アップル時価総額、アイカーン氏予想では130兆円-未知領域に
10月9日(ブルームバーグ):資産家で物言う投資家として知られるカール・アイカーン氏の米アップルの株価予想が実現すれば、現在世界一の同社の時価総額はアルゼンチンの経済規模を上回り、これまで上場企業が達したことのない高い水準に拡大する。
アイカーン氏は、アップル株が1株203ドルで取引されるべきだと指摘。これは現在の同社株価の2倍の水準で、これに基づく同社の時価総額は1兆2000億ドル(約130兆円)となる。アップル株の過去10年の上昇率は3500%超。同社は2年前、インフレ調整前で米国史上最も時価総額が高い企業となった。
利益に基づくと、アイカーン氏のバリュエーション(株価評価)は普通ではないものの、前例がないわけではない。アップルの株価収益率(PER)をナスダック100指数の平均に合わせると、同社の株価は147ドル、時価総額は8800億ドルとなる。しかし、歴史的にみれば話は別だ。これまで時価総額の1兆ドル超えを経験した企業はペトロチャイナ(中国石油)1社のみ。同社の時価総額は2007年11月の上海上場時点から3倍となったが、1兆ドル超えは1日だけで終わった。
バーナム・アセット・マネジメントのジョン・バーナム氏は、1兆ドル超えは「それほど頻繁に起きるわけではない」とした上で、アップル株は「利益や売上高など、どんな視点から見ても非常に割安な株式だ。私は同社株を保有しており、今後数年間でさらに利益を得られると予想しているため、今回はすべての意見に賛成だ」と述べた。
ブルームバーグのアナリスト調査によると、アップル株は今後1年間で10%上昇すると見込まれており、この予想に基づく時価総額は6690億ドル。現在の時価総額は6099億ドルで、先月は過去最高の6580億ドルに達した。
原題:Icahn Gazes Beyond Known Universe With $1.2 Trillion Apple(1)(抜粋)
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更新日時: 2014/10/10 12:42 JST