危険は頭から離れたことがない: ハミルトンのF1コラム
Lewis Hamilton column: Danger never far from our minds
ジュール・ビアンキのことはあまりよく知らないが、僕の知っている限り、彼は素晴らしい才能と能力を持ったナイスガイだ。
ジュールは本物のレーサーなので、僕らにレースを続けてほしがると思う。もし僕に何かが起きた時、僕はそう感じるからだ。
レーシング・ドライバーとして、僕らは自分たちが冒している危険について、幻想は抱いていない。ものすごいスピードで走っているし、これは真剣な仕事だ。
僕の仕事には危険がつきものであることは承知している。でも、怖がりながらマシンに乗り込むことはない。それではうまく行かないからだ。「ブレーキを遅らせたら、こうなるかもしれない」とか「ブレーキが壊れたらどうしよう」とか考えながらコーナーに向かうことはできない。
気持ちを強く持ち、前向きなことだけを信じなくてはならない。でもマシンに乗ると、何が起きても受けいれるしかない。
カートでレーシングをしていた9歳のとき、若いドライバーが事故死するのを見た。彼の友人だった僕の親友はレーシングをやめてしまった。でも僕にはそういう考えは浮かばなかった。
子供の僕にとって、とても辛い時期だった。今でも、レースの直前、レーシングスーツを着て彼と一緒にトラック横の土手に並んで、笑ったりジョークを言ったりしたのを思い出す。次に思い出すのは彼の葬儀に参列したことだ。誰かの葬儀に参列したのはそれが初めてだった。
ジュールの事故のあと、今はそのことを思い出さないようにするのはとても難しい。こういったことは、自分の見方を広げてくれる。悪いことは起きるものだが、世界は動き続ける。ある意味、それはとても悲しいことだ。
でも、F1ドライバーになりたいという考えを変えることにはならない。
僕はこのスポーツが大好きだ。一番うまくやれることであり、一番居心地がよいことであり、自分の能力に何の制限もなく、自分を一番よく感じられることだ。マシンに乗ると、自由になれる。レーシングの爽快感は、どんなものとも比べられない。
情熱以上のものだ。僕らの人生だ。
ハミルトンのF1コラム: ロシアGP
part 1: ジュール・ビアンキのために必死に祈っている
part 2: 危険は頭から離れたことがない
part 3: たゆまぬ安全性追求
-Source: bbc.co.uk
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