俺が欲しいクロスバイク2015

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 今年もやるよー。

 

選び方


 毎年ニューモデルの時期に欲しいクロスバイクを挙げるだけのエントリも4回目。ブログも変わったんで、毎回書いてることを少しだけ詳しく説明しておきます。

 

俺が欲しいだけです

 ここに紹介するクロスバイクは俺が今、自分で金を出して買うならこれ、という選別基準。「おすすめクロスバイク」と書かないのは、感覚が人それぞれ違うからです。 

 

見た目で選ぶべき

 何の感覚かと言いますと「格好良さ」に対するそれ。

 何を買ったら良いか分からないのならば、細かい仕様差分を気にするよりは予算内で見た目が気に入ったものを選んだほうが幸せになれます。

 同価格帯なら性能に大差はありません。安い買い物ではないですし、その自転車と長い間付き合う気でいるのならば、一番カッコイイと思えるものを選んでください。

 まずは色。そしてフレームの形状もちょっとの差でだいぶ印象が変わります。同じモデルでも最大サイズと最小サイズでは全然形状が違うので、可能ならば自分にあったサイズの実物を見るのがベストです。 

 

5万円以上が目安

 見た目で選べと書きましたが、ホームセンターで売っているクロスっぽい見た目の自転車はクソ重たいので止めましょう。2~3万円ぐらいのやつね。見た目以外ママチャリと大差ありません。

 ハズレを引かないとりあえずの目安は5万円。メジャーな自転車メーカーのエントリーグレードはこのぐらいからです。 

 

専門店の実店舗で買う

 いくら安くても最初の一台をネットで買うのはおすすめしません。適切なサイズはお店で実際に跨ってフィッティングしてもらうのが一番ですし、調子が悪くなったときに頼れる所として購入店は重要です。

 大抵の店はアフターケアとしてちょっとした点検ぐらいは無料や割安になったりしますし、買った店なら何かと相談に乗ってもらいやすい。トータルで考えたら絶対コストが低くなります。

 また、上に書いたとおり実物を見て選んだほうが良いということと、ハズレを掴まないようにするという目的もあります。スポーツバイク専門店ならそもそもハズレメーカーは置きませんから。

 ただ、店員の感じが悪い、腕が悪いみたいなハズレは責任持てないんで、その辺はネットで評判でも調べてください。

 いろいろ見比べるためにもまずはできるだけ大きい店に行くのがいいと思います。高そうな自転車がずらっと並んでる店って最初は敷居が高いかもしれませんが、基本的に大型店の店員さんは質問でもしない限り放っといてくれるので存分に冷やかしましょう。

 それでアタリをつけたらその店で買ってもいいし、欲しいメーカーの取り扱いがある個人店舗が近場にあればそちらでも。

 個人店舗のメリットは店長さんと顔見知りになってガッチリサポートを受けられること。逆にそういう距離感が苦手ならでかい店で買えばいいと思います。 

 

サスは要る?(new)

 クロスバイクはロードバイクとマウンテンバイク(MTB)の特徴をハイブリッドして日常シーンの中で乗りやすくしたものです。なので物によってロード寄り、MTB寄りの仕様があるのですが、差が一番顕著に出るのがフロントフォークだと思います。

 ロードベースのリジッド(固定)フォークとMTBベースのサスペンションフォーク。ラインナップとして存在するからには需要もあるのでしょうが、個人的にはクロスにサスは要らないと思います。

 振動が減って乗り心地は良くなると思いますが、タイヤは太いしフォークは重い、おまけに衝撃だけではなく推進力も吸収するのでスピードが乗りづらい。舗装路を長距離走りたいのならばデメリットが大きいですし、悪路を走りたいのならば素直にMTBを買ったほうが良いと思います。 

 

まとめると

「スポーツバイクが初めてなら、通える距離の自転車屋さんで見た目が気に入ったやつを買いましょう。値段は5万以上でサスペンションフォークじゃないやつね」

 と、なります。

 

