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Apes! Not Monkeys! はてな別館

2014-05-14

[]無理解の極北

http://www.news-postseven.com/archives/20140505_251753.html

とにかくゲスいので記事のタイトルすら引用したくありませんが、上記のヘイト記事について、です。

(……)そもそも、「慰安婦」と「韓国軍の蛮行」とは全く次元が異なる問題だ。慰安婦や慰安所は、倫理的問題はともかく、戦時下では定められたルールに従って制度化されていた。慰安婦たちは貧困などの事情でその職に就いた職業売春婦である。

いやぁ本当にわかってないんだ、とこの一節には吐き気を通り越して清々しささえ感じました。日本軍「慰安所」制度の特徴はまさにそれが「定められたルールに従って制度化されていた」*1ことです。もし「制度化」されていなかったのなら、旧日本軍はたかだか他国の同じ軍隊とひとくくりにして批判されたにすぎないでしょう。

おそらくこれを書いたライター、および何の疑問も持たずにこれを掲載した編集者、何の疑問ももたずに読んだ読者たちは、人身売買の被害者を買春することにたいして何の後ろめたさも持たないのでしょう。「人身売買? 売ったやつが悪いんだろ。えっ? お前も買ったじゃないかって? いや、オレはただフーゾクを“活用”しに来たらたまたまそういう女にあたっただけだって」といった具合に。だからこそ、国家が人身売買システムを「制度化」して公式に利用することのグロテスクさに気づかないわけです。

*1:このライターはおそらく「公娼制」のことを念頭においているわけですが、私が問題にしているのはもちろん改正野戦酒保規定や各部隊レベルでの慰安所運営/利用規程のことです。

yoshiyoshi 2014/05/14 10:54 http://b.hatena.ne.jp/gimonfu_usr/20140514#bookmark-195046070
「"旧日本軍はたかだか他国の同じ軍隊とひとくくりにして批判された" その他国の方針があなたは誉められたものと考えているのかな。 旧軍関与の慰安所では彼女たちの借財返済の整理も企図された例があるのですが。」


・・・バカ丸出し(呆
直前に「ひとくくりにして批判された」を引用しておきながら、言ってもいない「誉められたものと考えている」が成立するんだったら「借財返済の整理も企図された」の例示なんて「オレはただフーゾクを“活用”しに来たらたまたまそういう女にあたっただけだって」そのものズバリじゃネーか。

自分自身が「オレはただフーゾクを“活用”しに来たらたまたまそういう女にあたっただけだって」そのものズバリだから、他人も「誉められたものと考えている」くらいは考えているはず、って邪推したのかねぇ???

ソー言うのを自白したって言うんですよ(笑)

ApemanApeman 2014/05/14 11:03 yoshiさん

そいつ、当初はシニシスト気取りのコメントが多かったんですけど、だんだんバカの地金が出てきましたね。ほんと、どこをどう読んだら「あなたは誉められたものと考えているのかな」なんて質問が出てくるんだろう……。「旧軍関与の慰安所では彼女たちの借財返済の整理も企図された例」って、それ日本軍が人身売買に関わった証拠じゃん!
「極北」を題材にしたエントリのつもりでしたけど、さらに「北」があったということかもしれません。

uchya_xuchya_x 2014/05/14 11:36 「放置や黙認だってひどいじゃないか」というコメントもありますが。
少なくとも数万人以上の人身売買被害者を居住地から戦地へ移送する、なんてのは当時でも悪質な組織犯罪として摘発されるシロモノです。それを軍主体で行っていた。この一点だけでも「放置」や「黙認」とは同列に語れるような事じゃない。

「よそもやっていたじゃないか」という論法は使えないんですよね。理解できますか?id:hitouban

ApemanApeman 2014/05/14 11:56 uchya_x さん

ああ、「シニカルなブコメ書いてるオレかっこいい!」と勘違いしている両横綱がそろい踏みですか。ということは、このエントリは書かれるべきことを書いた、ということですね。

hitoubanhitouban 2014/05/14 12:46 あぁ、「五十歩百歩」の故事成語をご存知なさそうだ>X。国家が負うべき責任を回避し巧妙に民間業者を(自己責任の形で!)利用する、今なお米軍基地周辺等で見られる充分にグロテスクな運用だと思いますがねえ。最近の左翼さんは海よりもキュアマリンさんより心が広いんですねえ。

まあ「グロテスク」ってのがそもそも個人の感想以上の物じゃありませんし量刑の物差しにはなりませんがね。

>「よそもやっていたじゃないか」という論法は使えないんですよね。

「よそもやっていたからいいじゃないか」には与しませんが誰か今そんな主張してるんですか?私は「五十歩百歩」「みんな酷くてみんなわるい」と言ってるだけですよ?

「慰安所はどこの国にもある、だから問題ない」と主張する方々には与しませんが「日本の慰安婦制度が一番邪悪」もそろそろカビの生えた主張だと思いますよ。そもそもそれは慰安婦の方々の救済と関係の無い話でしょう。

シニカルついでに。以前「家族が慰安婦と同じ目に合わされたらどう思う」とかブログ主が仰ってましたが、死刑廃止論に食ってかかる層も同じレベルの事言ってますから言わない方がいいっすよ。忠告。
しかし被害者遺族と裁判官を兼任したがる人ってなんなんですかね。(心底不思議そうに)。

ApemanApeman 2014/05/14 13:02 カッコイ〜! ヒューヒュー♩
とりあえず、言いがかりつける前に私が「日本の慰安婦制度が一番邪悪」と主張した箇所を具体的に指摘してみせてね。

uchya_xuchya_x 2014/05/14 14:03 被害者が死ぬ事に変わりはないんだから、過失致死も殺人も五十歩百歩だ、と言ったら同意してくれるんですかな。
人身売買を黙認/放置する事と、自ら主体的に性奴隷制度の維持と拡大に手を染める事の間にはかなりの開きがあるでしょう。
数万人規模の拉致なんてことが、単に「黙認/放置」しただけで起こせますか?

uchya_xuchya_x 2014/05/14 14:19 もうちょっと具体的な例を出しましょう。
民間会社が、主張先の他国で社員が買春しているのを黙認する事と、会社自身がブラックマーケットと取引して人身売買被害者を社員に斡旋する事を、あなたは五十歩百歩と言うのですか?

kannukikannuki 2014/05/14 15:01 「五十歩百歩」「みんな酷くてみんなわるい」だなんて、あまりにゆるゆるすぎて何も言ってないに等しいですわ。
「よそもやっていたじゃないか論」がボコボコに叩かれて言いにくくなったから、自称中立という名のスパイスを
振りかけて上っ面だけ新しくしてみせたんだろうけど、結局日本の罪を相対化して薄めたいという結論はなんにも変わってない。

本気で「みんな酷い」と思ってるんなら、やるべき事は米英仏中独伊ソetc各国の公文書や証言や書籍のひとつでも
見つけてくることであって、ブログに噛みついたり馬鹿の一つ覚えのように「ライタイハンガー」と呟くことではないし、
そう言う姿勢すらも見せないのなら、それはまさに、至るところで軽蔑されたあの自称中立論者達がやったことに他ならない

rawan60rawan60 2014/05/14 18:43 凄いですね。
世の中に戦時売春存在していて、それを国家が見過ごすことと、その国家・国軍自体が主体的に強制売春を制度運用することが「五十歩百歩」などと主張するなんて!

「五十歩百歩」などというなら、軍が人身売買ネットワークを利用して「慰安婦」を集めようが、銃剣を突き付けて「女を出せ!」と連行していこうが、その醜悪な目的と行為においては「五十歩百歩」というのだよ。

ApemanApeman 2014/05/14 21:23 kannuki さん

>本気で「みんな酷い」と思ってるんなら、やるべき事は米英仏中独伊ソetc各国の公文書や証言や書籍のひとつでも
見つけてくることであって

まったくもっておっしゃる通りですね。その「やるべき事」を実行している人間って、なぜかほとんど見かけないんですけどね。

uchya_x さん、rawan60 さん

「言いたいこと」をなにひとつ持たずシニカルな逆ばりゲームをしてるだけですから、まともな答えなんてかえってこないですよ。

Nephren-KaNephren-Ka 2014/05/14 22:48 しかも「忠告」ですって。まあ軍師気取りがやたらと湧いて出るのもネットの風物詩ではあります。
あ、忠告とやらの内容については「ゴミクズが何を偉そうに」程度の感想しかないです。

hitoubanhitouban 2014/05/14 23:58 はてさて「悪を看過し黙認するのも悪」ではなかったか。それとも日本軍以外の軍隊はよほど人道的に売買春制度を運用していたのか(でもだったらナンデ途中で廃止したのカシラ)。

挑発は置いといてメタブクマに書いたの転載しときますねー。


慰安婦像建立目的が真に戦時性暴力糾弾のシンボルなら尚の事、慰安システムへの国家関与が明確だろうと不明瞭だろうと本質的に同じ、同列に扱えと声を上げ続けるべき。差異に拘ると普遍性を取りこぼす。


「あの朝鮮人少女の像の視線の先、非難され責任を問われているのは日本軍だけではない」
私はあの慰安婦像建立の意義をそのように受け取りました。戦時性暴力という普遍的な人権問題に訴えるべき案件だから、「無関係な第三国」は存在しない、と。
けど五十歩百歩=本質的に同じグロテスクな所業と捉えるのを拒み「日本軍個別の特殊な事件」とするなら、誰が何を自省できるのでしょう?

「五十歩百歩などととんでもない、天と地ほども違う、我が軍はもっとマシだった」「人道的に扱っていた」「民間業者だから責任は無かった」「自由意思による売春だった」

いっくらでも自己弁護の材料に使えるでしょうね。他山の石とし身の内にある悪と向き合わなくていいなら、ひとはいっくらでも被害者に寄り添う(俺カッコイイ)姿勢がとれる物です。

制度ですらない制度、正統性も法根拠も必要としない空気に寄る運用、「黙認」もまたグロテスクと言って叩かれるなら、もう目指してる未来が違うんじゃないかなあ。

MKMMKM 2014/05/15 00:18 >私が「日本の慰安婦制度が一番邪悪」と主張した箇所を具体的に指摘してみせてね。

これができないようであれば、捏造常習なゴミウヨクな方々と"五十歩百歩"ですから、そういう方々の同類と扱ってもらっても全然構わないということなんでしょう、きっと。

まぁもし仮に50人殺した人間と100人殺した人間を「五十歩百歩」と評することが妥当だとするとしても(あくまで仮にという話です)、第三者がそれを「五十歩百歩」と評した場合と100人殺した人間の子供が両者を「五十歩百歩」と評した場合とでは全く意味合いが違ってくると思うんですけどね、特に被害者にとっては。

それにしても犯罪を「五十歩百歩」と簡単にくくってしまえるなら、様々な犯罪に対してどのような量刑が妥当なのだろうかということを考えている法曹関係者は馬鹿馬鹿しい事をしてるということになりかねませんね。

chada_5chada_5 2014/05/15 00:52 橋下徹を慰安婦問題に関して肯定的に評価してる時点で自称中立ですらないですわ。

scopedogscopedog 2014/05/15 00:56 hitoubanの特徴は「本質的に同じ」というコメントを、「五十歩百歩などととんでもない、天と地ほども違う、我が軍はもっとマシだった」と正当化している主張に対してはつけずに「五十歩百歩などととんでもない、天と地ほども違う、我が軍はもっとひどかった」と自責している主張に対してつける、という点。
飢えのためやむなくパンを盗んだ人に対して「泥棒め」と罵る一方で、遊ぶ金欲しさに強盗を繰り返す人には何も言わない、と言った卑怯さに満ちている。

まあ、相手にする価値はないですね。

rawan60rawan60 2014/05/15 02:46 予想通りの間抜けなコメントでしたね。

>戦時性暴力という普遍的な人権問題に訴えるべき案件

だと、日本軍による特殊性、行為の主体性は喪失しちゃうそうです。
この人には、普遍的に同様に「グロテスクな所業」「残酷な行為」と認識出来るということと、誰がどのような力を以ってそれを行ったのかという「差異」による主張の区別がつかないようです。

ApemanApeman 2014/05/15 06:34 まとめレスで失礼いたします。

>差異に拘ると普遍性を取りこぼす。

失笑しかないですね。かつては「差分」を教えろ! などと言われたものですが。田中利幸氏に依拠して「普遍性と特殊性の双方を抑えることが重要」だと最初にこのブログで書いたのって、2006年のことですよ。それからこんなエントリ
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060903/p5
も06年に書いてる。8年遅いってw
ちなみにこの論法って、言葉使いこそ違いますが、「歴史家論争」におけるノルテを想起させますね。

uchya_xuchya_x 2014/05/15 09:49 >「五十歩百歩などととんでもない、天と地ほども違う、我が軍はもっとマシだった」と正当化している

引用元の主張が正にそれであって、このエントリーでは元記事の「戦時性暴力のグロテスクな本質」に対する無理解を批判してるのに、それに対して「他の国も五十歩百歩」なんてこと言い出す。
これって今まで何度も目にしてきた「他でもやってるのになんで日本だけ標的にするんだ」という言い逃れとどこが違うのですか?

だいたいさあ、ここで慰安婦制度を批判している人達が、他のケース、例えば沖縄での米軍の性暴力に対してどういう態度を表明してきたかわかっててそんな寝言ほざいてんのか?

ohsuuironairoohsuuironairo 2014/05/15 12:47 「目指してる未来が違う」以前に、“事実から出発するか、願望から出発するか”という、決定的な違いがある気がします。もっとも、“五十歩百歩”で片付けたい人達からすれば、「コッチが事実だ」と言いたいんでしょうけど。そもそも彼らが目指してるのは、「未来」よりも「過去」のようにも思えますし。


>ここで慰安婦制度を批判している人達が、他のケース、例えば沖縄での米軍の性暴力に対してどういう態度を表明してきたか

全くその通りで、かつて日本軍がおかした犯罪を正当化しようとしている人たちは、現在進行形で同胞が受けている被害の根源に立ち向かうような言動をとることはありません。

ApemanApeman 2014/05/15 21:42 「お前らのせいでネトウヨになりそうだ」と批判に対して逆ギレしたライターがつい最近だけで2人もいますけど、これもまあ似たような反応なんでしょうね。きっかけ(の一つ)は「トータルイメージにおける鎖ジャラジャラは今も昔も左派の物でしょ」という根拠レスな決めつけを批判されたこと、でしたが。

上毛三山上毛三山 2014/05/16 22:05 失礼いたします。ひとつお聞きしたいことがあり、書き込みをさせていただきます。

先日、「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」でもって“日本国家の意思は国際条約を守るというものであり、性奴隷として扱う意思はなかった。”“違法な業者などがおり、それを取り締まることができなかった責任は免れないが、政府の意思は国際条約を守るものだった”といったようなことをおっしゃるかたとツイッターにてやり取りをしたのですが

これに関して山海関領事館の佐々木副領事による、21歳未満に身分証明書を出していた事例がありますが、この事例のその後については何もわかっていないのでしょうか?これに対する外務大臣の回答などは焼却もしくは現在も省庁の資料庫に眠っている状態と考えられるのでしょうか。

ApemanApeman 2014/05/17 00:53 上毛三山さん

>「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」

吉見義明さんの『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(岩波ブックレット)の31ページ以降に記されていますが、この通牒は「内地」からの募集について出されたものですね(「内地に於て是等婦女の募集周旋を為す者にして」云々)。ですから、この文書を「植民地においても国際条約を守るという意志があった」という証拠には使えませんね。

> この事例のその後については何もわかっていないのでしょうか?

いま直ちに思い出せる限りでは「その後」について言及されているケースはなかったような……。
http://fightforjustice.info/?page_id=2401
こちら↑でも同様です。少し調べてみます。

ApemanApeman 2014/05/17 01:01 追記です。

なお永井先生は警保局長通牒「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」が朝鮮総督府や台湾総督府に「伝わったことは十分ありえる話であろう」、「もっとも、朝鮮総督府や台湾総督府の警務局がそのまま同内容の通牒を管下に通達したかどうか、それはまた別問題」だとされていますね。

ApemanApeman 2014/05/17 01:04 五月雨式ですいません。「日本国家の意思」というと橋下徹の「国家の意思で強制連行」とかを連想しますね。昨日、ホロコースト否定論者とやりとりしている人を見かけたりもしましたが、まずは「国家の意思なるものをどのように認定するのか?」について、言質を取っておく方がいいかもしれません。その時点で、否定論を擁護したいばかりに非常識なことを言い出せば、それ自体が追及可能な弱点になりますし。

Bill_McCrearyBill_McCreary 2014/05/17 07:25 ゲスいといえば、黙然日記さん

http://d.hatena.ne.jp/pr3/20140515

で紹介されたこの阿比留記事もゲスいですねえ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140515/plc14051514010013-n1.htm

>満州(現中国東北部)にいた静岡県裾野市の勝又さんは、上官に「この朝鮮女性たちは軍が集めたのか」と聞いた。上官は「金を目当てに朝鮮の親分が集めてくる」と答えたという。

 勝又さんの手記によると軍曹の月給が25円だった当時、朝鮮半島出身の女性は土・日の2日間で25円から30円の収入を得ていた。

 7年間にわたり中国北部を転々とした北海道旭川市の外川さんは次のように証言している。

 「戦地では慰安婦を何人か(6〜7人が多い)連れて、それを商売にしている朝鮮人や中国人が必ずいたのである。(彼女たちに)『なぜこの道に入ったのか』と聞くと、『家が貧しいのでよい金になるからといわれ、働いて親元にお金を送るため』と答えた」

典型的な

>人身売買の被害者を買春することにたいして何の後ろめたさも持たない

メンタリティではないかと。

ところで、この記事で紹介されている橋下徹の

>産経新聞が頑張ってくれて、慰安婦問題の本質とか、(慰安婦募集の強制性を認めた)河野談話がどんなものだったのか、やっと国民にも伝わってきているんじゃないか

という発言を読んで、昨年の橋下の(口先ではあっても)、米軍の風俗活用発言の際における陳謝とはまた違っているなと。こうなると、吉見教授の裁判がまた楽しみです。

ところで、前こちらで、いいかげんマイクロソフトに産経のゲス記事を通告したほうがいいんじゃないかっていう話があったじゃないですか。この記事などは、一つの事例としていいのではないかと。阿比留記者が悪質な名誉棄損で敗訴しているにもかかわらず産経が重用しているのも、米国社会では日本よりは抵抗があるでしょう。

上毛三山上毛三山 2014/05/17 18:28 Apemanさん

植民地については、「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際約」の14条でもって国際法には違反していないというので

>14条は「宣言シ得ヘク」(英語では may declare)つまり植民地をはずすことを「宣言してもよい」であり、宣言しないこともできたわけで、ここに日本政府の植民地差別を見ることも可能です

と述べたところ

>もともと14条は英国の植民地での公娼制度を維持するため取り入られたと考えられます。現在の感覚で当時の状況を断罪することが正当とは思いません

との返事でした(ちなみに、「現在の感覚で当時を」はやりとりの中で2度目の登場です)

それから、「いわゆる「副官通牒」は違法な業者を取り締まるために出したのではないというのが専門家の見解」と述べて永井和先生の論考を提示したところ、「永井和氏の一見解」で「証拠」にならないと言われてしまいました
米軍の「日本人捕虜尋問報告 第49号」についても白石氏の論考を提示したところ「永井和グループの一見解」で、

>あなたが提示した資料も含め「日本人捕虜尋問報告 第49号」にはいろいろな見解がありますよ。例:慰安婦は従軍売春婦。慰安婦は客を断る権利があったなど

とのことです

一方で、私が以下のように述べたところ

>地域による差はありますが、ほとんどの場合、業者の選定、慰安所の設置、慰安婦の性病検査、慰安婦の移送等々、慰安所に関するほぼ全ての部分に日本軍は関わっています

これには同意しているのです

各種法令(=政府による命令?)を元に、日本の「意思」は「慰安婦」を「性奴隷」として扱うものではなかった。ただ、違法な業者などがいて、それに対する監督責任はあるといった考えのようです

長くなってしまっていますが、ついででもう一つ

>馬來軍政監部「芸妓、酌婦雇用契約規則」第9条に自由廃業を示す規定があり、性奴隷とは言えません。

ということをおっしゃってきたので調べてみたところ、この方は以前もこの規則を理由に「自由廃業」であると言っていました。

私ではなく、他のかたのツイッターですがリンクはこちら
https://twitter.com/ndoro4/status/437924821628747778

で、「違約金を払う条件がついていて「自由廃業」?」と返事をしようかとおもったのですが、上記リンクのやりとりで「少なくとも6ヶ月以上では違約金要らないので自由廃業」だと述べています

ApemanApeman 2014/05/17 22:34 Bill_McCrearyさん

>上官は「金を目当てに朝鮮の親分が集めてくる」と答えたという。

業者が「金目当て」である以上当然中間搾取がある……ということには思い至らないのでしょうね。

>こうなると、吉見教授の裁判がまた楽しみです。

一刻も早く一審判決が出てほしいですね。

>この記事などは、一つの事例としていいのではないかと。

ゲスさは申し分ないんですけど、それをうまく英語で伝えられるかどうか、ちょっと検討してみます。

上毛三山さん

>植民地については、「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際約」の14条でもって国際法には違反していないというので

これはひどいですね。日本が保留したのは第5条であって第14条じゃありませんからね。

>「永井和氏の一見解」で「証拠」にならないと言われてしまいました

「じゃあ、あなたの主張も一見解で『証拠』にはなりませんね」、と。

>例:慰安婦は従軍売春婦。慰安婦は客を断る権利があったなど

彼はそもそも、聴取の対象が業者と「慰安婦」の双方であるにも関わらず、報告書は情報源をいちいち断っていない、という点を踏まえてませんね。それに「慰安婦は従軍売春婦」と右派が言い立てている部分は、単に「慰安婦」という婉曲語法を解説している箇所にすぎません。ろくに資料が読めていませんね。

>「少なくとも6ヶ月以上では違約金要らないので自由廃業」だと述べています

「6ヶ月以上」という条件がついているのですから全然「自由」じゃありませんね。

ApemanApeman 2014/05/18 09:27 上毛三山さん

補足です。「芸妓、酌婦雇用契約規則」と同じく馬來軍政監部の「軍政規定集」に収められている「慰安施設及旅館業遵守規則」の第13条には「営業者及稼業婦にして廃業せんとするときは所轄地方長官に願出許可を受くべし」とあります。「自由廃業」の建て前とは真っ向から衝突する規定であり、軍が性「奴隷」制にしっかり加担していたことを示していますね。

上毛三山上毛三山 2014/05/19 20:39 Apeman さん
色々とありがとうございます。

 そしてすみません、私の書き方が悪かったかもしれません。あちらの主張は、「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際約」の14条に植民地を適用除外できるとの規定があり、日本はその規定を利用して植民地の条約適用を除外した。なので法律にのっとった除外であり、「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」が植民地を扱っていなくても合法であるといった論理展開であると思われます。
 これについては、吉見『従軍慰安婦』p.169にあるICJの見解をだしてみようと思います。

 それから、「慰安施設及旅館業遵守規則」の第13条ですが、こちらは“届け出れば廃業できたのだから奴隷ではない”と返すのではないかと予想しています。(その場合「自由」廃業はどうなるのかという話になりますが)

ApemanApeman 2014/05/19 21:50 上毛三山さん、なかなかまとまりがなくて申し訳ないです。

>日本はその規定を利用して植民地の条約適用を除外した

これは相手が文書資料等によって論証すべき事柄ですね。

>こちらは“届け出れば廃業できたのだから奴隷ではない”と返すのではないかと予想しています。

「許可を受くべし」を無視するなよ、としかいいようがないですね(^^; これって「届出制」じゃなくて「許可制」ですからね。

nagaikazunagaikazu 2014/05/19 23:01 上毛三山さん

 マレー軍政監部の定めた「芸妓、酌婦雇用契約規則」第9条の解釈ですが、まずこの種の雇用契約がいわゆる「年季奉公」のかたちをとるものであることをご理解ください。
 つまりまとまった金を前借金として受け取るかわりに、所定の年限(年季期間=契約期間)芸妓もしくは酌婦として、所定の場所で労働するという契約であるわけです。
 この場合、契約に前借金が完済された時点で契約はただたに満了するとの条項がなければ、かりに借金を返済しても契約そのものは年季期間内は有効だということになります(通常はその間に借金を返すことはほとんどできませんが)。ですから、かりに年季期間がおわる前に借金を返すことができて、稼業者が廃業する場合であっても、契約満了ではなくて、中途「解約」となります。

 第9条はそれを前提に読むべきで、年季期間満了よりも前に稼業者が前借金を完済して解約できるわけですが(つまり廃業を認めているわけですが)、それが契約から六ヶ月以内のことであれば、前借金をかえすだけではすまず、雇用者が廃業に同意しない場合、それにプラスして違約金を払わなければいけないのです。逆にいえば、契約後六ヵ月以内は前借金を完済しただけでは、解約できないすなわち廃業できないということです。

 第9条は年季満了前の廃業を認めてはいますが(正しくは契約後六ヶ月以内の前借金完済による廃業にペナルティを科す条項とみなすべきですが)、しかしそれでは「自由廃業」とはいえません。

 また娼妓取締規則が保証している「自由廃業」は娼妓が警察に申請するだけでいいので、申請を受理した警察署は直ちに娼妓名簿から申請者の登録を削除しなければなりません。Apemanさんが指摘されているように、「自由廃業」は「届出制」なのであって、マレー軍政監部の定めたそれは「許可制」です。ですのでこちらの面からしても「自由廃業」とはいえません。

nagaikazunagaikazu 2014/05/19 23:19 上毛三山

 それから、こちらのご質問ですが、

「これに関して山海関領事館の佐々木副領事による、21歳未満に身分証明書を出していた事例がありますが、この事例のその後については何もわかっていないのでしょうか?これに対する外務大臣の回答などは焼却もしくは現在も省庁の資料庫に眠っている状態と考えられるのでしょうか。」

 現在までのところ、山海関の領事の報告に関連する資料は発見されていません。まず、これに外務大臣が回答を寄せたかどうかそれが定かではありません。出先の報告に外務本省が必ず返答するとは限りませんから。また、外務省の外交史料の一部は戦時中に焼失しています。

usi4444usi4444 2014/05/20 01:50 >きょか【許可】
>行政法学上の概念。人の行動を規制するための行政上の手法の一つとして〈許可制〉がある。これは,ある種の行動をひとまず一般的に禁止したうえで,個々人についてこの禁止を解除するかどうかを行政庁に決定させるというしくみである。
http://kotobank.jp/word/%E8%A8%B1%E5%8F%AF

>届出制
>届出制(とどけでせい)とは、放任状態では、違法行為が行われる可能性があるため、ある行為を行うに当たって、監督官庁に事前通知する義務を課した制度を指す。監督官庁は、違法行為に直結するとの証拠がない限り、届出を却下できない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%8A%E5%87%BA%E5%88%B6

ApemanApeman 2014/05/20 10:09 まとめレスで失礼いたします。
丁寧なフォローをいただきありがとうございました。

nagaikazunagaikazu 2014/05/20 13:14 上毛三山さん(前回は「さん」を抜かしていました。おわびします)。

「先日、「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」でもって“日本国家の意思は国際条約を守るというものであり、性奴隷として扱う意思はなかった。”“違法な業者などがおり、それを取り締まることができなかった責任は免れないが、政府の意思は国際条約を守るものだった”といったようなことをおっしゃるかたとツイッターにてやり取りをしたのですが」

 この件ですが、たしかに内務省警保局長が出した通達は、軍慰安所の存在をやむをえないと認めた時点で、日本の警察ができるかぎり、既存の国際条約(いわゆる「醜業条約」)の許容範囲内にとどめておきたいと考えていたことを示すものですが、その軌範意識がその後も、慰安所に関係する日本の国家機関において共有されていたかどうかは疑問です。
 その方もよくご存知のマレー軍政監部が制定した「芸妓、酌婦雇傭規則」は内務省警保局長の通達と同様、日本の国家意思を示すものですが、そこには「満二十一歳未満の者は稼業者たりえず」とか、「就業許可を与える際には、稼業契約其の他各般の事項を調査し、婦女売買又は略取誘拐等の事実なき様特に留意すること」などといった条項は含まれていません。
 ということは(1938年2月の内務省警保局とちがって)、1943年11月のマレー軍政監部は国際条約を遵守する国家意思をもっていなかったと結論できるということになるのではありませんか。

上毛三山上毛三山 2014/05/20 21:13 nagaikazu さん
丁寧かつ詳細な解説、まことに感謝いたします。

>現在までのところ、山海関の領事の報告に関連する資料は発見されていません。まず、これに外務大臣が回答を寄せたかどうかそれが定かではありません。出先の報告に外務本省が必ず返答するとは限りませんから。また、外務省の外交史料の一部は戦時中に焼失しています。

そうすると、この事例“のみ”では、「一部の不心得者がいた」という定番の返しで終わるか、「役人がうかがいをたてたのだから(国としては)規則を守ろうとしていた」といった返しがくるのかなあ。(あくまでも私の妄想です)


ushi4444 さん
用語の補足ありがとうございます。


「遵守規則」第13条を提示し、

>これも「自由」廃業とは言えない部分です。この規定は軍が「慰安婦」に深くかかわっていたことも示しています。

と述べましたところ

>総則にもあるように家業婦とは軍「慰安婦」だけではなく、一般の「芸者」や「娼婦」等も含まれる。
 許可制としたのは軍政下において軍、民間問わずすべての慰安施設を把握するためと考えられます。

https://twitter.com/enokido8go/status/468538284918841345

というお返事でした。「自由」廃業に関する返事になっていと少なくとも私は感じましたので、そのように返そうと思っているのですが、ようするに、「その条項の設置目的は別のところにある」ということなんですかね。(当人ではなく、こちらでお聞きしてもあまり意味のないことですが)

nagaikazu さん Apeman さん
こちらでお教えいただいたことのいくつかを引用し、引用元としてこちらのリンクを提示してもよろしいでしょうか?

ApemanApeman 2014/05/20 22:13 >この事例“のみ”では、「一部の不心得者がいた」という定番の返しで終わるか

その事例「のみ」ならそういう解釈があっても当然なんですけど、未成年が募集の対象となったり実際に「慰安婦」にされていたことについてはいくつもの証言・証拠がありますからね。

>許可制としたのは軍政下において軍、民間問わずすべての慰安施設を把握するためと考えられます。

これはまったく返答になってませんね、おっしゃる通り。「すべて」を把握するためなら届出制でもいいわけです。許可制にしたのは「自由」に廃業させないためとしか解釈のしようがありません。

>こちらでお教えいただいたことのいくつかを引用し、引用元としてこちらのリンクを提示してもよろしいでしょうか?

