日別アーカイブ: 2014年10月10日

統一協会は、何故危険なのか? 第三部

ここからは、何故お前がこのようなことを知っているのかはさておいて、警察庁は全国都道府県警察を監督・指導・連絡調整し、その下部組織として北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州の各管区警察局に分かれ、それぞれの地域に警視庁そして道府県警察本部があります。警視庁は東京都の警察本部ということになります。

そして警察庁・管区警察局・各都道府県警察本部により、それぞれ階級等に応じ教育し、また部署ごとに犯罪に関する研究もします。そうした場合の教本、さらには警察官の担当部署ごとに向けての教本・研究本がありますが、それらの本等はいわば警察官向け専用出版社「立花書房」によりほとんど全てが発行されています。一般人でも買える書籍もあれば、警察官にしか買えない本もあります。

警察庁警備局・警視庁公安部・道府県警察本部警備部の警察官向け「治安フォーラム」(立花書房発行)という月刊誌があります。この本は上記組織での研究・報告・調査等により、警察庁警備局もしくは警視庁公安部の警察官がペンネームを使い書いている、いわば公安警察官向けの雑誌です。

「治安フォーラム」が「反社会的活動を続ける統一協会の実像」と題して取り上げた中から統一協会について説明します。「治安フォーラム」では何回か統一協会そして国際勝共連合について取り上げていますが、今回紹介の記事は10年近く前に発表されたものです。この年に逮捕し、犯人への家宅捜査並びに統一協会本部への捜索差し押さえによる資料を基に、今後の統一協会に対する監視・捜査体制までもが書かれています。

この記事の事件まで警察当局は統一教会について、詐欺事件などを担当する刑事部や悪質商法を担当する生活安全部が単発的に捜査してきましたが、この事件をきっかけに

「公共の安全と秩序の維持」警察法第2条という観点から公安部門(警視庁公安部と道府県警警備部)が本格的に監視対象にしたことを明確にしました。

この記事には

・警視庁公安部が統一教会の捜査に乗り出したことは、非常に興味深い。

・今後、警察の公安部門が統一教会に、睨みを利かせることになれば、統一教会の違法行為に対し大きな抑止力となることは間違いない。と書かれています。この事件以前も以後も含めての情報とあわせ統一協会の実態について述べていきます。

「治安フォーラム」で取り上げた事件というのは、警視庁公安部がボランティア団体を名乗った統一教会のダミー組織「SHINZEN」を家宅捜索し、統一協会会員の男を住居侵入容疑で逮捕した事件でした。

その後2009年6月11日の印鑑販売をめぐる特定商取引法違反事件では渋谷教会に対する家宅捜索にも警視庁公安部が乗り出しています。またそれを遡る5月27日福岡県の事件においても福岡県警警備部公安一課が立件しています。

 統一協会ではこれらの検挙事案に対し、その後2009年7月13日に徳野英治が「道義的責任」を理由に会長職を辞職し、「統一教会は、一切信徒の経済・販売活動に指示していない」ことを表明しています。そして現在は梶栗玄太郎が会長職を務めていますが、「治安フォーラム」では、

・    実は、全国祝福家庭総連合会総会長(会としての実態はなく日本統一教会総責任者に与えられるポスト)任導淳氏が日本統一教会のNo1であり、教祖の右腕とも噂されている。

・    各地区の会長には、韓国人会長が配置されているのが現状であり、韓国人信者が絶対的な影響力を及ぼしている組織なのである。と明らかにしています。

続いて、警視庁公安部が「統一教会とSHINZENは緊密な関係にある」と公表したことについては、統一教会は日本の国益を損ねているという認識で、

・    統一教会に関する事件で警察当局、それも公安部門が両者の関係を「緊密な関係」と言及したことは初めてであり、画期的なことである。今後、更なる捜査へのステップも期待できる。

・    多額の献金等が霊感商法をはじめとする手段で集められ、外国へ送金されていることが立証されることになれば、日本の国益を損ねる大事件であることは、言うまでもない。

・    これまで単発的な事件でしか扱われてこなかった統一教会関連企業による違法行為が一掃されるためには、何としても悪の根を絶つことが求められている。警察当局は、これらの捜査に多くの国民が期待していることを認識している。