2015年度モデル、俺が欲しいクロスバイク


TREK 7.4 FX 83,000円

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 挙げるの久しぶり、TREKのFXシリーズ。

 2015モデルの特色はなんといってもケーブルのフレーム内蔵化でしょう。ロードでだってエントリークラスには実装されない加工がクロスにされるなんて、それだけでもう欲しい。

 トップチューブとダウンチューブの横を走るケーブルと、それを引っ掛けるための出っ張りがちょっと隠れるだけなんですよ。でも、それだけで他のクロスバイクよりも大幅にスッキリした見栄えになります。

 参考までに非内蔵の7.2FX。 

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 ここね。ほんとこれだけなんですけれど。

 見た目だけでなく、むき出しのインナーケーブルに気を使わなくていいのも嬉しい。ケーブルの傷みや摩擦抵抗等を気にしないでフレームバッグその他のアクセサリが付けられますから、トップチューブを安心なマウント場所として確保したようなもんですね。俺は革とかで適当なホルダーを作ってU字ロックを吊るしたい。

 フレームに専用のマウント穴が付いているDuo Trap Sセンサーも気になります。これまた取り付け後のシルエットがスマートで、BlueToothでスマホのフィットネスアプリと連携可能。ステムには独自のマウントシステムがついていて、iPhone用のケースが発売予定だとか。

 Garminその他のサイコンで使われているANT+の規格にも対応しているから、スマホでは電池が不安なロングライドやトレーニングでの使用もOK。いいなあこれ。

 2013,2014と、俺的にはいまいちパッとしなかった(主に色が)TREKですが、今回はとにかく外見をシンプルにするために様々なひみつ機構が仕込まれていて、すごくイイ。すんげー欲しい。アクセサリの構成を考えるのがとにかく楽しそう。

 スペック的には油圧ディスクブレーキの7.4 FX Discの方が欲しいんですが、色が。グレーも落ち着いていい色だとは思うんだけど、ほぼ単色でベタ塗りされるとどうしても塩ビパイプを連想しちゃうのですよ。

 仕様には気合入ってんのに、カラーリングが相変わらずそっけない辺りに実用性・合理性重視の米国らしさ*1を感じます。俺の脳内アメリカ人が「お前のバイクは塗装で走るのか? そいつは最高だな!!」とか言い出しやがってくそうアメリカ人め。*2

 

cannondale QUICK 4 74,000円

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 同じく米国メーカーですが、こちらは超見た目チョイス。第一印象から決めてました、ってぐらいキャノンデールのブラック✕グリーンカラーが好き。「男は黒に染まれ」ってガイアが俺に囁くぜ。(でもBAD BOYにはいかない)

 つーかカラーリングは去年のと全く一緒ですね。でもshimanoパーツのラインナップ更新の恩恵でひっそりとリアが8→9速になって、値段も5000円下がってる。円安進んでるのにえらいぞキャノンデール。

 MTBのエントリーコンポーネント+太め32Cのタイヤで安定した乗り心地という構成は7.4 FXと同様。このあたりのラインナップが大型店にずらっと並ぶ売れ線ですね。

 FXに比べて各部品のグレードは少しだけ下がりますが、価格差を考えれば妥当なところなんじゃないかと。ちゃんと整備してあれば、乗り心地に関しては正直違いが分かる気がしません。

 ところでオフィシャルサイトの仕様ページは大丈夫なのかこれ。

すべてのクイックにはケーブル内蔵処理を採用し、すべての価格帯のバイクでも、しなやかなフォルムと高い付加価値が実現しています。

 って書いてあるけどどう見ても外側にケーブル走ってるぞ。一瞬喜んじゃったよ。

 クランクもACERAって書いてあるけど実際付いてるのは下位グレードのALTUSっぽいですね。俺はこっちの方がデザインが好きだから安パーツでもいいんだけど、仕事が適当すぎだろキャノンデールジャパン。

