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男性が驚いている画像

1.勃発

「このサイトの内容って、うち(LRM株式会社)のセミナーページに書いているものと同じじゃないか?」

ある日の昼下がり、パソコンを眺めていた男性社員がふとつぶやいた。
周りの社員は、その男性社員、ここでは仮にY氏としよう、Y氏が何を言っているのか、最初は分からなかった。
しかし、その直後、Y氏が社内チャットに書き込んだ「あるURL」を閲覧した他社員は、一様に黙り込んだ。

「やられましたね。」

口火を切ったのは、社内のシステムを担当しているH氏だ。

「このページ、完全にうちのサイトをパクっているじゃないですか。」

そう、我々は、自社のオリジナルサイトに掲載していた内容を、とある企業にコピーされたのだ。

2.詳細

Y氏が閲覧していたのは、弊社と同じ業界に属する、とあるコンサルティング会社のサイトだ。
お客様と商談を行っていると、その名前が話題に上がることも多く、業界においてはそれなりの地位にある会社だと言えるが、ここでは仮にI社と呼ぼう。

往々にして、弊社の業界に属するコンサルティング会社は、様々なセミナーを開催して、見込み客様とのタッチポイントを作ろうとするのがセオリーであり、弊社も、そしてI社も、自社セミナー申込みを受け付けるためのページを、自社サイト内に設けていた。
そして、弊社のセミナーページに記載している内容とほとんど変わらぬ文言が、I社のページ上にも見受けられた。

Web魚拓:弊社セミナーページ
Web魚拓:I社セミナーページ

3.さらに詳細

「いや、待て。ひょっとしたら、ただ偶然に似通ってしまっただけかもしれない。コンサルティングという無形のサービスを取り扱う場合、そのセールストークが似通うというケースは考えられるんじゃないか。」

模倣サイトの発見に憤る社内だったが、とある社員、ここではF氏と呼ぶが、F氏が冷静にコメントした。

皆が、一気にクールダウンした。
前々から空気を読めないことで社内評価が一致していたF氏だが、それでもその指摘は一理ある。

そうとも、我々はコンサルティング会社だ。
様々な事実(ファクト)を元に、お客様にとって、最適な提案を行うことを生業としている。
そんな我々が、ただの偶然の一致に踊らされたとあってはいい笑いものだ。
そう、ここは冷静に事態を見極めて…

H氏「ありました。」

一同「何が」

H氏「うちの会社を模倣された痕跡がありました。」

一同「どんな」

H氏「この模倣サイト、中に埋め込まれているGoogle Analyticsのタグが、うちで使っているタグと同一です。
あと、問合せのイメージに使われている電話の画像にaltタグが設定されていますが、そこにうちのフリーダイヤルが記載されています」

皆が、一気にヒートアップした。

4.弊社が行った3つの対応

うちのサイトを模倣された確信は持てたが、これから一体どうしたものか。

信頼できる様々な専門家に、オフレコを前提に、本件の対応を相談した。
弁護士、Webコンサルタント、IT会社社員など…
その結果、次のような対応を行うことに決定した。

(1) DMCA申し立てを行う。
(2) 本件の概要をブログ記事に仕上げ、注意喚起を行う。
(3) I社に対し、当該ページ削除または修正を依頼する。

まず、上記の(2)本記事の公開と時を同じくして、(3)I社に対し、上記の依頼が届いているはずである。
そちらに関しては、I社による、良識のある対応を期待したいと思う。

また、上記(3)における、弊社からの依頼がI社に無視された場合を想定して、上記(1)も既に実施している。
最後に、上記(1)の内容について触れ、本記事を締めくくろうと思う。

5.DMCA申し立てとは

DMCAとは「Digital Millennium Copyright Act」の略称であり、そこへの申し立てとはつまり、
デジタルミレニアム著作権法(アメリカ合衆国著作権法の改正法)に基き、著作権を侵害するコンテンツの削除を申し立てる行為である。
弊社としても初めての経験であり、下記の記事を参考にさせて頂いた。

SEO is Dead!

「Googleに削除依頼を出しコピーされたコンテンツをインデックス削除する方法」

WEBコンサルタントの日々雑記帳

「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)申し立てをした顛末」

DMCAの詳細については、上記の各記事において、既に先達の方々による情報価値の高い教示がなされているため、本記事ではむしろその実行手順について述べる。

6.実際にDMCA申し立てを行う流れ

まず、DMCAの申し立てを行うオンラインフォームにアクセスしてみよう。
すると、次のような画面が表示される。

DMCA申し立ての画面

虚偽なく、必要な項目を入力していくと、著作権侵害の詳細を記入する欄が存在する。
対象となる自身または自社のURL、そのURLにおいて著作権の侵害を受けていると思しき箇所の説明、そして最後に削除を希望するコンテンツのURLである。
特に詳細欄においては、弊社では次のように入力した。

下記のURLで閲覧できる、「ISO規格改訂の概要 改訂のスケジュールからISMSファミリー規格の」で始まるテキストを含め、デザインの意匠などが当該サイトに無断で引用されている。
また、当該サイトのソースに使用されているGoogleAnalyticsタグや、altに用いられている電話番号が当方の所有する電話番号であり、その模倣性は明らかである。

そうして必要な項目を埋め、最後に宣誓供述を経て送信を行う。

DMCA宣誓供述

最終的に、次のような画面が表示されれば、それで対応は完了である。
申し立ての結果は、ウェブマスターツールから参照することができる。

DMCA完了

終わりに

本件は進行中であり、事態への対応は未だ続いているが、今回の対応で得られたものといえば、DMCA申し立てという経験を実際に行えたことくらいである。
それ以外は徒労のようにしか感じられないし、あまり有意義な時間を過ごせたとも思えない。
しかし、弊社が所属する業界の風通しを良くし、お客様の信用・理解を勝ち取っていきたいという観点から、本記事の公開に踏み切った次第である。

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