御嶽山噴火:最多546人 現場で捜索再開 台風と雪迫る
毎日新聞 2014年10月10日 12時07分(最終更新 10月10日 12時42分)
55人が死亡し、少なくとも8人が行方不明となっている御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火で、警察と消防、自衛隊は10日午前6時、現場に投入する人員を約100人増強し、2日ぶりに捜索を再開した。大型で非常に強い台風19号の接近で12日以降は悪天候が見込まれ、間もなく降雪も始まる。捜索隊関係者は「残された時間は少ないと感じている。一日一日を大切にしたい」と話した。
長野県災害対策本部によると、同県側の王滝登山口から地上部隊181人、大型輸送ヘリコプターで山頂付近に365人を派遣し、これまでより約100人多い546人が現場で捜索にあたる。後方支援を含めれば計1117人態勢。
御嶽山周辺は朝から晴れ、雨が降る可能性も極めて低いとして、災害対策本部は現場の状況を事前に確認する先遣隊の出動を省き、本隊に出発を指示した。長野地方気象台によると、山頂付近の日中(午前9時〜午後6時)の気温は5〜6度、風速は4〜7メートルと予想している。
一方、気象庁によると、台風19号は10日午前9時現在、沖縄の南の海上を時速約10キロで北上し、11日以降、沖縄や奄美地方に接近する見通し。中心気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル。半径190キロ以内は風速25メートル以上の暴風域になっている。
10日朝に山頂付近の捜索状況を視察した防衛省の岩田清文陸上幕僚長は「台風が接近し、降雪の時期も近づいている。これからは自然気象との闘いだ。全力を出して不明者を捜したい」と話した。
長野県木曽町の家族待機所には10日早朝、2人が訪れて捜索結果を待った。町によると、付き添いの警察官が捜索状況を家族に伝えている。噴火から2週間近くがたち、家族には疲労の様子が見えるという。
御嶽山では火山活動が継続しており、気象庁によると、火山性地震は10日午前0〜8時に計4回観測され、噴煙の高さは約300メートル。引き続き警戒を呼び掛けている。【大平明日香、飯田和樹、山田麻未、横井信洋、河内敏康】