公の場で発表されていることですから、「引用」としての要件を満たしている限りいちいちお断りいただくには及びません。よろしくご活用下さい。

nagaikazunagaikazu 2014/05/20 23:09 上毛三山さん

「こちらでお教えいただいたことのいくつかを引用し、引用元としてこちらのリンクを提示してもよろしいでしょうか?」

 そうしていただいてかまいません。

「>総則にもあるように家業婦とは軍「慰安婦」だけではなく、一般の「芸者」や「娼婦」等も含まれる。
 許可制としたのは軍政下において軍、民間問わずすべての慰安施設を把握するためと考えられます。」

 うーん、おそらくこの方は日本内地の「芸妓酌婦取締規則」とか「貸座敷営業取締規則」を読んだことがないのでしょう。
読んでおれば、「慰安施設及旅館営業取締規程」第21条第2項から判断して、この規程にいう「稼業婦」には、本来の「芸者・酌婦」は含まれないことがわかったはずです。

 さらに日本内地の取締規則の定めるところでは、芸妓・酌婦の営業開始は許可制ですが、廃業は届出制であって、許可制ではありません。貸座敷(売春宿)の場合も同様です。このマレー軍政監部が定めた「慰安施設及旅館営業遵守規則」の廃業規定は、内地の同種の規定に比べてきわめて特殊なのです。
 いずれにせよ、この規則によれば、慰安所の稼業婦の廃業は「自由廃業」ではありえません。つまり、この「規程」は慰安婦の「自由廃業」を認めていないことになります。

 それから、この「慰安施設及旅館営業取締規程」が「軍、民間問わずすべての慰安施設」を対象としているのかどうかも大いに疑問です。「軍、民間問わずすべての慰安施設」に対する取締規則であれば、言い換えれば、軍に属さない民間人をも拘束しうる効力をもつためには、この規程は「軍政令」という法令形式でなければなりません。ところが、この「規程」は「軍政監達」という法令形式をとり、しかも部内にのみ通達されています。この「規程」は軍の部内通達であり、原則的には軍に属するものにだけ効力をもつものですから。

上毛三山上毛三山 2014/05/22 21:20 Apeman さん
nagaikazu さん

ありがとうございます。引用とリンクの提示をさせていただきました。

nagaikazunagaikazu 2014/05/24 21:34 上毛三山さん

https://twitter.com/enokido8go/status/468538284918841345
のあと、上毛三山さんへのお相手の返答は以下のようでした。

「許可制が自由廃業を否定するものであったとする貴方に指摘が正しければ、一般娯楽施設の従業員まで自由廃業を認めないことになってしまう論理的矛盾を指摘したまでです。」

 残念ながら、これでは全然「論理的矛盾の指摘」にはなっていません。

1.まず、「慰安施設及旅館営業取締規程」および「慰安施設及旅館営業遵守規則」の「廃業」に関する規定(前者では第12条、後者では第13条)では、許可を必要とするのは「営業者及稼業婦」であって、「(稼業婦以外の)一般娯楽施設の従業員」はこれに含まれません。「稼業婦」の中に「一般娯楽施設の従業員」が含まれていないことは、「営業取締規程」第21条および「遵守規則」第9条の、「稼業婦の検黴義務規定」から明らかです。つまり、「一般娯楽施設の従業員」の「廃業」が許可制であるとの条項はどこにも存在していません。

 ですので、「営業取締規程」および「遵守規則」にいう「廃業」の許可制が「自由廃業」の否定を意味するからといって、それが同時に「一般娯楽施設の従業員」の「自由廃業」の否定を意味することにはなりません。

2.それじゃ「営業者」の「自由廃業」は否定されているので、論理的矛盾かというと、これもそうではありません。前にもいいましたが、日本内地の風俗営業の取締規則では営業者の「廃業」は原則届出制ですから、その意味では「自由廃業」(ほんとうは娼妓以外にこの言葉を使うべきではないですが、議論の流れでしばらくこの言葉を使います)は認められていました。
 ところが、ここ軍政下のマレーでは風俗営業についても廃業の許可制がとられ、「自由廃業」ができない制度になっています。その意味で特殊なケースです。
 なぜ、このような特殊なケースになっているかというと、これら営業者は軍から軍の慰安施設の経営を委託されている請負業者だからです。軍と営業者との間には請負契約関係があるわけですので(日本内地の風俗営業経営者と府県や警察の間にそういった請負契約関係はもちろん存在しません)、営業者は委託者である軍の許可がなければ、勝手に「廃業」できません。
 営業者の「廃業」が許可制になっているのは、慰安施設が軍のものであることを示していると考えるべきです。

 なお、「営業者も自由廃業が禁止されているから性奴隷というべき」といったおバカなことを言ってくるかもしれませんが、そもそも「性奴隷」とは「売春することを強制される人」を意味するであって、「売春することを強制する人」を「性奴隷」とは言いません。

nagaikazunagaikazu 2014/05/24 22:10 上毛三山さんへ

https://twitter.com/jomosanzan_ahm/status/469831203965513728

こちらでは、お相手さんは、次のように返してきましたね。

「軍政監部規定は内務省警保局が示した出国の条件を前提に作られているの。労基法に入管法の条項が入ってないからといって、入管法を無視していることにはならん。」

 たぶん、この人は現在の日本国の入出国管理法をきちんとよんだことはないことがわかりますが(入出国管理法は基本的に外国人の入出国を取り締まるもので、日本人の入出国についてはごく簡単な規定しかありません)、それはおいておきましょう。
 さて、例の内務省警保局通牒は内務省の官吏である各府県知事宛に出された内務省の内部通達ですので、労基法や入管法のような法律とはちがって国民および総ての官庁の職員を拘束しません。ですので、内務省には属さないマレーの軍政監部に対しても拘束力をもちません。ついてに言っておけば、日本内地の娼妓取締規則は内務省令ですので、こちらも軍政下のマレーでは効力をもちません。
 マレー軍政監部の「慰安施設及旅館営業取締規程」や「慰安施設及旅館営業遵守規則」には、稼業婦の年齢について何らの条項もありませんから、21歳未満の女性を稼業婦にしても、規則に違反したことにはなりません。
 日本を出国する際に、警保局通牒にしががって、21歳未満の女性には渡航許可が出ないはずだから、マレーに来て稼業婦となる女性はすべて21歳以上なので、年齢制限を満たしている筈だというのは、お役所の言い訳で、通用するはずのない理屈です。実際にその網の目をするぬける「不心得者」が出てきていることはお相手も否定しないはずです。出る時だけでなく、受け入れる時にも厳しくチェックしなければ守られないでしょう。
 それから、太平洋戦争中に南方に渡航する場合の渡航許可については、内務省警保局長通牒の適用外になります。日中戦争下の中国と太平洋戦争下の南方ではぜんぜんちがいます。渡航の許可は陸軍省、海軍省さらに大東亜省の管轄になり、内務省は関係がありません。そして現在のところ南方への渡航に関する陸軍省、海軍省、大東亜省の規定で、内務省警保局通牒にみられるような渡航証明許可条件を明記したものは発見されていません。

ApemanApeman 2014/05/24 23:01 至れり尽くせりのフォローアップ、畏れ入ります。

上毛三山上毛三山 2014/05/26 20:35 nagaikazu さん

丁寧な解説、まことに畏れ入ります。
本来であれば私が資料にあたらなければいけないところを申し訳ありません。口を出すにはまだまだ知識が中途半端であったなと反省しきりです。

相手の方とのやりとりで感じたのが、ちょうどnagaikazuさんがおっしゃっている「お役所の言い訳で」ということでした。公娼制度が実質的に性奴隷制であったと当時も認識されていたことについて、相手の方は

>娼妓解放令(明5)前借金による拘束は無効。大審院判例 明治29年第6号(明治29年3月11日 娼妓廃業届調印請求ノ件) 
明治32年オ第77号(明治33年2月23日 娼妓廃業届書調印請求ノ件)等でも奴隷制度を認めていない

と返されたわけですが、
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hss/book/pdf/no93_08.pdf
こちらの眞杉侑里さんの論考にある(pdfの6〜9ページあたり)
国際連盟の調査に対する日本政府の説明に近いものを感じました。


他の部分でもとにかく文書主義といった感じで

>慰安婦は前借金全額返済が廃業の条件だったと主張するなら、ミッチナ捕虜尋問調書の様な証言を元に作成されたものではない証拠を出してくれ。

>承前)ちなみに国内法では、明治5年10月2日第295号布告(人身売買禁止令)以降、大審院判例も娼妓取締規則も前借金の全額返済を廃業の条件とすることは違法な。

という部分にこちらの方のスタンスがよく表れているように感じました。

nagaikazunagaikazu 2014/05/27 13:54 上毛三山さんへ


>慰安婦は前借金全額返済が廃業の条件だったと主張するなら、ミッチナ捕虜尋問調書の様な証言を元に作成されたものではない証拠を出してくれ。

 要するにこの議論は、日本軍の慰安所では「自由廃業」を認めていたかどうかという議論を言い換えただけにすぎません。
 ですのでその証拠のひとつとなるのが、マレー軍政監部の「芸妓、酌婦雇傭契約規則」です。なぜ証拠となるかは、以下の説明を参考にしてください。もっとも、こういう背理法は高級すぎてその方のような屁理屈好きには、おそらく理解されないでしょうが。

「芸妓、酌婦雇傭契約規則」
第9条稼業婦ガ本契約締結ノ日ヨリ満六ヶ月以内ニ於テ雇主ノ意ニ反シテ解約セントスルトキハ雇主ニ対シ相当額ノ違約金ヲ補償スルモノトス

 この条項が稼業婦の「自由廃業」を認めているとする主張(言い換えれば、稼業婦は前借金完済以前に廃業する自由をもっているとする解釈)がまちがっていることの証明(背理法)

1.「自由廃業」を認めていると仮定する。つまりマレー軍政監部は稼業婦の「自由廃業」を認めていたと仮定する。
2.1よりマレー軍政監部は、稼業婦の娼妓稼業契約(前借金を返済するために所定の期間慰安所で娼妓稼業をおこなうという契約)は無効であるが、金銭消費貸借契約(前借金の借用契約)は有効であると考えていたことになる。
3.2よりマレー軍政監部は、前借金が残っていても稼業婦はいつでも稼業をやめることができると考えており、それを認めていたことになる。
4.また2より、第9条の「契約」とは金銭消費貸借契約のみを指し、娼妓稼業契約を含まないことになる。なぜなら、この「契約」が娼妓稼業契約を含むのであれば、マレー軍政監部は娼妓稼業契約を有効なものとして認めていたことになり、1に反するから。
5.4より第9条の本契約の「解約」とは金銭消費貸借契約の「解約」を意味すると解するほかないが、この意味での「解約」とは前借金を契約で定められた期間内に返済することを意味する。前借金を返さない、踏み倒すなどの行為は「解約」とはいえないからであり、かつそのような意味での「解約」ならば、雇主は「解約」に応じるはずないからである。
6.5が正しいとすると、第9条は金銭消費貸借契約を結んでから六ヶ月以内に借金を返済した場合、それに対して違約金を課すという規定と解釈しなければならない。
7,第9条が6のような意味だとすると、この第9条は実に不合理な条項といわざるをえない。なぜなら、借金を期限内に返済したから違約金を支払わなければいけないというのは誰が考えてもおかしいからである。この行為によって、借金を貸した方は何らの損害も受けていないのに、違約金を要求できるのは不合理であろう。また、この条項でそれが「雇用主の意に反する」ことがあるという想定がなされているのも不可解である。なぜなら、債務者が期限以内に借金を全額繰り上げ返済するといっているのに、それを好まない債権者がはたしているであろうか。
8.このような不合理・不可解が生じるのは、結局仮定した1が間違っているからである。
よって、1は否定されるべきである。すなわち、第9条は「自由廃業」を認めていないと解するのが正しい。

 雇い主が違約金を要求できるのは、その契約の中に、「稼業婦は所定の期間(少なくとも六ヶ月以上)は慰安所で稼業する」という条項が含まれている場合であろう。つまり、この「芸妓、酌婦雇傭契約規則」は営業者・雇用主と稼業婦の間に娼妓稼業契約類似の契約が結ばれていることを前提として成立しているのである。つまり、マレー軍政監部は営業者・雇用主と稼業婦の間の娼妓稼業契約の有効性を認めていたことになる。である以上、マレー軍政監部が稼業者の「自由廃業」を認めていたとはいえるはずない。

ApemanApeman 2014/05/27 19:20 上毛三山さん

>承前)ちなみに国内法では、明治5年10月2日第295号布告(人身売買禁止令)以降、大審院判例も娼妓取締規則も前借金の全額返済を廃業の条件とすることは違法な。

このあたりになると、もはや問題は「何をもって強制と考えるか」という世界観・人間観レベルのはなしになってきますね。彼が上記引用で述べていることそれ自体は事実ですが、しかしその大審院判例が金銭消費貸借契約については無効としなかったことに彼は触れていませんね。貧困層出身の女性がふつうに働いたのでは到底返せない額の借金が「強制力」として働かないというのであれば、この世に「強制」の事例などそうそうないということになります。現に、「慰安婦」問題否認論者の多くは沖縄戦「集団自決」に関しても、部隊長が明示的に「自決しろ」と命じたのでなければ自決の強要ではない、と主張していたわけです。
こういう世界観についてはもはや「事実」をいくら提示しても変えることはできませんね。「そんな世界観は私たちを幸せにしてくれるのか?」というレベルの議論にならざるを得ないと思います。

nagaikazu さん

>6.5が正しいとすると、第9条は金銭消費貸借契約を結んでから六ヶ月以内に借金を返済した場合、それに対して違約金を課すという規定と解釈しなければならない。

この部分が今回の背理法による証明のツボになるのだと思いますが、これは要するに、金銭消費貸借契約が女性と業者を媒介しているという体裁をとりながらも「慰安所」経営業者は金融業者ではなくあくまで買春業者であるので、利益は利息からではなく買春の上がりから得ることを想定している……ということから生じる「不合理」というわけですね。

上毛三山上毛三山 2014/05/27 21:35 nagaikazu さん

重ね重ねありがとうございます
この、「慰安婦」の自由を認めているという解釈をしたとたんに出る不合理が重要ですね。


Apeman さん

私の

>法律を破る業者もろくに取り締まらずにむしろ利用して慰安所を運営したが、
法律だけは作ったので責任は監督責任で、他は破った軍人、警察、業者に責任があるということですか?

に対する返答が(書いた後で気づきましたが厳密には「法律」ではありませんでしたね)

>そもそも、朝鮮半島で多くの慰安婦が強制や詐欺で連行されていたならば、
反動や暴動が起こっていたでしょう。本人や家族が同意して慰安婦になったのですよ。

という、元文科相の国会「演説」とかぶる内容だったのはいささか拍子抜けしました

Apemanさんのおっしゃるように
「世界観・人間観のレベル」の問題が大きいのでしょうね。それから、明治からの朝鮮と日本の歴史を踏まえないというのもあるのでしょうか。

ApemanApeman 2014/05/27 22:32 >元文科相の国会「演説」とかぶる内容だったのはいささか拍子抜けしました

この論法はいろいろ「応用」が利きますよね。「もし憲法が押しつけられたというのであれば、日本列島で反乱や暴動が起こっていたでしょう。日本人が同意して新憲法が制定されたのですよ」とか。

nagaikazunagaikazu 2014/05/27 23:06 Apemanさん

>これは要するに、金銭消費貸借契約が女性と業者を媒介しているという体裁をとりながらも「慰安所」経営業者は金融業者ではなくあくまで買春業者であるので、利益は利息からではなく買春の上がりから得ることを想定している……ということから生じる「不合理」というわけですね。

 というより、マレー軍政監部の「芸妓、酌婦雇傭契約規則」は雇用主と稼業婦の間に「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を内容する条項を含んだ契約が結ばれていることを前提にしている(つまり民法で公序良俗に反し無効とされる人身売買契約を容認している)からこそ、それを否定しているという主張を仮定すると、矛盾が生じるということです。
 雇用主と稼業婦の契約がただの金銭消費貸借契約だけであったら、この第9条のような条項は不要ですし、意味をなさない。これが意味ををもつのは、雇用主と稼業婦の間に「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を内容する条項を含んだ契約が結ばれており、それをマレー軍政監部が合法的かつ有効なものとみなしている場合のみであるといいたいわけです。

rawan60rawan60 2014/05/27 23:18 しかし、国家権力の当事者であったり、国家権力による人権侵害にどっぷり寄り添う発言をしながら、一方で「反動や暴動が起こっていたはず」などといった発言をするってのは、どういう悪ふざけなんだってつくづく思いますねえ…

「日本が軍国、帝国主義の強権支配によって思想弾圧がされていたなら、反動や暴動がおこったはず、軍国主義や思想弾圧なんてなかったのですよ」

bat99bat99 2014/05/27 23:42 「東京裁判が勝者の一方的な裁きだというのであれば、日本列島で反乱や暴動が起こっていたでしょう。日本人は東京裁判を認めた上で判決を受け入れたのですよ」

nagaikazunagaikazu 2014/05/28 09:43 上毛三山さんへ

上毛三山さんのこの反問

>法律を破る業者もろくに取り締まらずにむしろ利用して慰安所を運営したが、
法律だけは作ったので責任は監督責任で、他は破った軍人、警察、業者に責任があるということですか?

に対するお相手のこの返答、

>そもそも、朝鮮半島で多くの慰安婦が強制や詐欺で連行されていたならば、
反動や暴動が起こっていたでしょう。本人や家族が同意して慰安婦になったのですよ。

は、「慰安婦はその自由意志で就業していたのだから、法を「破った軍人、警察、業者にも責任」はない」という主張になりますね(当然、日本軍・日本政府の監督責任も否定される)。

とすると、結局はこの方の理屈は「誘拐や拉致によって、あるいは前借金で自由を拘束して女性を売春に従事させることは日本の法律で禁止または契約無効とされていたのだから、当然慰安婦はすべて自由意志でそれを行っていたはずだ」というところに帰着することになります。

Apemanさんが、http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140527/p1

で指摘している、「「強制への日本軍の関与」を否認するだけでなく「強制性」そのものを否定する」ようになったサンケイ新聞と同じ穴のムジナだったということになりますね。上毛三山さんが拍子抜けするのも、宜なるかな。

ApemanApeman 2014/05/28 12:12 「売春の強制はあったが、強制したのは業者なので日本軍・日本政府に責任はない」と「そもそも売春の強制はなかった」とは本来であれば歴史記述として両立しないわけですが、日本軍・日本政府を免罪するという目的にとっては等価ですから、アドホックに使い分けが可能だ……ということなのでしょうね。
それにしても、貧困を背景とした売春というのは、最近 NHK もとりあげたということで改めて社会問題として注目を浴びているわけですが、70年前の「身売り」にすら強制性を認められない(それでいてセックスワークのスティグマ化には積極的に加担する)世界観の持ち主が政権中枢にいるのだとすると、とてもまともな対策がとられるとは期待できないですね。

nagaikazunagaikazu 2014/05/28 22:10  時期はちがいますが、マレー軍政監部の「芸妓、酌婦雇傭契約規則」が前提としている「契約」は、次の上海派遣軍内陸軍慰安所の酌婦の場合と類似のものであったと思われます。

1.契約書
一、稼業年限
一、契約金
一、上海派遣軍内陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業ヲ為スコト。
一、賞与金は揚高ノ一割トス(但シ半額ヲ貯金スルコト)
一、食費衣裳及消耗品ハ抱主負担トス。
一、年限途中ニ於テ解約ノ場合ハ元金残額違約金及抱入当時ノ諸費用一切ヲ即時支払ヒ申スベキコト
右契約条項確守履行仕ル可ク依而契約証書如件。
  昭和 年 月 日
  本籍地
  現住所
               稼業人
  現住所
               連帯人
       殿

2.承諾書
本籍
住所             稼業人
                     年 月 日 生
右ノ者前線ニ於ケル貴殿指定ノ陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業(娼妓同様)ヲ為スコトヲ承諾仕候也
   昭和 年 月 日
            右戸主又ハ親権者
            稼業人 

3.金員借用証書
一、金
右之金員拙者要用ニ付キ正ニ請取借用仕候事実正也然ル上ハ返済方法ハ別紙契約書ニ基キ
酌婦稼業ヲ為シ御返済申ス可ク万一本人ニ於テ契約不履行ノ節ハ拙者等
連帯者ニ於テ速カニ御返金仕ル可ク為後日借用証書依而依如件
   昭和 年 月 日
  本籍地
  現住所
              借用主
  現住所
              連帯者
         殿
(群馬県知事発内務大臣・陸軍大臣宛「上海派遣軍内陸軍慰安所ニ於ケル酌婦募集ニ関スル件」1938年1月19日付、内務省警保局「支那渡航婦女の取扱に関する件(庁府県)」アジア歴史資料センター、レファレンスコード:A05032040800、12-15番目画像)

 最初の「契約書」は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を契約内容とするもので、年季終了前に廃業するには、前借金残高、違約金、抱え入れ際の費用一切を即時支払うことになっています。つまり、「慰安婦は前借金全額返済が廃業の条件だった」ことを示す証拠です。

 マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。

上毛三山上毛三山 2014/05/28 23:07 nagaikazu さん
Apeman さん

相手の方は(当時の廃娼運動や国際連盟の指摘にもあった)金銭貸借契約と就業契約の分離が事実上不可能であることはあくまでも無視(もしくは業者のせいに)して、前借金と娼妓稼業契約を分離して考えたいようです。

>すみませんがひとつ確認させて下さい。9条での「解約」とは「娼妓稼業契約」の解約ですか?それとも「金銭消費貸借契約」の解約ですか?

に対する答えが

>もちろん「娼妓稼業契約」です。ここで重要なのは国内の法規を当然念頭においているので、前借金の契約とは全く個別の契約です。

というものでした。
この考えがこの方の中で完全に定着しているからこそ

>労働基準法も前借金による奴隷的拘束を禁じる法律で、人権保護の意識が戦前より高い現在の法規です。その労基法が禁じる賠償予定の禁止に「藝妓、酌婦雇用契約規則」第九条の違約金は該当しないため、第九条は現在の法規を当てはめても合法です。

といった、周辺状況無視の(労基法の他の条項を見れば完全にアウトであり、「労基法の労働者」と「慰安婦」を同等にみることはできないといった意味のことを私が述べたうえでのこの返答です)こういったコメントにつながるのではないかと考えます。


それから、nagaikazuさんご指摘の

>「慰安婦はその自由意志で就業していたのだから、法を「破った軍人、警察、業者にも責任」はない」という主張になりますね(当然、日本軍・日本政府の監督責任も否定される)。

といったことにまで恥ずかしながら考えが及びませんでした。あのコメントを見た瞬間に「学者じゃなく国会議員が調べたことだから」元文科省のことが浮かんでしまって・・・。(このセリフは見直したら南京についてのインタビューでしたね)

上毛三山上毛三山 2014/05/28 23:28 連投すみません

nagaikazu さん

さらなる情報をありがとうございます。こちらは永井さんの論文でも詳しく述べられていた資料でしたね。ついつい相手の提示するものばかりに目がいってしまっていました。

上毛三山上毛三山 2014/05/29 21:16 日をおいての三連投になってしまいますこと、お詫びいたします。

>このnagaikazuなる人物は自分の主張に都合が良い部分しか資料を読んでいない。

https://twitter.com/enokido8go/status/471870270324502528

こういうのもダンニング=クルーガー効果というのでしょうか・・・

それから、以前から気になっていたのですが、この方引用する場合は必ず資料の画像をベタ貼りするんですよね。引用が虚偽でないことを示すためなのか、単に映像があった方が説得力が増すと思っているのか。その割には画像の引用元を明記しないという、ルール違反をやらかしているのですが

ApemanApeman 2014/05/29 23:32 上毛三山さん

>この方引用する場合は必ず資料の画像をベタ貼りするんですよね

>その割には画像の引用元を明記しないという、ルール違反をやらかしているのですが

これはなかなか興味深いですね。彼の情報源がほぼすべてネットにあることを示唆していそうですね。印刷メディアに主に依拠して知的自己形成を達成した人間ならまずやらないことでしょう。

nagaikazunagaikazu 2014/05/30 01:50 上毛三山さん

 史料にもとづいて、お相手さんに都合の悪い議論を展開すると、「自分の主張に都合が良い部分しか資料を読んでいない」ということになるわけですね。

>稼業婦に〔本来の「芸妓、酌婦」〕が含まれていないとすると、シンガポールに〔本来の「芸妓、酌婦」〕が全くいなかったこととなる。さらに一般邦人も対象と明確に書いてある。

とありますが、馬来軍政監部の「慰安施設及旅館営業遵守規則」の第6条(営業者稼業婦ヲ雇入レタル時ハ別冊芸妓、酌婦、雇傭契約規則ニ基キ雇傭契約ヲ定メ所轄地方長官ノ認可ヲ受クヘシ)と「芸妓、酌婦雇傭契約規則」の第1条(営業者芸妓酌婦(以下稼業婦ト称ス)ヲ雇入レントスルトキハ其ノ契約ヲ左記標準ニ依リ為スヘシ)から、この「慰安施設及旅館営業取締規程」とその附属規定に出てくる「芸妓、酌婦」と「稼業婦」とは同じものをさしていると断定できます。
 そのうえで「慰安施設及旅館営業取締規程」第21条と「慰安施設及旅館営業遵守規則」第9条で、この「稼業婦」には検黴が義務づけられているわけですから、この規程の中の「芸妓、酌婦」は、名前は「芸妓、酌婦」でも、実質は「娼妓」と同等のものであると結論せざるをえません。つまり少なくともこの規程の対象とする慰安施設で働く「芸妓、酌婦」は「娼妓」の別名であって、一般にいう「芸妓、酌婦」ではないと結論できるわけです。
 当時のシンガポールに、身体を売らない芸妓や酌婦がいたかどうかわかりません。しかし、そのような芸妓がかりにいたとしても、それはこの規程が対象とするものではないということです。
 なお、「一般邦人も対象と明確に書いてある」とありますが、規程に出てくる「一般邦人を対象としている」という意味は、規程の対象が一般邦人ということではなくて、規程が取締対象としている慰安施設や旅館が、軍人軍属と並んで一般邦人も利用するものであることを意味しているにすぎません。

だびでだびで 2014/05/30 05:16 少々話がそれてしまうかもしれませんが、以前から気になっていたので質問させてください。

>キルム碑の20万人以上はマクドゥーガル報告書「日本政府と日本軍は1932年から45年の間に全アジアのレイプ・センター rape centresでの性奴隷制を20万以上の女性に強制した。」を根拠としているのは明らかですよねえ。
>そのマクドゥーガル報告書の根拠は自民党国会議員荒船清十郎氏が勝手にならべた数字なのでまったく意味がありません。
https://twitter.com/enokido8go/status/471797632562495489

この二つの発言ではマクドゥーガル報告書の「20万以上」という数字の根拠が荒船発言であるようにしか読めませんが、荒船発言を根拠として引用しているのは上記序論部分ではなく、”I.レイプセンターの性格と規模”の7 「こうした連日の虐待を生き延びた女性はわずか 25%にすぎないと言われる。」の部分だけですよね。つまり荒船発言は14万5000人という部分から25%を導き出すのに使われただけで、20万という数字の根拠としては挙げられていません。

「慰安婦問題とアジア女性基金」でも同様な(とも読める)主張がなされているためか、Wikiをはじめネット上で時々見られるこの『マクドゥーガル報告書の「20万以上」という数字の根拠が荒船発言』説は間違い(少なくとも根拠薄弱)ではないかと思うのですが、どうなのでしょうか?
http://www.awf.or.jp/1/facts-07.html

上毛三山上毛三山 2014/05/30 22:21 Apeman さん

マクドゥガール報告に対する吉見氏の批判をウィキペディアから引用してきたので、「彼の情報源がほぼすべてネット」というのはその通りかと思います。ただ、馬來軍政監部「芸妓、酌婦雇用契約規則」第9条などで検索しても、最上位にくるのが相手の方のツイートで、それ以外に同じような言説をしているページもなさそうで、こちらの元ネタなどはどこにあるのかわかりませんでした。

nagaikazu さん

国内においても日常会話などにおいて「芸妓・酌婦」と呼ばれたひとたちが「娼妓」とほぼ同等の状態であった事例もそれなりにあるとは思うのですが、ここでは(法的なもしくは用語的な)定義における「芸妓・酌婦」なわけで、そうなると梅毒の検査を行う時点で異なるものになるのですよね。

だびで さん

私もマクドゥーガル報告の「20万人以上」がどの文献を元にしているのか気になっております。この数値を出すこと自体は吉見氏の推計をはじめとして、それほど難しくはないこともあり、荒船発言を根拠とする説は私も根拠薄弱であると思います。だびでさんもおっしゃっているように荒船発言は「25%」を出すのに使われており、その母数が20万人なわけで、そうなると荒船発言の約14万人より先か別に20万人がなければいけないわけでして。

rawan60rawan60 2014/05/31 04:09 マクドゥーガル報告に対する苦言は、かつてそれが出される時点において、他に参照する研究資料が存在していたにもかかわらず、わざわざ不必要な「荒船発言」を引用したことによる批判なのでしょうが、現時点で碑などにおいて推定表示されている被害者人数がこれを根拠にする必要などどこにも存在しないのですから、いずれにしても、「自分の主張に都合が良いようにしか資料を読んでいない」ということでしょうね。

なお、韓国女性家族部の見解は以下にありますね。
http://www.hermuseum.go.kr/jpn/sub01/sub010101.asp?s_top=1&s_left=1&s_deps=1

ApemanApeman 2014/05/31 11:56 だびでさん

荒船発言がどう援用されているかについての解釈はおっしゃる通りだと思います。報告書において「20万人」という推定の典拠が示されていないのが、そういう言いがかりをつけられる一因になっているのは残念ですが。

だびでだびで 2014/06/01 06:13 上毛三山さん、rawan60さん、Apemanさん

まさに『報告書において「20万人」という推定の典拠が示されていない』事がネックでいつもそれ以上追究せずにそのままになっていた小さな疑問に答えてくださってありがとうございました。

上毛三山さんの対談相手の方が
>キルム碑の20万人以上はマクドゥーガル報告書を根拠としているのは明らか
の根拠と
>そのマクドゥーガル報告書の根拠は自民党国会議員荒船清十郎氏が勝手にならべた数字
の根拠を
”とにかく文書主義”で挙げてくださるのを楽しみにお待ちしております。

上毛三山上毛三山 2014/06/19 20:50 ひとまず区切りがつきましたので、改めて皆様にご報告と御礼を申し上げます(ええ、その後もずっと続いていたんです)。
特に、多くのご教示をいただいたnagaikazuさんとご教示いただいただけではなく、コメント欄を多数使用させていただいてしまったApemanさんには感謝とお詫びを申し上げます

遅くなってしまいましたが、だびでさんが楽しみにしていらしたことに関しましては、

https://twitter.com/enokido8go/status/475402947543580672
>キルム碑やクドゥーガル報告の20万人については、もちろん個人的見解です。しかし論理的に考えて吉見説が採用されているとは思えません。あなたがもし吉見説が根拠と主張するなら、その根拠を提示してください。

とのことでした

Apemanさんのおっしゃっていた世界観・人間観を感じるコメントがまたありましたので、そちらについて述べさせていただいてしめさせていただきます

検梅の記録に15歳(〜19歳)の記述があることを指摘したところ

https://twitter.com/enokido8go/status/477221155531550720
>承前)違法例に相当する慰安婦は、その証拠を以て日本の裁判所に政府相手に訴訟を起こせばよいだけです。ただし、韓国政府は外交保護権を放棄しているため、韓国政府が国家賠償を請求することはできません。

https://twitter.com/enokido8go/status/478312516036988928
>15歳は違法と言ってますが?はやくこれに該当する元慰安婦を探し出して提訴してください。

という「盗人猛々しい」とでもいえるこの言葉でした。
「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」を出した「国」の「基本方針」は「国際条約を守り、女性を性的奴隷として扱うつもりはない」というもので、それに反する事例は単に法を破った個別の問題にすぎない。ということのようです。そして、その部分についての変更の記述がなければ、「南方方面占領地ニ対シ慰安婦渡航ノ件」などに見られる方針転換があろうとも変わらない(と解釈する)何とも「国」に都合の良いものでした。
さらに、BC級戦犯や東京裁判の事例は裁かれているから「処罰は終了」と、それで禊は済んだとでも言いたい感じでした。

自身の(都合の良い)解釈に基づいたわずかな資料でもって複数の事例に基づいた検討を拒むという、こちらの皆様には見慣れた光景だったということでしょうね。(多少他と異なる持ちネタがあったにせよ)


終わりに、重ねて皆様への御礼を申し上げます

ApemanApeman 2014/06/21 10:59 上毛三山さん

どうも、ながながとごくろうさまです。

>違法例に相当する慰安婦は、その証拠を以て日本の裁判所に政府相手に訴訟を起こせばよいだけです

って、現に何件も訴訟が提起されてきたことを知らないわけでもないだろうに……。

>何とも「国」に都合の良いものでした。

これ、過去の問題ではないですよね。外国人研修制度なんて国が事実上の奴隷制に加担しているようなものなんですが。

ApemanApeman 2014/06/21 11:05 今朝もう一つのブログにアップしたエントリでは触れていませんが、外国人研修生については米国務省の人身売買レポートで非難されてますね。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014062102000118.html

一読者一読者 2014/09/23 19:26 以下のサイトにまとめられている最後のツイートで、永井先生が「嘘つき」と指摘されていますね。
敢えてノーコメントで。

http://togetter.com/li/720830

nagaikazunagaikazu 2014/09/23 21:40 一読者さんへ

 ジョンお姉さんは、1938年初めの上海・南京(ここでは軍政施行は宣言されていませんし、軍関係以外の在留日本人に対する警察権は外務省の領事館警察がもっています)と1943年のマレー(ここでは軍政が施行されており、そもそも外務省や大東亜省の権限はおよびません)との区別もつかない、おバカなひとのようです。

 この程度の知識で論じているジョンお姉さんには、軍政下において、すなわち「本土の監督官庁が存在しない占領地において行政機構の業務を軍が代行」するときには、つまりその行政規則が軍に属さない民間人をも拘束しうる効力をもつためには、「軍政令」という法令形式でなければならない、ところが彼があげている規則は「軍政監達」という法令形式をとり、しかも部内にのみ通達されている、つまり原則的には軍政組織に属するものだけに効力をもつものである、というような話は、たぶん高級すぎて理解不能でしょう。

ApemanApeman 2014/09/24 08:27 いやあ、上毛三山さんが苦労されたのもわかります。あの一派、史料の読み方が無茶苦茶なのに、なまじ断片的に読んでるものだからもう自信満々で。
「軍従属者」というカテゴリーについて「(こんな言葉は同時代的に存在しない(笑)」などと言い出したのを見て、かつて「自決、という言葉は当時“民族自決”くらいでしか使わない」とか「兵事主任、という言葉は誰かさんの造語」などと言ったあげく動かぬ証拠を突きつけられて沈黙を余儀なくされた男を思い出しました。

nagaikazunagaikazu 2014/09/24 10:01 Apemanさん

 「「軍従属者」というカテゴリーについて「(こんな言葉は同時代的に存在しない(笑)」などと言い出した」ということは、『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』?もきちんと読んでいなのでしょうね。

 あの方は、日本国内の娼妓取締規則も読んだことはないのでしょう。「廃業の自由」というのが何を意味していて、(実がともなわなかったとはいえ)それを保証するためには、最低限どのような法的規定が必要なのかということも、理解していない。
 「廃業の自由」を法的に保証したとされる1900年の内務省令「娼妓取締規則」以前の各府県の娼妓取締規則でも、廃業は基本的に届出制(許可制ではない)だったことも知らないようです。

 言うまでもないですが、「廃業が認められている」ことと、「廃業の自由が認められている」こととは同じではありません。年季が明ければ廃業できるのはあたりまえで、それを「廃業の自由」とは言わないし、年季明け前でも何らかの理由で抱主が同意すれば廃業できたわけですが、それを認めているからといって、「廃業の自由」が認められているとは言えません。

 「廃業が認められている」ことが「廃業の自由が認められている」を意味するのなら、江戸時代の吉原でさえ「廃業の自由が認められていた」ことになりかねない。

ApemanApeman 2014/09/24 13:08 nagaikazu さん

私がちょっとした仄めかしをしたところ「しまった」とでも思ったらしく、「軍従属者」という「言葉」が存在したことは認めてきました。もっとも、これが単なる用語の問題ではなく、「慰安婦」の法的身分について(あるいは軍の「慰安婦」に対する権限について)彼が思い違いをしていることにまでは気づいていないようですが。

>「廃業が認められている」ことと、「廃業の自由が認められている」こととは同じではありません。

この点、現代社会における労働者の権利への無理解にも通じる、根の深い問題であるように思います。

一読者一読者 2014/09/24 14:00 永井先生

返信有難うございます。
私も、返信の前段部分と同様の感想を持ちました。
ジョンお姉さんは、論文の論理展開が理解できていなかったので、論文を曲解して「嘘つき」と書いたのでしょう。

彼1人だけがいい加減なことを仰るのはよいのですが、「研究書や論文は資料のつまみ食いで主観が入っているから信用出来ない」とか「一次史料にあたっているいいまとめ」だとする支持者が出てくるので困ったものです。

まあ、素人が一次史料に手を出すと火傷するということに関しては、私も人のことを言えませんが・・・

ところで、返信の後段の部分や軍の編制と慰安所や慰安婦の関係、慰安婦の法的地位について、永井先生の説に関して疑問点がいくつかあります。
永井先生の日記は現在コメントができないようなので、ここで先生に直接質問しても宜しいでしょうか。

疑問点を纏めるまでに、当時の軍制や南方軍政、法律などの下調べ(主にネット頼みですが・・・)にそれなりの時間がかかり、実際に質問を書くのは先の事になると思います。


Apemanさん

>私がちょっとした仄めかしをしたところ

記事が出るまでのお楽しみにした方が面白かったかもしれませんね。

一読者一読者 2014/09/24 14:28 Apemanさん

永井先生の説に関する質問をここに書いても宜しいでしょうか。

ApemanApeman 2014/09/24 14:54 私は構わないんですけど、永井先生のご都合もあることですのでその辺お含みおきいただいて気長にお待ちいただけるのであれば。

一読者一読者 2014/09/24 17:31 もちろん、先生には倉富日記研究その他本業の研究や、その他の御都合があるのは存じております。

返信を頂けただけで感謝しております。

もし、先生から質問の許可を頂けたとしても、御返事は気長に待ちます。

だびだび 2014/09/24 22:47 だびで改めだび と申します。
ツイッターのほうで、史料の読み方以前に「国家の責任」認定の前提条件があまりにも凄すぎてついつい話しかけてしまいました。あの方々は本気であれを”論破!”と思っていらっしゃるのでしょうか。

