お客様の声がきっかけでカート遷移率を166%改善したネットショップ事例
一般的にホームページ運営において、『運営者はユーザー視点に立って物事を考える事が重要』と言われています。
なぜ重要かというと、どうしても運営者目線(利益にばかり目をとられてしまう)になりすぎると、それが結果としてユーザーに受け入れられない商品や設計になってしまうことが往々にしてあるからです。
そのため、客観的に俯瞰すためのユーザー視点を取り入れることが重要です。
一方で、運営者自身は、ユーザー視点だと思っていても、そもそもユーザー視点がズレてしまうこともあります。
ユーザーのことを考えて行った事が、ユーザーに受け入れられないとなっては本末転倒と言えます。
今回は、そういったユーザー視点のズレを解消したことで、カートへの遷移率を166%改善したネットショップの事例をご紹介します。
【事例対象】
事例ホームページ:デザインスマホケースストア「phocase」
どんなホームページか:ネット通販によるデザインスマホケース販売。
参考リンク:デザインスマホケース|phocase(フォケース)
参考リンク:phocaseのFacebookページ
【施策後】
カート遷移率改善前:8.23%
カート遷移率改善後:12.35%
カート遷移率を166%改善!
【ポイント】
定量と定性データからユーザー視点を理解する
ユーザー視点の徹底
前述でもご説明したようにphocaseでは『ユーザー視点』の徹底を行っています。
具体的には、日々の改善においてもアクセス解析を活用し、細かくチェックを行うことはもちろん、『お客様の声』というご意見フォームを設置し、購入されたユーザーからのご意見を募集しています。
特に、社内の打ち合わせにおいても、話の軸には必ず『ユーザーのためか?』を常にメンバー同士で確認し合うほどです。
基本的な改善方法は、アクセス解析を使った定量的なデータを元に改善していきますが、全てをアクセス解析で把握することには限界があります。
例えば、ユーザーが感じている気持ち「嬉しい、不安、不満等」は、定量的には求められないため、『お客様の声』から上がってきたご意見(たとえ、それが1件でも)を元に話し合い、日々改善を繰り返しています。
カート遷移率を166%改善!
そのような改善を繰り替えす中で、ユーザー視点を意識しすぎた結果、ユーザーを不安にさせてしまっていたことがありました。
もちろん、その事象が分かり次第修正し、翌週には前月比較でカート遷移率166%改善という形として改善結果が現れましたが、この事象以降から、さらにユーザー視点のズレを減らすべく定量と定性の両軸でユーザー視点を意識するようになりました。
それでは、当時行った改善策について下記でご説明します。
良かれと思ったことがユーザーを不安にさせていた
ネットショップ運営で、ありがちなトラブルとして、商品の色違いやサイズ違いによる誤発注です。そのため、ネットショップ運営者は、ユーザーが間違えないよう配置やデザインを工夫しています。
phocaseでも同様に、誤発注を防ぐ目的でカートボタン(お買い物かごに入れる)をクリックしたと同時に購入商品に間違いがないかを確認してもらうための表示が現れるようにしていました。
さらに次の確認ページでも同様の表示があり「これで注文しますがよろしいですか?」といった2重チェックを行っていました。
しかし、これがユーザーとしては「突然、何度も表示が出てきて不安になる」といった心情になっていたようで、『お客様の声』においても意見をいただいたことがきっかけで表示されないよう改善しました。
商品ページの情報量を減らした
また、同じタイミングで改善したポイントは、商品ページの情報整理を行いました。
当時の商品ページには商品情報や、ケースに関する注意点、キャンペーン情報など、様々な情報が掲載されていました。
特に、ケースに関する注意点や配送に関する情報は、ユーザーに必ず見てほしいこともあり、事細かに掲載していました。
しかし、これほど情報で溢れかえってしまっていては、商品以外も意識してしまい、肝心の商品に集中してもらえない可能性があったため、思い切って整理することに。
改善後のカート遷移率
2つの改善を行った結果、アクセスの多い金曜日~日曜日で前月比較(PCサイト)をすると最大で以下のような変化がありました。
改善前:8.23%
改善後:12.35%
カートへの遷移率が約4%アップとなりました。
このような結果を見て分かることは、ユーザーに表示する情報の多さや頻度が、ユーザーの気持ちやカートまでの遷移に影響することが考えられるということです。
そのため、必要な情報を伝えることは当然ですが、情報過多になりすぎないようにしましょう。
まとめ
今回の事例のように、ホームページ運営で重要なユーザー視点を意識していても、ユーザーにしてみれば『ちょっとこれ違う…。』といった事も起こりえます。
こういったユーザー視点を意識する際に必要な事は、アクセス解析によるチェックやアンケート、お問い合わせを行うといった生の声です。そのうえで、ユーザーにとって必要な情報なのかといったことを考えましょう。
この定量と定性データを持ち合わせることが改善の精度を高めるうえで重要といえます。