御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火で、長野県警、消防、自衛隊は10日、これまでで最多の約550人を山頂付近に送って2日ぶりに捜索を再開した。大型で勢力の強い台風19号の影響で13日未明には雨が降ると予想されており、山中に取り残されている可能性が高いとみられる8人の発見に全力を挙げる。
県災害対策本部は10日午前、県庁で記者会見し、捜索予定範囲は山頂付近の約26ヘクタールで、8日までにこのうち約7割の捜索を終えたと説明した。10日からの捜索エリアは火口側に当たる八丁ダルミの西側斜面や、二ノ池の一部などで、県の青柳郁生危機管理監は「崖など急峻(きゅうしゅん)な場所もある。捜索完了の時期はまだ見通せないが、現場は台風が来る前に残りの部分の捜索を終わらせたいとの思いで活動している」と述べた。
捜索隊は台風18号通過後の7日から、一定のエリアごとにくまなく調べる「面的な捜索」を展開。これまでに主に一ノ池、二ノ池付近や、八丁ダルミの周辺などで行方不明者を捜した。
9日は雨の予報で捜索ができなかった。気象庁によると、10日は雨が降る可能性は低い。
県災害対策本部によると、10日は午前6時に木曽郡王滝村の田の原登山口から約180人が徒歩で入山を始めた。この日も陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプター3機を投入し、6時半ごろから松本市の県営松本空港と陸自松本駐屯地を離陸。ヘリで山頂付近に入った隊員は同58分に捜索を始めた。
また、9日に山麓入りした警視庁と岐阜県警の機動隊員ら約150人のうち、計約110人が10日から山頂付近での捜索に加わった。