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風船、津軽海峡越え厚沢部へ 大間から飛来、放射能汚染に危機感新た

(10/11 09:45)

 青森県大間町で建設中の電源開発大間原発近くから飛ばした風船が、津軽海峡を越えて、約60キロ離れた厚沢部町に達していたことが分かった。建設に反対する市民グループなどが事故の際に放射能が広がる範囲を確かめようと飛ばしたもので、目に見えずに広がる放射能汚染にあらためて警鐘を鳴らしている。

 風船は、7月20日に大間町で開かれた「第7回大間原発反対現地集会」(実行委主催)の際、「大間風船計画」として同原発の隣接地から飛ばした500個のうちの一つ。同月末ごろ、厚沢部町南館町の畑に落ちているのを農業吉田藍さん(34)が見つけ、風船に付けてあったはがきで実行委に連絡した。

 吉田さんは風船が大間から飛んできたことを知り、「原発問題が一気に身近になった」と言う。「放射能で畑が汚染されれば収入はなくなる。万が一の際に放射性物質が及ぶ範囲をもっと知る必要がある」と感じている。

 函館地方気象台によると、函館周辺の地上の風は主に夏季は東南東から、冬季は西北西から吹くが、函館上空や津軽海峡の観測データは限られている。特に津軽海峡の風向きは複雑で正確に把握することは難しいという。

 実行委の中道雅史事務局長は「風船による検証は分かりやすく、インパクトもある」と効果を実感。漁業者から海上の風について助言を得ながら、来春にも再度、風船計画を実施することを検討している。(松嶋加奈)

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