改めて要求される忍耐力と労力の膨大さ、皆様の活動の大変さを実感いたしました。

上毛三山上毛三山 2014/09/24 22:50 件のtoggeterまとめを見てきましたが、ひどいですね。言論の端々に「自分は右でも左でもない」と思っているのが見えるのもなんとも言えません。
結局のところ、「強制連行、売春強制の命令書がないから国家や軍という組織による強制は証明できない」という、(おそろしく論点を極小化する)使い古された論法ですが、結構な件数のview数があるのに対し、コメント欄では反論のコメントが基本的にAnonymous Coward.jp @Anonymous_jp_さん お一方のみというのも、また問題の根の深さを感じます。(あるいは、都合の悪いコメントを消去している可能性も皆無ではありませんが)

Apemanさんの
>史料の読み方が無茶苦茶なのに、なまじ断片的に読んでるものだからもう自信満々で。

というご指摘については、私も他山の石としなければならないと思っています。
また、それに関連して、一読者さんの

>「研究書や論文は資料のつまみ食いで主観が入っているから信用出来ない」とか「一次史料にあたっているいいまとめ」だとする支持者が出てくるので困ったものです。

というご指摘、コメント欄ですと ジョンお姉さん@jpn1_rok0や、 ケイ@qquq3gf9k、 アルミナ@super_aaa といった方々が典型ですが、ブログや書籍の引用だから(筆者の恣意性が入るので)だめだという、あの論法もひどいですよね。
すでに(資料を用いて)誤りを指摘している言説があるのであれば、それを提示するのは反論として成り立ちますし、そこに恣意性があるというのならば、「ある」とする側がそれを立証しなければなりませんが、上記の方々はそういった話にはせず、「一次資料にあたっている」のみをもって優位に立とうとしています。
(このことは当該コメント欄に書き込もうか迷っています。おそらくなんの痛みも感じないでしょうから)

こちらのコメント欄で私がおせわになった時の相手の方も、他者の論説を自身の論拠とすることに対してかなり見下したような感じがありましたね。

nagaikazunagaikazu 2014/09/24 23:31 一読者さん

 軒先をお借りして恐縮ですが、Apemanさんのご厚意に甘えさせていただくことにします。

 きちんと答えられるかどうかはわかりませんが、ご質問があれば、どうぞ出して下さい。私にとっても勉強になりそうですから。ただ、問題の内容によっては、お答えするのに時間がかかるかもしれませんが、ご容赦を。

 なお、私のブログがコメント禁止になっているのは、歴史的理由があり、あれを開設したときの状況から意図的にそうしてあります。御了解ください。

rawan60rawan60 2014/09/25 01:19 >史料の読み方が無茶苦茶なのに、なまじ断片的に読んでるものだからもう自信満々で。

>上記の方々はそういった話にはせず、「一次資料にあたっている」のみをもって優位に立とうとしています。

まあ、なんというか「他人の褌で相撲を取る」どころか、「他人の褌で八百長相撲を取る」といったところですね。

ApemanApeman 2014/09/25 15:32 だびさん

>「国家の責任」認定の前提条件があまりにも凄すぎて

そうそう、これもご指摘の通りですね。拉致事件の方は金正日が「特殊機関の一部が妄動主義・英雄主義に走って」やったことを認めたから「国家の意志」、しかしスマラン事件他はそうじゃない……と平気で言うのだから御都合主義もいいところです。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 07:33 永井先生、Twitterアカウントを作成の上こちらまでお越しください。
お待ちしております。
http://togetter.com/li/724068

ApemanApeman 2014/09/27 10:00 お前が来い。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 10:19 >Apeman
ギャラリーの多い公開の場でやった方が面白いじゃん。
君に永井の主張に対する疑義を擁護できる史料や能力があるなら、書き込み歓迎〜♪(ゲラゲラゲラ

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 10:25 繰り返しご案内申し上げます。

京都大学教授の永井和(nagaikazu)さま、
京都大学教授の永井和(nagaikazu)さま、
永井さまのご主張に対するジョンお姉さま他皆様の疑義が届いております。

http://togetter.com/li/724068

万障お繰り合わせの上、ご自身の主張の正確性、正当性を思う存分主張してください。(うふん

赤猫赤猫 2014/09/27 10:37 図々しいおバカさんへ

見ず知らずの他人を呼び出す前に、このコメント欄に出ているあなたの出鱈目に対する指摘に対して返答するのが先でしょ、筋からいって。
まあ、図々しいおバカのジョンさんとやらにはおバカ仲間が数の暴力で支えてくれる場所でしか議論ごっこしか出来ないから、見ず知らずの赤の他人を見ず知らずの赤の他人のブログのコメ欄で呼びつけるような非礼な真似しかできないのでしょうが。

馬鹿の壁馬鹿の壁 2014/09/27 10:58 >赤猫

http://togetter.com/li/724068をちゃんと読んでますか?
きちんと反証していると思いますけど

そもそも、最初に批判したのはこのコメ欄にいる馬鹿たちで
それに対して反証した上で
「こんな便所の裏みたいなところでゴチャゴチャ言わずに、
もっと人目の多いところで議論しようや」
という話だと思いますけど。

赤猫赤猫 2014/09/27 11:10 馬鹿へ

まあ予想通りの卑怯な臆病者の反応。バカ仲間が数で無理を通せる所でしか議論ごっこを出来ないという告白。

それと、バカに教えてあげますが、どこで何を議論しようと人の勝手。赤の他人のブログのコメント欄に出て来て、赤の他人に「アカウントを取って、自分の土俵に来い」と喚くのは無礼。バカなジョン某には理解出来ないのだろうな。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 11:33 >赤猫さん

うんうん、人格否定は好きなだけしていいから、反論をよろしく。永井教授あるいはここにいる皆様が下記の疑義に根拠をもって反論できるかどうかだけが問題ですから。

それができなきゃいくら人格否定しても、そんなもの「負け惜しみ」ですよ、「負け惜しみ」。( ´H`)y-~~

? マレー軍政監の達に示す規定はマレー軍政監部内のみで効力を有するものか否か。

? 永井の示す慰安婦の契約における「契約金」とは「前借金」を示すものか。

? 雇用者と被雇用者の間に結ばれた融資について、中途退職時に債務の残額を一括返済するよう合意する契約は「違法」であるか。

? 上記契約を被雇用者との間で執り行った業者と業務委託契約を結ぶことは、違法行為を黙認することに当たるか。

馬鹿の壁馬鹿の壁 2014/09/27 11:39 >赤猫
たぶん、私を含めたhttp://togetter.com/li/724068を読んでいる
ほとんどの人間は、意図的にどちらかに組しようとは思っていないと思うのですが

ちなみに私も、きちんとした反証をしていただいて、それが納得できるものであるなら永井先生のご説を支持することに、いささかも躊躇するつもりはありません。

できれば議論はより多くの方が参加している場の方が、より活発かつ正確なものになると考え、
http://togetter.com/li/724068での反証を期待いたしましたが、それを無礼と考えるなら
このコメント欄で反証されてはいかがでしょう?

ぜひ、http://togetter.com/li/724068に対する反証をお待ちしております

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 11:42 >赤猫さん

追伸
『赤の他人のブログのコメント欄に出て来て』
ここに来いと誘導したのは、Apemanご本人様ですが、いかがいたしましょう?

『赤の他人に「アカウントを取って、自分の土俵に来い」と喚く』
永井先生御自らお姉さんを名指しでご指名の上、色々言って頂きましたので、こちらへどうぞ、とお誘いしている次第であります。

ご質問は?( ´H`)y-~~

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 12:33 ジョンお姉さんへ

 はじめまして。せっかくのお誘いですが、私は主義としてtwitterは利用しないことにしておりますので(もちろんネット検索でひっかかった場合などに閲覧することはありますが)、残念ながらそちらにお邪魔することは、ご遠慮させていただきます。
 すでに一読者さんには、ここの「軒下」を借りて疑問にお答えするお約束をしておりますので、ジョンお姉さんのご質問にここでお答えするのに、やぶさかではありません。
 しかし、わざわざこちらまで(馬鹿の壁さんによれば「こんな便所の裏みたいなところ」だそうですが)来ていただいたので、せっかくですので、私としてはその前にかたづけておきたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。

 このコメント欄で一読者さんから紹介いただいたのが発端でした。
http://togetter.com/li/720830
 ここであなたは、
「一般の外地・占領地の売春宿は外務省が担当?
「本規定は軍人軍属並びに一般邦人を対象とする慰安施設云々」・・・嘘つきw
p.twipple.jp/NCt1F」
 と、私が自分の論文で主張していないこと(「一般の外地・占領地の売春宿は外務省が担当」)を私が主張しているかのようにして、「嘘つき」と悪態をつかれた。だから、私はそれに反論したわけです。

 ですので、ご質問に答える前に、まず、この件につきしかるべきご対応をくださるようお願いいたします。そのご対応を確認させていただいたうえで、ご返答すことにいたします。
 
 以上お答えいたします。

ApemanApeman 2014/09/27 12:35 >ギャラリーの多い公開の場でやった方が面白いじゃん。

「面白さ」なんて求めてないよ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 12:43 > nagaikazu 2014/09/27 12:33
南京・上海とマレーは違うと主張しているだけで、根拠が示されてませんしねえ。

うんうん、で、お姉さんに対して「軍政監達」に示す規定が「軍政監部内でのみ適用されるなんて高等なことはわからないだろう」なんて指摘しているので、ホント?って聞いているの。

ホント?( ´H`)y-~~

馬鹿の壁馬鹿の壁 2014/09/27 12:45 >nagaikazu

閲覧者がtwitterに比べ圧倒的に少ないという比喩証言で使用しましたが
「こんな便所の裏みたいなところ」という表現は不適切でした
訂正して謝罪いたします。

flekramflekram 2014/09/27 12:53 > 南京・上海とマレーは違うと主張している

すくなくとも、そう主張していることを認めた以上、「一般の外地・占領地の売春宿は外務省が担当」と永井さんは自分の論文で主張していないと認めたことになります。ならば、「嘘つき」という悪態は撤回する必要があるのに、なぜそうしないのですか?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 13:21 >nagaikazu

『通常一般の公娼施設は、それを利用する軍人・軍属の取締のために憲兵が立入ることはあっても、業者や娼妓に対する風俗警察権は内務省警察・植民地警察・外務省警察などの文民警察に属し、軍事警察すなわち憲兵の関知するところではない。ところが、陸軍慰安所の従業員は軍籍を有さぬ民間人でありながら、その場所で働いているかぎりは憲兵の管轄とされるのである。これは慰安所が酒保などと同様、前線近くに置かれた軍の兵站付属施設であり、軍人・軍属専用の性欲処理施設だったことに由来する23)。』


少なくともマレーにおいては、一般の公娼施設も軍の統制を受けているので、外務省の管轄たる外務省警察でなく、憲兵の立ち入りをもって軍の兵站施設・軍人、軍属専用の性欲処理施設という立論はできないよねえ。

それへの反論が「マレー軍政監部の規定は部内専用」という主張をしたのが先生。それについて説明してちょ、というお話。( ´H`)y-~~

flekramflekram 2014/09/27 13:47 説明してちょ?他者を嘘つきといったジョンお姉さんが説明できないのは変ですね。説明しないなら、嘘つきという悪態には根拠がありません。したがって、「嘘つき」は撤回する必要がある、という簡単な話ですが。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 14:00  ジョンお姉さん

 私が自分の論文で主張していないこと(「一般の外地・占領地の売春宿は外務省が担当」)を私が主張しているかのようにして、「嘘つき」と悪態をつかれたことに対して、謝罪も撤回もされないわけですね。

 私の論文のその部分は1937年12月21日付上海総領事館警察署長発長崎水上警察署長宛「皇軍将兵慰安婦女渡来ニツキ便宜供与方依頼ノ件」という文書(ジョンお姉さんのお好きな「一次史料」です)の分析から引き出しうることを議論している箇所なので、1937-38年の南京・上海の陸軍慰安所についての結論です。マレーのことが直接の対象にはなっていません。マレーも含めた陸軍の慰安所についての包括的な議論は、同じ論文の補論および追記でやっています。そこでは「憲兵の立ち入りをもって軍の兵站施設・軍人、軍属専用の性欲処理施設という立論」はしていません。

 ジョンお姉さんが引用された私の論文の一節には注番号23)がついていますが、そこには以下のように記されています。
「23) (前略)なお、一般公娼施設と軍慰安所との間で明確に警察の管轄区分がなされていた点で、軍事警察が占領地の風俗営業取締を全般的に担当していた日露戦争中の満州軍政や第1次大戦期の青島占領とも性格を異にすることも付け加えておく。」
 ここには南方軍政は付け加えていませんが、宣戦布告をしたあとに軍政を宣言した点で太平洋戦争は日露戦争、第一次大戦と同じです。
 ですので、私はこの論文で「一般の外地・占領地の売春宿は外務省が担当」などという主張はしていません。
 そのことを認めるかどうか、まずはっきりさせてください。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 14:11 馬鹿の壁さん

>閲覧者がtwitterに比べ圧倒的に少ないという比喩証言で使用しましたが
>「こんな便所の裏みたいなところ」という表現は不適切でした
訂正して謝罪いたします。

 私に対する謝罪は諒解しましたが、謝罪するのであれば、それは私にではなくて、まずApemanさんおよびこのブログのサポーターの皆様(馬鹿の壁さんの表現では「コメ欄にいる馬鹿たち」ということになるのでしょうが)の方だと思いますが。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 14:54 nagaikazu
補論について了解しました。訂正して謝罪します。
お姉さんは間違いを認めることに吝かではございません。

さて、おバカなお姉さんの訂正と謝罪が済んだところで、今度はこちらの質問に回答していただきましょう。

1 マレー軍政監部の軍政監第二十八號達に示す規定は、軍政監部の部内のみで効力をもつものか、民間の業者をも統制するものか。

2 nagaikazu 2014/05/28 22:10に示す慰安婦の契約における「契約金」とは「前借金」を示すものか。

3 雇用者と被雇用者の間に結ばれた融資について、返済の中途での退職時に債務の残額を一括返済するよう合意する契約は、同時代的な民法及び、現行の基準たる労基法、憲法に照らしても「違法」であると言えるか。

4 上記契約を被雇用者との間で執り行った業者と業務委託契約を結ぶことは、違法行為を黙認することに当たるか。


これ、1については「軍政監部部内のみ」、2については「前借金である」、3については「違法」、4については「違法」を立証しないと、先生の立論が根底から崩壊しますが、よろしいでしょうか?

さて、回答よろしゅうお願いいたします。( ´H`)y-~~プハー

馬鹿の壁馬鹿の壁 2014/09/27 15:05 >nagaikazu

申し訳ありませんが「コメ欄にいる馬鹿たち」を訂正する気はさらさらありません。

先生の説に対する反証があり、それに対する反証を行わず(一部反証の反証部分もありますが)
「・・・バカ丸出し(呆」「そいつ、〜だんだんバカの地金が出てきましたね。」
「シニカルな勘違いしている両横綱がそろい踏みですか。」等とコメントする人間は馬鹿だと思うので。
しまいには「図々しいおバカのジョンさんとやらにはおバカ仲間が数の暴力で支えてくれる場所でしか〜」にいたっては、これを馬鹿以外のなんと表現していいのか分かりません。

再度申し上げますが、私自身は先生のご説に組する立場でも、ジョンお姉さんという方の説に組する立場でもございません。ただ、慰安婦問題と言われるものをどう理解したらよいか知りたいと思っているだけです。

一読者一読者 2014/09/27 15:26 馬鹿の壁 さん

馬鹿の壁さんがこのコメント欄の人間を「馬鹿」としている根拠となるコメントがどのような文脈で出たものなのか、誰に対するものなのかを混同しているように思います。

シニカルな勘違い云々は永井先生の説に対する反証とは関係ありません。

おそらく、「馬鹿たち」と複数形にした表現を撤回したくないため、無理やり関係のないコメントを持ちだしたのだと思いますが、時系列無視はさすがに無理がありますよ。

そこまでして他人を「馬鹿」にする必要はないでしょう。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 15:29 >nagaikazu

さて、私の謝罪と訂正が終わりましたところで、
「彼があげている規則は「軍政監達」という法令形式をとり、しかも部内にのみ通達されている、つまり原則的には軍政組織に属するものだけに効力をもつものである、というような話は、たぶん高級すぎて理解不能でしょう。」

という悪態の釈明をお願いします。

軍政監達については、複数の史料を確認しておりますが、「規則・規定制定の事実」を軍政監部の関係部署に周知する達であって、それに示される「規定」は軍政監部に適用されるものではないはずですが?

第二十八號達 第二条
本規定ノ運用ニ当リテハ、常ニ軍ト緊密ナル連絡ヲ保持シ、之ガ協調ニ努ムベシ

同第八條
慰安施設營業ヲ左ノ如ク區分ス
一 軍専用
一般人ノ利用ヲ許サザルモノ

二 軍利用
  一般人にニ出入利用ヲ許スモ軍人軍属ニ對シ特ニ利便ヲ與フルモノ

三 其ノ他ノ營業
右以外ノモノ

馬來監達第二十九號
慰安施設及旅館營業遵守規則
第二條 
慰安施設營業者ハ營業ノ區分ニ従ヒ店頭見易キ個所ニ附表第一號ノ標識ヲ掲グベシ但シ軍關係ニ非ザルモノハ此ノ限リニ在ラズ

先生の主張通りなら、軍政監部が軍と協力するよう命じたり、軍政監部が軍専用でも軍利用でもない慰安施設を営業してたり、軍関係にない軍政監部の組織が存在したということですね。

下記の主張は本当ですか?

nagaikazu 2014/05/30 01:50
「なお、「一般邦人も対象と明確に書いてある」とありますが、規程に出てくる「一般邦人を対象としている」という意味は、規程の対象が一般邦人ということではなくて、規程が取締対象としている慰安施設や旅館が、軍人軍属と並んで一般邦人も利用するものであることを意味しているにすぎません。」

nagaikazu 2014/09/23 21:40
「この程度の知識で論じているジョンお姉さんには、軍政下において、すなわち「本土の監督官庁が存在しない占領地において行政機構の業務を軍が代行」するときには、つまりその行政規則が軍に属さない民間人をも拘束しうる効力をもつためには、「軍政令」という法令形式でなければならない、ところが彼があげている規則は「軍政監達」という法令形式をとり、しかも部内にのみ通達されている、つまり原則的には軍政組織に属するものだけに効力をもつものである、というような話は、たぶん高級すぎて理解不能でしょう。」

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 15:31 上記一部訂正
軍政監達については、複数の史料を確認しておりますが、「規則・規定制定の事実」を軍政監部の関係部署に周知する達であって、それに示される「規定」は軍政監部【及び軍の部内のみ】に適用されるものではないはずですが?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 15:39 >nagaikazu
nagaikazu 2014/05/28 22:10に示す契約

1.契約書
一、稼業年限
一、契約金
一、上海派遣軍内陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業ヲ為スコト。
一、賞与金は揚高ノ一割トス(但シ半額ヲ貯金スルコト)
一、食費衣裳及消耗品ハ抱主負担トス。
一、年限途中ニ於テ解約ノ場合ハ元金残額違約金及抱入当時ノ諸費用一切ヲ即時支払ヒ申スベキコト
右契約条項確守履行仕ル可ク依而契約証書如件。
  昭和 年 月 日
  本籍地
  現住所
               稼業人
  現住所
               連帯人
       殿

2.承諾書
本籍
住所             稼業人
                     年 月 日 生
右ノ者前線ニ於ケル貴殿指定ノ陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業(娼妓同様)ヲ為スコトヲ承諾仕候也
   昭和 年 月 日
            右戸主又ハ親権者
            稼業人 

3.金員借用証書
一、金
右之金員拙者要用ニ付キ正ニ請取借用仕候事実正也然ル上ハ返済方法ハ別紙契約書ニ基キ
酌婦稼業ヲ為シ御返済申ス可ク万一本人ニ於テ契約不履行ノ節ハ拙者等
連帯者ニ於テ速カニ御返金仕ル可ク為後日借用証書依而依如件
   昭和 年 月 日
  本籍地
  現住所
              借用主
  現住所
              連帯者
         殿

「最初の「契約書」は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を契約内容とするもので、年季終了前に廃業するには、前借金残高、違約金、抱え入れ際の費用一切を即時支払うことになっています。つまり、「慰安婦は前借金全額返済が廃業の条件だった」ことを示す証拠です。」

とありますが、最初の契約書(第1項)については、契約期間、それに応ずる契約金、業務内容等に合わせて、「解約時には契約金のうち、未履行分を返済すること、違約に関する違約金及び雇用主の損害分を補償うこと」を示しているのみであり、1項にいう「元金」とは「契約履行時には返済義務のない契約金」であって、前借金ではないはずですが?

前借金は、別個の契約である第3項において規定され、その返済について合意相殺を約するもののはずですが?

お答え願います。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 15:58 >nagaikazu

さて、上記契約の第3項でありますが・・・。

3.金員借用証書
一、金
右之金員拙者要用ニ付キ正ニ請取借用仕候事実正也然ル上ハ返済方法ハ別紙契約書ニ基キ酌婦稼業ヲ為シ御返済申ス可ク万一本人ニ於テ契約不履行ノ節ハ拙者等連帯者ニ於テ速カニ御返金仕ル可ク為後日借用証書依而依如件

「一、金」において雇用主から被雇用者たる慰安婦に融資する金額を示すものですね。

そして、融資に関しては売春をして(雇用主の従業員として)、その給与から返済する予定であること、この契約を履行しない場合(雇用主の下で売春をする、つまり従業員でなくなった)場合は、速やかに返金する旨を合意するものですね。この契約のどこにも、借金返済前の廃業を禁じる項目はありません。

さて、雇用主から従業員である信用を担保として受けた融資を給料から天引きして返済することの合意、従業員でなくなった場合の一括返済を合意することは、違法ですか?

さて、現行法上の雇用主と被雇用者の間の融資、社内貸し付けについて見てみましょう。

next.rikunabi.com/04/step/syanai…
会社が直接融資している場合
退職時には一括返済が原則。若いうちは退職金の額が少ないため、退職金では返済ができない人が多いだろう。手元に一括返済できる資金がなければ、退職前に新たに金融機関から借りられるかを確認する必要がある

myhome-k.anshin-k.com/038.html
現行の社内融資制度
? 社内融資のデメリットとしては、退職時に一括返済しなければならないこと。
? 退職金で完済できない場合には、借換えの検討も必要になってきます。

さて、現行の社会融資制度や、公務員の共済貸付は、借金の全額返済まで退職を認めない制度ですか?そうでないならば、上記慰安婦の金銭の借用と返済も「前借金の返済まで廃業を認めない制度」とは言えないはずですが?

さて、上記の契約を結んだ業者と軍が業務委託契約をした場合、軍は「違法な契約を容認」したことになりますか?

回答をよろしく。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 17:00 ジョンお姉さん

http://togetter.com/li/720830では、
「一般の外地・占領地の売春宿は外務省が担当?
「本規定は軍人軍属並びに一般邦人を対象とする慰安施設云々」・・・嘘つきw
p.twipple.jp/NCt1F」
と仰有った件につき、撤回され、謝罪されたので、私もジョンお姉さんを「おバカなひと」と譏った件については、撤回し、謝罪致します。

 さて、今度はこちらがご質問に答える番ですが、以前あげられた4つの質問のうち、3と4は2の質問の「契約金」と「前借金」の解釈の是非によって左右されるものと考えますので、2に従属する質問とみなし、主として1と2に解答することにさせていただきます。
 順序が逆になりますが、まず2の質問すなわち
ジョンお姉さん 2014/09/27 15:39の質問からお答えします。
 ここに引用された「契約書」の「契約金」が「前借金」であることは、この「契約書」をたずさえて、南東北から北関東において慰安婦の募集活動をおこなった大内某なる女衒自身がいっていることなのでまちがいありません。私の論文にも書いてありますが、大内は募集にあたって、次のような条項を含む「趣意書」を各方面に配っています。
「    条  件
一、契約年限     満二ヶ年
一、前借金      五百円ヨリ千円迄
  但シ、前借金ノ内二割ヲ控除シ、身付金及乗込費ニ充当ス
(中略)
一、前借金返済方法ハ年限完了ト同時ニ消滅ス
  即チ年期中仮令病気休養スルトモ年期満了ト同時前借金ハ完済ス
一、利息ハ年期中ナシ。途中廃棄ノ場合ハ残金ニ対シ月壱歩
一、違約金ハ一ヶ年内前借金ノ一割
一、年期途中廃棄ノ場合ハ日割計算トス」
http://nagaikazu.la.coocan.jp/works/guniansyo.html

 このことから、「契約金」が「前借金」であることは明かだと思います。
 「契約金」が「前借金」だとすると、この契約は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を内容とするものですので、当時の法解釈の多数派によれば民法90条にいう「公序良俗に反する契約」であり、無効ということになります。

 1のご質問に対する解答は、きちんと答えるにはそれなりの準備がいりますので、しばらくご猶予ください。

馬鹿の壁馬鹿の壁 2014/09/27 17:14 >一読者

ご指摘ありがとうございます。以前このブログのコメ欄を拝見した時に
非常に強い言葉が散見されていた印象があり、取り急ぎ気になる文言を抽出いたしましたが
一読者さんのご指摘の通り、反証せずに罵倒しているのは山猫さんだけでした。
Apemanさんおよびこのブログのサポーターの皆様にはあらためて謝罪させていただきます。

併せて、このブログを読まれている方々に、本筋と全く関係のない部分で
無駄なコメント欄を増やしてしまったこともお詫びいたします。

永井先生の反証を楽しみにしております。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 17:17 ジョンお姉さん

 そうでした、聞く所に依れば、ジョンお姉さんとそのお仲間の皆様は、研究者の論文など信用できない、一次史料に依拠すべきとの見解をおもちのようなので、追記しておきます。
 上記「契約書」と「条件」(原本ではなくて警察が作成した写本ですが)は『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』第1巻の48頁から52頁とくに50頁以降に掲載されていますので、ご確認ください。

flekramflekram 2014/09/27 17:28 > お姉さんは間違いを認めることに吝かではございません。

というわりには、 http://togetter.com/li/720830 には「嘘つき」という発言の訂正と謝罪が追加されていないようだ。

「間違いを認めることに吝かではございません」は口先なのかと思ってしまいますなあ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 18:05 >nagaikazu

解りました。では、「契約金」を前借金であるとして、契約書にも、趣意書にも「借金返済前の廃業を認めない」旨の条文は一切ありません。つまり、この契約で借金返済前の廃業を禁じていません。

しかも趣意書では「年期途中の廃業に関して日割りで給料を支払う」旨が明記されており、年期途中の廃業を想定している内容です。

どこをどう読んでも「年期途中の廃業を禁じる」契約ではありません。


さて、本題。前借金を給与から天引きする事を雇用者と被雇用者の間で合意した上で返済し、中途で退職・廃業する場合には一括返済すること約する「合意相殺」が旧民法90条で違法とされた例を示してくださいますか?

雇用者と被雇用者の間の融資に対する合意相殺は旧民法下でも有効とされ、社内貸し付けに見られるとおり、現在の労基法でも行われ、日鋼事件では合憲の判決が出ています。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 18:17 >nagaikazu

このことから、「契約金」が「前借金」であることは明かだと思います。
 「契約金」が「前借金」だとすると、この契約は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を内容とするものですので、当時の法解釈の多数派によれば民法90条にいう「公序良俗に反する契約」であり、無効ということになります。


法が禁じているのは、「売春の契約期間を定めること」ではなく、「債務の存在をもって廃業を妨害すること」です。




「多数派」が具体的に何を示すのかは知りませんが、大審院の判決はこのとおりです。

大審院 大正4年オ第148号(大正4年10月11日)
「娼妓営業の収入を以て債務の弁済に充つることの適法なる(略)一方が娼妓稼業を為し其収益を以て債務弁済の手段とし一方が之を計算の対価として一定の金員を貸与するこ
とは法令の認許する範囲内の行動にして公序良俗に反するものにあらず」

旧民法の大審院判例でも、合意相殺は「適法」であり「公序良俗に反しない」と明言されてますね。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 18:25 >nagaikazu

さて、契約は債務の存在をもって廃業を禁じるいかなる条文も存在せず、旧民法では前借金の合意相殺が禁じられていないということを示しましたので、2の契約が「前借金による拘束」には当たらないことは認めますか?

ApemanApeman 2014/09/27 18:26 >閲覧者がtwitterに比べ圧倒的に少ないという比喩証言で使用しましたが

これは聞き捨てならんなぁ。
http://togetter.com/li/724068
っていまチェックしたら「3853 view」じゃん。このブログ、この一ヶ月で言えば一番少ない日でも1276、多い日で9790のユニークアクセスがあるんだけど。
さあ、謝罪して訂正すべきことがまた増えたねぇ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 18:35 「1のご質問に対する解答は、きちんと答えるにはそれなりの準備がいりますので、しばらくご猶予ください。」との事ですので、まあ、ご参考までに。

軍政監第二十九号達同じく「部内一般」の達であって、軍政令などではありません。

制定された規定は「慰安施設及旅館營業遵守規則」と申しまして、これが軍政組織内でのみ適用される規則だった場合、軍政監部及び軍政組織が直接、慰安所や旅館の「營業」を行っていたことになりますので、そのあたりもご勘案ください。(笑い

コメント欄の観戦に伺いましたコメント欄の観戦に伺いました 2014/09/27 18:39 ngaikazu氏は、3,4の質問が2に従属するとの主張から回答を拒んでおられるけど、これは妥当ではない。
3,4は2とは別個に解答すべき問題だと思う。なぜなら、質問3,4は2に論理的に従属し得ない。

>2 nagaikazu 2014/05/28 22:10に示す慰安婦の契約における「契約金」とは「前借金」を示すものか。

>3 雇用者と被雇用者の間に結ばれた融資について、返済の中途での退職時に債務の残額を一括返済するよう合意する契約は、同時代的な民法及び、現行の基準たる労基法、憲法に照らしても「違法」であると言えるか。

>4 上記契約を被雇用者との間で執り行った業者と業務委託契約を結ぶことは、違法行為を黙認することに当たるか。

これが、質問2,3,4の内容であるが、2は「nagaikazu 2014/05/28 22:10に示す慰安婦の契約」という「個別のケース」の議論であるのに対し、3は「雇用者と被雇用者の間に結ばれた融資」という「民法一般」の議論となっている。法理論において、原則・例外の思考パターンは頻出であり事例一般に妥当する原則論を展開した上で、個別ケースにおいて例外的修正を行う事はままあるが、その逆に「個別のケースに一般の議論が従属する」という事はありえない。

まぁ、この用に法的思考を持ち出して冗長に書かずとも、「一般は個別に従属しない」というのは、その適用範囲の大小からシンプルに自明の事である。そして、「nagaikazu 2014/05/28 22:10に示す慰安婦の契約」とは個別事例の議論であり、「雇用者と被雇用者の間に結ばれた融資」とは、より法一般に範囲を広げた議論である。で、ある以上論理的観点から、3の質問が2の質問に従属するとはみなし得ない。3を前提とする4も、やはり2に従属し得ない。

以上の理由により、質問3,4は2に従属しておらず、nagaikazu氏の質問3,4は2に従属するため回答しないという対応は妥当ではないと思う。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 18:43 >flekram
がっつり三時間前にツイッター上で謝ってますのでご確認を♪

https://twitter.com/jpn1_rok0/status/515743320119586816

読者読者 2014/09/27 19:01 >flekram
そのまとめはジョンお姉さん自身がまとめたものではないので、まとめに謝罪が反映されない事はお姉さんの落ち度ではありませんね。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 19:17 >nagaikazu

ああ、あと一つ。

「この「契約書」をたずさえて、南東北から北関東において慰安婦の募集活動をおこなった大内某なる女衒自身がいっていることなのでまちがいありません。」

との主張ですが、大内某の持っていた「趣意書」と「上海派遣軍の慰安所の契約書」は別の文書ですね。

別の文書で、上海派遣軍の慰安所の契約書にある「契約金」が契約書第3項にある前借金と同一だとする根拠は?

