その他
PR

コラム:姿を消した金正恩氏、北朝鮮の真意はどこに

2014年 10月 9日 16:36 JST
 
  • Mixiチェック

Paul French

[8日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩第1書記が公の場から姿を消している。最近の動静は一切明らかになっておらず、突然の失跡の理由をめぐりさまざまな憶測が流れているが、平壌では誰もが口を閉ざしている。

正恩氏は9月初めからほとんど姿を見せておらず、北朝鮮メディアからも動静を伝える報道は途絶えている。北朝鮮ウォッチャーにとって正恩氏の動向は欠かせない情報であり、行方が分からなくなったことで、病気説や死亡説、暗殺説やクーデター説などが増えるのは無理からぬことだ。

北朝鮮情勢の分析では、極端なシナリオが描かれがちになる。しかし、米海軍第7艦隊に警戒態勢を取らせたり、韓国の首都ソウルで防空壕を準備したりする前に、少し落ち着いた方が良いだろう。われわれは過去にも似たような状況を見てきた。

軍事クーデターが計画されているという憶測は、長年にわたって浮上しては霧消するのを繰り返してきた。1950年代と60年代には、金日成国家主席(当時)が軍幹部らを粛清する見せしめ裁判がたびたび行われたが、その前には金日成氏自身が姿を見せなくなることもあった。

1960年代後半に金日成氏の行方がしばらくの間分からなくなった時は、中国の紅衛兵らが、軍幹部によって金日成氏は逮捕されたと主張した。その後に北朝鮮軍部では粛清がさらに進んだとされており、紅衛兵は誰よりも内情を知っていたのかもしれない。

1970年前後にも、北朝鮮で静寂が続くと軍事クーデターのうわさがささやかれたが、金日成氏は再び表舞台に登場した。

1992年には旧ソ連で訓練を受けた北朝鮮軍将校らがクーデターを計画したといううわさがあった。1995年には飢饉に見舞われた北東部で、政府に不満を抱いた軍部隊がクーデターを起こすという情報が流れた。1998年には、警察と軍兵士の間で銃撃戦があったと報じられ、平壌での夜間外出禁止令につながった。   続く...

この記事に対する皆さんのコメントをお寄せください

コメント投稿の注意
blog comments powered by Disqus
 

注目の商品

 10月8日、北朝鮮の金正恩第1書記が公の場から姿を消しているが、われわれが目にしているのは、外交問題で正恩氏が側近に権限を移譲しようとしているプロセスなのかもしれない。平壌で2012年4月撮影。朝鮮中央通信提供(2014年 ロイター)

話題の記事

コラム ランキング

(24時間以内のアクセス)

写真

アイドルグループ、嵐のファンにとって悩ましい季節がまたやってきた──。5大ドームツアーのライブチケットの抽選が始まっているからだ。  記事の全文 

外国為替フォーラム