクが指摘されている。しかしウイルス学者たちは、こうしたことがかつて起きたという証拠はないとし、確かなデータが不足していることを考えれば、慎重になるべきと促した。
スペイン当局は8日、エボラ出血熱に感染し首都マドリード(Madrid)の病院で死亡した患者2人の対応に当たった後、自らも感染し入院中の看護師の飼い犬を殺処分した。
この殺処分に対し、複数の動物愛護団体からは批判の声が上がった。飼い主夫婦が隔離されて以降、飼い犬の「エクスカリブル(Excalibur)」だけが残された夫婦の自宅アパートの前では、一部の動物愛護団体メンバーが警察と小競り合いになった。
ガボンで2001~02年にかけて発生したエボラ出血熱について調査した専門家らは、複数の犬にエボラウイルスの抗体の痕跡を発見した。このことは、犬がエボラウイルスに感染したことがあることを示す明確なしるしだ。
ただこれらの犬の感染源が、コウモリやサルなどの自然源なのか、あるいは人間なのかについては、論文では明確にされていない。
また、「犬から人間に感染するのか」というより大きな疑問への答えも追求されていない。
英ウォーリック大学(University of Warwick)のアンドリュー・イーストン(Andrew Easton)教授はAFPに対し、「ただ、これらの犬がウイルスに感染したとすれば、間違いなく潜在的な感染源となる。犬の世話をする人や、犬の分泌物やふん尿に接触する人は、犬をリスクの一つと考える必要がある」と語った。
米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)は、ツイッター(Twitter)の公式アカウントで、「ペットが病気になったという報告や、犬の媒介で人間がエボラ出血熱に感染したという報告は入っていない」ことを強調。
またCDCは現在、「国内のペットに関するガイダンス」作成のため、米国獣医師会(American Veterinary Medical Association)らとともに作業を進めているという。(c)AFP/Mariette LE ROUX