 俺はオフィシャルサイトの微妙に心が不安定になる日本語*3が好きなので、この位の間違いは許容範囲というか、「ですよね」ってなもんですが。はいはいキャノデキャノデ。

 繰り返しますが、こういう事もあるので実物を見てから買いましょうね。

 

GIANT ESCAPE R 3 52,000円

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 デファクトスタンダード様。もしくは「ひとり価格破壊」「チート」でもいいや。

 街中では石を投げればESCAPEにぶつかる勢いで見かけます。だって安くて性能十分なんだもん。コスパ最強。

 逆に言えば無難の塊というか面白味にかけるので去年までR3は検討対象に入っていなかったのですが、2015はフルモデルチェンジ。11.4kgだった車体重量を10.2kgまで落としてきました。ていうか落としすぎだよ何だよこれ。力石なの? 死ぬの?

 軽さは力。それが全てではないですが、スポーツバイクの軽快さは大いにその重量に拠っています。殊にハイエンドロードバイクの世界では「100グラム1万円」と言いまして、各パーツを軽量な高級品へ換装することで銀行の口座残高と共に車体重量を削っていくシステムになっています。

 エントリーのクロスバイクは元が重いから削りしろも大きくて、当然単純に比較できる訳ではないのですが、軽さにはそれ相応の価値があるという話です。

 それにしてもやり過ぎ。軽さを売りにしたESCAPE AIRが9.9kgなのに0.3kg差まで詰めちゃってどうすんだよ、って思ってたら2015のAIRは9.5kgになってたよ。

 

GIANT ESCAPE AIR 65,000円

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 何だよこのメーカー。アグレッシブ過ぎて怖えよ。

 

BRIDGESTONE CYLVA F8B 90,286円

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 ちょっと毛色を変えてベルトドライブ車。

 ベルトドライブのメリットはチェーンにオイルをささなくて良いことです。チェーンがないから。当然オイル汚れを服に付けてしまう危険もありません。

 また、ベルトドライブは駆動部形状の都合から変速は内装式。こちらも機構部がシールされていますから、一般的な外装変速にくらべてメンテの頻度は遥かに低い。

 要するに、クロスバイクとしては珍しくメンテナンスフリーなんですね。もちろん機械なので定期的にはお店に持ち込むなりで整備点検はした方が良いですが、そのスパンがずっと長い。ママチャリのような感覚で運用ができます。

 自転車はメンテも楽しいので、それが不要というのもちょっと寂しいのだけれど。

 乗り心地はどうなんでしょうね。俺高校生の頃ベルトドライブのママチャリで通学してたんですが、漕ぎ出しにチェーン特有のカツンとした手応え(というか足応え)がなくてマイルドにじわっと加速する感じでした。

 遥か昔の話ですし、今じゃベルトドライブ自体だいぶ進化してると思うので実際乗ったらまた感想も変わってくるとは思います。

 あと何気にこいつもリアブレーキのワイヤーがフレーム内装式ですね。フロントはディスクブレーキでブリヂストン独自のパワーモジュレーターが付いています。クロスのブレーキってキュッとよく止まって慣れるまでは怖いぐらいなのですが、これが付いてると一気に握ってもロックせずにじわっといい感じに止まる。らしいです。使ったことないので。

 じわっと加速してじわっと止まる。メンテフリー。やっぱりママチャリからの乗り換えにいいのかもしれない。

 もっとも俺が選んだ理由は第一に見た目ですけどね。

 ターコイズブルーの上に、無駄に太いイエローのブランド名。ダサいの一歩手前で踏みとどまって、というか軽く一歩二歩踏み越えて、頭に「逆に」が付く類のカッコ良さだと思うのですがいかがでしょうか。

 

charge BIKES GRATER2 92,000円

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 charge BIKES | GRATER | グレーター 2-ライトウェイ

 今回このエントリを書くために調べるまで俺もこのcharge BIKESというメーカーを知らなかったのですが、イギリスの比較的新しいメーカーです。

 アルミなのに細く引き締まったフレームがいいフォルム。機械式ですが前後輪共にディスクブレーキで、リアブレーキのワイヤーはダウンチューブ下を通ってんのかなこれは。ケーブル内装ではないですが、トップチューブ周りは7.4FXと同じ様な恩恵に与れますね。

