噴火した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の行方不明者捜索で、長野県警、消防、自衛隊は10日、山頂付近にこれまでで最も多い500人規模の捜索隊員を投入する。気象庁によると、御嶽山周辺は10日の日中は晴れの予報。捜索隊員の大部分を早朝から陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプター3機で運び、県災害対策本部が山中に取り残されているとみている8人の発見に全力を挙げる。
今週末には大型で勢力の強い台風19号が日本に接近すると予想されており、同本部は10日、人員を増やして捜索のスピードアップを図る方針だ。9日は計約450人で山頂付近を捜す予定だったが、午後から雨が降るとの予報を踏まえて中止した。
9日午後には、長野県警の派遣要請に応じた警視庁約100人、岐阜県警46人の機動隊員らが山麓の木曽郡王滝村などに入った。10日から捜索に加わる。長野県警を含め、捜索に当たる警察官は計約200人となる。
警視庁側は9日夜、王滝村役場で自衛隊や消防と打ち合わせをし、村内の旅館で隊員に火山灰でぬかるんだ山頂付近の状況などを伝達した。派遣された約100人には、災害救助専門の特殊救助隊10人、山岳救助隊2人も含まれている。
警視庁警備部危機管理対策官の石川誠警視(50)は、取材に「隊員にとって3千メートル級の山は未知だが、体力と技術はある。一刻も早く行方不明者を発見し、家族の元に帰したい」と意気込みを語った。