韓国軍内部で兵士の虐待など不祥事が相次いで明らかになり、人権無視の「兵営文化」を改革する必要性が叫ばれている。議論は、現行の徴兵制への批判にも及んでいる。
毎週日曜日、韓国では5世帯に1世帯がリアリティー番組「リアル・メン(真の男)」を夢中になって見ている。これは、人気歌手やコメディアン、俳優を韓国軍に入隊させる番組だ。韓国は、厳密に言えば今も北朝鮮と交戦状態にあり、すべての壮健な男子に少なくとも21カ月の兵役を全うする義務がある。その韓国で、この番組は大人気となっている。
兵役義務のない女性は、この番組が自分たちの息子や兄弟が大人に成長する過程をのぞき見させてくれるという。彼らが目にするのは、厳しい訓練と誇り、兄弟愛だ。
■今年だけで350件以上の虐待
しかし、番組で見られる仲間意識は、徴兵で集められた一部の兵士たちが直面する過酷な現実とは全く異なっている。ここ数カ月の間に、彼らが生活する兵営で発生した暴行や屈辱的行為の強要、言葉による虐待に関する報告が、少しずつ明るみに出ている。
今年8月、ある若い兵士の死亡事件が表面化した。亡くなったユン氏(彼のフルネームは明らかにされていない)を虐待していたとされるのは同輩の徴集兵たちだった。そして、彼ら自身も上官から虐待を受けていた。彼らはユン氏に歯磨き粉を無理やり食べさせたり、刺激物を性器に塗ったり、地面に吐いた唾をなめさせたりしたといわれている。ひとしきり暴行すると、ユン氏に点滴をして意識を回復させ、それからまた殴ったという。
この事件は韓国国民にショックを与えた――2011年や2005年に起きた事件の時と同じだ。11年には、酷いいじめを受けていた兵士が銃を乱射し、4人を死亡させた。また05年にはある兵士が、苦痛を与えた同僚兵士8人を手りゅう弾で殺害した。
05年にはさらに、陸軍のある大尉が、トイレをきれいに使わなかった罰として、200人の徴集兵に大便を無理やり食べさせたことで逮捕されている。今年1月以降、現在までに約350件の虐待事件が、国家人権委員会に持ち込まれている。人権活動家らによれば、報告されずに終わっている例がもっと多く存在しているという。
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