大内某の契約書では、前借金の返済を給与から行うというもの。

上海派遣軍慰安所の契約書は、契約期間に応ずる契約金を支払う、違約した場合は契約金の未履行分を返済する、というもの。

年期中の廃業による前借金の返済は第3項に明記されているので、契約金の返済と前借金の返済は別個の契約であり、別個の返済とみなすのが妥当ですよねえ。
わざわざ別項にそれぞれ返済の条項を書く理由がないですし。
そもそも、契約自体の項目が別ですしね。

というわけで、先生が nagaikazu 2014/05/28 22:10 において「上海派遣軍慰安所」の契約書を示し、マレーも同様の契約であるとした上で、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な契約」としているのか回答よろしく。

百歩譲って先生の意見を丸呑みした場合の反論は既に示したとおりですので、そちらへの回答もよろしく。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 19:29  ジョンお姉さん

 ジョンお姉さんが、nagaikazu 2014/05/28 22:10に示された「契約書」の中の「契約金」が「前借金」であることを認めて下さったのは、当方としては望外の喜びです。

 なにしろ、ジョンお姉さん 2014/09/27 14:54で、
「これ、1については「軍政監部部内のみ」、2については「前借金である」、3については「違法」、4については「違法」を立証しないと、先生の立論が根底から崩壊しますが、よろしいでしょうか?」

と言われていたのですがから。
 
 ともかく、2が「前借金である」ことは「立証された」とジョンお姉さんもお認めになったということなので、私の「立論(といってもこれが具体的に何を意味しているのか私にはよくわかりませんが)が根底から崩壊する」危険は半分くらいは回避されたのではないかと思います(笑)。

 民法90条で公序良俗違反とされるのは、娼妓稼業契約のように、女性の身体の自由を一定期間拘束して、娼妓稼業そのものに従事させるような条項です。そのことはあなたも参照している眞杉悠里さんの論文に書いてありませんか。

 くだんの「契約書」によれば、途中で廃業するには、前借金の残額と違約金の支払いその他経費の支払いが義務づけられています。これは「債務の存在をもって廃業を妨害すること」に該当します。
 この契約書が公序良俗に反する条項を含む以上、ここでの「雇用関係」が通常の雇用関係と同列に論じられるものでないことは明かではないでしょうか。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 19:51 ジョンお姉さん

>との主張ですが、大内某の持っていた「趣意書」と「上海派遣軍の慰安所の契約書」は別の文書ですね。

これは失礼、あわてていたので、より明確な場所を指定しなかったこちらのミスでした。
 前にあげた場所にも同じ書類が出てくるのですが、よりはっきりと「契約書」が大内の携えていたものであることが書かれているのが、史料集成の11頁から22頁ですね。

 いずれの場合はも、大内の募集活動を察知した、警察は「公序良俗に反するが如き本件事案」(茨城県警察、群馬県警察)
と認定しています。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 20:05 >nagaikazu

ああ、ちょっと考え甘いですね。
「解りました。では、「契約金」を前借金であるとして」と言っているだけで、上海派遣軍慰安所の契約書の「契約金」が「前借金である」なんて言っていませんよ。

仮に前借金であったとしても、主張は成立しないと言っているだけです。

「民法90条で公序良俗違反とされるのは、娼妓稼業契約のように、女性の身体の自由を一定期間拘束して、娼妓稼業そのものに従事させるような条項です。」というお話ですが、眞杉論文に示されているのは、「前借金の債務の存在をもって廃業を妨害する」事の違法性に関する大審院判決です。残念ですが「拘束」とは契約期間を定めることではありません。



以下眞杉論文引用
『娼妓稼業契約とは以上の様な手順を取るものであったが、一口に収入を以って債務弁済に充てると言ってもそれには幾つかの方法があり、内務省警保局は調査を基に弁済方法の違いによって娼妓稼業契約を5つに分類している。まず挙げられるものは「娼妓となるとき、当事者間に稼業期間を定めて置いて、其の稼業期間が満了することによつて債権債務は消滅する」とする「年期制」の契約で、これは「夙に一般的に行はれた制度」であると説明されている。(略)これら5つの分類の基準となる前借金弁済方法の条項の違いによって、中途廃業時の補填方法など付随する契約条項にも幾らかの変化を見る事が出来るのであるが、契約内容は概ね以上の5つの何れかに割り振られ、調査によれば「月給制と自賄制は極めて稀であつて、歩合制、年期制、年期歩合折衷制が大部分を占めて」いたようである。もちろん、これら何れの契約形態であっても娼妓は廃業する自由を有しており、これは政府によって保証されていた(娼妓解放令・民法90条)。』

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 20:14 >nagaikazu

ごらんのとおり、「年季制」で売春の契約期間を定めることは、身体の拘束とはみなされていないこと。

前借金を給与の中から返済するのは、先に示したとおり公序良俗に反しないこと。

つまり、「身体の拘束」とは債務の存在をもって廃業を妨害することを示しているのであり、「年季の有無」や「前借金を給料をもって返済する契約」には何の違法性もありません。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 20:30 ジョンお姉さん

>ああ、ちょっと考え甘いですね。
「解りました。では、「契約金」を前借金であるとして」と言っているだけで、上海派遣軍慰安所の契約書の「契約金」が「前借金である」なんて言っていませんよ。 

わからない人ですね。その「契約書」をもって勧誘していたご当人の大内自身が「契約条件」の説明の中で「前借金」と説明しているのだから、「前借金」にまちがいないでしょう。

>仮に前借金であったとしても、主張は成立しないと言っているだけです。

おや、前には「前借金」であることが証明できないと「立論は根底から崩壊する」と書いておられたのではありませんでしたか。こんどは「前借金」であることが証明されても主張は成り立たないとおっしゃるのですか。
 何か不毛な議論になりそうですね。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 20:35 >nagaikazu

「上海派遣軍内慰安所ニ於ケル酌婦募集ニ関スル件」で、警察は大内の行動のうち、なにをもって「公序良俗に反するが如き本件事案」と認定しているのか、契約内容であるのかどうかは一切述べられていないはずですが?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 20:47 nagaikazu 2014/09/27 20:30

残念ですねえ。
「これ、1については「軍政監部部内のみ」、2については「前借金である」、3については「違法」、4については「違法」を立証しないと、先生の立論が根底から崩壊しますが、よろしいでしょうか?」

これ、全てクリアしないと崩壊するって意味ですよ。(笑い

1番目の軍政監部の達に示す規定が軍の委任契約下にない民間業者に及ぶ場合、軍が酌婦の廃業を許可制にしたのは軍との委任契約があるからではない、という事になる。

2番目の契約については、前借金による拘束を論証できない限り、前借金で廃業の自由がなかったことを立論できませんしねえ。

3番目は、前借金を給料から返済し、廃業時に残った債務を一括返済する事の違法性を論証しなければ、前借金拘束そのものを主張できませんしねえ。

4番目は、慰安婦が上記条件で拘束されていたことを立証できなければ、軍が違法な契約を容認したとは言えませんよねえ。

おわかり?(笑い

さて、前借金の存在と、それを給料から返済すること、年季制による雇用は「違法」ですか?

回答よろしく。

老婆心ながら老婆心ながら 2014/09/27 21:25 ネットスラングや人格否定を交えて虚勢を張らないと議論を進められないというのは、要するに
「自分の主張が無理筋だと気づいていながら難癖を付ける奴」
の典型例だ、と大抵の人は気づいてるものですよ。

読者読者 2014/09/27 21:40 素人なので中立の立場で流れを追ってますが「自分の主張が無理筋だと気づいていながら難癖を付ける奴」などどこにも見当たりませんが。

一読者一読者 2014/09/27 21:46 読者さん

簡単なハンドルネームを使用している私にも落ち度はありますが、私の発言と混同される方がいそうなので、紛らわしい名前は避けて頂くか、私の発言と明確に区別できるようにしてはいただけないでしょうか。

nagaikazunagaikazu 2014/09/27 21:48 ジョンお姉さん

 時間はかかるかもしれませんが、ひとつひとつ行きましょう。

1.くだんの「契約書」の「契約金」が前借金かどうかという問題について、あなたは前借金と認めるのですか、それとも認めないのですか、どちらですか。

2.以前にあなたはくだんの「契約金」が「前借金」であることが私の立論が成立しうる根拠のひとつだおっしゃいましたが、いまは「前借金による拘束を論証できない限り、前借金で廃業の自由がなかったことを立論できません」と、明らかに前言とは異なる立場にたっていますが、前言は撤回されたのですが。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 21:49 お姉さんの現状認識

永井クンの主張

1 軍政監達に示す規定は、軍政監部及び軍政組織にのみ有効であり、軍政監部は業者と委任契約の関係にあることをもって、慰安婦の廃業を自由に許可禁止することがきた。

2 慰安婦は前借金で拘束をされていた。


3 契約期間に給料から前借金を返済する契約は無効である。


4 上記から、マレー軍政監部は違法な契約を黙認していた。


という立論ですからねえ・・・。

1については回答できていない。

2については前借金による拘束を論証できていない。←イマココ
(姉:年季契約は旧民法では合法であり、前借金は娼妓を拘束しない)

3については回答拒否
(姉:雇用者と被雇用者の給与からの借金返済、被雇用者の従業員としての地位を失った場合の期限の利益喪失も合意契約があれば、旧民法でも現行の憲法、労基法でも合法であり有効)

4についても回答拒否
(姉:マレー軍政監部の達に示す規定をもって、マレー軍政監部は違法な契約を黙認していたとは言えない。)

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 22:02 > nagaikazu 2014/09/27 21:48

マレー軍政監部における慰安所の契約書は上海派遣軍慰安所の契約書と同じものと「思われる」という仮定に基づき、その限界も示さぬままに「マレー軍政監部は違法な契約を黙認していた」と断ずる論理の飛躍があり、さらに「上海派遣軍慰安所の契約書の実質は大内の趣意書」などと主張しているけれど、マレー軍政監部の契約書の「趣意書」が「大内の趣意書」と同じものであるという二重の飛躍を見逃すほどお姉さんは甘くないのですよ。

1 マレー軍政監部管轄地域内の慰安所の契約書(現時点で未発見)

2 上海派遣軍慰安所の契約書と同様と「仮定」

3 マレー軍政監部管轄地域内慰安所の「趣意書」なし(現時点で未発見)

4 上海派遣軍の契約書の実質は大内の趣意書である。だからマレー軍政監部の契約書にも同じような趣意書あるいは裏があった「はず」だ。故にマレー軍政監部の契約では契約金=前借金である

これって立論できているって言わないよ。( ´H`)y-~~

老婆心ながら老婆心ながら 2014/09/27 22:09 相手が議論に応じる姿勢を見せているのに、わざと行儀悪く振る舞う奴って、端から見れば

「不誠実または馬鹿、あるいはその両方」

でしかありませんね。
とりあえず、相手の返答を待たずに書き込み続けるのは、読みづらくなるだけです。

「自分の主張は根拠薄弱だと知っていて自信がないから、自分のペースに巻き込みたいだけなんだな」

と思われるだけですから、自重した方がいいんじゃありませんか。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 22:19 >nagaikazu

仮定に仮定を重ねて何を立証したの?

マレー軍政監部管轄地域内の慰安所の契約書における「契約金」とは「前借金」だったのですか?

それとも、「上海派遣軍の慰安所と同じようなものだったんじゃないかなー?」という「想像」ですか?

回答よろしく。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 22:23 >老婆心ながら 2014/09/27 22:09

印象批判&人格否定ご苦労様。治癒系魔法少女であるお姉さんにはその呪文は効かないの(アハン

そして所謂「お行儀」は主張の内容の正誤を示さないの。(ウフン

flekramflekram 2014/09/27 22:31 > がっつり三時間前にツイッター上で謝ってますのでご確認を♪

togetter のまとめに追加されないという話をしているのに、twitterの話を持ち出されてもねえ。


> そのまとめはジョンお姉さん自身がまとめたものではないので、まとめに謝罪が反映されない事はお姉さんの落ち度ではありませんね。

コメント欄があるではないですか。実際、そのまとめのコメント欄でさんざん発言してますよねえ。

それに、「落ち度」なんて問題にしてないよ。ここで問われているのは、「間違いを認めることに吝かではございません」という言葉の本気度ですから。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 22:41 flekram 2014/09/27 22:31
まとめの本文コメ欄確認して言ってる?
まあ、人格否定の試みなら、お姉さんそういうのでダメージ受けないから安心して!(イヤン

老婆心ながら老婆心ながら 2014/09/27 22:45 「暇人がPCの前に張り付いて必死に書き込んでる」

……というのは十分にアピールできてますが、世の中そんな暇人ばかりじゃありませんよね。
相手の状況に配慮するぐらいの想像力や節度を欠く人物の話って、大抵は屁理屈のレベルに留まるものです。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/27 22:54 >老婆心ながら 2014/09/27 22:45

人格者を気取りながらの必死の誹謗中傷ご苦労様です。今までのご自身の発言からは、確認していなかった事への「謝罪」くらいはあるものと思っておりましたよ。
まあ、どうでも良いですけど。( ´H`)y-~~プハー

そして、根拠に基づく反論、反証以外お姉さんの主張には疵一つ付かないことをご承知ください。

老婆心ながら老婆心ながら 2014/09/27 23:03 相手のペースを無視して、中身の無いことを延々と書き込み続ける。
ネットを離れてもそんな感じだとすれば、現実世界では友人を作れづらそうなタイプですね。
そういうタイプだからこそ、ネット上での不毛な「議論ごっこ」で自尊心を保とうとするんでしょうけど。夜遅くまでご苦労なことです。

読者改め、俄読者読者改め、俄読者 2014/09/27 23:20 >一読者さん 2014/09/27 21:46
気付かずに申し訳ありませんでした。

>老婆心ながら
貴方の書き込みこそ議論とは関係のないことばかりであり議論の妨げにしかなってないように見えますが?人格攻撃などで横槍を入れずに永井氏の返答を見守りましょうよ。

sutehunsutehun 2014/09/28 01:06 何に拘ってるんだかわかんないんだけどさ、そもそも「契約金」は「前借金」でなくてもいいんではないの?
だいたい借金を売春のアガリで返済していくことが当時合法だったとか違法だったとか、別に誰もそんな話してないよね。

「万一本人ニ於テ契約不履行ノ節ハ拙者等連帯者ニ於テ速カニ御返金仕ル可ク為後日借用証書依而依如件」と書かれているように、「契約書」における前借金は「契約不履行」の際、つまり売春婦として働けなくなったとき=廃業時に連帯者が返済することが定められてるのは間違いないわけ。
で、この「借金の返済」が年季明けによる棒引き以外では事実上不可能なことが問題なわけじゃん。

「問題ない、売春でなくても500円から最大1000円+月1%の利息くらいなら稼いで返せた」って言うなら、もう何も言うことはないんだけど。

ApemanApeman 2014/09/28 01:23 sutehunさん

>で、この「借金の返済」が年季明けによる棒引き以外では事実上不可能なことが問題なわけじゃん。

それが理解できない人間がいる、というのがいま私たちの直面している現実であるわけです……。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 01:47 >Apeman sutehun

事実上? 何の「事実」に基づいた「事実上」なのかにゃー(ゲラゲラ

さて、マレー軍政監部の慰安婦の前借金の実際の金額、水揚げと給与の中からの実際の返済額、そういうものの史料が未発見なのに、何の根拠で「事実上不可能」なんて言ってるのかなあ?

「前借金額という仮定」に「日々の上がりという仮定」を加え、さらに「契約期間という仮定」を並べた主張は何かを立証しているのかと。

さ、マレー軍政監部の記録に基づく立証と、それに基づく立論をお待ちしております。( ´H`)y-~~プハー


ま、永井クンは「どうして上海派遣軍の契約書でマレー軍政監部の契約を立証できるの?」という一言で黙り込んでいるわけですが・・・(大笑い

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 01:54 というか、永井クン、四つの質問のうち、1個も回答できていない現実が眼前に展開されているわけです。


がんばれ京都大学!教授の肩書きが伊達じゃないところをお姉さんに見せてて!( ´H`)y-~~プハー

flekramflekram 2014/09/28 02:24 > 人格否定の試みなら

私がやろうとしているのは、あなたの発言の本気度の確認だと書きましたが。それがどうして人格否定という話になるのか全く意味不明です。あなたの発言が本気かどうかを検証すると、あなたの人格が否定されてしまうという話でしょうか?いずれにせよ、私はあなたの人格に全く興味はありません。私が興味を持っているのは、あなたの発言が本当かどうかです。


> 根拠に基づく反論、反証以外

どうやら根拠を重視しているといいたいようですが、それは本当でしょうか。

『2 上海派遣軍慰安所の契約書と同様と「仮定」』と書いたところを見ると、マレーと上海では契約の形態が違うかもしれないと思っているようですが、その根拠はあるのでしょうか。もし、マレーと上海では契約の形態が違うかもしれないという仮説を裏付ける根拠がないのであれば、根拠を重視する人はそのような仮説を支持できないはずです。

仮に、マレー軍政監部の定めた規程が、上海のケースとは別種の契約を前提としていると仮定すると、上海派遣軍慰安所の契約書と同様の契約を結んでいる慰安婦は移送してはいけないことになります。軍が慰安婦を移送する際、それぞれの契約内容を考慮したという根拠があるというなら、それを出せばいいのに、なぜ出さないのですか。

ところで、この「2」ですが、最初は、『2. nagaikazu 2014/05/28 22:10に示す慰安婦の契約における「契約金」とは「前借金」を示すものか』と、永井さんのコメントで述べられている「契約金」が「前借金」を示すかどうかを聞いているものだったのに、いつの間にか、『2番目の契約については、前借金による拘束を論証できない限り』と、前借金による拘束を論証する話に変わっているんですね。

Arturo_UiArturo_Ui 2014/09/28 02:33 >flekramさん 2014/09/28 02:24
>いつの間にか、『2番目の契約については、前借金による拘束を論証できない限り』と、前借金による拘束を論証する話に変わっているんですね。

自分がやらかした失言の趣旨をすり替えようとしてるんでしょうが、いかんせん手口が稚拙ですね。
ツイッター上なら穴だらけの論理を「発言数だけで押し切る」ことができるのかもしれませんが、こういう場では不向きな戦術と言う他ない。

とりあえず、相手の返信があるまでは追加の質問を控えるのがマナーですし、その方がギャラリーとしてもやり取りを追いやすくなるんですがね
>>厚顔無恥な人

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 02:39 flekram 2014/09/28 02:24
「上海派遣軍慰安所の契約書と同様と「仮定」』と書いたところを見ると、マレーと上海では契約の形態が違うかもしれないと思っているようですが、その根拠はあるのでしょうか。」

違うとも違わないとも言っていない。「根拠史料が未発見であるので、解らない事は解らない」解らない以上、そこから先は断定できない。つまり、立証はそこから先に一歩たりとも進まない、故に、永井クンの質問2に対する回答は、マレー軍政監部の史実をなんら示すものではない、という簡単なお話。



お姉さんは「違うものである」なんて一言も言っていないんだよ?

flekramflekram 2014/09/28 02:45 > お姉さんは「違うものである」なんて一言も言っていないんだよ?

つまり、永井さんの主張を否定する根拠は何もないと認めるということですね。あなたの主張によれば、「根拠に基づく反論、反証以外」永井さんの主張には傷一つつかないはずでは?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 02:50 >flekram 2014/09/28 02:45

肯定する根拠も何もない。故に肯定しない。

「解らないものは解らないという」これ、学問の王道。

しかも、4つの質問のうち、1つにしか対応せず、その一つでさえ主張が「憶測」に基づくものであり、永井クンの立論をなんら立証するものではない、という簡単なお話。


何か一つでもご質問が?( ´H`)y-~~プハー

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 03:09 天下の京都大学教授、永井和大先生が、学者ではなく政治的活動家やアジテーターであるというなら、根拠のない憶測による主張をしたところで、「ああ、在特会の桜井誠とか、あの周辺のクズ共とベクトルが違うだけで同じものだな」と鼻くそをほじりがら傍観してさしあげますよ。

いやしくも「学者」だの「学問」だのを語るならば、「憶測」に基づき、その「憶測」を事実や史実であるかのようにすり替えて立論すべきではないのです。

仮定に基づく主張は、『AがBで「あったと仮定するなら」結論はCとなり得る』というのが限界であり、『AはBであったと自分は思うので、結論はCである』とは言えない。

こんな立論をした文章を出すのなら、学部生の週末のレポートですら、普通に「不可」ですよ。( ´H`)y-~~

flekramflekram 2014/09/28 03:11 > 「解らないものは解らないという」

しかしあなたはそこから「先生の立論が根底から崩壊」を導こうとしているわけですが。「解らない」から導けるのは、「先生の立論が根底から崩壊したかどうかもわからない」でしょう。

解らないなら、主張の内容が正しい可能性も残っているわけで、それで立論が崩壊することはありません。

> これ、学問の王道。

根拠を重要と主張するわりに、なぜか主張の根拠が述べられていませんね。それってあなたが想像する学問でしょ。想像ではないというなら、根拠を述べられるはずだよね。

相対性理論に誤りがある可能性は0ではありませんが、「実験された環境以外でも相対性理論が成立するかどうかは解らない、したがって相対論は根底から崩壊した」なんていう人は聞いたことがありませんね。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 03:32 flekram 2014/09/28 03:11

マレー軍政監部の達に関する永井クンの主張について、マレー軍政監部の軍政監達の原文を引用した反証が「根拠がない」事になりますか?

上海派遣軍慰安所の契約書をマレー軍政監部の契約書とほぼ同じものであるという主張に対し、「マレー軍政監部管轄地域内の慰安婦の契約の細部は未発見であり、ほぼ同一と言えるかどうかは断定できない」というのが「根拠がない」事になりますか?

慰安婦の「前借金の返済を年季内に返済する契約」が違法であり無効であるとする主張に対し、大審院判例を示して「違法であるのは、債務を理由とした廃業の妨害であり、合意相殺ではない」とするのが「根拠がない」事になりますか?

上記の永井クンの主張が立証できない場合、マレー軍政監部が「違法な契約を容認したとは言えない」というのが「根拠がない」事になりますか?

お姉さん、何故永井クンの主張に疑義を占めているか、根拠を示しているよ。
永井クンが「眞杉論文にこう書いてある」という主張に対しては「その論文にそんな事書いていないよ」と眞杉論文を引用して反証してますし。永井クンそれ以降、その事にはダンマリだけど。(笑い

( ´H`)y-~~プハー

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 08:11 永井くんおっはよー!

nagaikazunagaikazu 2014/09/28 08:19 私が、ジョンお姉さんのたてつづけの質問ぜめに答えないのは、ひとつは、大学に勤めて給料もらっている以上、本務を優先させなければならないからです。もうすぐ、後期の授業もはじまりますので、その準備に追われています。

 二つ目は、
nagaikazunagaikazu 2014/09/27 21:48で出して置いた、こちらの問合わせに、ジョンお姉さんがきちんと回答されないからです。

「 時間はかかるかもしれませんが、ひとつひとつ行きましょう。

1.くだんの「契約書」の「契約金」が前借金かどうかという問題について、あなたは前借金と認めるのですか、それとも認めないのですか、どちらですか。

2.以前にあなたはくだんの「契約金」が「前借金」であることが私の立論が成立しうる根拠のひとつだおっしゃいましたが、いまは「前借金による拘束を論証できない限り、前借金で廃業の自由がなかったことを立論できません」と、明らかに前言とは異なる立場にたっていますが、前言は撤回されたのですが。」

 私は最初にジョンお姉さんが出した4つの質問のうち1つに対して答え、その根拠も示しました。それに対してジョンお姉さんは私の回答への肯定、否定を明言せずに、ただ問題を別の問題にずらせることで対応しました。それに対して、私は上記の質問をだしました。ジョンお姉さんは、これにまともに答えることもなく、さらに勝手に問題を次ぎから次へと変えていって、こちらを質問ぜめにしています。

 ともかく、私としてはひとつひとつはっきりさせていきたいので、上記の質問にきちんとした回答がなされないかぎり、前に進むことはできません。

 この点ご理解下さい。

匿名匿名 2014/09/28 08:31 すごい、昨日の朝7時過ぎから今日の未明まで五月雨式に30件以上の書き込み・・・どんだけ暇人なんだ(驚
片や顕名の現職大学教授、こなた匿名匿職、これだけでも書き込みに割ける人的リソースの違い明らかなのに、しかも大学教授のほうはここにどんだけ書き込んだところで自身の研究実績には一文の足しにもならんのに、それでも書き込む誠実さ。いろいろありえんわ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 09:23 1.くだんの「契約書」の「契約金」が前借金かどうかという問題について、あなたは前借金と認めるのですか、それとも認めないのですか、どちらですか。

回答:先生の立論は、あくまでも「マレー軍政監部の契約書」についての主張ですね。お姉さんは優しいから「マレー軍政監部の契約書も同様のものであると思われる」という『仮定』まではよいとしましょう。あの契約書からは、契約金=前借金と読み取ることはできません。

2.以前にあなたはくだんの「契約金」が「前借金」であることが私の立論が成立しうる根拠のひとつだおっしゃいましたが、いまは「前借金による拘束を論証できない限り、前借金で廃業の自由がなかったことを立論できません」と、明らかに前言とは異なる立場にたっていますが、前言は撤回されたのですが。」

回答:マレー軍政監部の慰安婦契約が、上海派遣軍慰安所の契約書と同様なものであったというのが既に根拠のない想像に基づく『仮説』でしかなく、さらにその仮説の瑕疵を保管するために「大内の趣意書」なるものを持ち出し、「マレー軍政監部の契約書は上海派遣軍の契約書と同じようなものだったと『思われる』、その契約内容は大内の趣意書のような実態だった『はずだ』などという根拠のない仮定に根拠のない仮定を重ねた主張で、マレー軍政監部の契約書にある「契約金」が「前借金であった」なんて全く認めません。

あくまで先生は「マレー軍政監部の契約」について語ってますよね。上海派遣軍の契約でマレー軍政監部が「違法な契約を容認していた」なんて言えませんものねえ。( ´H`)y-~~

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 09:44 「マレー軍政監部の契約は上海派遣軍の契約と同じようなものだったと思う。だからマレー軍政監部の慰安婦の契約金は前借金だったんじゃないかなー」と思う。

うん、思うのはいいよ。想像するのは自由だ。

で、マレー軍政監部の契約書の契約金(現物がないのでそんな条項があるのかどうかも不明)が前借金だったと認めろ?

ムリ。( ´H`)y-~~プハー

ApemanApeman 2014/09/28 11:41 >事実上? 何の「事実」に基づいた「事実上」なのかにゃー(ゲラゲラ

「慰安婦」問題否認論を煎じ詰めると、ニヤニヤ笑いながら「お宅の坊ちゃん、元気だねぇ。さっきも人通りのない路地で遊んでるのを見たけど、交通事故には気をつけないとねぇ」とうそぶく893の前でついたハンコでも「事実上の強制? どんな『事実』なのかなゃ―(ゲラゲラ)」と放言することになる、ということだよね。ほんと、私の主張を裏付けてくれて有り難いかぎり。

老婆心ながら老婆心ながら 2014/09/28 11:46 あー、「全く分かってない人なんだ」ということが、やっと分かったわ。

どんな分野であれ、学術論文では「…である」と書かずに、「…と思われる」「…と考えられる」と書くものなんだよ。アカデミア独特の言い回しではある。
ところがコイツは、それを額面通りに「論文の筆者がそう思っている"だけ"」と読み取ってしまっているんだね。だからnagaikazuさんが「蓋然性の高い推測」として述べていることを、こいつは「単なる思い込み」だとしか考えていない。おかげで、いつまで経っても話がすれ違ってる、というか論点整理の段階にすら至らないわけだ。

大学で卒業論文を書いたことないんじゃない?
>>ちょっと恥ずかしいレベルの物知らずさん

うさぎうさぎ 2014/09/28 13:01 なんだかなー
読者改め、俄読者氏の感想が聞いたいわあ

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 13:10 まあ、いいんじゃないかなあ。

>Apeman うんうん、それを主張したいなら「マレー軍政監部管轄地域の慰安婦とその親権者が脅迫によって契約させられた事」「マレー軍政監部がその事実を知りながら容認したこと」を立証すればいんじゃないかなあ。(鼻くそホジホジ

>老婆心 

そもそも、マレー軍政監部管轄地域の慰安所の契約書は未発見。
故に上海派遣軍の契約と同じかどうかなんて解らない。

これを根拠もなく「同一」であると憶測し、その憶測をあたかも「事実」であるかのようにすり替えて

「マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。」永井

なんて断定するのは学問じゃないよねえ。小説とか妄想の類いだよね。

こんなレポートじゃ単位はやれないね。( ´H`)y-~~プハー

ApemanApeman 2014/09/28 13:43 老婆心ながらさん

>だからnagaikazuさんが「蓋然性の高い推測」として述べていることを、こいつは「単なる思い込み」だとしか考えていない。

ここのコメント欄でとうに指摘されているように、マレー軍政監部の慰安施設及旅館営業取締規程が酌婦の廃業を「届出制」ではなく「許可制」にしているくらいですから、その管轄下で結ばれていた契約が上海派遣軍慰安所よりも女性の権利に配慮したものだったと主張するなら、そう主張する側が根拠を示すべきなんですよね。「見つかってない」ことを常に自分にのみ有利に使おうという態度は、およそ学問的ではありませんし、自らが所属する国家の犯罪(容疑)に対する態度として倫理的でもありませんね。

推定無罪推定無罪 2014/09/28 13:59 証拠がないことはわからない
で終わる話じゃないの?

主張が正しいかもしれない可能性をいくら述べても、悪いことをしたかもしれないから有罪と言ってるだけであって、
近所の世間話ならともかく、学者先生がそれは不味いでしょと突っ込まれてるように私は見てるなあ


脅したにしろなんにしろ、証拠だせ、ということでしょう

vanacoralvanacoral 2014/09/28 14:39 推定無罪氏へ
旧軍が証拠を燃やしたりしなければこういう論争も発生しないのですがね

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 14:43 >Apeman

仮に、蓋然性=「きっとそうであろうという計数化できない確からしさ」が高いとして

『上海派遣軍慰安所の契約と、マレー軍政監部管轄地域内の慰安所は同様の契約を結んでいた蓋然性が高い、故にマレー軍政監部は違法な契約を黙認したことが考えられる』

「あの男Aは殺人者Bと同じような性向を持っている蓋然性が高い 故に 男Aは人を殺しているかも知れない。」

というならまだしも、(これでも相当失礼な話であるが)

永井クンが主張するように
『マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。』

「あの男Aは、殺人者Bにと同じような性向を持っている蓋然性が高い 故に 男Aは人を殺しているのです。」

なーんて言えないよね。
少しは自分が何を言っているか考えた方が良いよね。

さらに、蓋然性の高さをいくら述べても、上海派遣軍慰安所の契約書とマレー軍政監部の契約書の条文が同じであるなどと言うことは言えない。

仮定(仮説)をもって結果(事実)を断定することはできない。

てなことで、永井クンの立論は初手から破綻しているの。

( ´H`)y-~~プハー

vanacoralvanacoral 2014/09/28 14:49 >「あの男Aは、殺人者Bにと同じような性向を持っている蓋然性が高い 故に 男Aは人を殺しているのです。」
>なーんて言えないよね。

「Aという一次史料があるからBという事実は発生しない」
が終始お姉さんの思考回路だが
「Aという一次史料がありながらBという事実が発生してるのはなぜか」
追求するのがお姉さんが蔑視する歴史学者の仕事なのだ

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 15:14 ふーん

「Aという一次史料がありながらBという事実が発生してるのはなぜか」ってか?

「マレー軍政監部の達に示す規定(A)」がありながら、「マレー軍政監部が違法な契約を容認していた事実(B)」が存在するなら、その事実からまず立証してみようか。

( ´H`)y-~~プハー

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 15:59 >sutehun 2014/09/28 01:06
『「契約書」における前借金は「契約不履行」の際、つまり売春婦として働けなくなったとき=廃業時に連帯者が返済することが定められてるのは間違いないわけ。』

お答え:
何も間違っておりません。
雇用者から従業員への融資(住宅ローン、学士ローン等の社内貸し付け)は過去も現在も合法だし、雇用関係が無くなった時に期限の利益を喪失する契約に合意していれば(社内貸し付けのほとんどが該当)一括返済を命じることができるし、本人に返済能力が無ければ連帯保証人から取り立てるのも何ら不当でも不法でもありません。


『この「借金の返済」が年季明けによる棒引き以外では事実上不可能なことが問題なわけじゃん。』

お答え:
Japanese Prisoner of War Interrogation Report No. 49

Approximately 800 of these girls were recruited in this manner and they landed with their Japanese "house master "at Rangoon around August 20th, 1942.They came in groups of from eight to twenty-two.
From here they were distributed to various parts of Burma, usually to fair sized towns near Japanese Army camps.

(略)
In the latter part of 1943 the Army issued orders that certain girls who had paid their debt could return home.Some of the girls were thus allowed to return to Korea.

慰安婦のグループがビルマのラングーンに到着したのが1942年8月20日。
そこからさらにミッチーナに移動していることから、ミッチーナの慰安婦が營業を始めたのは早くとも1942年8月下旬となる。

1943年の後半には前借金の返済が終わった者に対する帰国勧告が軍から出され、数名の慰安婦がこれによって帰国している。

マレーとの状況の違いや「1943年の後半」がいつなのかは不明であるが、最大限遅く12月下旬とした場合でも、稼ぎの良い者は1年3ヶ月以内、最も早い6月とした場合は10ヶ月以内で債務の返済を終えていることになり、前借金額と返済の条件が同等であるならば、「返済は事実上不可能」などではないようである。

( ´H`)y-~~プハー

ApemanApeman 2014/09/28 16:25 「推定無罪」って、ハンドル見ただけで的外れなことしか書かないのがわかって便利だな。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 16:27


さて永井クン待ちかぁ。


お姉さんは、京都大学の碩学であらせる永井和教授が、華麗に根拠を提示しつつ、下記の立証をしてくれるもんだと信じてゆ。



軍政監達二十八号、二十九号に示す規定が「達という法令形式をとり、しかも部内にのみ通達されている、つまり原則的には軍政組織に属するものだけに効力をもつ」ものと立証し

マレー軍政監部管轄地域内の「契約書」に「契約金」の項目が有り、それが「前借金」と同一のものであると立証し

上記契約が当時の日本国内法に違反していたと立証し

さらに軍政監部がその契約内容が違法であると承知した上でこれを容認した事実を立証してくれるのを首を長くして待ってる。


じゃないと永井センセの立論が崩壊しちゃうから( ´H`)y-~~プハー

推定無罪推定無罪 2014/09/28 16:36 >vanacoral 2014/09/28 14:39
>旧軍が証拠を燃やしたりしなければこういう論争も発生しないのですがね

証拠を燃やした証拠をだせ、ってことになるんだけど。。。
どうして燃やしたことが事実だと言えるの?

そして、証拠がないのなら、近所の世間話ならともかくとして、
〇〇が悪いことをしたと学者先生が糾弾していいの?

「証拠は犯人が燃やしたから無い。でもあいつが犯人だ。」
これを司法がやっちゃだめなのと同じだと思うよ

vanacoralvanacoral 2014/09/28 16:41 >どうして燃やしたことが事実だと言えるの?
後に政治家となった内務省の奥野誠亮氏が告白してますがねhttp://194586245.web.fc2.com/24.html

推定無罪推定無罪 2014/09/28 16:48 >vanacoral 2014/09/28 16:41
へえ、そうなんだねえ
勉強になったよ。ありがとう。

じゃあ、証拠がないからわからない、で終わりだね。
なんで主張のもとになってる資料が残ってるのかという疑問は残るけど。

口から糞を垂れる輩に告ぐ口から糞を垂れる輩に告ぐ 2014/09/28 16:51 >オカマのジョン
とりあえず次にnagaikazu氏がコメントするまで黙っとけ
読みづらいんだよ

>推定無罪 2014/09/28 16:36
>どうして燃やしたことが事実だと言えるの?

