御嶽山:新たに1人発見 剣ケ峰付近で…発生2週間

毎日新聞 2014年10月11日 11時31分(最終更新 10月11日 12時41分)

火山灰や岩に覆われた御嶽山山頂付近で一列になり棒などを使って行方不明者を捜す捜索隊=2014年10月11日午前10時17分、本社ヘリから
火山灰や岩に覆われた御嶽山山頂付近で一列になり棒などを使って行方不明者を捜す捜索隊=2014年10月11日午前10時17分、本社ヘリから

 55人の死亡が確認された御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火で、警察と消防、自衛隊は11日、捜索活動を始め、剣ケ峰付近で新たに1人を発見した。9月27日の発生から2週間が経過したが、長野県災害対策本部は、なお8人が安否不明とみて、これまでで最大の552人を投入した。13日から台風接近に伴う天候悪化が予想されるうえ、例年10月中旬には雪が降り始める。捜索隊関係者は「今日、明日が勝負。一日でも早く家族の元に返してあげたい」と話した。

 11日は、同県側の王滝登山口からの地上部隊計194人と大型輸送ヘリコプターで山頂付近に降りる捜索隊358人、後方支援など612人の計1164人態勢。険しい崖や火口近くなどを除いた約26万平方メートルの「捜索可能エリア」は、10日までに捜索をほぼ終了した。ただ、火山灰が堆積(たいせき)して不明者を見落としている可能性もあるとして、既に捜索した場所をブロックに分けて「ローラー作戦」で再捜索。この日の発見に至った。自衛隊によると、火山灰の表面は乾いているが、中が泥状で、深い場所は膝のあたりまで埋まるという。

 長野地方気象台によると、山頂付近の日中(午前9時〜午後6時)の気温は4〜5度、風速6〜9メートルと予想される。

 また、山谷えり子防災担当相が11日午前、ヘリコプターから捜索現場を視察。王滝村役場にある捜索部隊の指揮所で隊員らを激励し、阿部守一・長野県知事らから説明を受けた。山谷防災相は「学者育成や観測態勢、監視機器の問題が顕在化したと思う。レベルアップを図りたい」と話した。【大平明日香、稲垣衆史、山田麻未】

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