 そして泥除け付き。クロスバイクにつけるとどうしてもシルエットが鈍重になるのですが、これはデザインが見事に溶けこんでいるので一瞬気づきませんでした。ストリート系っぽい見た目に反して意外と通勤通学向き。

 フロントシングルでマットブラックのGRATER1も良いんですが、チェーンリングの見た目で選外。こういうバイクのチェーンリングはギアが見えてて欲しいという単なる俺の趣味。

 フレームにペイントされているメーカー名やブランド名・モデル名も個人的には結構気にするポイントです。自転車って機材スポーツですから、宣伝にもなるようにメーカー名の主張がえらい強いんですよね。

 ダウンチューブにどばーんと大きく書いてあるのが一般的ですが、メーカーによってはどいつもこいつもガンダムガンダムうるせえよ、ってな勢いで幾つも名前が書いてあったりして、そういうのは余り好みではありません。

 そういう視点でこのバイクを見てみるとアラ控えめだこと。メーカー名はトップチューブからヘッドチューブにかけて、敢えて角度をずらしたペイント。モデル名なんかチェーンリングの裏に半分隠れてます。

 それでいてシートチューブ付近に小さく「GB」と英国アピールをする茶目っ気もあり。なんとなくステンシルを思わせるフォントといい、ほんのり香るパンクロック。控えめと言うよりはひねくれてると言ったほうが正しいね。

 でも泥除けなんかにさり気なく気を使ってるあたり、受ける印象は「パンクキッズ(実家住まい)」って感じでしょうか。

 このエントリも7500文字を超えて、いよいよ自分でも何書いてんだか分かんなくなって来ました。

 

SCHWINN SLICKER 65,000円

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 SCHWINN シュウィン [SLICKER] スリッカー

  • クロモリフレーム → かっこいい
  • ブルホーンハンドル → かっこいい
  • ダウンチューブシフター → かっこいい
  • キャリパーブレーキ → かっこいい
  • フロントシングル → かっこいい

 要素。俺の好きな要素のカタマリ。多少の不便なんてカッコ良さの前には紙クズじゃぜ。欲を言えばブレーキはバー先端に付けるタイプが好きなんだけど、それは自分で交換すればいいだけの事。

 クロモリでダウンチューブシフトの自転車なんて落ち着いたクラシカルスタイルになりがち(それも大好き)なのに、こいつは随分と元気が良さげ。

 ブルホーンとキャリパーブレーキ、スローピングのトップチューブでスポーツ寄りの印象になっているのでしょう。あとはサドルの色と形もか。クロモリフレームとブルホーンの組み合わせはちょっとピストっぽい。

 不要なものを削ぎ落すことで生まれるカッコ良さ。シンプルさに加えて、わざわざダウンチューブシフトなんていう不便なものを好むようになると、いかにも趣味らしさが出てきますね。あえてライターじゃなくてマッチを使うような。

 例えてみて気づいたけどただの中二病的な何かだった。でも趣味なんて自己満足の為にするんだから別にそれで良いんです。

 

おしまい


 お分かりかと思いますが、俺個人は見た目だけではなく、仕様・値段なんかも加味しています。まあこういう選別基準もあるのだな、位に考えてください。見た目:仕様が7:3ぐらいで。

 一緒に買うと良いアクセサリについては去年のエントリ後半(下記)に書いてあるんでそちらを参考にしてみてください。カタログスペックではなく実際自分で使ってみて良かったものを挙げていますのでそれなりに役に立つと思います。

 近いうちにこちらのブログに改めてまとめる予定です。

 

去年の


 

*1:勝手なイメージ

*2:いいがかり

*3:「大切なチャリティーレースを完走することでも、あるいは太陽を感じながらの朝の通勤であっても、 フィットネスの目的として野外での体験を重視している人々。」何言ってんのこの人

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