Updated: Tokyo  2014/10/11 09:23  |  New York  2014/10/10 20:23  |  London  2014/10/11 01:23
 

IMF副専務理事:物価目標2%達成は順調でも17年か18年

Share Google チェック

  10月10日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事はワシントンで現地時間9日夜、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューに応じ、日銀の物価目標2%について「順調に行っても2017年か18年になってしまう」と述べた。

篠原氏は物価上昇率を2年間で2%にするとの目標について、「2年と言っていた話と、現在のマーケットの思っているところのギャップを整理しておく必要がある」と述べた。

日銀は7日の決定会合で金融政策の維持を決定し、2%物価目標の達成にとって重要な鍵となる予想物価上昇率についても「全体として上昇しているとみられる」との判断を据え置いた。しかし、白井さゆり審議委員が「足元では横ばいになっている指標が多くなっているものの、やや長い目で見れば上昇傾向が続いている」との判断にすべきであるとして反対するなど一枚岩ではなくなっている。

その上、日銀の政策委員会メンバーの大半が近い将来、物価目標の修正が必要になると考えていることが関係者への取材で明らかになっている。

篠原氏は日銀に対し「プラグマティックな形でインフレ期待を高めるようなメッセージの出し方をもうちょっと考えた方がいいと思う」と注文を付けた。「そうしないと、やっぱりできなかったという失望感がどうしてもある程度マーケットに出る。期待を裏切らない形で、できるだけ早めに工夫した方が良い」と付け加えた。

篠原氏は現在の為替相場について、「今はドル高で、円は実効レートでみると安くなっていない」とした上で、「正直言うと円の評価はすごく難しくなっている。ファンダメンタルズからそんなに大きくずれていく感じはしない」と述べた。実効レートでみると円の下落率は「せいぜい2、3%ぐらいだと思う」という。

アベノミクスについては、「賃金の上昇が始まっているが、これが続いていかないとか、成長戦略が思ったほど効果を発揮しないとか、そうなると腰折れを起こすリスクは可能性としてある」とみている。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Brett Miller bmiller30@bloomberg.net淡路毅, 上野英治郎

更新日時: 2014/10/10 16:13 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。