旧軍関係者や日本にいた官僚たち、あるいは協力を要請された一般人の回想や証言に「露見すると問題のある資料を焼却した」件はゴロゴロ出てくるんだよ
それも知らないなら口は挟むな、邪魔だ

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 19:54
自治厨登場( ´H`)y-~~

口から糞を垂れる輩に告ぐ口から糞を垂れる輩に告ぐ 2014/09/28 20:16 >オカマ野郎
お前は自分が「他人様のブログのコメント欄で第三者を呼び出して議論を挑んでる立場」だってことを忘れてねえか?
相手の要請に従う素振りも見せず、早漏のガキみてえに一方的に書き込んでっから、流れを追うのが面倒極まりないんだよ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 20:22 はいはい、自治乙( ´H`)y-~~

nagaikazunagaikazu 2014/09/28 20:29  ジョンお姉さん

 とりあえずは、私の質問にはお答えいただいたものとします。最初ジョンお姉さんがされた4つの質問の第2番目の問題設定そのもが曖昧で何を意図するものか、はっきりしなかったのですが、今回の回答でそれが明らかになったのは、さいわいです。それに免じて、撤回要求などはいたしません。

 要するにジョンお姉さんは、わたしがnagaikazunagaikazu 2014/05/28 22:10で、
「マレー軍政監部の「芸妓、酌婦雇傭契約規則」が前提としている「契約」は、次の上海派遣軍内陸軍慰安所の酌婦の場合と類似のものであったと思われます」と推測していることに対して、それは根拠のな「憶測」であると批判し、そして根拠のない「憶測」にたって、マレー軍政監部の「芸妓、酌婦雇傭契約」が前提としている「契約」は、「前借金全額返済が廃業の条件だった」と断じていると批判しているわけですね。

 実際指摘されるまでもなく、マレー軍政監部の定めた規則にのっとる契約を直接示す資料(契約書)は残っていませんので、私の推測はあくまでも推測でしかない。もっとも、そう推測した根拠がないわけではありませんので、まったくの「憶測」ともいえません。
 まず、「雇傭契約規則」第一条一の(イ)および(ロ)と第四条から、稼業婦は「前借金」と「別借金」からなる債務を営業主に負っており、毎月の稼高から所定の歩合で得られる所得金の3分の2以上を返済にあてることになっています。また、第9条に満六ヶ月以内に契約解除の場合は、雇い主に違約金を支払うとの条項があることから、当時日本において広く行われていたと考えられる娼妓稼業契約に準ずる契約であろうと推測したわけです。
 そして手元にあった娼妓稼業契約の典型的な見本が大内の「契約書」であったから、それを提示したわけです。こういう推測にそれほど無理があるとは思えませんが。

 ただし、私は「マレー軍政監部の「芸妓、酌婦雇傭契約規則」が前提としている「契約」は、次の上海派遣軍内陸軍慰安所の酌婦の場合と類似」といっているだけで、「契約書」までが「同様」とはいっていません。そして「類似」というのは、「契約」の内容が「前借金全額返済が廃業の条件だった」とする点において同じだっただろうという主張です。

 だから、マレー軍政監部の雇用契約規則にもとづく「契約書」に「契約金」という名のの項目があったはずだといった断定はしていません。まして「マレー軍政監部の契約書にある「契約金」が「前借金であった」」などという主張もしていません。はたして「契約金」という名前の項目があるのかどうか、さだかでないからです。そもそも「雇傭契約規則」には「前借金」「別借金」という言葉は出てきますが、「契約金」という言葉は出てきません。

 ところで、回答1についてもう少し問題にさせてください。

>回答:先生の立論は、あくまでも「マレー軍政監部の契約書」についての主張ですね。お姉さんは優しいから「マレー軍政監部の契約書も同様のものであると思われる」という『仮定』まではよいとしましょう。あの契約書からは、契約金=前借金と読み取ることはできません。

 さて、マレーの「契約書」なるものが現存しないわけですから、ジョンお姉さんが「あの契約書からは、契約金=前借金と読み取ることはできません」という「あの契約書」とはもちろん、大内の持参していた「契約書」のことを指すと解釈するほかありません。
 私は資料をあげて、大内の「契約書」の「契約金」が「前借金」であることを示しましたが、ジョンお姉さんはそれを否定されるわけです。その理由は大内の「趣意書」と「契約書」は別の書類というだけのようですが、それでは私の示した根拠への反論とはなりえません。この件は史料の正しい読解とはなにかにつながる問題ですので、少し長くなります。
 私が提示した群馬県警察の報告には、
「(大内は)その後しばしば来橋別記一件書類(契約書(一号)承諾書(二号)借用証書(三号)契約条件(四号))を示し、酌婦募集方を依頼したる形跡あるも、本件は果たして軍の依頼あるや不明且公序良俗に反するか如き事案を公々然と吹聴するが如きは皇軍の威信を失墜するも甚だしきものと認め厳重取締方所轄前橋署にに対し指揮致置候」とあります。
 つまり、私が前にあげた「契約書」と「契約条件」の両方を一緒にもって、大内は勧誘していたわけですから、「条件」は「契約書」の内容説明とみるほかありません。そして「条件」をみれば「契約金」が「前借金」であることは明瞭です。なにしろ大内自身がそういっているからです。
 また、上記の警察報告の記載から、「契約書」や「契約条件」のような(すなわち前借金とひきかえに娼妓稼業をさせる)内容で女性を酌婦に勧誘することそのものが「公序良俗」に反すると警察がみなしていたこともわかります。
 これらは史料から自ずと導かれる結論ですが、それも否定されるとなると、史料をもとにした議論は難しいと感じます。
 最後に、大内の示した契約が「前借金全額返済が廃業の条件だった」ことはその内容から明らかだと思います。

ApemanApeman 2014/09/28 21:19 >自治厨登場( ´H`)y-~~

そういうふざけた態度をとるのなら、俺がコントロールするぞ?

ところで「馬鹿の壁」の謝罪と訂正はまだかな〜?

一読者一読者 2014/09/28 21:20 apemanさん

一応謝罪はして下さったみたいですね。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140514/p1#c1411805669

匿名匿名 2014/09/28 21:31 一読者さん
昨日18時26分付けの管理人様のコメント
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140514/p1#c1411809975
に関しての謝罪はまだですね。

一読者一読者 2014/09/28 21:38 apemanさん
匿名さん

気づきませんでした、失礼しました。

edo04edo04 2014/09/28 21:47 ジョンお姉さんさん

永井先生の論拠は、普通の歴史学の論文では、許される推定であり、上海派遣軍の例をもってマレー軍政監部のことを類推するというのは、ごく常識的な内容だと思います。
「史料がないからわからない」では、歴史学は何もできません。
残された史料から蓋然性の高い推定を積み重ね、事実を復元し、その意味を考え、叙述するのが歴史学です。
この程度の推定も許されなければ、前近代の歴史なんて何もわからないで終わりです。
ただし、その推定等に対して、他の研究者から異論がでることはあり得ます。それは、歴史学の研究者同士の論争であり、たいていの場合建設的な議論になっています。
あなたの場合、相手の論理を否定するだけで、何ら建設的な議論にはなっていません。
批判するのであれば、わからないで終わらせないで、自分なりの見解を出す必要があると思います。

ところで、一兆歩譲って、マレー軍政監部において、従軍慰安婦が人道的な取り扱いを受けていた可能性を認めるとしても、他の例があるので、大日本帝国陸海軍の従軍慰安婦の大部分が性奴隷であったことは明白であるので、「そういう場合もあった」という以上の話にはならないのではないでしょうか。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 21:47 >nakaikazu

「実際指摘されるまでもなく、マレー軍政監部の定めた規則にのっとる契約を直接示す資料(契約書)は残っていませんので、私の推測はあくまでも推測でしかない。」

ああ、主張の全体たる契約内容が「憶測」であると認めるのですね。それで十分です。先生の主張は破綻しますから。

先生はこう明言してますよねえ。

nagaikazu 2014/05/28 22:10
「マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。」


だとすれば、「憶測」を根拠に「違法な契約が結ばれていることを知っていて、それを容認した」と事実を断定してますねえ。

色々書いても初手からこの立論ダメですよ。

さて、3つめの質問にいきましょうか。

マレー軍政監部管轄地域内でなされていた「代表的な契約の形態と思われる」前借金を年季で返済する契約は、同時代的な法に照らして違法なものであるか否か。

先生は昨日、眞杉論文に「民法90条で公序良俗違反とされるのは、娼妓稼業契約のように、女性の身体の自由を一定期間拘束して、娼妓稼業そのものに従事させるような条項です。そのことはあなたも参照している眞杉悠里さんの論文に書いてありませんか。」と眞杉論文を根拠にかかる契約の違法性を主張しましたが、眞杉論文では、『まず挙げられるものは「娼妓となるとき、当事者間に稼業期間を定めて置いて、其の稼業期間が満了することによつて債権債務は消滅する」とする「年期制」の契約で、これは「夙に一般的に行はれた制度」であると説明されている。(略)これら5つの分類の基準となる前借金弁済方法の条項の違いによって、中途廃業時の補填方法など付随する契約条項にも幾らかの変化を見る事が出来るのであるが、契約内容は概ね以上の5つの何れかに割り振られ、調査によれば「月給制と自賄制は極めて稀であつて、歩合制、年期制、年期歩合折衷制が大部分を占めて」いたようである。もちろん、これら何れの契約形態であっても娼妓は廃業する自由を有しており、これは政府によって保証されていた(娼妓解放令・民法90条)。』とあるとおり、眞杉氏は年期制契約を違法とはしていません。

むしろ、眞杉論文という自説を否定する論文を紹介するという愉快なことをしたようです。

さて、私は「身体を拘束する契約」とは年期制ではなく、「債務の存在を理由とした廃業の妨害」であるとし、先生は「債務を契約期間で返済する年期制」であるとしましたが、眞杉論文で先生の主張が否定された以上、現段階で先生は契約の違法性を立証できていません。

さて、先生は何を根拠に「このような違法な契約」とおっしゃっているのですか?

オカマ野郎に告ぐオカマ野郎に告ぐ 2014/09/28 21:54 >ああ、主張の全体たる契約内容が「憶測」であると認めるのですね。

お前、わざとやってんの?
でなけりゃ、どうしようもないレベルの馬鹿でしかないぞ?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 22:00 >edo04
『永井先生の論拠は、普通の歴史学の論文では、許される推定であり、上海派遣軍の例をもってマレー軍政監部のことを類推するというのは、ごく常識的な内容だと思います。
「史料がないからわからない」では、歴史学は何もできません。』

回答:永井氏は、自らの主張する上海派遣軍慰安所とマレー軍政監部管轄地域慰安所の契約の類似については憶測である事を認めています。
これは、主張のスタートラインが「仮説」に過ぎないことを示し、その「仮定に基づいて導き出した結論」を事実として認定することは歴史学ではありません。

しかしながら、永井先生の主張は「マレー軍政監部管轄地域慰安所の契約内容」という憶測をもって、「マレー軍政監部は違法な契約を容認していたのです」と断定しています。

この論理は成立しません。
永井先生は現段階で年期制契約の違法性を立証できていませんが、ここでは話を単純にするため、仮に「違法であった」と仮定しましょう。

「仮説」という限界が初めから存在するので「マレー軍政監部の契約が上海派遣軍のものと同様だった場合、マレー軍政監部は違法な契約を容認していたという事が言える」としか言えないのです。そしてそれは史実でも事実でもなく、あくまで仮説の域を出ません。

私は永井氏の憶測を事実とすり替える手法を批判しているのです。

ご理解いただけまして?

edo04edo04 2014/09/28 22:14 ジョンお姉さんさん

永井先生は、「実際指摘されるまでもなく、マレー軍政監部の定めた規則にのっとる契約を直接示す資料(契約書)は残っていませんので、私の推測はあくまでも推測でしかない。もっとも、そう推測した根拠がないわけではありませんので、まったくの「憶測」ともいえません。」
と書いています。
すなわち、「推測」するにあたり、それなりの根拠があることを示しています。全くの憶測でなければ、それに対しての批判は、「それは憶測に過ぎない」ではなく、その根拠に対しての批判をする必要があります。
すなわち、上海派遣軍とマレー軍政との違いが実際にあるということを史料的に示す必要があります。
史料的に示せない場合は、ほとんどの研究者は、永井先生の推定を「蓋然性がある」と認めると思いますよ。



ところで、小生の
「ところで、一兆歩譲って、マレー軍政監部において、従軍慰安婦が人道的な取り扱いを受けていた可能性を認めるとしても、他の例があるので、大日本帝国陸海軍の従軍慰安婦の大部分が性奴隷であったことは明白であるので、「そういう場合もあった」という以上の話にはならないのではないでしょうか。」
についての回答はいかがでしょうか?

flekramflekram 2014/09/28 22:22 「実験された環境以外でも相対性理論が成立するかどうかは解らない、したがって相対論は根底から崩壊した」なんていうのが学問とは、さすがに答えられなかったようで論点をずらしてきましたね。


> 「マレー軍政監部管轄地域内の慰安婦の契約の細部は未発見であり、ほぼ同一と言えるかどうかは断定できない」というのが「根拠がない」事になりますか?

断定とか言ってるし。「解らないものは解らない」から「立論が崩壊」を導いちゃう人が、再び学問に対する認識のレベルを暴露しています。

相対性理論があらゆる条件で成立すると断定している学者なんていません。実験で確認された条件以外で成立するかどうかは断定はできませんが、それを上回る蓋然性を持つ仮説が無い以上、相対性理論を最善の仮説として採用するのが学問の考え方です。

学問とは、根拠によって仮説を比較するものです。契約内容のケースでは、「同一と言える」という仮説と「同一とは言えない」という仮説の比較になります。同一と言えるという仮説には根拠がありますが、同一と言えないと言う仮説には根拠がない。そういうことです。


> 「あの男Aは、殺人者Bにと同じような性向を持っている蓋然性が高い 故に 男Aは人を殺しているのです。」

このケースでは、男Aが人を殺してないと言えるだけの根拠が提示できるので、あなた自身が否定する根拠を上げることができない元の件とは全く違います。したがって、例になってません。それとも、あなたはこの例で男Aが人を殺してないという根拠を提示できないほど無能なのですか?

flekramflekram 2014/09/28 22:23 > 証拠がないことはわからないで終わる話じゃないの?

推定無罪は刑事裁判で適用される原則です。民事裁判や、学問においては、推定無罪の原則は適用せず、より蓋然性が高い説を採用します。

永井さんの主張の細部をどれだけ批判しても、それは単なる批判であって、それだけは主張を否定するには不十分です。その主張を否定するには、別の仮説を提出し、それがより蓋然性の高い説だと立証することが必要になります。


> なんで主張のもとになってる資料が残ってるのかという疑問は残るけど。

そりゃ全部燃やすのは不可能だから、一部は残る。

一読者一読者 2014/09/28 22:25 当該コメントの文頭で、永井先生は「時期は違いますが」と限界を示し、大内さんの「契約」とマレー軍政監の想定する「契約」が同様のものだ「思われます」という仮定に基づいた推測をすることを示していますね。

その上で、永井先生は大内さんの契約書を引用して、この仮定が何を意味するかを説明したわけです。

最後の一文の「それを容認していたわけです。」は、確かに慎重な表現ではないかもしれません。

しかし、コメント全体を読めば、仮定から結論を導いたという形式になっているのは明らかでしょう。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 22:32 >edo04 2014/09/28 22:14

回答1:
仮定を前提として事実認定することはできません。あくまで仮説は仮説です。

回答2:
『一兆歩譲って、マレー軍政監部において、従軍慰安婦が人道的な取り扱いを受けていた可能性を認めるとしても、他の例があるので、大日本帝国陸海軍の従軍慰安婦の大部分が性奴隷であったことは明白であるので、「そういう場合もあった」という以上の話にはならないのではないでしょうか。』

まず、この話題は「マレー軍政監部」の話です。これ以外の地域を対象とした話題ではありません。

次に、「他の例」なるものが慰安婦の総数のどれほどを占めることをもって「大部分」と主張しているのか、何をもって「性奴隷」としているのか、主張の基本データたる根拠が何一つ示されておりませんので、論評に値しません。

一読者一読者 2014/09/28 22:34 そういえば、以前から指摘しようか迷っていた些細な話ですが、先生の「達という法令形式」という表現は法形式の間違いでしょうか。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 22:41 >一読者 2014/09/28 22:25
『しかし、コメント全体を読めば、仮定から結論を導いたという形式になっているのは明らかでしょう。』

仮定から結論を導いた。その結論は前提となる「仮説」が証明されない限り、あくまで仮説の範囲を出ません。

一読者一読者 2014/09/28 22:52 行政規則は法規じゃないので、法形式という表現も不正確ですかね。単に形式の方がいいのかもしれません。

>ジョンお姉さん

>仮定から結論を導いた。その結論は前提となる「仮説」が証明さ
>れない限り、あくまで仮説の範囲を出ません。

その通りです。
当該コメントの全文を読めば、永井先生が読者を騙そうとしていたわけではなく、あくまで仮定から結論を導いただけだということは分かります。

ただし、当初ジョンお姉さんが想定していたよりは、根拠のある仮定であることは先生の説明で理解頂けたと思います。

最初から先生をこき下ろす形でなく、普通に疑問点を質問すればよかったと思いますよ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 23:04 >一読者 2014/09/28 22:52

達とは、法令でも法でもなく「行政文書」です。

edo04edo04 2014/09/28 23:07 >ジョンお姉さんさん

>回答1:
>仮定を前提として事実認定することはできません。あくまで仮説は仮説です。

「そう推測した根拠」がある以上、永井先生の「復元した事実」はそれなりの蓋然性があるということを認めるのが通常の歴史学です。直接指し示す史料がなければ、何も言えないというのは、およそ歴史学という学問をする姿勢とは言えないと思います。
また、永井先生は「憶測」であるとは認めていないと思いますよ。「推測」という表現を使っていますよ。

>回答2:
>『一兆歩譲って、マレー軍政監部において、従軍慰安婦が人道的な取り扱いを受けていた可能性を認めるとしても、他の例があるので、大日本帝国陸海軍の従軍慰安婦の大部分が性奴隷であったことは明白であるので、「そういう場合もあった」という以上の話にはならないのではないでしょうか。』
>まず、この話題は「マレー軍政監部」の話です。これ以外の地域を対象とした話題ではありません。
>次に、「他の例」なるものが慰安婦の総数のどれほどを占めることをもって「大部分」と主張しているのか、何をもって「性奴隷」としているのか、主張の基本データたる根拠が何一つ示されておりませんので、論評に値しません。

新書の一冊か岩波のブックレットでも読んでください。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/28 23:16 edo04 2014/09/28 23:07

回答1:
『まったくの「憶測」ともいえません。』という永井氏の発言で十分です。

回答2:
『新書の一冊か岩波のブックレットでも読んでください。』
自らの主張を根拠立てて論証できないのなら、主張すべきではありません。

ApemanApeman 2014/09/28 23:40 性的マイノリティへの侮蔑表現を用いたハンドルは当ブログでは許容しません。以後同様のハンドルでコメントが投稿された場合には削除します。

ApemanApeman 2014/09/28 23:47 本来であれば、いまから70〜80年前の、女性が経済的主体としての権利も性的主体としての権利もろくに認められていなかった時代に、まして植民地や日本軍の占領地に住む女性が、危険な戦地へと「自由意志」で赴いて売春に従事した、などという発想自体が著しく経験則に反してるわけですからね。まして「廃業の自由」が認められない売春契約は当時においても違法だったのだから、日本軍「慰安所」制度が法的にも道義的に問題なかったと主張したいなら「廃業の自由」が認められていたのが一般的だ、と説得的に論じるべきなんです。ところが彼は廃業が許可制である「芸妓、酌婦雇用契約規則」が自説の根拠になると勘違いしているんだから、まるでお話にならないわけですよ。

名無し名無し 2014/09/29 00:02 永井氏とジョンお姉さん氏以外のコメントはレベルが低すぎ。他の人が書き込むと邪魔。

Arturo_UiArturo_Ui 2014/09/29 00:07 >名無し 2014/09/29 00:02
>永井氏とジョンお姉さん氏以外のコメントはレベルが低すぎ。他の人が書き込むと邪魔。

ジョン某が自分を励ますために書いたコメントじゃないだろうな(笑)

ここまで読んできて、ジョン某の発言が「底抜けに」低レベルで愚かしいことが理解できないなら、ウォッチ目的で張り付いてても意味ないと思いますよ。

flekramflekram 2014/09/29 00:12 > あくまで仮説の範囲を出ません。

学問で扱うのは仮説に決まっているわけだが。たとえば、前から指摘している通り、物理学で提出されている物理法則は仮説です。

仮説だということが批判の対象になると思っているなんて、典型的な疑似科学ですね。

名無し名無し 2014/09/29 00:15 そうかな?Apenman氏を含め彼らの議論を理解していないような書き込みばかり。はっきりいって邪魔。

ApemanApeman 2014/09/29 00:21 「レベル」云々はともかくとして議論の流れ(まあ一方が「議論」の名に値するか否かは別として)がわかりにくくなりますので、他の方は
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140927/p1
のコメント欄をご利用いただくというのはどうでしょう?
特に「名無し」氏におかれましては、上記コメント欄にて「彼らの議論を理解」すればどのようなコメントになるのかの見本を見せてもらいたいものです。

Arturo_UiArturo_Ui 2014/09/29 00:23 >名無し 2014/09/29 00:15
>そうかな?Apenman氏を含め彼らの議論を理解していないような書き込みばかり。

1.まるで「ボクは分かってるゾ!」みたいな感じだね(笑)でも、nagaikazuさんの主張が理解できているのなら、ジョン某の主張が「取り合うに値しない」代物だってことも理解できるはずだよね(笑)
2.ここまでのやり取りは、そもそも「議論」の体を成していない。それはジョン某が底抜けレベルの馬鹿または不誠実、ないしその両方だからです。
3.Apemanさんをはじめ、コメンターの大半は(恐らくnagaikazuさんを含め)、ジョン某のレベルの低さに気づいている。まあ、論理が穴だらけだし、虚勢の張り方も話にならないけども。

こんなところかな? では、おやすみなさい。

名無し名無し 2014/09/29 00:36 へー、このブログの主催者は自分の意見に反する者は排除するんだ。公平じゃないよね。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/29 00:38 >nagaikasu

まさかとは思いますが、これが「違法」の根拠ではありますまい?

『また、上記の警察報告の記載から、「契約書」や「契約条件」のような(すなわち前借金とひきかえに娼妓稼業をさせる)内容で女性を酌婦に勧誘することそのものが「公序良俗」に反すると警察がみなしていたこともわかります。』



それでは当該史料の原文を示します。
http://p.twpl.jp/show/orig/7p6bx

P12
(略)縷々来橋別記一件書類(契約書(一号)承諾書(二号)信用証書(三号)契約条件(四号))を示し酌婦募集方を依頼したる××あるも、本件は果たして軍の依頼あるや不明且つ公序良俗に反するがごとき募集を公々然と吹聴するが如きは皇軍の威信を失墜し・・・

この文書は前段で「前橋において契約書等の書類を提示して酌婦の募集を依頼した」という事実を示しているのみで、後段は、警察は「軍の依頼によるものかに疑義を持った」「公序良俗に反するような募集を公然と行うと軍の威信に関わる」と考えた旨が述べられているだけであり、契約内容が公序良俗に反するとは一切書かれておらず、ましてや「前借金とひきかえに娼妓稼業をさせる」ことを問題だと考えていた事になど全く言及していません。

これで契約内容が民法90条違反だなんて立論できないと思うよお。( ´H`)y-~~

観戦観戦 2014/09/29 01:05 仮説を立てたら、それを実証し証明するのが学術的手法であり、学者の仕事であろう。仮説の上に想像を逞しくしてストーリーを語り上げるのは歴史小説家の仕事だ。故に、nagaikazu 氏が歴史小説家なら別段それで構わんと思う。仮説の上に憶測のストーリを膨らませ、実証は出来ぬも傍証を並べて一般読者向けに説得力を醸し出すことなら、司馬遼太郎にもできる。

ApemanApeman 2014/09/29 01:23 上述したように、コメントの可読性を確保するため
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140927/p1
のコメント欄を利用して下さい。

ApemanApeman 2014/09/29 10:12 真上にあるコメントすら読めないのに質問とは片腹痛いな。削除しました。

nagaikazunagaikazu 2014/09/29 20:06  ハンドル名での書き手が通常の礼儀作法や対人マナーを破っていても弁護されるのに(もちろん、たしなめる方もおられますが)、実名で職業を明らかにしていると、ブログのコメント欄に書き込む場合であっても、ギャラリーから要求される水準はきわめて厳しく、学術論文並の論理構成と実証性が要求されるのですね。これじゃ気軽に書き込みもできない。

 さて、本題です。

 ジョンお姉さんへ
ジョンお姉さん 2014/09/28 21:47
>>「実際指摘されるまでもなく、マレー軍政監部の定めた規則にのっとる契約を直接示す資料(契約書)は残っていませんので、私の推測はあくまでも推測でしかない。」

>ああ、主張の全体たる契約内容が「憶測」であると認めるのですね。それで十分です。先生の主張は破綻しますから。
 
 いいえ、「憶測」などと認めてはいませんよ。「憶測」ではなくて、それなりの根拠にもとづく「推測」だと言っています。そのうえで、その根拠を提示しました。上の引用にはまだ続きがあって、「私の推測はあくまでも推測でしかない。もっとも、そう推測した根拠がないわけではありませんので、ま
ったくの「憶測」ともいえません。」

 これが「憶測」認めたことになるのですか。ひどい曲解ですね。
 
 次に、以前のコメントで私が
「マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。」

と書いたことが、「言葉尻」をとらまえるのが得意なジョンお姉さんに、攻撃材料を与えてしまったわけで、自分にも責任はありますが、これはもちろん、私が前提としている「推測」が正しいとして、こう結論できるという命題ですから、それ自体が「推定」であって、「断定」ではありません。

>マレー軍政監部管轄地域内でなされていた「代表的な契約の形態と思われる」前借金を年季で返済する契約は、同時代的な法に照らして違法なものであるか否か。

 これは妙な質問ですね。あなたは「マレー軍政監部管轄地域内でなされていた契約は大内の持参していた書類に示される契約と類似していた」との私の「推測」を「憶測」と断じて、立論が成り立たないといっているわけですから、この質問で言及されている「マレー軍政監部管轄地域内でなされていた「代表的な契約の形態と思われる」前借金を年季で返済する契約」は、私の「推測」するものとはちがうもののはずですね。それでなければ、あなたは自分自身が「憶測」として否定しているものについて、私に質問していることになる。「頭の切れる」ジョンお姉さんがそんなバカな質問をするはずないでしょうから、ここであなたが質問している「契約」は私の「推測」するのものとはちがうはずですし、そうでなければならない。
 しかし、ジョンお姉さんが想定されているその「契約」がどのようなものか、私にはわかりません。どんなものかわからないのに質問こたえられるはずがない。質問に答えるには、まずジョンお姉さんから、その「契約」がどのようなものなのか、推測でもかまわないので(なんといってもマレーの「契約書」は未発見ですので、「芸妓、酌婦雇傭契約規則」などから「推測」するしか方法はないわけですので)提示してもらう必要があります。そうでないと質問に答えようがありません。
 あるいは、「優しい」ジョンお姉さんですので、仮に私の「推測」が正しいと仮定しての質問でしょうか。しかし、「憶測」として否定されたものを、仮にでも「正しい」と仮定してしまうのは、ジョンお姉さんがあたかも私の「推測」が「憶測」でないかのように考えていると誤解されるおそれがあります。
 そんなまどろっこしいことをしないで、むしろここはマレーのそれと上海のそれとを切り離して、「契約書」の内容が明確で、お互いに参照可能な大内の「契約」について議論したほうが、より生産的だと思うのですが、いかがですか。
 もちろん、切り離すからといって、ジョンお姉さんが「憶測」説を撤回されたなどとは決して言いませんので、御安心を。

 ところで、その大内の契約書に関して、私は史料を示して次のように述べ、この「契約書」における「契約金」とは「前借金」ではないとする、あなたの主張に反駁しましたが、それについては無視ですか。

 「つまり、私が前にあげた「契約書」と「契約条件」の両方を一緒にもって、大内は勧誘していたわけですから、「条件」は「契約書」の内容説明とみるほかありません。そして「条件」をみれば「契約金」が「前借金」であることは明瞭です。なにしろ大内自身がそういっているからです。」

 反論がないということは、「契約金」は「前借金」でないという主張の撤回を意味するのでしょうか。「契約金」が「前借金」かどうかは、大内の「契約」の性質を論じるうえで、重要なポイントであることは「頭の切れる」ジョンお姉さんなら、よくご存知だと思いますので、まずこの点をはっきりさせておくべきだと思いますが。

 それから群馬県の警察報告の「公序良俗に反するような募集」は「公序良俗に反するような事案」ですよ。「公序良俗に反するような募集」だと、群馬県警は大内の「募集」は「公序良俗に反する」と考えていたことなります。「募集」は当然添付の契約書や契約条件にもとづいて女性を集めることですから、警察がこの契約内容を「公序良俗に反する」と考えていたという私の提示を補強しこそすれ、反駁することにはなりません。
 序でにいえば、大内は山形県でも募集活動をおこなっていますが、山形県警はこれを「一般婦女身売り防止の精神にも反するもの」としています。もっとも、山形県警の報告には「契約書」以下の書類は添付されてはいませんが。

nagaikazunagaikazu 2014/09/29 20:07 一読者さんへ

 ご質問の件ですが、ここは「命令・規則の形式」あるいは「命令・規則の書式」と変更しておきます。
 私が「法令形式」としたのは、戦後とちがって、明治憲法下では行政立法の範囲が広く、現在は法律事項に属することが命令で規定されていたので、ついそれに引きずられたかもしれません。また、「命令・規則の形式」とするのは、「軍政令」「軍監令」はたんなる行政規則ではなく、法規命令とみるべきですので、その点を考慮しました。同じ軍政監部が発出する命令・規則にも「達」と「令」の区別があり、その区別には区別されるべき根拠があるということです。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/29 21:16 〉nagaikazu

上海派遣軍内慰安所の契約がいかなるものであろうが、それとマレー軍政監部のや契約が「臆測」だろうが「推測」だろうが仮説の域を超えない。それをもって「証拠」として、マレー監部が違法な契約を容認していたと断定することはできない。
契約書の中身なんかの枝葉末節の言い逃れでこの破綻は覆せないので、そんな事にいくら拘泥してみせても無駄です。

大内の調書「募集」は誤りで「事案」です。
さて、先生が示した群馬における調書において、警察が契約内容の違法性について「記述されていない」という事実の指摘を、他県の調書で誤魔化していますが、一つ指摘をしておきます。婦女売買、つまり人身売買は、旧民法90条違反ではなく、刑法犯です。さらに山形県の調書でも何をもって「婦女子売買防止の精神に反する」としているのか内容は一切示されていません、また「公然と軍の酌婦募集を行う事が銃後の一般人、特に出征兵士がいる家庭の婦女子の精神に悪影響を及ぼす懸念」を示しており、「公序良俗」に反するとしているものの範囲すら不明な文章のはずですねえ。

で、どうやって契約の違法性が立論できるんです?先生自身が年期契約が違法である根拠として挙げた眞杉論文では、年期契約は民法等に照らして合法であり、廃業の自由が保証されていた、と明記されてるわけですが、それについてもきちんと説明して貰えます?
眞杉論文を示して反論したらスルーしましたけど。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/29 21:25 〉nagaikazu

大切な事を聞き忘れてた。(笑)

マレー軍政監督管轄地域内慰安所の契約内容が仮説である以上、「マレー軍政監部は違法な契約を容認していたのです」という主張は、「仮説」に基づく「仮説」に過ぎないことを認めますか?(笑)

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/29 22:00 〉nagaikazu

別件で、ひとつ指摘しておきますね。

『「芸妓酌婦雇傭契約規則」第1条1の (イ)および( ロ)と第四条から稼業 婦は前借金」と「別借金」からなる債務を営業主に負っており』

芸妓酌婦雇傭契約規則第1条の1には、(ハ)として「無借金」があり、慰安婦は、営業主に対して債務が有る者も無い者もいたはずですね。自分の主張に不都合な(ハ)項を消して、「全ての慰安婦は営業主に借金があった」かのごとく論述するのは、やり方としてどうなんですかねえ。

史料の一部を抽出し、それから導かれる結論を操作する手法は、学問を行うものとして如何なものか、とは申し上げておきます。

nagaikazunagaikazu 2014/09/30 19:20 ジョンお姉さんへ

 ユークリッド幾何学は,「平行線公理は真である」という「仮説」の上に組み立てられていますが,だからといって,誰もそれを「仮説」に基づく「仮説」に過ぎないとして,否定したりしませんが。

 ところで,私は自分の主張が「憶測」だと認めてはいませんので,以下の言は私の主張を歪曲しています。謝罪して撤回してくれませんか。

ジョンお姉さん 2014/09/28 21:47
>ああ、主張の全体たる契約内容が「憶測」であると認めるのですね。それで十分です。先生の主張は破綻しますから。

 あと,私の提案は無視ですか。提案とは次の二つです。

1.マレーの「契約」の合法性・違法性について質問するのならば,ジョンお姉さんの考える「契約」内容を「推測」でもいいからしめしてほしい。そうでないと,実のある議論はできそうもない。

2.マレーの「契約」の内容が示されないのならば,とりあえずは大内の「契約」について,その合法性・違法性を議論することにしたいが,いかが。

これに対する返答をいただいていないのですが,今後議論を続けるにあたり,出発点となることがらなので,是非とも返事がいただきたい。

 それから,2に関して議論をはじめるとなると,当然ながら眞杉論文の解釈にも及ばずにはすみませんので,そこで眞杉論文についてどう解釈すればいいか論じたいと思っています。
 2に関して議論をはじめるには,まずこの「契約書」にある「契約金」が「前借金」なのか,どうかという問題を解決することが前提となります。これは決して枝葉末節の問題ではありません。そんな枝葉末節の問題を,ジョンお姉さんがともあろう方が私の立論を崩壊させかねない問題点として認定して,最初に出した質問の中にいれるはずがありませんから。
 ところがこの重要問題がいまだに決着がついていません。私は「前借金」と考えるが,ジョンお姉さんはそうは考えない。にもかかわらず,この点について,私のあげた根拠に対して反論が一切ない。枝葉末節の議論とかなんとかいって,回避しようとしています。
 
 以上が議論の本筋です。

 あと細かいこと,まず
『「芸妓酌婦雇傭契約規則」第1条1の (イ)および( ロ)と第四条から稼業 婦は前借金」と「別借金」からなる債務を営業主に負っており』と私が書いたのは事実ですが,別に「無借金」の場合の所得割合の規定があるのを無視したわけではありません。

 この「規則」から,どうやらマレーの特殊慰安所の芸妓酌婦には「前借金」と「別借金」からなる債務を負っていたものがおり,自分の稼高から得られる所得を債務返済にあてていたらしいことがわかりますから,「前借金による拘束を受けていた」と「推測」したまでです。おのぞみなら,『「芸妓酌婦雇傭契約規則」第1条1の (イ)および( ロ)と第四条から,一部の稼業婦は前借金」と「別借金」からなる債務を営業主に負っており』と修正してもかまいません。

 さて,この「無借金」ですが,これについてはいろいろな可能性がありえます。
1.もともと「前借金」なしで雇傭契約を結んでいた。
2.「前借金」ありの雇傭契約を結んでいたが,債務を皆済したので「無借金」となった。しかし債務皆済後も廃業せず,そのまま働いている。

 2の場合,「無借金」だからといって「前借金なし」とはなりません。さらに言えば,2の場合(あるいは1の場合も同様かもしれませんが),なぜ廃業しないで働き続けているのかが,気になるところです。
 この稼業が気にいって働いているのか,あるいは廃業してもマレーでは他にいい職業もないので(また日本には帰れそうも内ので),いたしかたなく働いているのか,さらには廃業許可が出ないので,廃業したくともできないために働いているのか。すべて「推測」ですが,可能性としてはいろいろなケースがあげられます。
 そういうことも含めて「無借金」に関して言い出すと,ますます話がややこしくなるので,あの時はふれなかったわけです。

 ついでに細かいことですが,日本の刑法に「人身売買罪」が設けられたのがいつか,ご存知ですか。

 それまでは,人身売買そのものは国外に移送を目的とする場合にのみ刑法上の犯罪で,それを目的としない場合は,民法90条に違犯するだけにすぎませんでした。また現行民法第90条も「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」であり,改正前の民法90条も「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ハ無効トス。」から,ほぼ同文です。わざわざ旧をつける必要も無いでしょう。なお,いうまでもありませんが,1972年の芸娼妓解放令は旧民法90条に吸収されたとみるのが通説です。

 法律についてあまりに初歩的なミスを披露すると,ジョンお姉さんの法解釈の信頼度を著しくさげることになりますから,よくご注意を。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/09/30 22:59 〉nagaikazu

話がややこしくなるから、史料にある「無借金」に触れなかった「だけ」?

