まとめサイト:実はステマ もうけ話にツッコミ、全て偽装
毎日新聞 2014年10月11日 16時10分(最終更新 10月11日 16時38分)
◇トラブル相談増加 被害潜在化か
「2ちゃんねる」などインターネット掲示板の投稿を抜粋・転載した「コピペブログ」を中心とする「まとめサイト」を装い、金融取引やアダルトサイトに誘導する広告が増加している。利用者に広告と気付かせない新手の「ステルスマーケティング」(ステマ)の一種だ。まだ消費者からの相談件数は少ないが、国民生活センターは、利用者が問題のサイトそのものを広告と気付いていないため、被害が潜在化している可能性があると指摘している。
ITジャーナリストの三上洋さん(49)によると、コピペブログは2003年ごろに始まったブログのサービスの拡大に伴って普及。読みやすさが受けて増加し、1カ月に数千万件閲覧されるサイトもあるという。
こうした広告は、閲覧数などに応じて報酬を支払う「アフィリエイト広告」をブログの投稿に偽装したもの。例えば、まず「俺、何の取りえもないけど大もうけした」などのタイトルで興味を引き、サイトへ誘導する。
そこに掲載されているのは「どうやってもうけたの」「ウソに決まってる」などのやり取り。読み進むと「同じ方法を試したら自分も大金を手にした」ともう1人の「成功者」が登場して真実味を持たせる。だが、実際は全て業者の投稿とみられ、サイトに張られたリンクをクリックすると金融取引業者などのサイトにたどり着くというパターンだ。
三上さんは「外部サイトへのリンクが張られている時点で怪しさに気付くことが必要だが、『広告』と明記されない場合も多く、見抜くのが難しい」と指摘する。
国民生活センターによると、この広告を機にトラブルになった可能性のある相談は12年度4件▽13年度15件▽今年度(8月まで)9件の計28件。
今年8月には20代女性が外国通貨の相場を予想して売買する「バイナリーオプション」という金融取引をコピペブログ風の広告を通じて申し込み、約5万円を海外業者の口座に入金。元本保証の説明があったため返金を求めると、業者から身分証明書やクレジットカード番号などの個人情報提供を求められたためセンターに相談した。
7月には20代の男女2人から「まとめサイトを通じてアダルトサイトに入会してしまい料金を請求された」との相談もあったという。