アニメ「WUG」ファン取り込み、地域活性化
仙台市を舞台にしたアニメ「Wake Up,Girls!(ウエークアップ・ガールズ)を地域の活性化に生かす動きが本格化している。テレビ放映終了後も多くのファンが「聖地巡礼」と称し、仙台を訪れる。作品に登場した老舗菓子店のイベント、市中心部でのスタンプラリーのほか、JR仙台駅前に10日開店した書店内には関連グッズを扱う「アンテナショップ」がオープン。関係者は聖地の定着に期待する。
主人公の1人「林田藍里」の実家に設定された青葉区木町通の菓子店「熊谷屋」。1695年創業の仙台駄菓子の老舗に9月14日、首都圏などから来たファン200人が列をつくった。
この日は林田藍里の声を担当する声優の永野愛理さん=仙台市出身=が、店頭でファンに駄菓子セットを販売するイベントを開催。永野さんは「仙台、宮城には全国に知られていない場所がある。アニメを通じて魅力を広めたい」と話した。
東京で声優のイベントに携わったことがある不動産取引・屋根工事「植木」(青葉区)の植木卓郎専務が「地域のために何かできないか」と考え、熊谷屋の熊谷典博社長にイベントを提案した。
植木さんは「ゆくゆくは仙台の街自体に魅力を感じて訪れる人を増やしたい」と意気込む。
熊谷屋の近くにある「喫茶ビジュゥ」も聖地の一つ。イベント当日はキャラクターにちなんだメニューを用意し、2010年の開店以来最高の120人が来店した。及川重人オーナーは「効果は絶大。売り上げも伸びた」と驚く。
青葉区一番町の情報発信拠点「仙台なびっく」は、ファンがアニメゆかりの場所を訪問する動きに着目した。主人公の等身大パネルが設置された中心商店街で、千社札型のシールを集めるウオークラリーを開催中だ。
企画・広報グループの千葉富士男プロデューサーは「貴重な産業として育て、消費拡大につなげたい」と狙いを語る。市の文化施設と連携した取り組みなども検討している。
[Wake Up,Girls!]仙台を拠点にする新人アイドル7人が成長する姿を描き、首都圏や仙台地区では3月まで劇場版とテレビアニメ版で公開された。市地下鉄北四番丁駅周辺を中心に市内の実在の店やスポットが登場する。
2014年10月11日土曜日