無借金の慰安婦の存在は「前借金による拘束」を根本から揺るがす存在のはずですねえ。
無借金のまま契約するものが存在した場合、マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約は、永井クンが主張する「上海派遣軍内慰安所の契約同様に前借金とその年期内の返済を前提としたもの」とは言えなくなる。
自分の立論を脅かす記述を隠し、自分に都合がよい記述のみを抽出する卑劣な手法については、重ねて批判させていただきますよ。

さて、人身売買は刑法犯というのは海外に移送する場合のみだから、大内某の件はそれに該当しない?
さて、大内は女性をどこに連れて行く契約書を持っていたんですか?(大笑い

さて、民法といえば、永井クンが「眞杉論文でも年期契約とその期間で前借金を返済することは民法に照らして無効と書いていないか」という発言に対して、眞杉論文では年期契約は合法と書いてある事を指摘して以降、永井クンから何の回答も無いけれど、これ、学説改竄ですよね。拙いですよ。
まさか、眞杉論文を読まずに「書いてあるんじゃないかと想像しただけ」なんて言いませんよね。苟も学者であり、大学教授なのですから。

そして、年期契約が違法とするなら、眞杉論文が誤りという事になりますが、京都大学の永井和教授は、眞杉論文にある「年期契約でも娼婦の廃業の自由は政府に保証されていた」という論が誤りであると断じているということでよろしいですか?

明確な回答を期待。(笑)

ApemanApeman 2014/09/30 23:26 他の人にコメントを控えるよう言った手前、極力静観するつもりだったけど、あまりにもデタラメがすぎるので。

>無借金の慰安婦の存在は「前借金による拘束」を根本から揺るがす存在のはずですねえ。

すでに別のエントリのコメント欄でも指摘されているが、「すべての慰安婦が前借金で拘束されたか物理的に強制連行された性奴隷だった」などという主張は、「追悼の文脈」でならともかく歴史学の文脈ではまったく存在しない。また、日本軍「慰安所」制度の非人道性を指摘する上で、すべての「慰安婦」が前借金で拘束されていたとする必要などさらさらない。「慰安所」が日本軍の正式な兵站施設であった以上、「ごく例外的でそれゆえ摘発も困難だった」というレベルを超えて人身売買の被害者(ないし物理的強制連行の被害者が)働かされていれば、それで十分に日本軍および日本政府の責任が問われるべきだ、と評することができる。
デタラメな前提を勝手に持ち込まないように。直ちに撤回しなさい。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/01 02:10 永井クンの立論を根底から吹き飛ばす主張お疲れさまです。

永井クンの反論をのんびり待ちましょう。(笑)

そうじゃないと管理人が永井クンの不利に加勢するために介入したみたいに見えちゃうかも知れないからね。(笑)

ApemanApeman 2014/10/01 12:01 へぇ。じゃあ「すべての日本軍『慰安婦』は前借金による拘束で売春を強要された」と主張している研究者の例を挙げてみような。それができなければジョンお姉さんの「立論を根底から吹き飛ばす」ことになるわけだw

nagaikazunagaikazu 2014/10/01 13:56 ジョンお姉さんへ

 結局,私の提案には答えないのですね。

 私の提案は,「マレー軍政監部が前借金によって拘束して売春をさせる契約を容認していたかどうか」および「そのような契約は違法といえるかどうか」という問題を議論するために,

1.私が当初「推測」した「マレーでの契約は大内の契約と類似のものである」の「仮説」を根拠のないものとしてジョンお姉さんは否定されるのだから,それにかわる叩き台として想定されうる「マレーでの契約」の骨格を提示してほしい。

2.そのような提示が難しいのであれば,マレー軍政監部のことはひとまずおいておいて,「前借金によって拘束して売春をさせる契約が違法であるかどうか」という問題をまず検討することにして,そのためにそのような契約の一例である大内の契約について,議論してはどうか,大内の「契約」は,マレーのそれとちがい,相互に参照が可能であるので議論の材料としてはより適切ではないか。

という提案です。これについて回答がないということは,議論を回避されているとみていいのでしょうか。

 それから,眞杉さんの論文の解釈については,1もしくは2の議論で当然問題になりますから,そこでたっぷりやりましょう。そのためにも,私の提案に対する返答をお願いします。

 なお,私が眞杉論文に書いてあるだろうと指摘しているのは,「民法90条で公序良俗違反とされるのは、娼妓稼業契約のように、女性の身体の自由を一定期間拘束して、娼妓稼業そのものに従事させるような条項です」ということであって,ジョンお姉さんが要約されているような「年期契約とその期間で前借金を返済すること」ではありません(この表現だと従事する労働の内容は問われないことになるが,この問題を考える時に,労働の内容を外にして考えることはできないはず)。

 次に,もう一度言いますが,私は自分の主張が「憶測」だと認めてはいませんので,以下の言は私の主張を歪曲しています。謝罪して撤回してくれませんか。

ジョンお姉さん 2014/09/28 21:47
>ああ、主張の全体たる契約内容が「憶測」であると認めるのですね。それで十分です。先生の主張は破綻しますから。


 3番目
 私は前のコメントで,「おのぞみなら,『「芸妓酌婦雇傭契約規則」第1条1の (イ)および( ロ)と第四条から,一部の稼業婦は前借金」と「別借金」からなる債務を営業主に負っており』と修正してもかまいません。」と書いています。このように修正しても,私の論旨は別に崩壊しません。Apemanさんが,指摘されているように,私は別に「マレーの稼業婦はすべて前借金契約により雇傭されていた」などという主張はしていませんので。
 マレーに,前借金を受けて「雇傭契約」を結んでいた稼業者がおり,軍政監部がそのような契約を容認していたことは,マレーに前借金なしに「雇傭契約」を結んでいた稼業者がおり軍政監部がそれを容認していたことと,少なくとも同程度の蓋然性をもっているはずですから。
 よって,「無借金の慰安婦の存在は「前借金による拘束」を根本から揺るがす存在」とはいえません。

 あとは細かいこと。
 刑法第226条が現在の条文となったのは何時か,調べましたか。また,戦前において刑法第226条の条文がどうであったのかも,確認できましたか。であれば,
「婦女売買、つまり人身売買は、旧民法90条違反ではなく、刑法犯です。」というのは,現在のことであって,当時のことではないのはわかりましたか。
 誤りを認めて修正されたからといって,ジョンお姉さんの論旨が崩壊するわけでないことはよくわかっていますから,修正されたほうがいいですよ。

 ところで,以下の指摘はけっこう重要です。そのことは私も認めます。

>さて、人身売買は刑法犯というのは海外に移送する場合のみだから、大内某の件はそれに該当しない?
>さて、大内は女性をどこに連れて行く契約書を持っていたんですか?(大笑い

 「人身売買」そのものは,当時は民法90条により違法(というか契約として無効)なので,山形県警の「一般婦女身売り防止の精神にも反するもの」というのは,群馬県警の「公序良俗に反する」というのと大同小異であるのはまちがいありません。
 しかし,そのような認識をもっていながら,同時に山形県警も群馬県警も大内の示した就業先が上海すなわち(帝国外)であることを知っていたにもかかわらず,これを当時の刑法第226条の帝国外移送目的の人身売買の容疑とはみなさなかった。,
 これはいったいなぜだろうというのが,ここで私のいう重要な問題です。
 これに対する答えのひとつが,ジョンお姉さんの喜びそうな「そもそも大内の契約は人身売買でないから(つまり民法第90条にいう無効な契約ではないから),刑法第226条の犯罪にはあたらない」というものです。
 しかし,一方でこれらの警察は大内の募集行為をさして「公序良俗に反し」「婦女身売り防止の精神に反する」もの(すなわち民法90条にいう無効な契約)と見なしている。警察はひどい矛盾をおかしているようにみえる。
 もっとも,ジョンお姉さんだったら,そもそも警察は大内の募集行為をさして「公序良俗に反し」「婦女身売り防止の精神に反する」とは言っていないと解釈するでしょうから,もともと矛盾などないという立場ですが,それは史料の読み方として無理があります。
 ところが,同じ内務省警保局資料には和歌山県警の報告があって,大内同様,上海派遣軍慰安所の酌婦を募集していて,和歌山の警察から「婦女誘拐」の疑いで事情聴取された例が知られています。
 契約内容の細部はわかりませんが,2年契約で「前借金は八〇〇円まで出し」とあるので,大内のそれと大同小異なのだったと思われます。明かにこちらは刑法上の罪の容疑で取り調べられています。もっとも,大阪の九条警察署長が酌婦の「公募証明」を出したことから,容疑者は釈放されましたが。しかし,慰安婦の募集行為が刑法違反として警察から目された例は現に存在するわけです。

 大内は厳重監視の対象となましたが,警察の取調はうけていない。いっぽう和歌山では同様の募集行為をした者が婦女誘拐容疑で取り調べられている。この違いはいったいどこからくるのか。
 たぶん,ちがいは大内は女衒の間をまわって,勧誘しただけで,実際に女性の勧誘をしている現場を警察が探知しなかったのに対し,和歌山ではまさに彼らが遊里で働いている女性に声をかけている現場を押さえられたからなのだと思います。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/01 20:44 さて、いきますか。

永井クンの質問その1

「1.私が当初「推測」した「マレーでの契約は大内の契約と類似のものである」の「仮説」を根拠のないものとしてジョンお姉さんは否定されるのだから,それにかわる叩き台として想定されうる「マレーでの契約」の骨格を提示してほしい。」

回答1:初めから「マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容は、史料がないので分からない」と明言しているとおり、分からないものは分からない。故に提示する義務などない。


永井クンの質問その2

「2.そのような提示が難しいのであれば,マレー軍政監部のことはひとまずおいておいて,「前借金によって拘束して売春をさせる契約が違法であるかどうか」という問題をまず検討することにして,そのためにそのような契約の一例である大内の契約について,議論してはどうか,大内の「契約」は,マレーのそれとちがい,相互に参照が可能であるので議論の材料としてはより適切ではないか。」

回答2:
ちょっとばかり長いけどね〜♪

『北支派遣軍慰安酌婦募集ニ関スル件』(山形県知事 昭和13.1.25)

右ノ趣旨ヲ本人ニ懇諭シタルニ之ヲ諒解シ且本人老齢ニシテ活動意ニ委セザル等ノ事情ヨリ之ガ募集ヲ断念シ曩ニ送付アリタル一切ノ書類ヲ大内ニ返還シタル状況ニ有之候

(以上の趣旨を本人に丁寧に諭したところ、これを理解し、それにあわせて本人は高齢で募集活動が思うようにはかどらない等の理由から、慰安婦の募集を断念したため、先に送付した書類を全て大内に返した次第です。)

この件において、大内の募集は断念されており、大内が所持していた契約書及び契約条件で慰安婦になった者はいない。 つまり、公序良俗に反する状況におかれた女性は存在しない。つまり、この調書をもって、慰安婦の契約内容や契約条件の実態を語る事はできない。

では、当局は何をもって「公序良俗に反する」とみなしたかというお話。
警察による一連の貸座敷業者による募集の取り締まりを受けて出された史料を見てみよう。

史料A「上海派遣軍内陸軍慰安所ニ於ケル酌婦募集ニ関スル件」(群馬県知事 昭和13,1,19)
画像:http://p.twpl.jp/show/orig/3GiUo
この史料は、永井クンが
画像にある就業条件のうち「一六歳ヨリ」の部分に傍線が引かれ、この報告を受けた警察を統括する内務省警保局がこれに注目していた事がわかる。

史料B「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」(内務省警保局長通牒案 昭和13.2.18)
募集周旋等ノ取締ニシテ適正を欠カンカ帝国ノ維新を毀ケ皇軍ノ名誉ヲ害フノミニ止マラス銃後国民特ニ出征兵士遺家族ニ好マシカラザル影響ヲ與フルト共ニ婦女売買ニ関スル国際条約ノ趣旨ニモ悖ルコト無キヲ保シ難キヲ以テ旁々現地ノ実情其ノ他各般ノ事情ヲ考慮シ爾今之カ取扱ニ関シテハ左記各号ニ準拠スルコト致度依命代段及通牒候

             記

一、襲業ヲ目的トスル婦女ノ渡航ハ現在内地ニ於テ娼妓其ノ他事実上襲業ヲ営ミ、満二十一歳以上且花柳病其ノ他伝染性疾患ナキ者ニシテ北支、中支方面ニ向フ者ニ限リ当分ノ間
之ヲ黙認スルコトトシ昭和十二年八月××密令第三七七六号外務次官通牒ニ依ル身分証明書ヲ発給スルコト

史料C『支那渡航婦女募集取締ニ関スル件』高知県知事(昭和13.1.25)
支那各地ニ於ケル治安ノ恢復ト共ニ×地ニ於ケル企業者簇出シ之ニ伴ヒ芸妓給仕等ノ進出亦夥シク中ニハ軍当局ト聯絡アルカノ如キ言辞ヲ弄シ之等渡航婦女子ノ募集ヲ為スモノ等漸増ノ傾向ニ之有候処軍ノ威信ニ関スル言辞ヲ弄スル募集者ニ就テハ絶対之ヲ禁止シ・・・


史料B及び史料Cから、「公序良俗に反する」とされているのは、一つに「軍の名を公然と示して酌婦募集を行い、軍の威信を傷つける事」である。
「婦女子売買」に関しては、史料A及び史料Cから、年期制契約及び契約期間内の合意相殺が違法性を問われているのではなく、労働条件が1921年の「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」に定められた下限の年齢である21歳を下回っている事を問題視していることが明らかである。
故に、大内の調書をもって、「公序良俗に反するものは、年期制契約と前借金の合意相殺である」ではなく、「国際条約に違反する売春婦の渡航」と考えるのが妥当である。

さて、前借金を年期契約期間内に売春をして返済するという契約の合法性・有効性であっるが、永井クンの大好きな眞杉論文を引用しよう。

事例1─1890年 名古屋始審裁判所 第00047号「娼妓廃業届書面ニ捺印
方請求ノ訴訟」(原告─娼妓[ 甲 ] 被告─席貸茶屋業者

「以上、原被告両者の主張は娼妓廃業を為し得るかという点で対立しており、被告人の言葉を借りるのであればそれは「廃業セント欲セハ被告人方ノ負債ヲ償却シ而シテ廃業ヲナス可キ」ものであると言う。対する原告娼妓が廃業後芸妓稼業によって負債の償却を行う旨を告げているところから、両者主張の焦点は「債務弁済後でなければ廃業しえないか否か」という点に見る事が出来る。
この点について裁判所は「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザルモ負債ヲ償却セザル以上ハ娼妓廃業届書面ニ捺印セズ即原告[ 甲 ]ノ意思ニ反シ娼妓営業ノ実行ヲ望ミ(中略)人身ヲ書入トナスモノニテ(中略)被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」と判断を下しており、被告人の主張は人身の拘束にあたる不当なものであると言わねばならない。」

この判決では、「前借金の返済が終わるまで売春を行うという事を双方合意の契約(合意相殺)は有効であるが、債務が残っている事を理由に廃業を認めない事が(身体を拘束する)不当なものである」としている。

永井クンの言う「最初の「契約書」は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を契約内容とするもので、年季終了前に廃業するには、前借金残高、違約金、抱え入れ際の費用一切を即時支払うことになっています。つまり、「慰安婦は前借金全額返済が廃業の条件だった」ことを示す証拠です。」以下、それをもって「違法な契約」と断じていますが、これは、上記判例に照らして違法な契約ですか?
ちなみに社内貸し付け等の雇用者から従業員に対する融資の債務を、従業員が従業員たる資格を失った際に一括して返済する「期限の利益喪失」に関する合意は合法かつ有効な契約でございます。
さて、どうなんでしょうねえ。

何度でも、お姉さんの主張「民法において雇用者と従業員の間でなされる合意相殺は有効であり、娼妓の年期制の契約において契約期間内にその収入から債務を相殺する事も、双方の合意に基づく限り有効である。」



お姉さんの質問1
「警察が公序良俗に反する」としたのは「年期制」の契約内容ですか?それとも「雇用条件にある年齢が国際条約に違反すること」ですか?

お姉さんの質問2
さて、民法90条が「公序良俗に反する」としているのは、「年期制の契約期間に前借金を返済する契約」ですか、それともお姉さんが言う「債務の存在をもって廃業を妨害すること」ですか?


お姉さんの質問3
「眞杉論文」に「民法90条で公序良俗違反とされるのは、娼妓稼業契約のように、女性の身体の自由を一定期間拘束して、娼妓稼業そのものに従事させるような条項です。」という内容が眞杉論文にありますか?ありませんか?
そのような記述がない場合、永井クンは「学説改竄」をしたのですか?それとも「読んでもいない論文を読んだ振りをして適当な事を言った」のですか?

回答よろしく。特に第3項。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/01 20:49 訂正:上記文中

画像:http://p.twpl.jp/show/orig/3GiUo
この史料は、永井クンが

以下「示した公序良俗に反するとされた契約のうち、契約条件に関わる書類の部分」

コピペミス。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/01 21:41 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/795029/28
『大審院民法判例要録』

娼妓営業は法令に於て明かに公認せられ居る事項なるを以て苟くも法規に定めたる場所及び条件に従ひ営業するは法律上他の職業に従事するものと同視せざるを得ず故に娼妓が債権者に対し出稼営業の所得金を以て借金の弁済に供すべき契約は毫も公の秩序若くは善良なる風俗に反するものにあらず


これこのとおり、戦前からある民法はおろか、現在の労働基準法でも、雇用者と従業員の間の融資を、事前の合意に基づき、従業員がその資格を失った時に一括返済させる事は違法でも不当でもありませんのことよ。


http://www.kagayaki-law.jp/article/13287492.html

従業員が退職する際、会社の従業員貸付と退職金を相殺してもよいか
 無条件に相殺することは許されません。
 退職金も労働基準法(労基法)上の賃金ですから、労基法の賃金の支払に関する原則の一つである全額払いの原則(労基法24条)の適用があります。
 従って、従業員貸付の貸付金と退職金とを相殺するためには、労基法24条に定める労使協定があることが必要になります。また、相殺するためには、双方の債権について期限が到来していなければなりませんので、会社と従業員との貸付契約において、退職時に期限の利益を喪失し(退職時に残金全額を返済する)、返済は退職金と相殺する旨の約定を締結しておく必要があります。
 では、労使協定が無い場合はどうでしょうか。
 判例は、その場合でも労働者の同意を得てなされた相殺で、その同意が労働者の自由意思に基づくものと認められるような事情がある場合に、相殺を認めています。以下は、有名な判例ですので参考にして下さい。
 日新製鋼事件(最高裁判例平成2年11月26日)
 使用者が労働者の同意を得て相殺により賃金を控除することは、右同意が労働者の自由意思に基づいてなされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときには、本条の全額払いの原則に違反しない。労働者が会社や銀行等から住宅資金の貸付けを受けるに当たり、退職時には退職金等から融資残債務を一括返済し、銀行等への返済については会社に対して返済手続を委任する約定をし、会社がこれに基づいて、自己貸付金の残金一括返済請求権、及び右委任に基づく銀行等の貸付金の残金一括返済のための返済費用前払請求権(民法649条)をもって退職金債権等と相殺した場合に、返済の手続等を労働者が自発的に依頼し、右貸付が低利かつ相当長期の分割弁済を予定しており、その利子の一部を会社が負担するような措置がとられているときには、労働者の相殺の同意はその自由意思に基づくものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在したものといえる。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/01 22:06 陸支密受第二一九七号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」

副官ヨリ北支方面軍及中支駐屯派遣軍参謀長宛通牒案

支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集スルニ当リ故ラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ或イハ従軍記者慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ或イハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少カラサルニ就テハ将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於テ統制シ之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ其実施ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連繋ヲ密ニシ以テ軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス

陸支密七四五号  昭和十三年三月四日

この有名な史料は、その日付け及び対象地域が「北支」「中支」であることから、本件に言及される募集業者の起こした問題が大内の件を含む一連の慰安婦募集業者のものと考えられる。
これら募集業者を「注意を要する者」とし、委任する業者の人選を適切にして、警察等との連携を図って、社会問題を起こさないようにしろ、という趣旨であり、軍は大内のような手法の募集を容認などしておらず、その是正を図っている事がわかる。
この件をもってしても、大内の所持していた契約書の内容が「前借金の全額返済を廃業の条件とする、民法第90条に反する違法なもの(永井説)」であったとしても、「軍はこのような契約を容認した」などとは言えない。

ApemanApeman 2014/10/02 00:09 積み上げられた宿題を無視して「さて、いきますか」かよ。やれやれ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/02 00:28 >Apeman
永井クンがピンチ時のたびたびの介入ご苦労。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/02 00:47 おっと、史料B「支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件」(内務省警保局長通牒案 昭和13.2.18)誤変換修正〜

「維新を」→「威信ヲ」

nagaikazunagaikazu 2014/10/02 01:40 ジョンお姉さんへ

 長文ご苦労様です。

>回答1:初めから「マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容は、史料がないので分からない」と明言しているとおり、分からないものは分からない。故に提示する義務などない。

 了解しました。ただ、念のために確認しておきますが、この回答1は、

A:マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容は、史料がないので分からない。だから、「マレー軍政監部が前借金によって拘束して売春をさせる契約を容認していたかどうか」および「そのような契約は違法といえるかどうか」の議論は、そもそも不可能である。
B:マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容は、史料がないので分からない。しかし、他の方法をもってすれば、その内容を推測することはできるので、「マレー軍政監部が前借金によって拘束して売春をさせる契約を容認していたかどうか」および「そのような契約は違法といえるかどうか」の議論も可能である。

 A,Bのいずれの意味を含意するものなのでしょうか。

 次ぎに回答2にうつりますが。今回も「契約金」が「前借金」か否かという、私の立論を揺るがしかねない問題の一つについて、私が示した史料にもとづく「前借金」説に対して反論がありません。残念です。私はこの点がはっきりしないかぎり、大内契約について違法か否かの議論ができるとも思わないのですが、ジョンお姉さんがせっかくの努力をされたので、今回のご返答の一部については回答しておきます。

 回答2の最初のほうの

>この件において、大内の募集は断念されており、大内が所持していた契約書及び契約条件で慰安婦になった者はいない。 つまり、公序良俗に反する状況におかれた女性は存在しない。つまり、この調書をもって、慰安婦の契約内容や契約条件の実態を語る事はできない。

ここんところで、史料と矛盾します。

 ジョンお姉さんは、山形県の警察報告をみただけで、上のように判断したわけですが、大内の活動は他の県でもマークされています。私が以前に紹介した茨城県の報告には次の一節があります。なお、原文カタカナをひらかにあらため、刊本で黒塗りの箇所を○○○で表現してあります。

「右者(大内のことです。永井)(中略)客月(一月です、永井)十九日水戸市○○○料理店来新事伊藤○○方に稼業中の酌婦にして 
 本籍千葉県○○○○(前借六四二円)○○○○ 大正三年十二月二十日生 
 本籍山形県○○○○(前借六九一円)○○○○ 大正二年十月十四日生
の両名を上海に於て酌婦稼業せしむべく募集し、同日神戸に向け出発したる事実有之」
 大内は山形県では成功しなかったとしても、茨城県では女性二人の勧誘に成功し、二人をつれて神戸にすでに出発ずみだったのです。ですので、上に引用したジョンお姉さんの推測は、史料の示す事実からして、まちがった推測だといわざるをえません。
 よって、大内の契約によって「公序良俗に反する状況におかれた女性は存在しない」との誤った「仮説」の上に打ち立てられている、それ以降のジョンお姉さんの推論は残念ながら成りたたないことになります。まことにご苦労様でした。

 もっとも、大内の契約については、マレーの場合とちがって、おたがいに参照可能なかたちで、その契約の一件書類が残っているわけですから、実際にその契約で上海まで行った女性がいようがいまいが、それとは独立して、その契約内容が「公序良俗に違反するか否か」の検討は可能ですし、現に私もジョンお姉さんも、実際にその契約で慰安婦になった女性がいるかいないかといった問題にはほとんど無関係に、その内容が違法がどうかを、今まで議論してきたわけでしょう。ちがいますか。

 「契約金」が「前借金」か否かの問題がかたずけば、私の提案2をジョンお姉さんも受け容れたということで、本格的に大内の契約の合法性、違法性を議論することになりますが、その前に私としては、決着をつけておきたいことがいくつかあります。一部は同じ事の繰り返しで、うんざりですが、いたしかたありません。

1.私は自分の主張が「憶測」だと認めてはいませんので,以下の言は私の主張を歪曲しています。謝罪して撤回してくれませんか。

ジョンお姉さん 2014/09/28 21:47
>ああ、主張の全体たる契約内容が「憶測」であると認めるのですね。それで十分です。先生の主張は破綻しますから。

2.マレーの雇傭契約における「無借金の慰安婦の存在は「前借金による拘束」を根本から揺るがす存在」という主張に反駁しておきましたが、それに対する返答がありません。反駁できないのであれば、誤りをみとめて撤回してください。

 眞杉さんの論文の解釈は、おいおいやるとして(そのための準備として、私が論文を読んで感じた疑問点を現在著者に問い合わせ中です、その返答をいただけるまでまつことにしています)、ジョンお姉さんがもちだした新たな判例(事例1─1890年 名古屋始審裁判所 第00047号「娼妓廃業届書面ニ捺印方請求ノ訴訟」)にかかわる件に答えておきます。

 ジョンお姉さんの質問はこうでした。
>永井クンの言う「最初の「契約書」は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を契約内容とするもので、年季終了前に廃業するには、前借金残高、違約金、抱え入れ際の費用一切を即時支払うことになっています。つまり、「慰安婦は前借金全額返済が廃業の条件だった」ことを示す証拠です。」以下、それをもって「違法な契約」と断じていますが、これは、上記判例に照らして違法な契約ですか?

永井の答:これについては、上記判例に照らして「違法な契約」といえますと答えます。

 そう考える理由ですが、ジョンお姉さんが引用した部分に含まれる裁判所の判断は「被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」です。裁判所は被告人すなわち貸席業者の言い分を斥けています。その被告人の言い分を、眞杉さんは「被告は債務未済分の存在を理由に娼妓稼業を継続する―娼妓稼業によって弁済を為す―事を要求している」としています。つまり、裁判所は「契約上債務弁済後でなければ廃業できない」とする被告人の申し立てを否定したわけです。
 さて、大内の契約にしたがって、契約を結んだ慰安婦が、2年の年季終了前に、廃業を申し出た場合、その契約によれば、彼女は前借金残高、違約金、抱え入れ際の費用一切を即時支払わねばなりません。つまり契約上債務弁済後でなければ廃業できません。抱主がその契約をタテに廃業を認めず、廃業を望む慰安婦が裁判所に訴えた場合、上記名古屋裁判所であれば、抱主の言い分を斥けるでしょう。もちろんその時の根拠は民法90条となります。
 なお、上記判例で、ジョンお姉さんの引用にあるように、裁判所が「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザルモ」としているのは、私の推測ではこの契約や金銭貸借契約と娼婦稼業契約が一体になっていて、全体を無効とすると金銭貸借契約の部分も無効となってしまうおそれがあるので、その部分は有効であり、かつ娼婦が「自由意志」で稼業に従事していると思われる間は、娼妓稼業で借金を返済すること自体は違法といえないという判断を示したものだと思われます。

>ちなみに社内貸し付け等の雇用者から従業員に対する融資の債務を、従業員が従業員たる資格を失った際に一括して返済する「期限の利益喪失」に関する合意は合法かつ有効な契約でございます。

 前にも言いましたが、労働の内容が問題です。上記は現在の話として、雇用者が売春業者、従業員がそこでやとわれている娼婦と仮定すれば、雇用者が従業員に融資というかたちで前借金を与え、その返済のために売春に従事するよう命じ、本人が中途でやめたいといった場合に、一括して返済を要求するようなことは、たとえ合意があろうが、「合法的かつ有効な契約でございます」とは、どんなにあつかましい人でもいえないと思いますが。
 もちろん、売防法以前でもそういう契約が「合法的かつ有効な契約でございます」と大きな顔で胸はれないことは、上記の名古屋裁判所の判例をみれば明かではないでしょうか。、


 これ以降は、サービスです。 

>お姉さんの質問1
「警察が公序良俗に反する」としたのは「年期制」の契約内容ですか?それとも「雇用条件にある年齢が国際条約に違反すること」ですか?

>お姉さんの質問2
さて、民法90条が「公序良俗に反する」としているのは、「年期制の契約期間に前借金を返済する契約」ですか、それともお姉さんが言う「債務の存在をもって廃業を妨害すること」ですか?

この二つの質問は、大内の契約についての私の理解と異なるものを前提にしての質問ですので、答えようがありません。私の理解は次のようなものでした。 

「最初の「契約書」は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を契約内容とするもので、年季終了前に廃業するには、前借金残高、違約金、抱え入れ際の費用一切を即時支払うことになっています。つまり、「慰安婦は前借金全額返済が廃業の条件だった」ことを示す証拠です。」、より正しく言えば、「年季満了もしくは前借金の全額返済を廃業の条件とする娼妓稼業契約」です。

>お姉さんの質問3
「眞杉論文」に「民法90条で公序良俗違反とされるのは、娼妓稼業契約のように、女性の身体の自由を一定期間拘束して、娼妓稼業そのものに従事させるような条項です。」という内容が眞杉論文にありますか?ありませんか?
そのような記述がない場合、永井クンは「学説改竄」をしたのですか?それとも「読んでもいない論文を読んだ振りをして適当な事を言った」のですか?

 この点については、私の方が誤りをみとめないといけないようです。眞杉論文の注17(p.261)に「民法90条に関しては我妻栄「判例よりみたる『公の秩序善良尾の風俗』」(『法学協会雑誌 41巻上』第5号 1923)では、「(略)二、人身の自由を極度に制限するもの―芸娼妓契約(略)など」が公序良俗に反する行為の可能性がある事項としてあげられ」とあるのを速断したためで、実際はもっと複雑ですね。
 眞杉論文では、「(大審院は)人身売買禁止の観点から娼妓稼業に従事する事を不当に強要する契約は当然無効のものとであるという判断が為される一方、消費貸借契約に関しては独特な判断が為されている」とありますから、「不当の強要」という条件がありますね。
 ですから私の言い方が不正確なために、眞杉論文には正確な対応箇所はないですと答えておきましょう。しかし、それは不正確な記憶だけで書いた私のミスであって、「学説改竄」でもなければ、読んでもいない論文を読んだ振りをして適当な事を言った」のでもありません。

 今日はこのくらいで。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/02 06:36 1 違法性の検討について
[A:マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容は、史料がないので分からない。だから、「マレー軍政監部が前借金によって拘束して売春をさせる契約を容認していたかどうか」および「そのような契約は違法といえるかどうか」の議論は、そもそも不可能である。
B:マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容は、史料がないので分からない。しかし、他の方法をもってすれば、その内容を推測することはできるので、「マレー軍政監部が前借金によって拘束して売春をさせる契約を容認していたかどうか」および「そのような契約は違法といえるかどうか」の議論も可能である。]

回答:仮説の一部としてなら何を含めようが可能であるし、「このような契約内容は違法か否か」は仮説の内容と無関係の事柄であるので問題なし。


2 契約内容について
「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を契約内容とするということですので、契約内容及び条件を確認しますよ。

1.契約書
一、稼業年限
一、契約金
一、上海派遣軍内陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業ヲ為スコト。
一、賞与金は揚高ノ一割トス(但シ半額ヲ貯金スルコト)
一、食費衣裳及消耗品ハ抱主負担トス。
一、年限途中ニ於テ解約ノ場合ハ元金残額違約金及抱入当時ノ諸費用一切ヲ即時支払ヒ申スベキコト
右契約条項確守履行仕ル可ク依而契約証書如件。

2.承諾書
本籍
住所             稼業人
                     年 月 日 生
右ノ者前線ニ於ケル貴殿指定ノ陸軍慰安所ニ於テ酌婦稼業(娼妓同様)ヲ為スコトヲ承諾仕候也


3.金員借用証書
一、金
右之金員拙者要用ニ付キ正ニ請取借用仕候事実正也然ル上ハ返済方法ハ別紙契約書ニ基キ
酌婦稼業ヲ為シ御返済申ス可ク万一本人ニ於テ契約不履行ノ節ハ拙者等
連帯者ニ於テ速カニ御返金仕ル可ク為後日借用証書依而依如件

条  件
一、契約年限     満二ヶ年
一、前借金      五百円ヨリ千円迄
  但シ、前借金ノ内二割ヲ控除シ、身付金及乗込費ニ充当ス
(中略)
一、前借金返済方法ハ年限完了ト同時ニ消滅ス
  即チ年期中仮令病気休養スルトモ年期満了ト同時前借金ハ完済ス
一、利息ハ年期中ナシ。途中廃棄ノ場合ハ残金ニ対シ月壱歩
一、違約金ハ一ヶ年内前借金ノ一割
一、年期途中廃棄ノ場合ハ日割計算トス」

どこを読んでも「債務の返済方法は、酌婦としての給与をもって充てる」という大審院判例で合法と認める合意相殺を示す内容しかなく、「債務返済まで酌婦として働く」などという条項はありませんよ。「満期まで働けば、仮に債務が残っていても債権を放棄する」と言っているだけで。

そして、退職時(契約途中での廃業時)に残っている債務を一括返済する事(期限の利益を放棄する事)について合意し、その履行を求めることは、先に示したとおり、民法の禁じるところではなく現代においても合法です。

さて、この契約内容は大審院判例等が示す民法の解釈に照らして違法ですか。

そして、お姉さんが列挙した一連の史料A,B,C及び陸支密七四五号を根拠とする「公序良俗に反する」「婦女売買」についての警察当局(及びそれを統括する内務省警保局)の見解が「1921年の国際条約」の年齢条項に違反する事にあるとすることに何らかの矛盾はありますか?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/02 06:45 「前にも言いましたが、労働の内容が問題です。上記は現在の話として、雇用者が売春業者、従業員がそこでやとわれている娼婦と仮定すれば、雇用者が従業員に融資というかたちで前借金を与え、その返済のために売春に従事するよう命じ、本人が中途でやめたいといった場合に、一括して返済を要求するようなことは、たとえ合意があろうが、「合法的かつ有効な契約でございます」とは、どんなにあつかましい人でもいえないと思いますが。
 もちろん、売防法以前でもそういう契約が「合法的かつ有効な契約でございます」と大きな顔で胸はれないことは、上記の名古屋裁判所の判例をみれば明かではないでしょうか。」

について。

「娼妓営業は法令に於て明かに公認せられ居る事項なるを以て苟くも法規に定めたる場所及び条件に従ひ営業するは法律上他の職業に従事するものと同視せざるを得ず故に娼妓が債権者に対し出稼営業の所得金を以て借金の弁済に供すべき契約は毫も公の秩序若くは善良なる風俗に反するものにあらず」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/795029/28
『大審院民法判例要録』

「毫も公の秩序若しくは善良な風俗に反するものにあらず」が「大きな顔で胸はれない」ことになりますか?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 09:31 回答が無くて暇だから宿題でもしておこう。

「ついでに細かいことですが,日本の刑法に「人身売買罪」が設けられたのがいつか,ご存知ですか。」

「「人身売買」そのものは,当時は民法90条により違法(というか契約として無効)なので,山形県警の「一般婦女身売り防止の精神にも反するもの」というのは,群馬県警の「公序良俗に反する」というのと大同小異であるのはまちがいありません。」

(nagaikazu 2014/09/30 19:20)


ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜 ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜 何でもできちゃうバット♪

公娼制度ニ関スル件 警保局(アジ歴 A05020103300)

「人身売買ハ夙ニ明治五年ノ布告以来厳禁セラルル所ニシテ現在ニ於テモ刑法第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十七条、第二百二十八条ニ依リ処罰セラルル行為ニ属シ其ノ事実アルニ於テハ娼妓ニ関係スルト否トヲ問ワズ刑罰ニ処セラル」

華麗に刑法犯ですねえ。
え?人身売買が民法第90条に違反する公序良俗に反するもの?あるぇ〜?


