米利上げ時期で再び混乱も、当局者が相次ぎタイミングに言及
10月9日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)当局者がまたあの話をし始めた。利上げの見通しは経済データの動向次第であり、カレンダーで決まることはないと主張しながらも、2006年以来初の利上げが実施される確率の高そうなタイミングに関してさまざまな意見を言い出したのだ。
フィッシャーFRB副議長は9日、連邦公開市場委員会(FOMC)が低金利を維持する期間を表現する際に用いる「相当な期間」という文言について、自身にとっては2カ月から1年の間を意味するだろうと発言。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は今週、15年の年央の利上げを予想するのは「妥当」との認識を示した。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は9日のラスベガスでの講演で、15年半ばの利上げは「妥当な推測だと私は思う」と語った。ただ同総裁は「利上げ決定はデータ次第であって日付に左右されることはない」と念押しした。
9月17日のFOMC終了後に発表された当局者の予測によると、大方の参加者は来年中の利上げを見込んでいる。ブルームバーグが集計したフェデラルファンド(FF)金利先物データによれば、トレーダーは15年9月までの利上げ確率を56%と予想している。
フィッシャー副議長は9日にワシントンでのイベントで、他の当局者と同様に政策見通しはデータ次第だとのFRBの方針を強調しながらも、「市場は年央前後と正しく理解しているようだ」と語った。
一方、来年の1-3月(第1四半期)末の利上げを予測するセントルイス連銀のブラード総裁は9日に記者団に対し、金利見通しで「市場は誤りを犯していると思う」と述べた。
ドイツ銀行の米国担当チーフエコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏は一連の発言について、当局者が混乱を引き起こす恐れがあると指摘。「FRBの意向を説明するのは自らの義務と感じる当局者がこれほど多いと、統一されたメッセージを送ることは難しい。当局は一般論には一般論で答えてほしい。具体的な数字で示そうとすれば問題が生じる」と述べた。
イエレンFRB議長は3月に「相当な期間」は6カ月を意味する可能性があることを示唆して米国債利回りが急上昇した経緯があることから、最近は利上げの時期に関する発言を避けている。
原題:There They Go Again: Fed Officials Give Timetables forRate Rise(抜粋)
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更新日時: 2014/10/10 09:58 JST