統一協会の日本での献金については、

・    その資金の大半は韓国の文鮮明氏のところに送られている。

・    献金をまかなうために「組織的な詐欺的商法」が行われている。

・    日本からの献金に対し文鮮明は「日本からの災いは」戦争中日本人が韓国で行った犯罪の霊が日本に漂ってきて起こしているものであり、それを慰めるためには献金しかなく、たかが50年から60年献金しただけではおさまらない。

・    日本の復興は朝鮮戦争の特需によるものである。日本から莫大な献金を持ち出すことも、日本人会員が苦吟することも良心の呵責を感じない、と語った。

・    このような教祖のもとに生まれたカルト団体に、いつまでも日本国民が騙されているわけにはいかないのである。

「治安フォーラム」には記載されていないが、統一協会による日本国内での献金(霊感商法による売り上げ、右翼活動による資金集めも含む)は、多いときには年間300億円を超え、ここ10年位でも1000億円になることが警察庁警備局により把握されています。

合同結婚式に対する説明では

・    韓国人男性と結婚させられ、韓国人の妻として韓国内で生活している日本人女性信者が約6000人いるとみられている。

・    その相当数が、夫の虐待や無理解、信仰と現実のギャップに苦しみつつ、お金がないため、日本に帰ることができないでいると言われている。

・    日本人妻だけでなく、統一教会では日本人女性宣教師数千人を世界100か国以上に派遣している。

・    日本人女性は、献身者として世界各国で組織拡大に利用されているのである。
そして警告として、

文鮮明は韓国に「平和統一家庭党」という政党を作って、国会議員を送り込もうとしている。すでに文鮮明氏から日本でも国政選挙に候補者を出すようにと指示が出ているとの話もある。

さらに「編集後記」として、

親切そうな表情を浮かべ、さも人助けのように近付きながら、言葉巧みに人の弱みにつけ込み多額の献金等をさせる。「先祖が地獄で苦しんでいる」などと約4年間で2億円以上の献金をさせた統一教会。そこまで仕向ける卑劣極まりないやり口は絶対に許せません。安らぎを得たい、苦しみから解放されたい、との素直な思いを商売のタネにする宗教団体には、当局として厳しい取組みを続けていく。

以上が警察の統一協会に対する見解といえますが、公安調査庁に対しても言及しています。

別号の「治安フォーラム」の記事では平成10年9月22日の参議院法務委員会での豊嶋秀直公安調査庁長官の答弁を紹介しています。

「公安調査庁といたしましては、統一教会が種々社会的な問題を引き起こしている団体であるということは十分承知しておりまして、統一教会側によると公称の会員は47万を超えているというふうに発表されておりますが、実質的には5万人ぐらいではないかという見方もあるようです。そういうことで、大いなる関心を持って統一教会という団体の動向については広く情報を集めております」

統一教会に対しては、オウム真理教事件以降、公安調査庁も「特異集団」と名付けて監視対象としてきました。

公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」には「不透明な朝鮮半島情勢を背景に、『国内外の韓民族の和合と統一を図り、南北の平和統一に貢献する』として、我が国において、在日韓国・朝鮮人の糾合を目的とする新組織を設立し、これら在日関係者を取り込むことで勢力拡大を図る動きをみせた集団もあった」(平成17年版)、「『朝鮮半島の統一』を標榜して、我が国で在日韓国・朝鮮人を糾合する新組織への結集を目指し、これら在日関係者を韓国の大会に参加させるなどして、在日組織との間で軋れきを生じさせるといった動きを示す集団もあった」(平成18年版)という記述があります。

この「集団」は統一教会のことを指し「新組織」とはその傘下の「平和統一連合」のことです。

統一協会についてはアメリカCIAによる報告も非公開ですがあります。

文鮮明の後継者候補であった長男文孝進結婚した洪蘭淑は『わが父文鮮明の正体』という暴露手記を発刊。1997年離婚しましたが、実兄も文鮮明の指名で、文鮮明の長女文誉進と結婚していましたが離婚し、一家全員で統一協会を離れています。そして統一協会と文鮮明一族の内情の一部始終をCIAに話しその後の安全を確保しています。