「まちがいありません(キリッ」

まちがってるんじゃない?

やっぱり、「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」の年齢条項なんじゃなぁい?

( ´H`)y-~~プハー

nagaikazunagaikazu 2014/10/03 10:14  投稿のタイミングがなかなかあいまっせんが、とりあえず。

 (今回は朝青龍型(朝青龍のファンの皆様にはお詫びしておきます)ではなく、できるだけ白鵬型の取り口になるように心がけてみました。でも、もともと根が「品格に欠ける」もので、随所に馬脚をあらわしておりますが、ご容赦を)

 昭和13年の陸支密七四五号で言及されている「故ラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ」が大内のことを指しているというのは、そのとおりだと思います。というより、そのことを最初に指摘したのが、私の論文だったわけです。ですから、大内等の募集活動とそれに対する警察の憂慮と厳重取締の指示とを知った陸軍省が、募集活動の「是正」をはかろうとして、この通牒を北支那方面軍と中支派遣軍に出したのだという解釈にも、もちろん同意します。

 問題は、陸軍省が求めている「是正」の内容です。それが、「「軍はこのような契約を容認した」などといえない」と判断できるようなものなのか、どうか。

 通牒に示されている陸軍省の指示は以下の部分です。

「将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於テ統制シ之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ其実施ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連繋ヲ密ニシ以テ軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度」

 分かりやすく言い換えると、「今後慰安所従業婦を募集する際には、派遣軍がきちんと統制して、募集活動に従事する人物の人選を適切におこない(ちゃんとした人間を選べ)、募集活動にあたってはその地域の憲兵や警察と緊密に連絡をとりながら進めるようにして(憲兵や警察に協力をあおげ)、軍の威信を保持しまたこのことが社会問題にならないよう配慮しなさい」と出先に命じているわけです。

 つまり陸軍省は、「将来」=「これから先」のことを問題にしていて、すでに行われた(大内等の)募集活動の結果については何も言っていないのです。しかも「是正すべき」としているのは、「募集にあたる者の人選」と「募集活動にあたって憲兵・警察と緊密に連絡をとること」であって、「違法の疑いある契約でもって女性を募集すること」ではありません。
 この通牒に「違法の疑いある契約でもって集められた女性がそちらに行っているおそれがあるので、チェックして、もしそのような事実があれば、女性を救え」とか「今後違法の疑いある契約でもって女性を募集することはするな」とか書いてあれば、私も「軍はこのような契約を容認していない」という説には同意しますが、史料に直接書いていない結論を導出するには、他にそれを裏づけるものが必要です。確たる裏づけがないのに、結論をくだすのは、ジョンお姉さんのもっとも忌むところではなかったのではないですか。
 また、大内の活動に対する警察報告は内務大臣宛にとどまらず陸軍大臣にも同報されていました。つまり、報告を受けた陸軍省はその契約内容を知っていたわけです。もし、陸軍省がその契約内容を容認できないと感じたのであれば、陸軍省から中支派遣軍他に対して出された指示の内容は、もっと明確なもの(軍の依頼した業者が不法な契約で女性をそちらに送り込んでいるので、そのような契約を解除して女性を送り返すようにといった指示)を含むものでないと、中支那方面軍にとっては何が問題にされているのか、まったく意味がわからないでしょう(中支派遣軍に警察の報告が送られたことを示す史料はありません)。もし、この通牒が大内の契約を否認するために出されたのだとすれば、この通牒は軍の指示文書としてはきわめて不十分なものといわざるをえません。

 せっかくですので、別の角度から「「軍はこのような契約を容認した」などとは言えない」というジョンお姉さんの主張の是非を、史料に依拠しつつ検討してみましょう。もっとも、史料をいちいち引用していたのでは煩に堪えませんので、元史料は『政府調査「従軍慰安婦』資料集成』第一巻の収録されている内務省警保局史料であることを断っておきます。さらに詳しいことを知りたい方は、Webから参照可能な私の論文「日本軍の慰安所政策について」を見て下さい。 

1.1937年に中支那方面軍は軍慰安所の設置を決定し、そこで働く女性を募集するために、内地と朝鮮に人を派遣した。これらのエージェントは、在上海日本総領事館の発行した身分証明書を保持していた。
2.そのようなエージェントの一人と思われる上海で売春業を営む神戸の中野なる人物が、内務大臣秘書官の名刺をもって、内務省本省の警務課長の紹介により大阪府警察部を訪問し、軍慰安所ではたらく女性五〇〇名以上を集めて、大阪の歩兵第7旅団の将校が引率して中国に渡ることになっているので、渡航証明を発行してほしいと依頼した。兵庫県警察部はすでに女性の渡航を承認していた。
3.和歌山で婦女誘拐の容疑で事情聴取され、のち釈放された大阪の貸席業者等は、上記の中野とともに、軍から依頼された娼婦3000人を上海に送る計画に関係していた大阪の貸席業藤村からその話を聞いて、和歌山で女性の募集にあたったのである。
4.北関東・南東北で募集活動して警察からマークされていた大内は、上海特務機関から依頼されて娼婦3000人を集めて上海に送ることになったが、その依頼は同業者の神戸の中野を通じて内地に伝わったと述べていた。
5.大内が携えていた一件書類の中には、上海総領事館が定めたのと同形式の承諾書が含まれ、また「派遣軍慰安所」という文字の入った「壱花券」(買春券)が含まれていた。また大内は「該酌婦は年齢一六歳から三十歳まで、前借は五百円より千円まで稼業年限二ヶ年之が紹介手数料は前借金の一割を軍部に於て支給するものなり」と述べていた。

 以上から上海特務機関→神戸の中野→大阪の大内という流れで、大内が軍の依頼を受けて慰安所で働く女性を集めていたことがわかります。上海特務機関が契約内容まで中野等に指示したかどうかはわからりませんが、しかし、「前借金の一割を軍部に於て支給するものなり」との大内の言が事実なら、軍側は少なくとも前借金が支払われることおよびその金額の大まかな数字は知っており、そのことを容認していたとみてよいでしょう。また和歌山で警察の事情聴取を受けた金沢等が「二年後軍の引揚と共に引揚ぐるものにして前借金は八百円まで出し」と述べていることから、年季契約期間が二年になるのも軍側は承知していたと推測できます。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 14:16 その1

まず、「前借金を契約期間内に返済する契約の違法性」から明らかにしましょうか。
「軍はこのような契約を容認した」というものの「このような」とは、永井クンが主張する「違法性」のことですよ。


1 「年期期間内に前借金を返済する契約(合意相殺)」は、大審院判例から、職業が売春であるか否かを問わず、「毫も公の秩序若しくは善良な風俗に反するものにあらず」ということで、違法性なし。

2 大内の所持していた契約書、承諾書、条件の文書のいずれにも永井クンが主張する「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」、つまり債務の存在をもって廃業を阻止する項目は存在せず、記述があるのは、大審院判例要録に示すところの「娼妓が債権者に対し出稼営業の所得金を以て借金の弁済に供すべき契約」に関する項目である。故に「身体を拘束する契約」に該当しない。

3 「公娼制度ニ関スル件」から人身売買が一般的な人身売買を指すものなら「刑法犯」であり、「公序良俗に反する民法上無効」な例ではない。つまり、山形県警のいう「婦女売買」は国内法でいうところの人身売買ではない。

4 山形県警いうところの「公序良俗に反する」「婦女売買」とは、群馬県警及び山形県警の報告書、内務省警備保局通牒案から、「国際条約ノ精神ニ悖ル」こと、「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」への抵触を危惧したものであり、「契約内容(前借金を契約期間内に返済する契約)」ではない。


以上から、契約書の内容、特に「前借金を契約期間で返済する条項」に警察が違法性を指摘したこともなければ、大審院判例からも違法性はない。
つまり、契約自体に違法性がない以上、「マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。」という主張はできない。

これに反論はありますか?( ´H`)y-~~プハー


その2

「つまり陸軍省は、「将来」=「これから先」のことを問題にしていて、すでに行われた(大内等の)募集活動の結果については何も言っていないのです。しかも「是正すべき」としているのは、「募集にあたる者の人選」と「募集活動にあたって憲兵・警察と緊密に連絡をとること」であって、「違法の疑いある契約でもって女性を募集すること」ではありません。」との永井クンの主張について。


さて、軍が「何を目的として」人選の適正を図れと支持しているか、という点を永井クンは故意か錯誤かウッカリか、言及していませんねえ。ずっぽり抜けてます。

「故ラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ或イハ従軍記者慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ或イハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少カラサルニ就テハ・・・社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス」


「軍が諒解していると軍の名を出すために軍の威信を傷つけたり、(略)あるいは募集にあたる者の人選が不適切だったため、募集の方法が誘拐まがいで警察の検挙や取り調べを受けたものがある等、注意が必要なものが少なくない【就いては】・・・社会問題上遺漏がないように配慮されたい」
と繋がる文書であり、是正の目的が「大内のような事案を再発させないため」である目的が明記されておりますが?


回答よろしく。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 14:18 おまけ


永井クン、眞杉論文をちゃんと読んでます?自分の都合がよさそうな部分だけ抽出してません?

「そう考える理由ですが、ジョンお姉さんが引用した部分に含まれる裁判所の判断は「被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」です。裁判所は被告人すなわち貸席業者の言い分を斥けています。その被告人の言い分を、眞杉さんは「被告は債務未済分の存在を理由に娼妓稼業を継続する―娼妓稼業によって弁済を為す―事を要求している」としています。つまり、裁判所は「契約上債務弁済後でなければ廃業できない」とする被告人の申し立てを否定したわけです。」(永井 nagaikazu 2014/10/02 01:40)

その部分の判決を読んでみましょう。
「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザルモ」

次に眞杉氏の結論を読んでみましょう。
「被告側は明確な主張を持って娼妓の廃業を不服としていた。つまり、債務完済に至るまで娼妓稼業を廃する事は許されず、被告は債務未済分の存在を理由に娼妓稼業を継続する─娼妓稼業によって弁済を為す─事を要求しているのである。」


さて、大審院はこの種の契約は「無効ではない」と言っていますが、永井クンは「無効だ」と主張しているようですねえ。

永井クンの主張:「民法90条で公序良俗違反とされるのは、娼妓稼業契約のように、女性の身体の自由を一定期間拘束して、娼妓稼業そのものに従事させるような条項です。」(nagaikazu 2014/09/27 19:29)

お姉さんの主張:無効なのは「雇用期間を定める事も、その業務内容を定める事も、その賃金から債務を相殺するのに同意する事も全くの合法。違法なのは債務の存在をもって廃業を妨害すること」

さて、この判例「年期内に債務を返済する契約を行う事」と「債務の存在を理由に廃業を妨害する事」のどちらを無効とした判決なんです?( ´H`)y-~~プハー

回答よろしく

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 14:23 蛇足ながら・・・

問題は、「同時代的に違法とされた契約を軍が容認したか否か」であって、「違法合法の如何を問わず軍が契約を容認したか」ではない事は、思い切り釘をさしておきますよ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 17:10 疑義を一つ。

「2.そのようなエージェントの一人と思われる上海で売春業を営む神戸の中野なる人物が、内務大臣秘書官の名刺をもって、内務省本省の警務課長の紹介により大阪府警察部を訪問し、軍慰安所ではたらく女性五〇〇名以上を集めて、大阪の歩兵第7旅団の将校が引率して中国に渡ることになっているので、渡航証明を発行してほしいと依頼した。兵庫県警察部はすでに女性の渡航を承認していた。」について


大阪の歩兵第七旅団の将校が上海で売春業を営む者に協力して、中支の慰安所に慰安婦を引率ねえ・・・。

歩兵第七旅団を含む第四師団が華中に移動したのは、昭和15年以降のことで、歩兵第七旅団を含む第四師団は、昭和13年初頭には満州にいたはずなんだがなあ。
このとおり、第四師団が、昭和13年1月には「満州で負傷した兵隊の医療費や戦死した兵隊の葬式代の予算付けてくれ」と陸軍省に要望してますしねえ・・・(アジ歴 C04012606300)

当時の上海派遣軍隷下部隊は、第九師団(金沢)、第十一師団(善通寺)、第十四師団(宇都宮)、混成第二十四旅団で、大阪の部隊なんか全然関係ないし、中支方面軍と歩兵第七旅団は指揮系統にない。

これ、ホントに大阪の第七旅団の将校が引率して渡航してんの?こういうのが「軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ」って奴じゃないの?

供述が事実とは限らない部分もあるんでねえの?( ´H`)y-~~

nagaikazunagaikazu 2014/10/03 17:50 時間がないので,とり急ぎ。

ジョンお姉さん 2014/10/02 06:36
>どこを読んでも「債務の返済方法は、酌婦としての給与をもって充てる」という大審院判例で合法と認める合意相殺を示す内容しかなく、「債務返済まで酌婦として働く」などという条項はありませんよ。「満期まで働けば、仮に債務が残っていても債権を放棄する」と言っているだけで。

大内の契約は「債務の返済方法は、酌婦としての給与をもって充てる」というようなものではありません。2年間上海派遣軍内陸軍慰安所で,娼婦として働いたら,前借金の債務を帳消しにしようという内容の契約です。
 この契約書のどこにも,「稼業婦はその配当所得金を以て前借金を返済す」とか「稼業婦は稼業収益金(揚高)からその所得歩合に応じて所得金を得る」とかいった条項は含まれていません。条件に出てくる「揚高の一割」の「賞与金」は,稼業婦の「お小遣い」(「食費衣裳及消耗品ハ抱主負担」ですから)であって,ここから借金を返済するのではありません。前借金の返済を,お金ではなく「身体で支払う」ことを義務づけた契約なのです。その点で,ジョンお姉さんが引き合いに出している明治35年の東京控訴院判決の場合の「娼妓が債権者に対し出稼営業の所得金を以て借金の弁済に供すべき契約」と同じに論じられません。
 この契約では稼業婦の取り分は1割(しかもその半分は強制貯金)で,残り9割は抱主の所得になります。たしかマレーの規則では,強制貯金を控除したあとの稼業婦の配当歩合は4割以上から5割以上となっていましたよね。揚高の9割をとっておいて,残り1割しかない「給与」で,しかもその半分は貯金させられ,実質揚高の5分しかないところから,前借金を返済させるのですか。そんな契約はひたすら強欲としかいえません。それに比べたら,2年我慢して娼婦として働いたら,前借金はチャラにしてやるという「年期制」契約(まさにこの大内の契約がそれなのですが)のほうが,まだましでしょう。

 この大内の契約は,「所定の期間(2年間)娼婦として働たらくことをもって前借金の返済にあてる」というものですから,前借金でもって一定期間身体の自由を拘束する契約にほかなりません。しかも途中廃業の場合には,前借金の完済に加えて違約金の支払まで要求しているわけですから,明らかに「身体の拘束を目的とする」契約であって,その種の契約に対しては眞杉論文でとりあげられた大審院判例の多くが無効の判断を示しています。
 ジョンお姉さんが紹介してくれた内務省警保局「公娼制度に関する件」でも,ジョンお姉さんが引用したすぐあとで,「若し娼妓稼業の際に於ける貸座敷業者との契約内容が人身売買たり又は自由拘束を為すものなるに於ては民法第九十条の規定により其の契約は無効たるへし」と述べてられています。
 なお,眞杉論文p.255にも,「7年6ヶ月の年期を定めて(中略)所謂前借金として本訴金350円及300円の金員を同人より借用すると同時に右の期間無事に稼業を終れば収入の多寡に拘らず前借金全部消滅すべき」とし,また途中廃業の際の罰金を規定していた娼妓稼業契約(大内の契約と基本的には同じような性格のものと解されます)が,所轄の警察署長から「法律上年期契約には許可を与えられない」として,契約の表面上は法律に違反しないように,揚高を貸席業者と娼妓の間で配分して,そこから債務を返済する方式の契約に変更したとの記載がみられます。つまり,当時(1920年頃とされています)の警察は,こういう「身体で支払う」契約は「違法」と認識していたわけです。

 ところで,内務省警保局「公娼制度に関する件」ですが,私のあげた箇所では娼妓稼業契約が人身売買を内容とするものであったら,民法第90条に違犯するといってます。でも,ジョンお姉さんの紹介では,たしか内務省警保局は人身売買を刑法上の犯罪とみなしていたはずだったと思いますが。人身売買は刑法上の犯罪なのか,あるいは民法90条により「公序良俗に違反する」無効な法律行為のことなのか,はたまたその両方なのか,いったいいずれが正しいのでしょうか。
 この問題については,別途考察することにしましょう。

nagaikazunagaikazu 2014/10/03 17:56 ジョンお姉さん

 なかなか油断できませんね。「歩兵第7旅団」は私のミスですね。原文はただの「大阪旅団」です。つい大阪の旅団だから歩兵第7旅団と筆をすべらせたのが,いけなかった。なかなか横綱相撲はとれません。
 当時大阪には第4師団の留守司令部がいました。歩兵第7旅団にも留守部のスタッフがいたのでしょう。なお,この件は大阪府警察部幹部と中野等の話合いで出た件ですので,嘘ならすぐバレます。

nagaikazunagaikazu 2014/10/03 18:33 これを忘れてはいけない。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 14:18
>その部分の判決を読んでみましょう。
「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザルモ」

 そこで引用やめては,名古屋始審裁判所の判決はわかりません。その続きがあって,ジョンお姉さん自身が引用しているように,「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザルモ負債ヲ償却セザル以上ハ娼妓廃業届書面ニ捺印セズ即原告[ 甲 ]ノ意思ニ反シ娼妓営業ノ実行ヲ望ミ(中略)人身ヲ書入トナスモノニテ(中略)被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」と眞杉論文には引用されています。
 結論部分は,「被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」にあります。被告(抱主)の言い分はとおらず,原告(娼妓)の言い分がとおったのです。
 その裁判所によって斥けられた被告人の言い分を眞杉さんが言い換えたものが,
「被告側は明確な主張を持って娼妓の廃業を不服としていた。つまり、債務完済に至るまで娼妓稼業を廃する事は許されず、被告は債務未済分の存在を理由に娼妓稼業を継続する─娼妓稼業によって弁済を為す─事を要求しているのである。」
これです。これは被告人の言い分であって,眞杉さんの結論ではありません。

 この要求すなわち「債務未済分の存在を理由に娼妓稼業を継続する─娼妓稼業によって弁済を為す─事」が裁判所で斥けられたのです。
 前借金を娼妓稼業で稼いだ金で返済するとの契約は双方の合意で結ばれたのだから,そのかぎりでは違法とはいえないが,娼妓が廃業を求めているのに,債務が未済だから廃業は許さない,契約違犯だという抱主の要求は,「身体の自由を拘束する」として無効とされたのです。この件は「債務の存在をもって廃業を妨害すること」に該当しますから,ジョンお姉さんからみても違法のはずです。

眞杉さんの論文をよく読んでください。

 私は「年期内に債務を返済する契約を行う事」は違法だなどと言ったおぼえありません。
 私の主張を引用しておきます。
「大内の契約にしたがって、契約を結んだ慰安婦が、2年の年季終了前に、廃業を申し出た場合、その契約によれば、彼女は前借金残高、違約金、抱え入れ際の費用一切を即時支払わねばなりません。つまり契約上債務弁済後でなければ廃業できません。抱主がその契約をタテに廃業を認めず、廃業を望む慰安婦が裁判所に訴えた場合、上記名古屋裁判所であれば、抱主の言い分を斥けるでしょう。もちろんその時の根拠は民法90条となります。」

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 19:01 >nagaikazu

第四師団の留守部隊がいようが、1937年〜1938年に第四師団自体が中支方面軍の隷下にないので同じ事。大阪は第四師団区なので、1938年に「大阪旅団」と言ったところで、永井クン主張のとおり第七歩兵師団しか所在しておりませんが?

他の大阪を師団区とする部隊は次の通り( )内は編制年
第39師団(1939年)
第44師団(元の第4師団留守部隊を基幹に編成)(1944年)
第68師団(旧独立混成14旅団(1939)を基幹に編成)(1942年)
第94師団(1944年)
第132師団(1945年)
第144師団(1945年)

というわけで、大阪所在の旅団は1937年〜1938年には歩兵第7旅団しかおらず、それは中支方面軍の指揮下にない。つまり大阪の旅団が中支方面軍や上海派遣軍の業務を行うこと自体が、指揮系統上あり得ない。

「大阪府警幹部に中野が供述した」という以上のものでなければ、その真偽は不明ってだけ。
物理的にないものはない。( ´H`)y-~~

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 19:42 >nagaikazu

さて、民法90条は現在も健在。
契約の合法性は件の大審院判決も認めるところ。つまり、「契約」は無効ではない。無効なのは、あくまで「債務の存在を理由に廃業を認めない」ことであります。これは間違いないですね。

「契約」は合法であり「有効」。
間違いないか、回答をよろしく。

では何が「無効」かというと、「債務の存在を理由に廃業(退職)させないこと」であって、「合意に基づく債務の一括返済を求めること」ではありません。よろしいですか?

民法第90条は当時も今も変わらず、さらに労働者の権利を保証する労働基準法が存在する現在。

雇用者の従業員に対する融資(社内貸し付け等)の金銭消費貸借契約がございます。

雇用者から従業員に対し、行われる社内貸し付けは、月々の給料から天引き(金銭として支給される前に相殺される)され、退職時に債務の残高がある場合期限の利益を喪失し、一括して返済することを求められます。これは、融資にあたり、雇用者と従業員が返済方法について合意する契約を取り交わしているからで、民法でも労基法でも合法且つ有効です。この場合、雇用者(企業)が従業員に対し、債務返済まで働く事を強要する契約とも見なしませんし、現行憲法に定める人権を侵害するものでもない、つまり身体の自由は保証されていると判断されています。
(日新製鋼事件・最二小判平成2年11月26日)

もう一度言いますよ。現在でも民法第90条は変わっていません。さらに労働者に有利な労基法制定後の判決ですよ。


さて、これと同じ民法第90条に依拠して、雇用者たる貸座敷業者が、従業員たる酌婦に対して行った融資について、その返済方法ついて酌婦と合意する契約を交わし、返済の途中で廃業した時に、債務の一括返済を求める事が違法ですか?

業務の内容に問題がある?全くありません。

「娼妓営業は法令に於て明かに公認せられ居る事項なるを以て苟くも法規に定めたる場所及び条件に従ひ営業するは法律上他の職業に従事するものと同視せざるを得ず故に娼妓が債権者に対し出稼営業の所得金を以て借金の弁済に供すべき契約は毫も公の秩序若くは善良なる風俗に反するものにあらず」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/795029/28
『大審院民法判例要録』


というかだ。「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザル」=「契約は有効」

「負債ヲ償却セザル以上ハ娼妓廃業届書面ニ捺印セズ即原告[ 甲 ]ノ意思ニ反シ娼妓営業ノ実行ヲ望ミ(中略)人身ヲ書入トナスモノニテ(中略)被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」=「債務の存在をもって退職を認めないの身体の拘束にあたるからいけない」

契約が有効な以上、この裁判は「契約の無効」を断じたものではなく、あくまで「廃業の妨害」を無効と断じたものです。はい。おしまい。

有効な契約です。契約に違法性はありません。

今でも社内貸し付けが残っている事を理由に退職を認めないのはいけないですよねえ。解りますね。
でも、退職時に債務の精算をするのは雇用者と従業員が合意する契約がある限り、違法でも不当でもございません。今も昔も。



確認しますよ。

雇用者に対する債務返済の途中で廃業した時に、債務の一括返済を求める事が違法ですか?

債務の存在をもって廃業を妨害し、業務の継続を求める事が違法なのですか?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 20:03 「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザル」=「返済義務が終わるまで娼妓營業を行うという契約は有効」

「負債ヲ償却セザル以上ハ娼妓廃業届書面ニ捺印セズ即原告[ 甲 ]ノ意思ニ反シ娼妓営業ノ実行ヲ望ミ(中略)人身ヲ書入トナスモノニテ(中略)被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」=「債務の存在をもって退職を認めないのは、身体の拘束にあたるからいけない」

この判決を根拠とした場合、「前借金を契約期間内に所得から相殺することや、廃業時の一括返済の合意を契約する事を容認するのは」、「有効な契約を容認すること」であり、なんら問題ない。

問題が生起するのは「上記契約に基づき営業中の酌婦が、返済途中で廃業を求めているにも関わらず、貸座敷業者が債務の存在を理由に廃業を妨害する行為を実際に行っている」のを軍が容認して初めて「軍が違法行為を容認した」と言える。

以上の事から、契約書に書かれた内容(年期の間に前借金を返済する)をもって「違法な契約」を主張する事は、この判決からはできない。


故に上記の判例のように「契約そのものは有効」とする例をもって、契約書を挙げて「マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。」という主張の正当性は証明できない。

何か反論はございまして?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/03 20:10
まあ、永井クン。落ち着け。

とりあえず落ち着け。

契約自体が公序良俗に反するから無効と主張する永井クンが「契約は有効」という大審院判決を振りまわして「契約は無効」と主張する何だかよく解らない展開をなんとかしろ。

( ´H`)y-~~

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/07 04:28 永井ちゃん、忙しいかも知らんけど、ちょっとそこ座れ。

トドメ刺しちゃっていいかな・・・。



永井ちゃん、(nagaikazu 2014/09/27 17:00)で、間違いなくこう発言してるよな。
【「契約金」が「前借金」だとすると、この契約は「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を内容とするものですので、当時の法解釈の多数派によれば民法90条にいう「公序良俗に反する契約」であり、無効ということになります。】

大内の持っていた契約書の内容が、当時の法(民法第90条)に照らして違法だということだね。間違いないね?



で、これを読む。
「陸軍慰安所の創設と慰安婦募集に関する一考察 永井和」

「この年齢条件をのぞけば、趣意書の文面といい、契約条件の内容といい、公娼制度の現実を前提に、さらに陸軍慰安所が実在し、軍と総領事館がこれを公認しているとの条件のもとでは、この大内の活動は当時の感覚からはとりたてて「違法」あるいは「非道」 とは言い難い。」P20

これ、永井ちゃんの論文だよね。
「当時の法解釈の多数派によれば民法90条にいう公序良俗に反する契約」と「当時の感覚からはとりたてて違法あるいは非道とは言い難い」って完全に矛盾しているよね。


さて、永井ちゃん、このサイトでの主張を捨てるか、論文を捨てるか選んでくれ。それだけ答えればいい。

( ´H`)y-~~プハー

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/07 04:44 ああ、そうだ。

聞くだけ野暮ってもんだけど、一応。

現在までに発見されている慰安婦の契約書の内容と当時の法を根拠としては、マレー軍政監部が違法な契約を容認していたと言えるの?言えないの?

nagaikazunagaikazu 2014/10/07 23:54  議論が多岐にわたっているので、少し問題点を整理しておきます。

 もともとは、マレー軍政監部が制定した昭和十八年馬来監達第二八号「慰安施設及旅館営業取締規程」、同第二九号「慰安施設及旅館営業遵守規則」(同別冊「芸妓、酌婦雇傭契約規則」を含む)の解釈をめぐる問題でした。その問題は2つに分けることができます。

A-1:この馬来監達第二八、二九号という規則命令の拘束範囲はどこまで及ぶのかという問題。
 これは軍政監部の内部規則であって、基本的にその拘束範囲は軍政組織内に限られるというのが永井の主張であり、そうではなくて軍政組織に属さない民間人にまで効力が及ぶというのがジョンお姉さんの主張です。

 この問題は、この規則の対象である「慰安施設」が軍の施設なのか、そうでなくて民間の施設なのかという慰安所の性格にかかわる根本問題につながります。


A-2:上記の諸規定とくに「芸妓、酌婦雇傭契約規則」が想定しているようなマレー軍政監部管轄下の特殊慰安所における稼業婦の稼業契約が当時の日本の法規範及び公娼規則の水準からみて「違法」かどうかという問題。
 当時の日本の法規範及び公娼規則の水準からみて「違法」というのが永井の主張。そうはいえないというのがジョンお姉さんの主張。

 この問題は、日本軍の慰安所制度が当時の公娼制度と比較して、それと同等のものであったのか、それともそこで働く女性の保護という点で不十分であったのかどうかという、これまた慰安所制度を論じる際の重要論点につながります。

 しかし、議論の流れから、A-1はまだ議論に入っておらず、A-2は途中で、次のB問題に移行しました(B問題及びC問題がかたづけば、A-1にとりかかるつもりです)。

 B問題は、1937年12月から翌年2月にかけて日本国内で上海派遣軍慰安所の従業婦の募集が行われた際に、大内という売春業者が所持していた稼業契約一件書類の性格をめぐる問題です。マレーの場合とちがって、こちらは一件書類の写本が残っているので、議論が可能であるとして、A^2からこちらの問題に移行したわけです。

B-1:大内の提示した契約書や契約条件(以下「大内の契約書」と略記します)が当時の日本の法規範及び公娼規則の水準からみて「違法」かどうかという問題。これはA-2と類似の問題といえます。もちろん、永井は「違法」と考え、ジョンお姉さんは「違法」とはいえなという立場です。
 なお、ここで注意すべきは、「違法」の中味です。「大内の契約書」は従業婦の年齢条件において、当時の娼婦取締規則(十八歳未満は娼妓たるをえず)に違反しています。このことはジョンお姉さんも永井もともに認めていますので、B-1で争われる「違法」かどうかは、そのような面での「違法性」ではなくて、もっぱらこの「大内の契約」が民法第90条に「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ハ無効トス」とある「公序良俗に反する無効」な契約であるかどうかが争点になっているということです。


 次のB-2はB-1に関連してジョンお姉さんが提起した問題点です。

B-2:陸支密七二四号「軍慰安所従業婦募集ニ関スル件」(1938年3月4日付)は、「大内の契約書」を否定し、そのような契約で従業婦を集めることを禁じた指令であったのか、否か。
 ジョンお姉さんは、「禁じた指令」だと主張し、永井はそうでないと否定します。
 
 この文書は、慰安婦問題の歴史では超有名な文書ですが、その解釈については説がわかれています。吉見義明はこれをもって慰安所制度に対する軍の関与を決定づける証拠の一つとみたのですが、一部の論者はこれをもって「軍の善い関与」を示すものと主張します。ジョンお姉さんの解釈は「善い関与論」の一バリエーションと位置づけられます。

 なお、ジョンお姉さんがこの問題を提起したのは、仮に「大内の契約」が民法90条にいう「公序良俗に反する無効な契約」であったとしても、日本軍はそれを容認していなかった。その根拠となるのが、この陸支密七二四号「軍慰安所従業婦募集ニ関スル件」(1938年3月4日付)であり、この指令で軍は「大内の契約書」のような条件で従業婦を募集することを否定していたからだと、二重の防衛線をはろうとしたからです。

 現時点ではB-1が主要な論題で、それに付随してB-2という重要な問題が浮上してきました。しかし、これ以外にも重要な論点が提起されています。

C問題:これはジョンお姉さんが提示した内務省警保局の「公娼制度に関する件」という文書に同時に記されている「人身売買は芸娼妓解放令で禁止されており、刑法の一連の条項で犯罪として処罰されている」(この文章をジョンお姉さんは戦前の刑法に人身売買罪が存在していた証拠だと解釈しました)と「娼妓稼業契約が人身売買であれば民法90条により無効となる」という文章をどう解釈するかという問題です。

 なぜこのようなことが論点となるかというと、上にあげた二つの文章はじつは、「娼妓は人身売買に依る奴隷制度にして人道に反す」という廃娼論者に対する内務省側の反論(「公娼制度は人身売買による奴隷制度ではない」)の根拠としてあげられているものだからです。
 この文書はアジア歴史資料センターで閲覧できますので確認してください。
http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_A05020123000?IS_STYLE=default&IS_KIND=SimpleSummary&IS_TAG_S1=InfoD&IS_KEY_S1=%E5%85%AC%E5%A8%BC%E5%88%B6%E5%BA%A6&IS_LGC_S32=&IS_TAG_S32=&

 内務省はここであげたような法的・行政的枠組みが用意されているので、「公娼制度は人身売買による奴隷制度ではない」と主張しています。そういうものとしてこの史料を読まなければいけません。
 そして、この「公娼制度≠人身売買」いう内務省の主張は、ただちに眞杉論文の内容とつながります。なぜなら、眞杉論文とは、娼妓解放令と公娼制度という矛盾しかねない両者を両立させるために、内務省と裁判所がどのような法的・行政的枠組みを措置したのかを分析するところに主眼がおかれているからです。
 よって、C問題は、たんに「公娼制度に関する件」の史料解釈にとどまらず、眞杉論文の正しい解釈とは何かという問題にまで発展させてはじめて意味をもつことになります。

