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東京電力と中部電力が火力発電分野の提携で基本合意した。両社折半で新会社…
東京電力と中部電力が火力発電分野の提携で基本合意した。両社折半で新会社をつくり、液化天然ガス(LNG)をはじめとする化石燃料の購入や老朽化した発電所の建て替え、ガス会社などへの卸売り、海外での発電事業などを手がける考えだ。
原発が動かないなかで、発電に占める火力の割合は9割に及ぶ。再生可能エネルギーの普及に時間がかかる以上、当面は火力が主力となる。
燃料のほぼ全量を輸入に頼るため、円安も影響して購入費の膨張が日本経済の足かせになっている。一方で、米国を中心にシェールガスの開発が進み、有力な供給国が増えた。買う側から見れば有利な条件で取引できる機会でもある。
新会社のLNG購入量は4千万トン規模で、世界最大級となる。売り込みが増えて情報が集まり、価格交渉力も高まるだろう。電気料金の上昇を抑える意味で、新会社設立の効果を期待する。
基本合意では、火力発電所の更新と新設も今後の協議事項に含まれた。扱える電力が増えれば、東電も中電も従来の営業エリアを越えて電気を販売しやすくなる。16年には小売り分野も全面自由化されるため、一般家庭を含めて消費者の選択肢が広がることにもなる。
他の電力会社も手をこまぬいているわけにはいかないだろう。今回の提携が刺激となって、硬直的だった日本の電力市場の変化も加速するはずだ。
ただ、新会社の誕生が電力自由化の趣旨を損なう恐れもある。飛び抜けて競争力をもつようになれば、寡占や独占につながることがあるからだ。
電力自由化の本来の目的は、競争によって技術革新や新しいアイデアやサービスが生まれることだ。そのためには、異業種からの新規参入がカギになる。
すでに小売り自由化をにらんで、都市ガスや鉄鋼、商社、通信などの異業種やベンチャー企業、あるいは自治体や市民電力といった新機軸の事業が動き出している。
資本の論理に任せきりにせずに、こうした新しい芽を育てる政策が同時に求められる。
そもそも今回の提携は、自力で発電所の更新ができなくなった東電の再建計画が発端だ。東電、中電の取り組みを機に、消費者の利益にもエネルギー市場全体の改革にもつなげる工夫が不可欠だ。
「一強」を助長することにならないよう、公正取引委員会の役割も含めて政府のかじ取りが問われる。
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