川内原発:初の地元説明…再稼働へ同意手続き開始

毎日新聞 2014年10月09日 21時59分(最終更新 10月09日 23時19分)

説明の後、質問するため手を挙げる住民=鹿児島県薩摩川内市の川内文化ホールで2014年10月9日午後8時19分、和田大典撮影
説明の後、質問するため手を挙げる住民=鹿児島県薩摩川内市の川内文化ホールで2014年10月9日午後8時19分、和田大典撮影

 全国の原発の中で初めて国の新規制基準に適合した九州電力川内(せんだい)原発が立地する鹿児島県薩摩川内市で9日、地元住民説明会が初めて開かれ、原子力規制庁の担当者が適合理由などを説明した。説明会は15日まで周辺5市町で順次開催される。伊藤祐一郎知事は年内に再稼働の可否を判断する見込みで、再稼働に必要な地元同意手続きが本格的に始まった。

 説明会は県と市の共催で、会場の川内文化ホール(座席数約1200)はほぼ満員となった。市内48地区のコミュニティーセンターでもテレビ中継された。

 原子力規制庁の市村知也・安全規制管理官は、九電による川内原発の地震、津波、火山、重大事故などへの安全対策が、福島第1原発事故後に作られた新規制基準を満たしていると結論づけた審査結果について説明。「事故は発生しうると考え、あらかじめ対策を考えようと発想を転換した。厳しい状態になってもできることを最大限行うための体制を(九電に)求めた」と述べた。

 会場からは「使用済み核燃料は再稼働すればどんどんたまる。これをどうするか不安だ」などと安全性に関する質問が相次いだ。

 今後、説明会は原発の防災対策の重点区域になっている30キロ圏の日置市、いちき串木野市、阿久根市、さつま町でも開かれる。だが、伊藤知事は再稼働に同意が必要な「地元」を県と薩摩川内市に限定しており、同市以外の説明会が知事の判断にどう反映されるのか明確にされていない。【宝満志郎、津島史人】

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