 他にも付随的な問題はありますが、本質的に重要なのは上の三つです。当面はB問題が主戦場となり、その関連で、必然的にC問題にふれることになるはずです。そしてそれが一段落つけば、A問題に戻ることになるでしょう。いずれにせよ、実は学術的にも重要な問題であり、興味深い問題ばかりです。長期の議論になることは避けられませんが、少しづつでも進めていきたいと思います。

nagaikazunagaikazu 2014/10/08 00:35 ジョンお姉さん 2014/10/07 04:28

>これ、永井ちゃんの論文だよね。
「当時の法解釈の多数派によれば民法90条にいう公序良俗に反する契約」と「当時の感覚からはとりたてて違法あるいは非道とは言い難い」って完全に矛盾しているよね。


 ジョンお姉さんの戦法からすれば、いずれその点をもちだしてくるだろうとは予想してましたが、思ったより早かった。
 私はその論文の19頁(ジョンお姉さんが引用した部分の前の頁)に、大内の契約条件を全文引用したうえで、次のように書いています。
「このような条件でなされる娼妓稼業契約は「身売り」とよばれ、これが人身売買として認定されておれば、大内の行為は「帝国外ニ移送スル目的ヲ以テ人ヲ売買」するものにほかならず、刑法第226条の人身売買罪に該当する。しかし、当時の法解釈では、このような条件での娼妓契約は「公序良俗」に違反する民法上無効な契約とはされても、刑法上の犯罪を構成する「人身売買」とはみなされなかった。」

 ですからすでにこの論文において、この契約が当時の法解釈でも「「公序良俗」に違反する民法上無効な契約」にあたるとの判断を示しています。この論文のURLは、http://nagaikazu.la.coocan.jp/works/iansho.pdf

 では、なぜ「この大内の活動は当時の感覚からはとりたてて「違法」あるいは「非道」 とは言い難い。」と矛盾するような表現になったのか。
 それは、この論文の前の方で、いわゆる「よい関与」論者の主張をいくつか引用しており、それと関連させてあるからこういう表現になるのです。「」でくくってあるのはそのためです。その部分を引用します。

「いっぽう、これに対立する小林よしのりは、この通牒をもって「内地で誘拐まがいの募集をする業者がいるから注意せよという(よい)「関与」を示すものだ」、「これは違法な徴募を止めさせるものだ」5)、「「内地で軍の名前を騙って非常に無理な募集をしている者がおるから、これを取り締まれ」というふうに書いてあるわけです」6)と、いわゆる「よい関与論」を唱え、同様の主張が高橋史朗(「悪質な業者が不統制に募集し「強制連行」しないよう軍が関与していたことを示している」7)や藤岡信勝によってもなされた。」2頁

 「よい関与」論者は、副官通牒の解釈の前提として、「誘拐まがいの募集」「違法な徴募」「非常に無理な募集」「悪質な業者による「強制連行」」が実際におこなわれていたとして、そのうえでそういう「強制連行」や「強制徴募」を禁止するために出されたのがこの副官通牒であると論じていたわけです。ところが、実際に警察からマークされた大内の募集活動をみてみると、この上に書いたような「誘拐まがいの募集」「違法な徴募」「非常に無理な募集」「悪質な業者による「強制連行」」とはとてもいえないものです。ジョンお姉さんの意見にしがえば、年齢条件をのぞけば、まったく合法的な契約であり、募集だったわけです。だとすると、「よい関与」論者の前提そのものがくずれるわけですから、「よい関与」論も成り立たないというのが、私のこの論文の主旨です。その文脈で大内の募集活動を「当時の感覚からはとりたてて「違法」あるいは「非道」 とは言い難い」と評したのです。

 論文全体の論旨を理解しないで、言葉尻だけにこだわると、こういうことになります。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/08 03:42 さて、論点をしていただき感謝。では早速、サクッと行きましょうか。なに、簡単な質問です。

【その1】:大内某の取り調べに関する件

(1) 群馬県警、山形県警から内務省警保安局長への報告で「公序良俗に反する」と表現されているのは、大内某の契約が「年期期間で前借金の完済を求め、途中で廃業する場合は一括して返済を行う契約を示すもの」であるのか、婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約第五条「千九百十年ノ條約ノ最終議定書(ロ)項ノ「滿二十歳」ナル語ハ之ヲ「滿二十一歳ニ改ムヘシ」に抵触する懸念を示すもののいずれか

(2) 前者と主張する場合、「報告書別紙「条件」中、「十六歳以上」部分に引かれた傍線(群馬県警)」「一般婦女身売り防止の精神にも反するもの(山形県警)」という表現と、それを受けた「婦女売買ニ関スル国際条約ノ趣旨ニモ悖ルコト無キヲ保シ難キ(内務省警保局)」という解釈及び警保局が婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約の第五条に定める「満二十一歳以上」を渡航のための身分証明書発行の承認条件としている事が一貫性を持つことをどう説明するのか。

解り易く言うと、大内の件に関しては、「公序良俗に反する」だの「公序良俗に反し、一般婦女身売り禁止の精神に反する」だのってのは、どう見ても「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」を考慮した話なんじゃねえの?という話。


【その2】:1890年 名古屋始審裁判所 第00047号「娼妓廃業届書面ニ捺印請求ノ訴訟」判決について

(1)「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザルモ負債ヲ償却セザル以上ハ娼妓廃業届書面ニ捺印セズ即原告[ 甲 ]ノ意思ニ反シ娼妓営業ノ実行ヲ望ミ(中略)人身ヲ書入トナスモノニテ(中略)被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」とある大審院判決において「同証第一条ノ明文ニ依ルモ原告人ハ負債ヲ償却セサル限リハ廃業セストノ任意契約」とする契約を「契約そのものが公序良俗に反し無効」としているか「契約そのものは有効」としているか。

(2) 前者「契約そのものが公序良俗に反し無効」と主張する場合、判決に見られる「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザル」をどう説明するのか。

(3) 前者「契約そのものが公序良俗に反し無効」と主張する場合、「娼妓営業は法令に於て明かに公認せられ居る事項なるを以て苟くも法規に定めたる場所及び条件に従ひ営業するは法律上他の職業に従事するものと同視せざるを得ず故に娼妓が債権者に対し出稼営業の所得金を以て借金の弁済に供すべき契約は毫も公の秩序若くは善良なる風俗に反するものにあらず」とする『大審院民法判例要録』に見られる大審院判例との整合をどう説明するのか。


解り易く言うと、この判決は「契約書に基づいて返済するのは合法であり、その契約書どおりに年期をもって債務を返済する事にはなんら問題はないが、娼妓には自由廃業が認められているので、廃業を言い出した場合は廃業を認め、契約不履行については示談或いは契約不履行の損害賠償請求訴訟をすりなり、売春の強要以外の手段で行うべき」って話じゃないのかという、判決を普通に読めよ、という話。


【その3】:大内某に関連する一連の取り調べ及び内務省の対応及び1890年 名古屋始審裁判所 第00047号判決をもって、「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を内容する条項を含んだ契約が結ばれていることを前提にしている(つまり民法で公序良俗に反し無効とされる人身売買契約を容認している)nagaikazu 2014/05/27 23:06」とする論理は成立するか。

解り易く言うと、大内の件が条約の規定をクリアすれば内務省的にオッケーで、名古屋始審の判決が「契約そのものは合法」ならば、「前借金を返済するまで娼妓稼業を行う」契約って合法なんじゃねえの?というシンプルなお話。

【その4】:「その3」が成立しない場合、「マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。(nagaikazu 2014/05/28 22:10)」という立論は成立するか。




【もう一度読んでみた】「陸軍慰安所の創設と慰安婦募集に関する一考察」においても、大内の「前借金の返済まで酌婦稼業をする契約が公序良俗に反するもの」だと記述しているとの主張について

警察資料に登場する慰安婦募集活動は、いずれもこの田辺事件と大同小異のものばかりであって、詐欺や拉致・拐取は一例もない。明らかに違法なのは、大内の示した契約条件の年齢条項だけである。しかし、未成年の女性を実際に勧誘した事実は警察報告からは読みとれない。
現存する警察資料が明らかにしている事実関係からすれば、この有名な副官通牒が出された際に、現実に問題となった誘拐行為は、じつは慰安所そのものが軍の施設であるならば、当然合法とみなされるべきたぐいのものにすぎなかったのである。P22

軍が売春施設と類似の慰安所を開設し、そこで働く女性を募集しているとなどという話はそもそも公秩良俗に反し、まともに考えれば、とても信じられるものではない。ましてそれを公然とふれまわるにいたっては、皇軍の名誉を著しく傷つけるにもほどがあると、そう群馬県警察は解した。P23



大内の契約内容ではなく、軍が慰安所を設置するなどという話が問題なのだと書いているように読めるのだが?(笑い)



【史料の読み方に関する教養課程レベルの注意】最後に、「ナメた史料の出し方をしないように」というお子様レベルの注意をしておくよ。

「歩兵第7旅団にも留守部のスタッフがいたのでしょう。なお,この件は大阪府警察部幹部と中野等の話合いで出た件ですので,嘘ならすぐバレます。」 (nagaikazu 2014/10/03 17:56)

「大阪旅団」を「歩兵第七旅団」と言ったことも問題だが、それ以上に問題なのは、「同両人ノ申立ニ依レバ」(この2名の供述によれば)、「引率シ行クト称シ」(引率していくと言っており)とあくまで供述内容の記載であるにも関わらず、あたかも「軍人が慰安婦を引率しての上海への渡航が警察によって確認された事実」であるかの如く記述するペテン師的手法には厳に注意をしておくよ。自説を補強するための、こういうみっともないマネはやめることをお勧めしておくよ。( ´H`)y-~~プハー

一応原文な。


「醜業婦渡支ニ関スル経緯」
一、同両人ノ申立ニ依レバ大阪旅団勤務ノ沖中佐ト永田大尉トガ引率シ行クト称シ最少限五百名ノ醜業婦ヲ募集セントスルモノナルガ周旋業ノ許可ナク且年末年始ノ休暇中ナルガ枉ゲテ渡支ノ手続ヲセラレ度キ旨ノ申述アリ



ま、なんでも良いから【1〜4の質問】にサクッと回答よろしく。
自分で調査研究した内容、しかも全て既出の史料に関する質問に対して、回答に長期間を要するなんて事は通常あり得ない話だと思っているからね。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/08 05:53 ああ、永井クン。
これも指摘しておく。

「なお,眞杉論文p.255にも,「7年6ヶ月の年期を定めて(中略)所謂前借金として本訴金350円及300円の金員を同人より借用すると同時に右の期間無事に稼業を終れば収入の多寡に拘らず前借金全部消滅すべき」とし,また途中廃業の際の罰金を規定していた娼妓稼業契約(大内の契約と基本的には同じような性格のものと解されます)が,所轄の警察署長から「法律上年期契約には許可を与えられない」として,契約の表面上は法律に違反しないように,揚高を貸席業者と娼妓の間で配分して,そこから債務を返済する方式の契約に変更したとの記載がみられます。」(nagaikazu 2014/10/03 17:50)


あー、永井クンが揚高を貸席業者と娼妓の間で配分して,そこから債務を返済する方式の契約(甲)が当時の法に照らして問題ないと警察が解釈しており、当該貸座敷業者の契約(乙)と大内の契約(丙)が同一でありそれに反すると主張するのであれば、馬來軍政監部の契約(丁)は「芸妓酌婦雇傭契約規則」第1条1(イ)項において、揚高を雇主と稼業婦の間で配分することを規定し、第4条において稼業婦の配当所得をもってする前借金の返済を明示しますねえ。

ということは、(甲)≠(乙)(丙)であり、(甲)=(丁)だとすると・・・あれ(丁)≠(乙)(丙)だよねえ・・。

大内の「違法な」契約と馬來軍政監部の契約内容って違くね?しかも馬來軍政監部の契約内容って、警察お墨付きの合法性ってことにならね?(大笑い

nagaikazunagaikazu 2014/10/08 19:43  B-1問題すなわち
「B-1:「大内の契約書」が当時の日本の法規範及び公娼規則の水準からみて民法90条にいう「公序良俗に反する無効な契約であるかどうか」という問題を論じるにあたり,当時の民法学がこの問題に対してどう考えていたのかを確認しておきましょう。
 当時の裁判所の判例すべてにあたることなど,われわれにはとうていできませんから,こういった問題について専門家である民法学者の意見をきくことは,しごく適当な方法といえます。

 登場いただくのは,日本を代表する民法学者我妻栄です。眞杉論文の注40でも言及されている民事判例研究「娼妓契約の効力」(『法学協会雑誌』47巻10号,1929年))で,我妻は次のように指摘しています。

「元来芸娼妓契約の効力に関しては判例は興味ある変遷を示し,最初はこれを全部無効となし,次いで明治三十四年頃からこれを有効となし,更に三十七年頃から再びこれを無効とするようになって現在に至って居る。唯現在に於ては芸娼妓契約を全部無効とすべきか,稼業を為さしむる部分のみを無効となし,金銭貸借の部分はこれを有効となすべきかが微妙な問題として残されているだけである。」

 判例は芸娼妓稼業契約について全部無効→有効→全部無効または一部無効と変遷してきており,彼がこの文章を書いた1928年末の時点では,全部無効とするか,一部稼業をさせる契約の部分のみ無効(金銭貸借の部分は有効)とするかでわかれていると言っています。つまり1928年の時点では,娼妓稼業契約は無効とする判例が一般的だったわけです。

 眞杉論文のp.247の判例4は,以下のように述べて「娼妓稼業の収益を債務弁済に充てる事は有効」という判断を下したものとして有名ですが,明治35年2月の大審院判決であり,我妻のいう「有効」時代の代表例といえます。

 「娼妓営業は正経の職業に非さることは固より論を待たすと雖も既に公認せられ居るを以て苟も法規に定めたる場所及び条件に従ひ営業するは法律上他の職業に従事するものと同視せさるを得す。故に債務者たる娼妓か債権者に対して自己営業より生する収益を以て其債務の弁済に供すへきことを約するも毫も公の秩序若くは善良なる風俗に反する所なし」(眞杉論文の引用では途中に文章の欠落があります)

 ジョンお姉さんは,この「有効」時代の判例の論理を以て「大内の契約書」を「公序良俗に反しない有効な契約」と論じているわけです。それは,民法学の通説をくつがえす見解と言えましょう。

 我妻は,上記の判例研究で,この明治35年の判決を「古い一判決」とよび,「最近の判例にはこれと両立せざる傾向を示すものがある」として,この「古い判決」に依拠して娼妓稼業契約を有効とした昭和3年2月6日の大審院判決(眞杉論文の判例5,なお,この判決は民事部ではなくて刑事部)を「従来の判例を全然無視するものであって,到底是認し得ないものである」と批判しています。
 さらに続けて,「芸娼妓の自由を保護する為に芸娼妓契約を,少なくともその自由を拘束し稼業をなすことを請求する部分に於て,これを無効とすべきことは明かであって,これを無効とすることと,芸娼妓営業が許されたる営業なることは矛盾するものではない」とも述べています。
 当時の民法学からしても,「芸娼妓契約を,少なくともその自由を拘束し稼業をなすことを請求する部分に於て,これを無効とすべきことは明かであった」のです。

 今回はこれまでとして,次回では我妻の別の論文によりつつ,再び芸娼妓稼業契約が無効とされるにいたった時期の判例を紹介し,具体的に娼妓稼業契約のどの部分が「自由を拘束」するものとされたかを検討することにします。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/09 03:48 あー永井クンね、論文を紹介する時、「日本を代表する学者」とか、披露宴のお世辞みたいな修辞で権威付けを図らなくていいから。「権威」とか「肩書き」とか、そういうもの、学問上何クソほどの価値もない。むしろ虚心坦懐にものを見る目を濁らせようとするやり方だよね。


さて、さっそくの疑義。「更に三十七年頃から再びこれを無効とするようになって現在に至って居る。唯現在に於ては芸娼妓契約を全部無効とすべきか,稼業を為さしむる部分のみを無効となし,金銭貸借の部分はこれを有効となすべきかが微妙な問題として残されているだけである。」我妻

ふーん。明治37年以降は「娼妓稼業契約」は無効で「金銭貸借のみ有効かどうかビミョー」ねえ・・・。
そこで、大正15(1926)年の印紙税法第1条該当証書名(アジ A08071903700)
三 消費貸借証書 ニ 金銭貸借及娼妓稼業契約証書
画像 http://p.twpl.jp/show/orig/B68IH

あるぇ?大蔵省が違法で公序良俗に反する無効な行為から印紙税収を得ているぞ?

不思議だなあ。もしかしたら、有効な契約なんじゃね?

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/09 04:52 ああ、法律上は「有効」という言い方には語弊があるか。
民法上の「無効」って、法律上の効力を認めないってだけで、法的に禁止してるわけじゃないんだよね。

前借金も、稼業契約をするのも勝手。両者トラブルなく履行する範囲においては無問題。「一方に履行の意思が無くなった場合、その契約に効力はなく、その履行を求める事ができない」というだけの話。

つまり、稼業契約無効の判決というのは、契約に基づく行為を雇主が要求した場合、娼妓の意思に反してその履行を求めうるか否か、という話でしかなく、トラブルのあったケース以外にそれを適用して、トラブルの起きていない他の類似の契約内容そのものを取り締まるとか排除するという話じゃないんだよね、というお話。
解り易くいうと、「毎月借金を1000円返済する」という(有効)な契約に対して、債権者からなされた「今月から2000円払え」という一方的な要求(無効)に対し、一方が抗議し無効と認められた事をもって、同じ条件で双方合意の下に2000円払っている例を禁止したり取り締まったりする必要もなく、また後者を容認することも別段問題ねえよね、ということ。

故に、「契約の無効」たりえるのは、雇主と娼妓の「合意」が崩れた場合、どのように判断するかという問題。故に、「違法性」を指摘するならば、娼妓あるいは慰安婦の廃業の意思が示される事が最低の要件となるよね。( ´H`)y-~~

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/09 05:57 『「古い判決」に依拠して娼妓稼業契約を有効とした昭和3年2月6日の大審院判決(眞杉論文の判例5,なお,この判決は民事部ではなくて刑事部)を「従来の判例を全然無視するものであって,到底是認し得ないものである」と批判しています。』

で?我妻が批判したら大審院判決がひっくり返るの?
ひっくり返らないよね。確定しているのだから。
我妻って法律の解釈に対していつから大審院より上位に立ったの?それって、プロ野球みてるオヤジが「なにやってんだよ!俺ならこうするぜ!」って言ってるのと何か違うの?(ゲラゲラ

むしろ、我妻の持論に反する大審院判決が下されたというのは、我妻の解釈の錯誤を示すものなんじゃないのかなあw

というわけで、学者の持論をもって大審院判決を覆そうってのはムリじゃないかなあ。(大笑い

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/09 19:57 というわけで、我妻の主張は「同時代に大審院で確定した判断」を覆すものではなく、行政機関及び軍が裁判の判例より学者の持論を優先させる政策を採る必要性も妥当性も合法性もありません。つまり、「裁判の判決に対して我妻個人がどのような見解を持とうが知ったこっちゃねえよ」という当たり前の話で、議論に何の影響もないのでこれ以上我妻の負け惜しみなんか要りません。

てなことで、はよ回答よろしく。

【その1】:大内某の取り調べに関する件

(1) 群馬県警、山形県警から内務省警保安局長への報告で「公序良俗に反する」と表現されているのは、大内某の契約が「年期期間で前借金の完済を求め、途中で廃業する場合は一括して返済を行う契約を示すもの」であるのか、婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約第五条「千九百十年ノ條約ノ最終議定書(ロ)項ノ「滿二十歳」ナル語ハ之ヲ「滿二十一歳ニ改ムヘシ」に抵触する懸念を示すもののいずれか

(2) 前者と主張する場合、「報告書別紙「条件」中、「十六歳以上」部分に引かれた傍線(群馬県警)」「一般婦女身売り防止の精神にも反するもの(山形県警)」という表現と、それを受けた「婦女売買ニ関スル国際条約ノ趣旨ニモ悖ルコト無キヲ保シ難キ(内務省警保局)」という解釈及び警保局が婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約の第五条に定める「満二十一歳以上」を渡航のための身分証明書発行の承認条件としている事が一貫性を持つことをどう説明するのか。


【その2】:1890年 名古屋始審裁判所 第00047号「娼妓廃業届書面ニ捺印請求ノ訴訟」判決について

(1)「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザルモ負債ヲ償却セザル以上ハ娼妓廃業届書面ニ捺印セズ即原告[ 甲 ]ノ意思ニ反シ娼妓営業ノ実行ヲ望ミ(中略)人身ヲ書入トナスモノニテ(中略)被告人ノ抗弁ハ採用シ難キ」とある大審院判決において「同証第一条ノ明文ニ依ルモ原告人ハ負債ヲ償却セサル限リハ廃業セストノ任意契約」とする契約を「契約そのものが公序良俗に反し無効」としているか「契約そのものは有効」としているか。

(2) 前者「契約そのものが公序良俗に反し無効」と主張する場合、判決に見られる「返済義務終ル迄娼妓出稼ノ約相整双方契約スル条々(中略)無効ノモノニアラザル」をどう説明するのか。

(3) 前者「契約そのものが公序良俗に反し無効」と主張する場合、「娼妓営業は法令に於て明かに公認せられ居る事項なるを以て苟くも法規に定めたる場所及び条件に従ひ営業するは法律上他の職業に従事するものと同視せざるを得ず故に娼妓が債権者に対し出稼営業の所得金を以て借金の弁済に供すべき契約は毫も公の秩序若くは善良なる風俗に反するものにあらず」とする『大審院民法判例要録』に見られる大審院判例との整合をどう説明するのか。


【その3】:大内某に関連する一連の取り調べ及び内務省の対応及び1890年 名古屋始審裁判所 第00047号判決をもって、「前借金を返済するまで所定の期間慰安所で娼妓稼業をすること」を内容する条項を含んだ契約が結ばれていることを前提にしている(つまり民法で公序良俗に反し無効とされる人身売買契約を容認している)nagaikazu 2014/05/27 23:06」とする論理は成立するか。


【その4】:「その3」が成立しない場合、「マレー軍政監部はこういう契約(上毛三山さんのお相手の言葉を使えば、「前借金の全額返済を廃業の条件とする違法な」契約)が結ばれていることを知っていて、それを容認していたわけです。(nagaikazu 2014/05/28 22:10)」という立論は成立するか。

【その5】:「なお,眞杉論文p.255にも,「7年6ヶ月の年期を定めて(中略)所謂前借金として本訴金350円及300円の金員を同人より借用すると同時に右の期間無事に稼業を終れば収入の多寡に拘らず前借金全部消滅すべき」とし,また途中廃業の際の罰金を規定していた娼妓稼業契約(大内の契約と基本的には同じような性格のものと解されます)が,所轄の警察署長から「法律上年期契約には許可を与えられない」として,契約の表面上は法律に違反しないように,揚高を貸席業者と娼妓の間で配分して,そこから債務を返済する方式の契約に変更したとの記載がみられます。」(nagaikazu 2014/10/03 17:50)


あー、永井クンが揚高を貸席業者と娼妓の間で配分して,そこから債務を返済する方式の契約(甲)が当時の法に照らして問題ないと警察が解釈しており、当該貸座敷業者の契約(乙)と大内の契約(丙)が同一でありそれに反すると主張するのであれば、馬來軍政監部の契約(丁)は「芸妓酌婦雇傭契約規則」第1条1(イ)項において、揚高を雇主と稼業婦の間で配分することを規定し、第4条において稼業婦の配当所得をもってする前借金の返済を明示している。

以上から、(甲)≠(乙)(丙)であり、(甲)=(丁)となり、(丁)≠(乙)(丙)となる。

永井クンの主張に従う限り大内の「違法な」契約と馬來軍政監部の契約内容は異質であり、かつ大内の契約書に見られる「違法性」が排除されている事になる。しかもこれは警察の承認を受けた内容に沿う契約となる。

以上、永井クン自身が提示した史料及び永井クン自身の史料解釈で「大内の契約書」≒「マレー軍政監部管轄地域慰安所の契約書」という主張は成立するか?


これに答えればいいだけの簡単なお仕事です。

nagaikazunagaikazu 2014/10/10 02:02 ジョンお姉さん

 学問を舐めないほうがいい。当時の我妻栄は裁判官ではなくて東京帝国大学法学部教授だが、民法学の専門家であり、紹介したように『法学協会雑誌』という学術雑誌で判例研究をおこなっていた。大審院の判例をとりあげて、それが法律の解釈、適用等において妥当か否かを検証するのは、法学者である彼の使命の一つでもある。それらの研究は学説として固まり、我妻の教えを受けて法曹となった者はもちろん、現役の裁判官にも大きな影響を与えた。野球で言えば、彼はプロのコーチであって、「プロ野球みてるオヤジが「なにやってんだよ!俺ならこうするぜ!」って言ってるのと」は全然違う。
 民法90条の「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為」が具体的に何を意味するのかを検討するにあたって、我妻の業績を無視することはできない。当然、「裁判の判決に対して我妻個人がどのような見解を持とうが知ったこっちゃねえよ」というような態度を取る人間は、自ら失格を宣言しているようなもので、学問的な議論をめざす者からは相手にされない。

 さて、B-1問題にもどりましょう。我妻栄によれば芸娼妓契約の効力に関する大審院判例は1928年までに三段階(無効→有効→無効)の推移があったわけですが、大内の契約書に時期的には一番近い第3段階の判例を紹介するまえに、第一段階の判例にふれておきます。眞杉論文の判例1にあたる明治29年3月11日の大審院判決「娼妓廃業届調印請求ノ件」(大審院民事判決録2輯第3巻)です。
 この訴訟は第一審が函館地方裁判所、第二審が函館控訴院。大審院への上告人は貸席業者(抱主)、被上告人は娼妓です。債務完済前の廃業を求める娼妓に対して、抱主が契約違反であるとして廃業届に調印しなかっため訴訟となり、控訴院では抱主に対し債務完済前の廃業(自由廃業)を認めるようにとの判決をくだした。その判決に不服な抱主が原判決の破棄を求めて、大審院に上告したのでした。
 大審院の判決は上告棄却で、抱主側の敗訴となります。大審院の判決の要旨は
「一、身体の拘束を目的とする契約は自由契約の範囲外たるを以て当然無効なり
 一、娼妓が貸座敷業者に対し一定の年期中労務に服するとの契約は法律上無効なり」
というもので、その参照準拠として、明治5年太政官布告第295条すなわち芸娼妓解放令があげられています。

 上告者=抱主の主張はだいたい以下のとおりでした。

1.娼妓稼業契約は娼妓の自由意志で合意締結された抱主との間の労力契約であるから、娼妓は当然その契約による拘束をうけるものであり、自由に廃業できるとする第二審の判決は不当である。
2.原判決は北海道庁が定めた貸座敷取締規則は娼妓の自由廃業を認めているとしているが、そうではない。
3.原判決は娼妓が慢性的疾患を有するので、廃業の権利ありとしているが、慢性疾患でも娼妓稼業を続けることは可能であり、廃業の理由とはならない。
4.娼妓がその営業の収益をもって抱主に対する借金を返済する契約をかわしており、しかも娼妓がまだその債務をすべて返済していないことを、控訴院は認めていながら、原判決でこのような契約は人の自由行為を束縛するものであるから法理上無効であるとしたのは不当である。

 これらの抱主側の主張を斥けた大審院の主張をまとめると次のようになります。

1に対しては、自由意志の合意により結ばれたものでも、それが身体の拘束を目的とするような契約であるなら、各人の自由の範囲外とみなされるべきであり、娼妓と抱主の契約が労力契約であり、一定の年季中本人の意思如何に関わらず、必ずその労務(つまり娼妓稼業)に服すべきことを契約したものであるならば、
それは娼妓が自らの身体の自由を抱主に譲り渡したことになるので、娼妓解放令の趣旨に基づいて、無効の契約といわざるをえない。
2に対しては、抱主に主張は上告の理由とならない。
3と4についても、すでに1への反論で、これらの反論となっているので、いずれも上告の理由とはならない。

 明治29年の時点で、大審院は、娼妓が貸座敷業者のもとで一定期間売春に従事し、その収益から前借金を返済するという契約は、娼妓の身体を拘束することを目的とするものであるから無効であり、前借金の返済が済んでいないことを理由に、廃業を認めないとする抱主の主張には法的根拠がないとしたのでした。

 この頃の大審院は、娼妓がその稼業からの収益で、前借金を返済することは合法であるとの立場をまだとっていなかったことがわかります。
 
 長くなったので、今回はここまで。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/10 11:24 一心不乱の演説ご苦労。

基本的な事が分かってないみたいだから、もう一回言う。
中学公民からやりなおせ。日本国の司法権は我妻なんぞに有るんじゃなくて、裁判所にあるんだわ。
我妻が泣こうが喚こうか、1928年判例は、1929年に我妻が論文を書いた時点で「最新レベルの司法の判断」であり、この確定した判決に対して我妻如きが泣こうが喚こうが、大審院の判決というのは、当時の日本における法律の最終的な判断なの。
これが国家のシステムなの。昔も今も。
吾妻がやってるのは最高裁で敗訴して「日本の司法は死んだ」とか喚いてるおっさんと何一つ変わらないの。判決を変えられないの。おわかり?
「大審院で最終的な判決がでており、当時の法に照らして、当該裁判で示された契約は有効であることが示されている。」という史実を一切変更するものだはない。


そして、永井クン、君な。
近代法治国家のルールを無視して「違法性」を論じようとするって、学問以前に社会人としてどうかと思うよお?(大笑い

というわけで、確定した判決に対する外野の解説なんか、要らねえの。さっさと質問への回答よろしく。

ApemanApeman 2014/10/11 11:18 さて、無意味な前提に立脚した無駄なコメントをこれ以上放置しておいてもそれこそ無意味なので、1つずつ片付けていくことにしましょう。

>2.マレーの雇傭契約における「無借金の慰安婦の存在は「前借金による拘束」を根本から揺るがす存在」という主張に反駁しておきましたが、それに対する返答がありません。反駁できないのであれば、誤りをみとめて撤回してください。
(http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140514/p1#c1412181628)

これは先に私も指摘しておいた点なのに、いまだにスルーしている。これについて明確な答えを出さないかぎり、以後ジョンお姉さんのコメントは全部削除するので。
ちなみに、
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20140927/p1#c
にコメントしていたジョンお姉さんシンパの一人は、この点についての見解を問いただしたら逃げ出しちゃったよ。

ジョンお姉さんジョンお姉さん 2014/10/11 15:44 >Apeman
永井クンが危なくなるとたびたびの介入ご苦労(大笑い
ああ、削除でもなんでも良いけど、1:1のタイマン張ってる中に第三者が割り込んできて、片方の手足を押さえるような事をするってのは、どうかと思うよぉ(ゲラゲラ

いい?ぼうや何度でもいうよ。
「『前借金を持つ者については』同様の契約であると推定する。」という前提条件を事前に噛ませているなら可であるが、前提なしで「上海派遣軍内慰安所の契約内容」と「マレー軍政監部の契約内容」は概ね同じものとするのは誤りであり不可である。




で、その「推定」さえ永井クンは自分でぶっ壊した後なんだけどね( ´H`)y-~~

1 前 提
「7年6ヶ月の年期を定めて(中略)所謂前借金として本訴金350円及300円の金員を同人より借用すると同時に右の期間無事に稼業を終れば収入の多寡に拘らず前借金全部消滅すべき」とし,また途中廃業の際の罰金を規定していた娼妓稼業契約(大内の契約と基本的には同じような性格のものと解されます)が,所轄の警察署長から「法律上年期契約には許可を与えられない」として,契約の表面上は法律に違反しないように,揚高を貸席業者と娼妓の間で配分して,そこから債務を返済する方式の契約に変更したとの記載がみられます。つまり,当時(1920年頃とされています)の警察は,こういう「身体で支払う」契約は「違法」と認識していたわけです。

これが永井クンのいう「大内の契約の違法性」
整理すると、「年期契約をし、揚高から直接返済を引き抜く契約は違法」だが、年期契約と債務を分離し、「年期契約」中も娼妓の配当を支給し、その中から前借金を返済する契約にすれば警察も認める合法な契約となる。

2 マレー軍政監部管轄地域の契約

永井クンは、「マレー軍政監部の規則は、あくまで軍政組織のみに適用される部内限りの法令である」「軍の慰安所は兵站施設(軍令により統制)」という見解なので、その見解に従えば民間業者たる慰安所経営者は、軍政組織ではなく初歩に関する軍規を適用して軍の指揮官の権限により軍と行動する「出入り業者」という位置づけになり、軍政監部の指揮監督の及ぶ範囲から外れる。その前提においては、マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容を再現する事は不可能となるが、お姉さんは「この規定はマレー軍政監部の支配地域においては全ての業者にも適用される」ものみなしているので、マレー軍政監部の制定した「藝妓酌婦雇用契約規則」を準拠として契約の骨子を再現してみようかなー。

永井クンが揚高を貸席業者と娼妓の間で配分して,そこから債務を返済する方式の契約(甲)が当時の法に照らして問題ないと警察が解釈しており、当該貸座敷業者の契約(乙)と大内の契約(丙)が同一でありそれに反すると主張するのであれば、馬來軍政監部の契約(丁)は「芸妓酌婦雇傭契約規則」第1条1(イ)項において、揚高を雇主と稼業婦の間で配分することを規定し、第4条において稼業婦の配当所得をもってする前借金の返済を明示している。

以上から、(甲)≠(乙)(丙)であり、(甲)=(丁)となり、(丁)≠(乙)(丙)となる。

永井クンの主張に従う限り大内の「違法な」契約と馬來軍政監部の契約内容は異質であり、かつ大内の契約書に見られる「違法性」が排除されている事になる。しかもこれは警察の承認を受けた内容に沿う契約となる。


永井クンの主張する「違法性」の定義に基づき、マレー軍政監部管轄地域内慰安所の契約内容は、前借金の処理について大内の契約内容とは異なる、警察に違法性を指摘される性質を排除されたものとなる。さらに、マレー軍政監部の定義では、無借金の者も存在し、その契約内容は根本的に大内の契約内容と異なることは自明である。



お姉さん的には、「年期制」と「前借金」を同時に有する契約それ自体は、同時代的に合法であり、雇主が不当な利益を得たり、債務の存在を理由に廃業を妨害する事が同時代的な民法第90条と違法という立場なので、大内の契約も契約内容そのものは、本人の意思確認、親族の同意、債務返済の要領に関する同意があれば合法であり、違法性があるのは募集年齢が16歳以上という旧取締規則に基づく年齢になっていることだけという見解ね。(あはん

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