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講義概要
2014/10/11 現在

科目基礎情報
授業科目名 数学の哲学
英文授業科目名 Philosophy of Mathematics
開講年度 2014年度 開講年次 3/4
開講学期 前学期 開講コース・課程 情報理工学部
授業の方法 講義 単位数 2
科目区分 総合文化科目
開講学科・専攻 情報理工学部
担当教員名 武笠 行雄
居室 東1-804
公開E-Mail mukasa@bunka.uec.ac.jp
授業関連Webページ なし
更新日 2014/02/19 15:23:20 更新状況 公開中
講義情報
主題および
達成目標
(a) 主題:19世紀末にカントールの素朴集合論の中に見出された矛盾(パラドクス)とそれに伴う数学の危機(おそらく、数学を使うすべての科学の危機)に対処すべく提案された三種類の解決(ツェルメロ-フレンケルの公理的集合論、ラッセルのタイプ理論、ブラウアーの直観主義数学)を概観し、公理化された数学の無矛盾性を証明しようとするいわゆる「ヒルベルトのプログラム」とその限界を証明したゲーデルの不完全性定理の意味を検討する。



(b) 達成目標:20世紀前半に数学基礎論が到達した地点を歴史的に確認すること。学生       の創意工夫の入る余地は殆どない。



前もって履修
しておくべき科目
論理学(理工系教養科目)
前もって履修しておくこ
とが望ましい科目
なし(数学に親しんでいることが望ましい)
教科書等 教科書:なし。参考資料は講義中に適宜配布します。



参考書:吉田洋一『数学序説』(培風館)
授業内容と
その進め方
(a) 授業内容



 第1回:ガイダンス(実数の連続性と微積分学)



 第2回:Dedekindの実数論1(実数概念の分析)



 第3回:Dedekindの実数論2(有利数直線の切断)



 第4回:Cantorの素朴集合論1(自然数の定義)



 第5回:Cantorの素朴集合論2(自然数無限と実数無限)



 第6回:Russellのパラドクスと数学の危機



 第7回:Russellのタイプ理論



 第8回:Brouwerの直観主義数学と様々な変種



 第9回:公理的集合論ZF(1)



第10回:公理的集合論ZF(2)



第11回:幾何学の公理系の無矛盾性,標準論理の公理系の無矛盾性



第12回:Hilbertのプログラムとメタ数学の構想



第13回:Goedelの不完全性定理と人間の数学の限界(1)



第14回:Goedelの不完全性定理と人間の数学の限界(2)



(b) 授業の進め方:



 配付資料を使いながら数学基礎論の歴史的展開を追い、20世紀の知性が到達した地点を知識内容として確保する。
授業時間外の学習
(予習・復習等)
各自で工夫して下さい。
成績評価方法
および評価基準
(最低達成基準を含む)
(a) 評価方法:



 期末試験 1100%







(b) 評価基準:



 最低達成基準:講義で取り上げた数学基礎論の歴史的諸問題とその意味について簡単に        説明できることとする。



オフィスアワー:
授業相談
適宜相談に応じるが、メイルで事前に予約を取ること。



学生へのメッセージ 数学の限界に関わる諸問題を見ることによって、人間知性の限界に挑んだ人々の苦闘に思いを致して欲しい。
その他 なし。
キーワード Dedekindの切断,Cantorの素朴集合論,Russellのパラドクス,公理的集合論ZF,タイプ理論,直観主義数学,公理系の無矛盾性,メタ数学,Goedelの不完全性定理