ピンク・レディー 「モンスター神話」の真実(1)デビュー時はゲテモノ扱いされ…

20140731i

 今、またピンク・レディーの歌が街に流れている。その歌は誰もが一瞬にして口ずさめるほど、2人が70年代に巻き起こした旋風は巨大なものだった。それほどの「怪物」でありながら、なぜ、不可解な凋落をたどっていったのか‥‥。76年のデビューから81年春の解散までの5年間、どんな真実があったのか──。

 貫泰夫(ぬきやすお)はピンク・レディーがデビューした76年、証券会社を脱サラして芸能プロダクションを作った。貫が社長で、オーナーは中学の同級生であり「最後の総会屋」と言われた小川薫である。

 貫は芸能プロを始めるにあたり、1人の男と接触している。当時「アクト・ワン」という小さなプロダクションを持っていた相馬一比古で、後にピンク・レディーのプロデューサーとして名をはせる男である。

「相馬の会社には浅田美代子と、無名の子が2人。それに日本テレビの『スター誕生!』でスカウトした2人組の女の子がいて、借金も4000万円ほど抱えていたんだ」

 貫は、デビュー前の2人組をたまたま「スタ誕」で見ていた。決戦大会で最優秀賞に輝いた清水由貴子には多くのスカウトの手が上がったが、その2人組には相馬と、ビクターのディレクター・飯田久彦が指名したのみ。

 それでも貫には清水由貴子よりも印象が強かったこともあり、相馬の借金も含めて“合体”することになる。そして社名を「T&Cミュージック」とした。

 残念ながら浅田美代子は吉田拓郎との結婚でT&Cを辞め、いよいよ“ミー”こと根本美鶴代と“ケイ”こと増田恵子のコンビに社運を賭けることとなる。総合プロデューサーの役割を作詞家の阿久悠が担い、さっそく手腕が発揮されたと貫は言う。

「最初は作曲・筒美京平のはずだったんだ。ところが阿久さんの鶴の一声で都倉俊一に変更になったね」

 阿久と都倉は「スタ誕」の審査員仲間という縁もあるが、山本リンダの「世界千夜一夜シリーズ」や、フィンガー5の「学園恋愛シリーズ」など、歌謡界の新しい試みには欠かせぬパートナーだった。都倉はパンチの効いた作・編曲だけでなく、カクテルの名であった「ピンク・レディー」命名の発案者でもある。

 ただし、レコード会社の反応は冷たかった。土居甫(どいはじめ)の振付けによる「太股パカパカダンス」が「ゲテモノ」と呼ばれ、デビュー曲「ペッパー警部」の初回プレスはわずかに4000枚。

「そもそも8月25日というデビュー日が、新人賞レースを争うには遅すぎるデビューだったよね」

 貫は苦笑したが、デビュー曲は暮れに向けて売上げを伸ばし、76年の日本レコード大賞新人賞の5組にも選出。最終的には60万枚の大ヒットとなった。

 やがてピンク・レディーは、そのファン層を大人から子供へ、男性から女性へとシフトしていく。デビュー当初こそ太股の露わな衣装のせいもあって「11PM」への出演も多かったが、翌77年からは深夜帯よりも明るい時間帯がメインとなった。

 貫の手元には今も、会社の業績を記したメモが残っている。デビューから半年が経った77年2月の決算では4600万円(別表参照)、それが1年後には10倍以上の6億4000万円となり、さらに1年後は18億9000万円もの数字に膨れ上がる。

 ピンク・レディーは、掛け値なしに「金のなる木」となっていった‥‥。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

革新的に進歩する「自毛植毛」! 薄毛対策の驚くべき技術とは

女性が気にする結婚相手のNG条件 10月に入りひしひしと感じる朝晩の涼風に、夏の終わりを名残惜しく思う人も多いのでは。「1人になると髪のことばかり考えてしまうんですよね」と吐息をつくのは、大手金融業のTさん(29歳)だ。「最近このまま30歳になったら、毛がもっと薄くなってしまうの
記事全文を読む

カテゴリー: 特集 | タグ: , , , , |

アサ芸チョイス:

  1. 26993
    PR
    彼氏いない歴4年。アラサー女子を救った「恋愛のタイミングを見極める方法」とは?

     これまでの恋愛において、“タイミング”が大事だと感じたことのある人はきっと多いことだろう。今回紹介するMさんは長年彼氏がいない状況に焦...

  2. 25802
    清原和博 側近が頭を抱えた“絶叫錯乱”現場(1)あの疑惑から球界では存在がタブー扱いに…

     今年3月の「薬物疑惑報道」以降、球界からすっかり遠ざかっている番長に、数々の「奇行」が浮上している。その極め付きと言うべき最新行状を、...

  3. 19816
    芸能界「永遠の共演0」な犬猿リストを極秘公開!(1)

     特攻隊の青年たちの葛藤と焦燥を描いた映画「永遠の0」がヒット中だが、テレビ業界では、日夜戦場のごとく過酷な現場が繰り広げられている。中...

人気記事

1
タモリが語った“福岡移住と故郷への恩返し”
2
大島優子 大胆手ブラ写真集でまさかのアレが見えた?
3
上原多香子 夫の自殺に親友が姿を見せない本当の理由
4
山田優の妊娠発表が遅れた本当の理由
5
芸能界「永遠の共演0」な犬猿リストを極秘公開!(1)